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霊関係のお仕事を年末年始に2件やり、資金に少しゆとりができたので、千里Gは旭川市内に“深川司令室旭川分室”を作ることにした。それでまずは適当な土地を探した。
すると築60年“お化け憑き”ボロ家が建っている35坪の土地が100万円で売りに出ていたので購入し、子牙の術を使って取り敢えず浄霊した上で、三郎さんたちに改修してもらおうとしたのだが・・・
「この家は数年以内に崩壊しますよ」
「柱が曲がってるし」
「震度4来たら崩れますね」
ということだった。それで建築確認の申請だけしておき、気が進まなかったのだが、九重たちをセンター試験が終わった後で呼んだ。
「旭川に家を作るんですか?」
「留萌H新鮮産業なんて会社作ったから、合弁相手のH新鮮産業と時々打合せが必要なんだよ。それでH新鮮産業の本社のある旭川にも来るから、その時の拠点だね」
「なるほどー」
それで現地と建てる家の図面を見せた上で、基礎のコンクリートをPC(工場で固めるコンクリート)で作ってもらい、雪があがっていた1月29日に、ボロ家を撤去した上で出来上がっていたPCの基礎を置いて基礎を完成させる。そして、住宅のユニット部品を持ってきて、部品同士をボルトで締め、1日で2DKの家を完成させた。建築費は約300万円である。1月30日には旭川市内の業者に頼んで上下水道の管をつないでもらい(工事費60万円)、1月中にこの“旭川分室”が(建物としては)使えるようになった。
九重たちへのご褒美は、今受験中だから試験が終わってからということにした。
ボロ家の撤去と建築を1日でやってもらったのは、時間を置くと雪が積もって工事不能になるからである。そしてこれを1日でやれるのは九重たちのグループ以外にはなかった。監視役をしてくれた三郎さんは
「千里さん、すごい有能な連中を持ってますね」
と感心していた。
「仕事が雑なのが難点だけどね」
「ああ、何となく分かります」
ボルトの穴が合ってないのを面倒臭がって釘で打ち付けようとして、三郎さんに“じーっと見られ”、慌てて位置を再調整しちゃんと穴の位置を合わせてからボルトを留めたりしていた。
それでできたのが↓のレイアウトの家である。
(旭川分室レイアウト)
庭には普通車なら1台、軽なら2台駐められる。
2006年1月15日(日).
この日旭川R高校では、朝9時からスポーツ推薦の入試が行われ、菅原君などが受験したのだが、11時からは家族推薦の入試が行われ、マナはこれを受けるため“セーラー服で”出て行った。願書をセーラー服写真で出してしまった以上、試験もセーラー服で受けるしかない。
家族推薦は小論文と面接なので、11:00-12:00は小論文を書いた。テーマは
「日本の小惑星探査機はやぶさが、小惑星の物質採取に成功しましたが、宇宙開発について思う所」
というものであった。あれはエポックなニュースだったので、友だちともたくさん話していた。それでその時話したことや思ったことを中心にまとめた。
試験中に試験官が見回りに来たが、受験票の写真と本人の顔には髪型以外相違は無いので特に何も言われなかった。マナが学生服で来ていればきっと不正受験と思われている。
12時半から面接がある。5人単位の集団面接である。マナは一番最初に他の“男子”4人と一緒に部屋に案内された。
「そのセーラー服の子、名前は?」
「佐藤ですが」
「佐藤・・・まなぶさん?」
「いえ、マナです」
「あ、ほんとだ。願書で“まな”と振り仮名してるね。君女子だよね?」
「私男子ですけど」
面接官たちは一瞬顔を見合わせたが、他の受験生が噴き出す。それに釣られて面接官たちも笑った。
「君がなかなか大胆なユーモアの持ち主というのは分かったが、ちょっと後で呼ぶから、いったん外で待っててくれる?」
「分かりました」
それでマナは「失礼します」といってお辞儀をして外に出た。そしてマナは思った。
「私正直に性別を申告したよね?」
面接は男女別にしているようである(*1)。面接を受ける人は男子15人、女子9人(マナを含む)である。マナと一緒に入った男子4人は5分ほどで出て来た。次は男子5人が呼ばる。今度は少し時間が掛かったようである。最後は残っていた男子6人が呼ばれた。
男子が居なくなったあと、マナは他の4人の女子と一緒に呼ばれて面接室に入る。
各々名前を確認されたあとで、中学時代の部活、委員会活動、あるいは塾などの参加について尋ねられた。最初に訊かれた子は
「自分は国立大学に行きたいので、中学時代もずっと塾に行ってました」
と答えた。
2番目の子は生徒会の副会長をしていたと言った。3番目の子はパソコン部でたくさんプログラムを作って楽しかったと言った。学校のテストの成績を集計して偏差値とかまで出すプログラムを書き、学校で使われていたとも言っていた。4番目の子は3年間英語部で活動し、2年生の夏休みには1ヶ月間、アメリカにホームステイしてきたと言った。また文化祭の英語劇で、シンデレラの御者、白雪姫の母、そしてモルジアナを演じたと言っていた。
なんか才媛ばかりじゃん!と思ったが(*2)、マナは性別問題で落とされるかもしれないしと思って気楽である。
「小学校・中学校では剣道をしていましたが高校ではどうするか分かりません。一応初段を持っています。昨年夏は地区大会で団体優勝して道大会まで行って来ました。道大会は強い人がたくさん居てとても勉強になりました」
と言った。
「道大会まで行ったというのは凄い。ぜひ高校でも剣道部に入ってほしい」
と言われた。
「それだけの実績があったら君、スポーツ推薦でも取ってたよ」
などとも言われた。
「私は次鋒だったし、1つも勝てませんでしたし」
「いや道大会に出られるチームの次鋒というのは充分凄い」
と面接官は言っていた。
確かに1〜2年生の時は道大会なんて夢の夢だったもんなあとマナも思った。
あれはスーパーパワーを持つ工藤さん、それにかなり強い竹田君と潮尾さんがいたからだと思う。
(*1) 男女別に面接をおこなうのは、多くはそもそも定員が男女別である場合。多くは女子の方が合格水準が低い。ただ家族推薦の場合はよほど性格に問題がない限り、ほぼ全員採ると思われる。
(*2) きっと他の4人は剣道で道大会まで行ったというのを聞き「凄い人だ」と思った。
面接が終わって、校舎を出たところで菅原君が待っていた。
「可愛い!それにセーラー服なんだね!」
「自分の本来の性別で受けたかったから。でも性別詐称と言われて落とされるかも。髪は午前中に美容院に行って来た」
これは実は姉の楓の発案だった。マナは剣道の試合ではこれまでしばしば女性剣士かと誤解され、その度に剣道連盟の登録証を見せていた。ところが素顔ではあまり性別を間違えられることはなかった。
クリスマスに菅原君とデートした日は“帽子”をかぶっていた。お正月に振袖を着た時は、髪をアレンジして可愛くしていた。剣道の試合でも髪は手ぬぐいで覆っている。
つまり髪型が問題なのでは?
それなら美容院で女の子らしい髪型にしてもらえばいいと姉が提案したのである。だからマナは母と一緒に朝から旭川に出て来て、美容院で母は言った。
「この子長い髪だったのを自分で短く切っちゃったんですよ。これじゃまるで男の子みたいだから、ショートでも可愛くしてやってくれませんか」
それで美容師さんはきっと失恋でもしたのだろうと察してマナにあまり髪を切った理由とかは訊かずに、可愛らしい髪型にしてくれた。面接の時に面接官がマナを女の子と信じてしまったのも半分はこの髪型のおかげである。
「少し話さない?」
と菅原君は言った。
「話してもいいけど、あまり他人に聞かれたくない」
「実は僕の兄貴が旭川で大学生してるんだよ。アパートを貸してくれるということだから、そこで話さない?」
「うん。それなら」
そこで2人はタクシーで藤太の兄のアパートに行ったのである。
鍵を預かっているということで鍵を開けて入る。
「カードキーなんだね」
「そそ。入居者が替わっても鍵を取り替えなくていいから楽らしい」
「なるほどー」
中に入ると、まず抱き合ってキスをする。抱き合った時に彼のバストが消失していることに気付いた。良かった。藤太君、男の子に戻れたみたい、と思う。
5分くらいの長いキスをしてから、部屋の中に入り座ってお話しする。
マナは言った。
「藤太君、ごめん。悪いけど別れて」
「どうして?やはり僕が女の身体だと付き合えないから?」
「違うの。実は私の方が男の身体に戻ってしまったの。だからもう藤太君の彼女ではいられなくなってしまったの」
一貫してマナは女声で話している。
菅原は思った。今朝の夢ではマナちゃんは男になってしまったから別れてと言い、最後のプレゼントといって僕に男性器をくれた。それでぼくは男に戻れた。でも男性器を僕に渡したマナちゃんは男性器が無くなって女の子に戻ったのではないのだろうか。
「マナちゃん、実はぼくのほうこそ男の身体に戻れたんだよ」
「ほんと?良かった!」
とマナは本当に喜んでくれた。
「マナちゃんには励まされたけど、僕やはり女の身体のままではマナちゃんの彼氏の資格無いかなぁと思ってたんだけど、ぼく男の子の身体に戻れたからマナちゃん、あらためて僕の彼女になってよ」
「でも私男の身体になっちゃったのに・・・」
「僕たち女の身体同士になっても愛し合えたんだよ。だから男の身体同士でもきっと愛し合える」
「え〜〜?」
「だから試してみようよ」
「・・・うん」
「兄貴のベッドでいい?」
「もちろん」
菅原君は裸になってしまった。完璧な男性の肉体だ。バストは無い。ただ野球の長距離バッターだけあって普通の男性より胸筋が発達していてまるで少しバストがあるかのようにも見える。お股にはペニスと陰嚢があり、陰嚢は縮んでいる。ペニスは大きく屹立している。
「マナちゃん、お布団の中で服を脱ぎなよ」
「うん」
「僕に見せたくない所は脱がなくていいから」
「そう?」
「胸を見せたくなかったらキャミソールかストップは脱がなくていいし」
「うん」
(きっと“スリップ”の言い間違い)
「お股を見せたくなかったらパンティは脱がなくていいし」
「パンティ脱がずにセックスできるの〜〜!?」
「できる」
菅原君が自信ありげに言うので、マナは疑問を感じながらも、着衣のままベッドに入る。何だか凄くいい香りがした。お兄さんの彼女が使ってる香水の香りか何かかなと思った。
マナは上は全部脱いだが下はスカートとタイツまで脱いでパンティはそのままにした。このパンティの下に実は黒いアンダーショーツを穿いて男性器は後ろ向きに格納している。睾丸は体内に押し込んでいる。だからショーツの上から触るだけでは男性器は分からない。ちなみにマナのペニスはクリスマスに戻って来て以降一度も立ったことがないので藤太としている最中に立っちゃうこともきっとない。
アンダーショーツとショーツを念のためしっかり穿き直してから
「いいよ」
とマナは言った。
菅原君がベッドの中に入ってくる。
「可愛いよ」
と言ってたくさんキスしてくれる。胸もたくさん舐めてくれた。
「おっぱいはあるんだね」
「それは何故か残ったの」
彼の手は下半身に伸びてきて、脚の付け根・内側を指圧するかのように押さえる。あ、気持ちいい、と思う。
「マナちゃん、足を閉じて」
「え?」
「そしてぎゅーっと締めて」
「うん」
彼は避妊具を付けた自分のペニスをマナの両足の間に押し込んできた。
なるほどー!そういう手があったのか!
マナは脚をぎゅっと締める。彼はその足の間にペニスを出し入れした。
なんか気持ちいいんですけど!?
彼はそれで20-30回出し入れしていたが、やがて逝ったようで、脱力して自分の体重をマナに預けてきた。
重い!
でも気持ち良かった!
そしてそれ以上に彼を逝かせてあげることができたというのが凄い満足感を感じさせた。
すぐ意識を回復する。
「ほら、ちゃんとセックスできた」
「できたね。結構気持ち良かった」
「僕は凄く気持ち良かった。だからマナは僕の彼女の資格あるよ」
「そうかも」
とマナは同意した。
「ごめん。少し寝ていい?朝からだいぶ汗流して実技のテスト全力でやったから少し疲れちゃって」
「私も寝るー!」
それで2人は心地良い眠りの中に落ちて行ったのである。
マナは目が覚めた。藤太はまだ寝ている。
トイレに行ってこよう。
と思いマナはベッドから抜け出た。そしてパンティだけの格好でトイレに入り、座っておしっこをした。
え!?
おしっこがストレス無く出て行く。
お股を覗き込んでみると、ちんちんやタマタマが無い。割れ目ちゃんがあり、おしっこはその中から出ている。
嬉しい!
私女の子に戻れた。
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女子中学生・セーラー服と移転中(1)