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■女子中学生・冬のOOOグラス(6)

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「ピアノは専門業者さんに任せますか?」
と荷物の搬入を手伝ったコリンが訊く。
 
「移動させると運賃が高いし再調律も大変だから1台買っゃおうか」
「はあ」
 
「それに千里の腕が今まで使ってたピアノのレベルを超えちゃったのよ」
「ああ」
「今まで使ってたのはヤマハのCクラス(*15)だったけど今度はSクラス買ってあげよう。ピアノルームも広くしたし」
「へー(←ピアノのクラス名を聴いても分からない)」
 
(*15) 2003年6月にあの家を建てたので、Yamaha C3AE(販売期間:2002.3〜2003.3 170万円)を買っていた。貴子は函館にも古いC型ピアノを置きっぱなし!そちらは現在3番エイリアスが家ごと使っている。
 

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貴子は姫路市内で楽器店に務めている古い知り合いの桜八千代(さくら・やちよ)に電話する。
 
「ひさしぶりー。私帰蝶だけど。うんうん。それでさ私、今度姫路市内に引越してきたのよ。ヤマハのSクラスのピアノが欲しいんだけど1個売ってくれない?ああ、現金で払うよ。住所は・・・・」
 
それで八千代は飛んできて、納入場所などを確認した、
 
「エレベータがあるからそれで搬入できるね」
「良かった」
「グランドピアノって分解すれば意外とコンパクトなんだよねー」
「うんうん。それは知ってた」
 
「娘さんの教育か何か」
「そうだなあ。娘みたいなもんかなあ」
「へー。誰の子供?雉鳥君?長雷君?」
「どちらとも子供作ってないよー」
などから始まって積もる話で4時間ほど費やす。
 
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「それでいつから使うの?」
「娘は3月にここに引っ越してくる」
「だったら2月に新型出るんだけどそれからでもいい?」
「ああ、じゃそれでお願い。代金はすぐ払うね」
と言ってその場で彼女の指定口座に振り込んだ。八千代も入金を確認した。
 
ということで、商談は5分で終わった。
 
「多分納入は2月10日くらいになると思う」
「OKOK」
「土日がいい?」
「平日でも昼間でもいいよー」
「だったら少し早まるかも。期日が決まったら連絡する」
「よろしくー」
 
それで貴子はYamaha S6B (販売期間:2006.2〜2009.4 440万円) をお買い上げになった。ちなみに貴子が惜しんだ運賃は多分10万円くらいで調律代は3万円くらいである。でも海外まで運ぼうとすると買ったほうが安いこともある。
 
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12月に入ってから鞠古君は旭川B高校から勧誘され、推薦入学で入ることになった。この結果、鞠古君と留実子の双方が旭川に行くことになる。
 

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仮名Mは、大学受験の書類を書いてもらうために実家に戻って来ていた姉から声を掛けられた。
 
「マナ、この箱あげる」
「何?」
「私が以前穿いてたスカートとか」
「・・・・・」
「あんた小さい頃はよくスカート穿いてたし、学校は制服で行くだろうけど、普段着も少し持ってた方がいいよ」
「あ、うん」
 
「ちょっと1枚穿いてみて」
 
それで彼は姉から渡された箱のいちばん上にあるデニムのスカートを穿いてみた。
 
スカート穿くのなんて7-8年ぶりのような気がする。
 
姉がウェストに指を入れて確認している。
 
「あんたやはり細いね。このスカート63cmなのにかなりゆとりがあるよ」
「そうかな」
「じゃまた今度古い服整理する時にあんたでも着れそうな服分けておくね」
「うん、ありがとう」
 
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それで彼は姉からたくさんスカートとかワンピースとかチュニックとかもらってしまったのである。
 

千里GとVは、黄色の千里が持っている携帯電話 DoCoMo F210i (digital mova) が2001年モデルでかなり陳腐化していることからA大神とも話し合い、新しい携帯に交換させるこにとした。
 
まずコリンから千里Yの携帯に電話してY(Y1)を起こした。
 
「千里さあ、今度高校進学だし、今使ってる携帯はかなり年季が入ってるから新しいのに機種変しようよ」
「ああ、それでもいいかな。ところで私高校受験どうすればいいんだっけ」
「ああ、あまり深く考えなくていいよ」
「うん」
 
それで千里Y・コリン・小春の3人でDoCoMoのショップに行った。
 
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「千里、これがいいよ。これにしよっ」
と小春が言う。
 
「何このド派手な真っ黄色の携帯?」
と千里は少し気が引けてるようである。
 

 
「いいじゃん。黄色は狐の毛色だよ」
「そだねー。小春っぽくていいかな」
 
ということで、千里Yは真っ黄色の“スライド携帯”DoCoMo D902i をお買い求めになったのである。端末料金は千里が現金で払った。元の携帯は小春の名義で契約していたので、それの機種変ということで、これも小春名義で契約した。アドレス帳などは今の携帯からショップの人に移動してもらった。
 
この携帯を仮に“yellow-m(ain)”と呼ぶ。
 

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一方、A大神は、これと同じ型の携帯を自分の眷属に契約ざせた。この携帯を“yellow-s(ub)”と呼ぶ。
 

千里GはY1の近くに出現してまずY1を消した。Y1はいったん千里Uの中に戻る。Gは更に千里Uのそばにも出現してU自体を消した。これで4人の千里がA大神が管理する千里の休眠場所に戻る。
 
ここでA大神はY1が持っている携帯(yellow-main)をY1の所から取り3つにデュプリケイトした。また“yellow-sub”のほうは2つにデュプリケイトした。
 
そしてY1に本人が買ったyellow-main, 休眠中のY2にyellow-sub を持たせた。これで2人のYは同じ型の携帯を持っているが、電話番号で区別することができる。そして、yello-main 2個と yellow-sub 1個はGに渡した。Gはyellow-sib (Y2の携帯) は自分で持っておき、yellow-main (Y1の携帯) は、星子とVに渡した。
 
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「複雑で訳が分からない」
などとVは言っている。
 
「今までと何も変わらないよ。テストしてみよう」
とGは言う。
 

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コリンが yellow-m の電話番号に掛ける。星子の携帯とVの携帯も鳴るが取らない。Y1が起きる。現在Uが出現していないのでY1はさっきGが消した同じ場所(携帯ショップの近く)に出現した。
 
「千里、P神社に行ってお務めしよう」
「はーい」
と言ってからY1はVに直信する。
「私をP神社に飛ばして」
「はいはい」
 
それで千里Y1はP神社に行き、その日のご奉仕をした。
 
「あれ?千里、携帯変えたんだ?」
と恵香に言われる。
 
「もう5年使ってたからねー。そろそろ変えようと思って」
「なるほどー。しかし派手な携帯だね」
「小春がこれがいいと言うんだもん」
「そうか。その携帯は本来小春ちゃんのか」
「私がずっと使ってるけどね」
 
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もっとも、恵香は学校で赤や青の携帯を使っている千里も見て、訳が分からなくなる!
 

12月5-7日(月火水).
 
S中で期末テストが行われた。千里たちは例によって分担して受けた。
 
学科テスト
 
R:英語・国語・社会・音楽・美術
U(Bs):数学・技術
Y1:理科・保健・家庭
 
実技
家庭・技術・美術の実技は普段の授業の様子で評価すると言われた。
 
音楽ではYが例によってリコーダーの代わりにファイフで課題曲を吹いた。
 
体育ではRが200m走が26秒(陸上部並み)、飛び箱パーフェクト、バスケットのフリースローもパーフェクトで
「さすが日本一」
と言われていた。
 
「千里ちゃん、運動会の時より速い気がするんだけど」
「あまり追及しないでください」
 
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12月8日(木).
 
いわゆる“シェイコム事件”が発生した。
 
この日、9:27:56、みずほ証券の1人の担当者がジェイコムの株式を「61万円で1株売り」とすべき注文を誤って「1円で61万株売り」と入力してしまった。異常な注文であることから、コンピュータは警告を表示したが、担当者はアラートが表示されるのはいつものことなので、内容も見ずにOKを押してしまった。
 
この注文の結果、ジェイコム株は大暴落し、誤りに気付いたみずほ証券はこの注文を取り消そうとしたが、証券取引所のシステムの問題点のため、この取り消し操作が受け付けられなかった。
 
(注文した通りの価格ではなくストップ安の価格で取引が成立している最中はキャンセルを受け付けない仕様になっていた。だからプログラムのミスではなく仕様上の考慮不足)
 
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みずほ証券は東京証券取引所に電話で連絡して注文をキャンセルしてほしいと申し入れたが、証券取引所は、こちらでは勝手に市場に介入することはできない、そちらから処理してくれと主張。やむを得ず、みずほ証券は全発注量を「反対売買により買い戻す」ことを決定。ここの結果全ての取引が成立したものの、この間に既に買い注文が入っていた、9万6236株の売買が成立した。
 
この事件によるみずほ証券の損害額は400億円を超えた。
 
一方この事件で巨額の利益をあげた個人投資家がおり、“ジェイコム男”として一躍有名になった、
 

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この事件では様々な問題点があった。
 
・異常な注文をよく確認せずに入れてしまった担当者の問題。
・異常な注文をアラートだけで通してしまったソフトの問題。(*16)
・取り消しを処理できなかった証券取引所のソフトの問題点。
・電話連絡を受けた時点で取引を止めなかった取引所の対応。
 
またこの事件では様々な証券会社がこの事件に乗して多額の利益を得ていたことも批判された。ただこの利益をみずほ証券に返すと贈与税を取られてしまうため、各証券会社は“証券市場基盤整備基金”に合計約200億円を拠出した。
 
みずほ証券は、注文のキャンセルを受け付けず電話での要請にも応じなかった証券取引所のソフト仕様と人間の対応が被害を拡大させたとして証券取引所を訴え、約100億円の損害賠償が命じられた。
 
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(*16) ソフト屋の私に言わせれば何でもかんでもアラートを出してるから、オペレータが内容も見ずにOKをクリックしてしまうのだと思う。アラートは必要最低限にすべき。
 
「何かアラートが出て、うっかり見ずにOK押しちゃったんですけど何だったんでしょう?」という問合せはとても多い!
 
(基本的にはエラーログを確認すれば分かる)
 
ただソフトを発注するお偉方は、何でもアラートを入れてくれと要求しがちである。彼らは「オペレータはアラートを見ない」ということを理解しない。
 
それともうひとつの問題は今回のような明らかに異常な注文は、オペレータの権限では指定できないように制限すべきである。こんなあり得ない注文をアラートだけで通してしまうというのは、ソフトの作りが悪い。
 
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12月8日(木).
 
千里“先生”は、“生徒たち”に言った。
 
「君たちよく頑張ったね。今日からはいよいよ高校1年の勉強をするよ」
 
生徒たちには今度は女子高制服を着せている。例によって男子たちもスカートを渡されたもののそれは前橋に渡して自主的にズボンを穿いている。
 
なお生徒たちには南田兄の息子の令明、南田弟の息子の追風、前橋の娘の虹彩が加わって生徒は9人になっている。この息子・娘世代は充分高校生で通る容貌で実際3人とも数年前まで高校にも行ってたらしい。この子たちはよく“先生”の授業内容を理解してくれた、
 

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