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■女子中学生・冬のOOOグラス(18)

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1月4日(水) 16時頃。
 
マナは「また汗を掻いちゃった」と思ったが、もう着替えが無いことに気付く。乾いた洗濯物が取り入れてあるので、そこでブラジャーとパンティは1枚ずつ回収した。でも道着が無い。悩んでいたら沙苗が
「どうかした?」
と訊く。
「いや着替えが無くなっちゃって」
「ああ、私もここに最初に来た時やっちゃった。ここで練習してるとだいたい1日に5回くらい着替えるから。良かったら私の道着を使って」
 
「・・・借りようかな」
 
沙苗ちゃんのなら借りてもいいかなと思った。
 
それでマナはこのあと、沙苗の白い道着を着て稽古を続けた。
 
白い道着・・・ずっと着たかったぁとマナは思った。私、高校に入った後剣道続けるかどうか決めてなかったけど続けるなら白い道着買っちゃおうかな。
 
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なおマナは、道大会後3年生は一応引退にはなったものの、ずっと運動していたのが急に何も身体を動かさなくなると変なので毎日ジョギングと素振りは続けていた。
 

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4日の練習の後、沙苗から声を掛けられる。
 
「マナちゃん、普通のブラ着けて稽古してたでしょ」
 
う・・・ブラ着けてるのに気付かれた?
 
「ちゃんとスポーツブラ着けたほうがいいよ」
「えっと・・・」
「あ、持ってなかったら買うといいよ。買うのに付き合おうか」
 
沙苗ちゃんに付き添ってもらってなら買いに行けるかも。
 
「うん」
 
それでマナは沙苗と一緒にスポーツブラを買いに行ったのである。
 
「マナちゃん、来る時かぶってた毛糸の帽子かぶってたほうがいいと思うな」
「?」
 

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それで沙苗と一緒に生まれて初めて女性用下着売場に来た。こんな所恥ずかしーと思う。沙苗ちゃんが居なかったら逃げ出したい。
 
沙苗が売場のお姉さんに声を掛けた。
 
「この子に合うスポーツブラが欲しいんですが」
「じゃちょっと測らせて」
 
と言ってマナのトップバスト・アンダーバストを服の上から測ってくれる。
 
「トップ97、アンダー85 普通のブラだとB85ね」
「Bなんですか!?」
と思わず訊いてしまった。
「もしかしてA着けてる?」
「はい、A90着けてます」
「ああ。概して小さめのカップ着けてる子が多いよね。今度からはB85買うといいよ」
「はい」
 
それでお姉さんはこの胸のサイズに合うスポーツブラを選んでくれた。通常3000円のところ、お正月セール4割引きで1800円だった。それでも高いなあと思ったけど1200円も安くなるのはいいことだと思った。でもこれを2枚のつもりが3枚買って5400円である。お年玉3万円もらった後で良かったぁと思った。伯母と伯父から「高校進学祝いを兼ねて」と1万円ずつもらったのである。
 
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マナはこのまま毎日早川ラボに出てきては、上位陣と対戦を続けた。
 
スポーツブラの着け心地は凄く良かった。がっちり押さえてくれるので、たくさん動き回っても痛くない。これいいなあと思う。
 
2日目からは着替えをどっさり用意したので(結局ラボにロッカーをもらった)、着替えが足りなくなることは無かった。そしてお年玉を使って白い道着も買っちゃった♪この冬休みの間は白い道着2枚と紺の道着2枚を使用していた。
 
如月やノランたちが言っていた。
「マナ先輩って面を着けてると女の子に見えるのに素顔だと微妙なんですよね」
「ああ、ぼくって昔からよくそう言われてた」
「でも8月までより少し性別曖昧っぽいですよ」
「それまでは丸刈りだったし」
 
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「でもやはり女の子になることにしたから髪を伸ばし始めたんですか?」
「え、えーっと」
 
沙苗が微笑んでいた。沙苗に「マナちゃんってどうも女の子になっちゃったみたいだから公世の代わりの指導係に呼ぶといいよ」と伝えたのは千里Vである。
 
女子たちの間では「マナ先輩、なんか凄く女っぽくなってない?」と噂が立ち、好花が、わざとマナに抱き付いて“バストの存在”を確認した。
 
「マナ先輩のトイレの音聞いてると、便器に当たる音じゃなくて水音がするからおしっこは前ではなく下に出てる。きっとちんちんは無い」
などと分析?していた子もいた(←痴漢)。
 
結局ここに練習に来ているメンツの間ではマナの身体が女体化しているという認識が広まる。
 
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「マナ先輩、喉仏無いですよね?実は女の子の声出ません?」
「えーっと」
「ここではそれを使えばいいですよ。他人には言いませんから(←すぐみんなに言いふらすという意味!)」
 

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5日夕方ラボから戻ったマナに母は声を掛けた。
 
「あんた少し前髪切ろうか」
「前髪?」
 
母はそれでマナの前髪を眉毛の上で切り揃えた。これで結構女の子っぽくなった。マナもお風呂で鏡見て「なんか可愛い」と思った。
 
それで6日にラボに出て行くと
「あ、マナ先輩、その髪型わりと可愛いですよ」
と如月から言われる。
「そうかな?」
 

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女子たちの噂はどんどんエスカレートしていた。
 
「マナ先輩、やはり性転換手術受けたんだろうね」
「マナ先輩がナプキン買ってる所見たという情報が」
「じゃ生理もあるんだ!」
「3年女子(←白石真由奈!)の情報ではマナ先輩、2学期以降小便器を使わなくなったらしい」
「おちんちん取っちゃったからなのね」
 
この噂は3年女子にもフィードバックされ、マナにバストがあること、どうも性転換手術しちゃったらしいし、生理もあるらしい、というのが冬休み中に3年女子のほぼ全員に知れ渡ることになる。司も杏子から聞いて驚いた。でもだったら先月の事件では菅原君とマナちゃん、普通の男女のセックスしたのかと思う。
 
「あの子女の子のような声が出るんだよ」
と杏子に言ったのがまた広まる!!
 
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千里Rもセナから聞いた!。
 

冬休みの間にマナを取り巻く環境は大きく変化していた。
 
「性転換手術しちゃうとは思い切ったことを」
「ちんちん切っちゃうなんて凄い決断だね」
「道大会の後で札幌の大学病院で手術受けたらしいよ(←どこからそんな情報が?)」
「女装してもあまり女の子に見えないのに」
「それを言ったら天然女子の1割くらいは女装しても女の子に見えない」
「それ私のことだ」
 
「マナちゃん元々女の子になりたかったと言ってたもんね」
「あの子幼稚園の頃はふつうにスカート穿いてたよ」
「でも男の子になることにしたから丸刈りにしてるんだと言ってたもんね」
「それが丸刈りやめたというのはやはり女の子になろうと思い直したのね」
「髪を切るのをやめて、おちんちん切ったんだ」
「なるほどー」
 
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「3学期はセーラー服で登校するらしいよ」
「スカート穿いてたらこんな女子中学生もいるかも、くらいには見えるかもね」
 
「2学期の間に法的な性別も変更したらしい」
「ああ、法的な性別が切り替わるまで暫定的に男子制服着てたのか」
「それときっと髪を伸ばす時間、おっぱいが育つ時間が必要だったんだよ」
「髪の問題は大きいね。丸刈りでセーラー服着れないもん」
などという噂が駆け巡っていた。
 

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1月5日(木).
 
武矢(44)は地元・自動車学校の40歳以上コース・ATコースに入学した。武矢はAT限定というのが不満だったようだが、40歳以上の入学者にはAT限定コースしか用意されておらず、MTを運転したい場合はAT免許を取ってから1年くらいして限定解除を受けてと言われた。
 
なお自動車学校の費用について、津気子はローンを組んだからと説明した。
 
本当は“安心パッケージ”一括で35万+消費税17500円を払っている。これだと仮免試験や卒業試験に何度落ちても追加費用は無くて済む。不器用な武矢が一発で試験に通るとは思えなかった。
 
それでもまあ来月の頭くらいには免許を取れるかな、と津気子は思っていた。
 
(武矢の行動はだいたい津気子の想像の斜め遙か下!!を行く)
 
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(*27) AT限定免許は1991年11月1日に創設された。この頃既に販売される“登録車”の7割がAT車だった(軽自動車も含めたら比率はもっと高いはず)。
 
↓販売された輸入車を除く登録車のAT比率
1985 48.8% 1990 72.5% 1995 80.8% 2000 91.2% 2005 96.6% 2010 98.3%
 
(日本自動車販売協会連合会の統計らしいがソース発見できず)
 

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1月6日(金).
 
北海道ではまだ冬休み中だが、姫路では冬休みが終わってこの日が3学期の始業式である。清香の妹、明音はこの日から姫路の小学校に入学して新しい学校生活を始めた。
 
9月に突然深川に行ってと言われ伯母の家から深川の小学校に4ヶ月通ったがまた転校で、彼女がいちばん振り回された。年度内に3つの小学校に通ったことになる。
 

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1月7日(土).
 
千里“先生”(演:千里A)は“生徒たち”に言った。
 
「君たちよく勉強頑張ったね。高校の課程まで終わったから、この後は受験対策をしよう。テストって幾つかテクニックを覚えておくと、それだけで2割くらい点数があがるんだよ」
 
と千里先生は言い、幾つかのポイントを話し始めた。
 
「まずテストは最初に全体を眺めて、解けそうな問題から先に解いていく。特にセンター試験は、どーんと広い範囲で選択問題があって、どちらを解いてもいいから、そういうのは自分が得意なほうを解くこと。最悪のやり方は最初から順番に解いていく方法」
 
「そしてそれとも共通するけど、問題を解いてて分からなくなったら飛ばして先に進むこと。いつまでもひとつの問題で悩んでいてはいけない」
 
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「それから最後の10分間くらいは解いた問題の見直しをする。物凄く大きな勘違いをしていたというのがわりとあるんだよ。この時間でそれを修正する。最後になって回答欄が1つずれてたことに気付いて慌てて直したという話もある」
 
「それ気付かなかったら悲惨すぎる」
 

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千里先生はいくつかのポイントを話して最後にこう言った。
 
「テストって気分とか集中力で結構点数が変わる。だから席に着いたら1分間に1回の深い深呼吸をする。30秒吐いて30秒吸う。これ3回繰り返し。それから答案用紙が配られたら、答案用紙に向かって心の中で語りかける」
 
「『お前、幸運な答案用紙だな。私がお前の上に満点の答案を書くんだから』と」
 
生徒たちは半ば呆れていたが、気持ちの持ちようで随分点数が変わるということは理解したようであった。
 
この日は“軽〜く”英語の整序問題を50連発やったあとで2000年のセンター試験の問題を解いた。みんな結構よくできていた。みんな数百年生きている子たちだから知識はあるので地歴などは結構正答率が高い。今回の短期集中講座も数学と物理化学を中心に進めてきた。
 
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英語はみんなできるが文法がやや怪しい。整序問題は少し要領さえ覚えれば確実に点数が取れるのでたくさん解かせた。
 

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1月8日(日).
 
小町はこの日までP神社でお務めをすると、それで“結婚休”に入った。休みとはいうが、出産休み明けからは“深川司令室”で雑用係をすることになっているのでP神社でのご奉仕は今日までである。明日からは小町に代わって小鳩が神社でのご奉仕と神様のお使いをすることになる。
 
小鳩には12月頭から入ってもらっている。年末年始は昇殿の案内や巫女舞などをしていた。
 
小町は約3年間、色々お世話になったなあと思い、それとなく宮司、菊子さん、純代さんなどに挨拶した。最後に大神様にご挨拶してから下がって、鈿女神社隣のコリンの家に行った。これから3ヶ月くらいは源次とのハネムーンである。
 
「今日からは付けなくていいの?」
「うん。子作りしようね、マイダーリン」
「やったぁ!」
 
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それで源次は初めて生で入れて来た。凄く嬉しそうだったが、これって女の方はあまり感触変わらないなあと小町は思った。この人、私が妊娠したら去勢されることになっているのまだ知らないけど、仕方無いよね。私妊娠・授乳している間は千里さんにお仕えできないもん、などと小町は思っていた。
 

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東海地方某所。
 
ダム予定地での作業は、交替で休みながら、1月4日から8日の昼過ぎまで昼夜を問わず続けられ、4日(約100時間)後にはとうとう封印の穴から何も出てこなくなった。
 
瞬角がその穴の中に強烈な浄化の術を叩き込んだ。これで隠れている奴がいても全て浄化されてしまうだろう。
 
「終わったぁ!」
「結局死者はひとりも出なかった!」
「素晴らしい。多分500年来のダークスポットが消滅した」
 
それで4人がぐったりしていた時、ふっと千里の姿が消えた。
 
これが1月8日の14:15頃であった。
 
「あれ、ちーちゃん、どこ行ったの?」
と桃源が訊く。
 
「何か緊急事態が起きて呼ばれて行ったようです」
とコリンが答えた。
 
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「忙しい子だね。でもテレポーテーションも使えるんだ?」
 
「あの子、自分の実力を隠してますよね。ただ人前でテレポーテーションするとか何か余程のことが起きたのかも。後で声掛けときます」
と貴子。
 
「今回の報酬はあの子に3000万で他の3人が1700万ずつでもいい?」
と瞬角が提案する。
 
「異議なし。あの子はそのくらい貢献したと思う」
と桃源が言った。
 

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