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マナはこの状況の打開には“あれ”が必要だと思った。
「見せてよ」
「恥ずかしー」
「だってセックスまでした仲じゃん。何も恥ずかしがること無いよ」
「やはり・・・あれ、したんだよね?現実なのか夢なのかよく分からなくて」
「現実ということにしようよ」
「うん」
それで彼はズボンとトランクスを脱いで、そこを見せてくれた。
そこには完全な女性の股間があった。マナはいきなり彼の股間に顔を埋めると舌であそこを刺激した。
「わっ」
彼は立っていられなくなって座り込んで、結局横になってしまう。
「痛かったら言ってね」
「うん」
彼は気持ち良さそうにしている。そして10分くらいしたところで
「逝った気がする」
と言った。
「良かった。こんなのしたの初めてだから、うまくできるかなと思ったけど痛くなかった?」
「物凄く気持ち良かった。脳が壊れるんじゃないかと思った」
「今度は私のをしてよ」
「あ、うん」
それで彼は自分の舌でマナのあそこを刺激してくれた。やがて10分くらいしたところで「逝ったかも」と言う。それで彼は動作をやめた。
「凄いHな気分になった」
「これしてるほうも凄いドキドキだよね」
「うん」
「これをお互い逆向きになって同時に刺激し合う方法もあるんだよ」
「なるほどー」
「確かセックスナインとか言うんだよ」
と言いながらマナも不確かである、でも彼は
「へー」
とか言っている。
「今度は“貝合わせ”しよう」
「え?」
それでマナは菅原君に大きく足を開かせ、少し腰を浮かせるように言う。そして自分のあそこと彼のあそこを摺り合わせるようにした。
「き、気持ちいー」
と彼は声をあげている。
マナは彼に“し”ながら、私たちって友だちを待たせたままセックスしてるなんて悪い子、と思った。しかも学校をサボって!でもマナは悪いことしてるという罪悪感でよけい燃えて、Hな気分になった。15分くらいしている内に菅原君は疲れ果てたようで体勢を崩してしまった。
マナは彼のベッドから毛布を取ると、身体の上に掛けて彼を横から抱きしめた。
「ね、ちんちん無くてもこんなに気持ちいいことできるよ。だから何とかなるよ」
「俺・・・やはり“女”になっちゃったのかな?」
と、菅原君はとうとうその単語を口に出した。
マナは言った。
「男か女かってのは、ちんちんがあるかどうかじゃないんだよ。自分が男と思っているか、女と思っているかという意識の問題なんだよ。だから藤太君が自分は男の子だと思ってるなら、ちんちん無くても藤太君は男だよ」
「なんかマナちゃんの言ってることが正しい気がしてきた」
「それに最近、突発的に身体の性別が変わる現象が多発してるみたいだよ」
「嘘!?」
「実は私も8月までは男の子だったのに突然女の子になっちゃったんだよ」
「嘘〜〜!?」
「だから元・男だった女の子となんて付き合えないと思ったら遠慮無く私を捨ててね」
菅原君はしばらく考えていた。
「いや、マナちゃんは元から中身は女の子だったのだと思う。それに肉体的な性別が付いてきただけだよ」
「まあ私は小さい頃から女の子になりたいと思ってたから好都合だったけどね」
「それ本来の性別に復帰しただけだと思う」
「それに突発的に性別が変わっても、大抵はしばらくしたら元に戻るみたいよ」
「ほんとに!?」
「私と同じ時期に女の子になっちゃった男の子がいたけど、彼は1ヶ月くらいで男の子に戻ったって」
「え〜〜!?」
「きっと、元々の意識が男の子という人は男の子の身体に戻るんだよ」
「ああ」
「でもきっと私は元々の意識が女の子だったからそのまま」
「なるほどー」
「藤太君は元々の意識が男の子だからきっと1ヶ月程度で男の子に戻るよ」
「そうかな」
「きっとそうだよ」
「もしそうなら頑張って男に戻るまでなんとか誤魔化す」
「ちょうど冬休みに入るしね」
「そうだよね!俺セーラー服とか着ないといけないかと思った」
彼は元に戻れるかもといいう希望が出たことで突然余裕ができたようである。
「私はまだセーラー服着る勇気出ない」
「マナちゃんはセーラー服着れると思うなあ」
「まあそれまで温泉とかには行かないようにしよう」
「温泉はやばいよね」
一方居間に行った千里と司は、暇なのでテーブルの上に乗っていたリバーシをするが、千里が強すぎるので
「ダメだぁ、これ。プロとやってるみたい」
などということで早々に終了する。千里はかなり手抜きしているのに勝ってしまうのである。部屋の隅にあった碁盤を取ってきて、置き石を9個して対戦したらまだ何とかなった。
「囲碁はハンディを付けやすい競技なんだね」
「他のゲームではなかなかこういうの無いかもね」
そのあと、星子にケンタッキーのチキンとビスケットを買ってきてもらって食べる。
「少し早いクリスマスパーティーかな」
「毎年イブにはケンタッキーの前が凄い列だよね」
この家に来たのが13時頃だったのだが、16時くらいになって菅原君とマナは出て来た。
ふたりの様子を見て千里も司も「ああ、セックスしたな」と思ったが、男の子同士のセックスってどうするんだっけ?などと考えている。まさか2人がレスビアン・セックスしたとは、千里も司も思いも寄らなかった。
「マナとたくさん話してて気持ちがふっきれた」
「良かった、良かった」
「じゃ明日の終業式、出て来てくれるかな?」
「うん、行くよ」
「あん、そこは『いいとも!』と答えなくちゃ」
「えーっと」
「ケンタッキー買ってきたよ。これ2人の分」
「ありがとう」
「菅原君の御両親やお姉さんは?」
「両親は日曜から札幌に行ってる。姉貴は大学受験で転戦中」
「じゃ日曜から、菅原君1人だったんだ?」
「うん」
「だったら私たち消えるから、佐藤君今夜は泊まっていきなよ」
「え〜〜!?」
「だって同性の友人の所に泊めてもらうのは何も問題無い」
と千里が言うと2人は何か考えていた。
「ほんとにそうだ!」
と2人は言ったが、2人の反応に千里も司も首をひねった。
しかしそれで千里と司は星子に迎えに来てもらい帰った。
司は担任に電話し
「色々ありましたが、菅原君はもう大丈夫です。ただあまり詮索しないであげてください」
と言い、担任も了承した。司とマナの早退は公務による外出として処理された。部活での大会参加などと同じ扱いとなる。
司たちが帰った後、マナは母に電話して今夜友だちの所に泊まりたいと言った。
「友だちって男の子?女の子?」
「えーっと女の子なんだけど、だめ?」
「女の子なら問題無いよ。でも男の子のところに泊まるのならちゃんと避妊具使わないといけないよ」
ああ。母はぼくのこと女の子とみなしてるみたい。だから間違った振りして女の子下着を買ってくれたんだ。
「避妊具は持ってるよ」
とマナは答えた。
菅原君は3日間御飯も食べてなかったというので、マナは買物に行ってきてカレーをどっさり作ってあげた。御飯も1升炊いた。彼は元気が出たようでお代わりして8杯も食べた。
(出掛けるのに家の鍵を預かったら彼の奧さんになったような気分がした。でもぼくどさくさまぎれに元は男だったこと打ち明けちゃった!と思った)
もちろんその夜はたっぷり愛を確かめ合ってぐっすり寝た。
12月22日(木).
多くの学校で終業式が行われた。12月23日(金)が天皇誕生日の祝日だからである。
3日間休んでいた菅原君も元気に出て来て「ご心配お掛けしました」と先生に言っていた。
清香の妹・明音はこの日で深川の小学校から転出し、1月からは姫路の小学校に入学する。清香・明音の母・雅がこの日は深川まで来て、明音を預かってくれていた光伯母(雅の実姉)にお礼を言って引き取った。
そして雅・清香・明音の3人で姫路に行った。清香は冬休みが終わったら留萌に戻るが、明音はそのまま姫路の小学校に転入する。
千里は清香に家の鍵を渡し、道場で思いっきり練習していいからと言った。千里も姫路に来てよと言われたが、何か忙しそうだからと言って断ったので、千里の代わりに公世が行くことになった。旅費は千里が出した。弓枝も行きたそうだったが(観光目的)、さすがに受験生は遊ぶ暇は無い。
なお清香母の往復のチケット、清香・明音・公世の伊丹行きのチケットは11月中に予約して確保していた。
2人が滞在する間の食事はコリンに作らせるが(安芸百合さんと1日交替にしたらしい)、小糸も雑用係で頑張った。特に洗濯したり、干したり取り入れたりは主として小糸が担当した。
なお、小糸は毎日千里の部屋で寝ている。千里たちが本格的に越してくるまでは貴子・コリン・小糸の3人でここは回していく。
冬休み中、千里Uは毎日Q神社に出掛けてご奉仕する。一方P神社のほうは星子が代理で出ていく。
Q神社は原則として午前8時からお昼休みをはさんで午後3時までである。一方P神社はだいたいお昼頃から始めて夜8時頃までである(わりと適当)。
星子はQ神社の巫女控室で冬休みの宿題を千里Uの前に積み上げた。
「夏休みみたいなことにならないよう、毎日頑張ろう」
「わぁ」
一方千里Rは宿題をやる気は全く無い!しかしミッキーに言われて中学1年の数学と理科の問題集をやらされていた。
12月23日(金・祝).
留萌地方は連日雪なのだが、この日は雪が小降りだった。
21日に任意売却された鳥山さんの自宅は、その日の内に登記移転が終わっていたが、P神社に解体祓いの依頼があったので朝から出掛けて守護神さんたちに上に上がっていただいた。この解体祓いを依頼してきたのは先日C町バス停近くに事務所を開いた留萌H新鮮産牛の香川専務である。
お祓いが終わると11時頃からブルドーザーが入り、家を全部崩してしまった。20人ほどの多人数の斫り(はつり)部隊が入って、瓦礫を全部ダンプに乗せて運び出す。そして夕方までには基礎のコンクリートも壊して完全な更地にしてしまった。人海戦術という感じだった。
12月24日(土).
この日は雪が止んでいた。つまりずっと雪だったのに、クリスマス・イブだけ雪が降らなかった!
その日、朝からP神社に香川さんから地鎮祭の依頼があり、行って執り行なってくる。すると、すぐに新たな基礎を作る工事が行われた。
これは普通北海道では考えられないことである。冬季に基礎工事をすると、コンクリートが乾く前に凍結してしまい、ヒビが入ったりして建物の耐久性に支障を生じる。
しかし彼らは先日の事務所同様、予め工場内で作ったコンクリート(プレキャストコンクリート)の部材を持ち込んで少し掘った地面の上に置き、鉄骨を熔接して繋いだ。そして最終的に埋め戻した。つまり現地でコンクリートを打設することは避けた。それで結局その日の内に基礎工事が終わってしまった。
ただ今回はそのあとユニットハウスを持って来たりせず、基礎の上にビニールシートを掛け更に合板の板を並べるに留めた。
12月24日(土).
菅原君とマナはクリスマスデートをした。21日の午後から22日の朝までお泊まりデートしたばかりでもあるので
「今夜はデートしたあと帰宅する」
というのを最初に決めた。
「あんまりお泊まりしてたらさすがに叱られるし」
「こないだはごめんねー」
「藤太君も女の子の服着てみる?」
「ぼくは男の子だからそういうの着ない」
今日のマナは赤いワンピースに厚手タイツである。お腹が冷えないようにホッカイロを入れている。仕上げに毛糸の帽子をかぶった。
ちなみにこの格好で出て来たが、母は何も言わなかった!ただ出掛ける前に「ちょっと待って」と言って眉毛を細くカットしてくれた。それだけで凄く女の子っぽくなるのでびっくりした。
それでも自分の女装をあまり見られたくなかったので今日は旭川に出ている。だから逆に高速バスの最終(予約済み)までにはデートを終える予定である。
一緒に雪の美術館に行き、記念写真も撮った。こういう所に一緒に来ると、ほんとに“デートしてる”感覚があって楽しくなる。
お昼は、ケンタッキーもモスも長蛇の列なので2人はロッテリアに入り、一緒にリブサンドなど食べる。マナは1個だが、菅原君は3個も食べていた。
1時間くらいおしゃべりしてからお店を出て平和通りを歩く。
「今日はカップルが多いね」
「ぼくたちもだけどね」
ゲームセンターなどを覗き、プリクラを撮って、カラオケ屋さんで歌う。カラオケ屋さんでは個室なのをいいことに、キスしてどさくさに紛れて菅原君のおっぱいを揉んだら恥ずかしがっていた。
「これ歩くと揺れて痛いんだけど、何か手はないかな」
「ブラジャー着ければいいと思うけど」
「そんなの着けたくなーい」
なんか工藤(公世)さんみたいと思う。
「でもスポーツブラは着けたほうがいいよ。でないとまともに運動できないよ」
「え〜?」
「私が買ってあげる。サイズ計らせて」
「うん」
それでマナはそのサイズのスポーツブラを3枚、ポスフールの下着売場で買ってあげた。菅原君は恥ずかしがって遠くから見ていた。マナはここ、ひとりではとても恥ずかしくてこれなーい。菅原君が向こうで見てるから近づける、と思った。
「はい、どうぞ。着け方は中に解説あるから」
「これ高かったのでは?」
「何とかお小遣いの残額で買えた」
「ごめんね。お年玉入ったら返すね」
「うん。あ、そうだ。使ったあとは私に渡して。洗濯して返すから」
「助かる!」
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女子中学生・冬のOOOグラス(11)