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なお、千里は彼をその日の夜、完全な性転換を掛けて本当の女にしてしまった。
「お股に割れ目が出来てて、穴までできてる。おっぱいがある」
と言ってしくしく泣いていた!
「そもそもあんた龍の形になってる時は割れ目ちゃんあるじゃん」
龍のペニスはくじらと同様、スリットの中に収納されていて性交の時はその中から伸びて出てくる。
「でもチンコが無いって悲しいよぉ」
「あんたにちんちん付けてたら、たぶん半年以内にあんたを私の手で処分しなければならなくなる」
と千里は厳しい顔で言った。貴子が頷いている。勾陳の1番エイリアスがこの1年半ほど“生きて”いられたのは、2004年8月から2005年8月まで去勢されていたのが大きいと貴子(1番)は思っていた。
彼の女物の服や下着は千里が買ってあげた。彼が婦人服売場や女性下着売場にいたら間違い無く逮捕される。
「俺、女の服着て過ごすんですかぁ?」
と彼はノンワイヤーの300円くらいで売ってそうなブラジャーと100円で売ってそうなおばさんパンティ、ピンクハウスのワンピースを手に取り情け無さそうな顔で言った。(*38)
「女の服が好きなんでしょ?生理の時はちゃんとナプキンも使えよ」
と言って安物のナプキンを渡す。
「な、ナプキン?」
「着けたいくせに」
「妊娠した時は産休もやるから」
「妊娠・・・いやだぁ!」
と彼は泣いていた。
(*38) 千里はわざと変なの買ってきてる。きっとペティコート・パニッシュメント。彼は後で貴人に泣き付いてもう少しまともな服を買ってもらった。でもイオン!彼が婦人服売場に居たら逮捕されるというのは貴人も同感。
彼のすまいは、姫路市内の山奥、九重たちとは別の谷間に1haほどの山林を買ってあてがった。
「ここの天狗の鼻みたいな岩の所が丈夫そうなんですけど」
「そこに穴掘ったら?」
「そうしようかな」
それで彼はその“天狗の鼻”みたいな大岩をぐいっと引っ張って抜いてしまった。その後は大きく深い穴になる。
つまり崖の中腹からポールのように飛び出していたものが無くなり、ホールができた。
「じゃここで暮らします」
「よろしくー」
こうして勾陳の5番エイリアス“疾風”は女の龍として取り敢えず20年ほど姫路に赴任することになったのである。(君は永久に女の方が長生きできるよ)
しかし後に勾陳の2番エイリアス(雨水)もアクアのマネージャーになった時に強制性転換させられるし、鹿島信子に付いた4番(雷鳴)も男性器が付いてるのは「身の危険ヱ感じる」と言われて女に変えられてしまう。いづれ勾陳の全てのエイリアスが性転換させられたりして?
1番(瞬光)の方は5番からメールで「千里さんに去勢されたー。20年くらいチンコ返してもらえないみたい」と聞いて「怖〜!良かったぁ。俺逃げといて」と思った。
でも3月31日の朝、旭岳の洞窟の中で目が覚めたら睾丸が無くなってて「嘘!?」と思った!!枕元に千里の字で「逃げ得は許さん。1年経ったら返してやる」というメモが残されていた。彼を去勢したのは勾陳の態度に怒っていたVである。
剣道の件で怒るのは構わないが、主(あるじ)に刃向かうのは見過ごせない。何も処分しないのは他の眷属に示しが付かない。統制が弛むと次々と勝手なことをする者が出てきて収拾が付かなくなるだろう。“千里さんは怖い人だ”というのを誇示しておく必要がある。
青龍や玄武は
「勾陳さん、また去勢されたのか」
と呆れていた。
六合は
「懲りない奴だ」
とこちらも呆れていた。
(こちらの)貴子や白虎は
「ああ、これであいつも取り敢えず1年は寿命が延びたな」
と思った。
千里を4年ほど見ていなかった(こちらの)貴子は
「しかしあの暴れ者の勾陳を屈服させるって、千里は大したことないように見せといて実は凄いんだな」
と思った(千里の眷属ではないが伊豆霧なども同様に思った)。
一方姫路で九重たちは噂していた。
「やはり強制性転換させられたな」
「なんか裸でセーラー服着て、女子中生を驚かしてたらしいぞ」
「ああ、それは死刑になっても文句言えない。一昨年もそれで捕まったのに」
「それでも死刑にしないだけ千里さんは優しい」
「一昨年は去勢で済んだけど、今回は性転換させられたんだな」
佐藤楓とマナは3月22日は引越の荷物をひたすら開けて、カラーボックスや棚に格納していった。この日の内に冬服・春服や辞書などはだいたい取り出して衣裳ケースや本棚に収納した。またこの日は頼んでいたIHヒーター、炊飯器、ホットプレート、ケトル、オーブントースターなどを受け取った。なおここは洗濯機・冷蔵庫・電子レンジはアパートに付属している。壊れた場合は修理または交換してもらえる(レンタル料が家賃に上乗せされているようなもの)
テレビは受信料がもったいないから使わない。実はアパートに付属していたのを撤去してもらった。新聞も取らない予定である。ネットで充分である。固定電話はネット専用で使うことにし、電話機は買わない。ADSLを申し込んでおり、無線LANを導入するつもりだが、それが開通するまでは洋ぽん(Sanyo WX310SA 2005.11発売)で乗り切る。なお大学には無線LANが入っている。
3月23日(木).
この日の朝、佐藤楓は宣言した。
「今日はプール行くよ」
「行ってらっしゃい」
とマナは言った。
「あんたも行くよ」
「私おっぱいあるから水着になれない」
「当然女子水着を着よう」
「女子水着とか持ってない」
「それは買ってあげるから」
「でもどこで着替えればいいの?」
「もちろん女子更衣室」
「私女子更衣室に入るの〜?」
「あんた女の子なんだから当然じゃん」
「ひぃ〜〜!」
それでマナは姉に連れられて旭川市内のスポーツ用品店に行き、女性用水着を買った。姉はかっわいい水着を買ってあげようとしたが「勘弁して〜」とマナが抵抗するので、結局競泳用の水着である。それでもマナはかなり恥ずかしがっていた。
それから一緒に市内のレジャープールに行った。おとな2枚と言ってチケットを買い、姉に手を引かれて女子更衣室に入る。更衣室の中でははだかの女の子とかが歩いていたりするが、マナは平常心、平常心、と思って気にしないようにした。
下着まで全部服を脱いで水着を着けるが、姉はマナのヌードを見て頷いていた。あっそうか。フルヌードをお姉ちゃんに見せるのは初めてだなと思った。これまで、藤太の他には、高木紀美、福川司、潮尾由紀、そして母にフルヌードを見せている。姉は着替え用のバスタオルを使って水着に着替えていた。あ、そうか、そういう便利な物あったのかとマナは思った。
プールで楓とマナは最初の1時間はひたすら泳いだ。
「さすがスポーツウーマンだね。かなり泳ぐね」
「お姉ちゃんもかなり上手いじゃん。置いてかれないように頑張って泳いだ」
後半はひたすらスライダーを滑った。このあたりになるとマナもかなり水着姿に慣れてきて、平常心でいられるようになった。
プールからあがった後、姉は着替え用バスタオルを1枚マナに渡して
「これで着替えなよ」
と言った。
「2枚持ってたんだ?どうして水着に着替える時はくれなかったの?」
「そりゃあんたのヌードを確認したかったからに決まってるじゃん」
「あはは」
「明日はスパに行こうね」
「え〜〜〜!?」
「それもしかして裸になるの?」
「当たり前じゃん」
「きゃー」
3月26日(日).
杉村古広と柚美の長男・新一はこの日1歳の誕生日をを迎えたが、祖父母、古広の2人の姉夫婦など多数の人がお祝いに訪れ、応接するだけで結構大変だった。隣!に住んでいる裕恵もかなり手伝った。
3月26日(日).
旭川のアパートで天子と暮らしている“自称女子大生”瑞江(*40) から千里Rに連絡があり、天子の夫の兄で長万部(おしゃまんべ)で暮らしていた啓次(87)が亡くなったということであった。彼は天子自身の従兄でもある。
「それで天子さんは自分の従兄でもあり、十四春さん(天子の夫)の唯一の兄弟だったから葬儀に出たいと言うのよ。庄造さんの葬儀(2002)に出られなかったのが凄く残念だったらしくて。それで千里さん、付き添ってくれません?」
「分かった。すぐ行く」
天子と十四春は従兄妹同士の結婚であった。だから啓次は従兄でありかつ夫の兄になる。庄造が亡くなった時はちょうど体調を崩していて行けなかった。
(*40) 瑞江は2003年11月に大学2年生と名乗っている。それなら順調にいけば2006年3月で大学は卒業のハズ。でも本人は多分その設定を忘れている。
それで千里RはGと話し合った上で、Gが行くことを決める。色々な話が出てきた場合に何の話にも対応出来るのは全てを知っているGである。それでGはH高校の制服を着てホットタイツも履いてからから、コリンに司令室の留守番をしてもらい、旭川分室に居たミッキーと位置交換で旭川に行った。
一方、Rは自分の携帯から母に電話した。
「お母ちゃん、長万部(おしゃまんべ)の啓次さんが亡くなったのは聞いた?」
「え?そうなの?」
「それで私が“お父ちゃんの名代(みょうだい)”ということで、天子お祖母ちゃんを連れて長万部に行くから」
「うん」
「だから私が“武矢・津気子”名義の御香典も出すから」
「分かった。だったら私とお父ちゃんは行かなくていいのね?」
「うん。お父ちゃんが来ると私が行けないからお祖母ちゃんを連れていけなくなる。お父ちゃんは親戚と飲みたいかも知れないれけど」
「失業中に飲み会なんてありえない」
「それで玲羅を深川駅まで寄越してくれない?それで玲羅と2人でお祖母ちゃんを連れていくよ」
「ああ、2人居たほうがいいよね」
「うん。2人居れば絶対片方は傍についててられるから」
「分かった」
「列車の時刻はあとで連絡する。長万部までのチケットはこちらで用意するから玲羅には深川駅までのチケットだけ持たせて」
「うん」
千里GはRの通話内容をクローン携帯で傍受していた。RもGは当然傍受しているだろうと思い特に連絡はしない。
千里Gは分室から旭川駅前にジャンプする。瑞江に迎えに来てもらって天子のアパートに行く。長万部の方は千里とわりと親しい克子さん(故人の息子の妻)が取り仕切っているようである。克子さんの4人の子供は今長万部に向かおうとしているところらしい。千里は電話で克子さんと話した。
「私と妹の玲羅で天子さんを連れていきますから」
「分かった。気をつけてね」
「武矢は昨年船が廃船になってしまって、明日が再就職の面接とぶつかってしまうので、申し訳ありません。欠席させてください」
「そうだったんだ?武矢さんも大変だね。40歳すぎると再就職の道も厳しいよね」
「父は資格とかも全然無いし、運転免許も持ってない上に、パソコンも使えず英語もできず、なにより愛想笑いの出来ない性格だから厳しいみたいです」
「ああほんとに大変そう」
千里は光江さん(弾児の奧さん)とも連絡を取った。すると光江さんは千里の連絡で「今知った」と驚いていた。それで結局弾児さんと光江さんも千里たちと一緒の列車で長万部(おしゃまんべ)に向かうことになった。
どうも栄子さんは「派手に葬儀するとお金が掛かる」というので最低限の所にしか連絡しなかったっぽい。
旭川13:00(スーパーホワイトアロー16)14:20 札幌15:07(スーパー北斗16)17:10長万部
留萌12:15->13:11深川13:17↑
深川の乗り換えは6分だが玲羅なら全然問題無い時間である。札幌駅の乗り換えは47分あり、天子にとってはゆっくり休める時間である。3時間半列車に連続で揺られるのは年寄りには、なかなか辛い。
旭川のATMでお金を下ろして天子の香典、武矢・津気子の香典をまとめた。天子の香典の表書きは天子本人が書いた。目が見えないのにちゃんとはみださないようにまっすぐ字が書けるのは本当に凄い。武矢・津気子の香典は千里が書いた。
瑞江に送ってもらって旭川駅に行き、札幌行き特急に乗車する。深川駅でセーラー服姿の玲羅が乗って来る。
「お疲れお疲れ」
玲羅は千里の腕時計が赤いのを認識して尋ねた。
「お姉ちゃん、それ兵庫の高校の制服?」
「そそ。うちの高校はセーラー服なんだよね」
「へー。でもさすが都会の学校のセーラー服は可愛い」
「デザインのセンスがいいよね」
札幌駅の7番ホームで弾児さん・光江さんと合流する。今回は急だったこともあり、顕士郎・斗季彦の兄弟はお留守番になったようである。
「千里ちゃん、それ進学する高校の制服?」
「そうです。うちの高校セーラー服なんですよ」
「へー。でも可愛い。どこの学校だっけ?」
「姫路市まH高校です」
「姫路って兵庫県まで行くの!?」
姫路に行くことになった経緯を説明していたら「それは凄い」と感心していた。
「とうとう十四春の兄弟も全部死んでしまった」
と天子が言うが
「倫子さん(*41)も栄子さん(*41)もお元気ですし。お母さんも頑張ってくださいね」
と光江は言った。
(*41) 下記のような関係(少し下のほうの家系図参照)括弧内は没年
1.望郎(1992)=高子(1999)
2.サクラ(1997)=中村探牛(1990)
3.啓次(故人)=栄子
4.庄造(2002)=倫子
5.十四春(2000)=天子
栄子は82歳、倫子は81歳。天子は73歳で一世代若い。
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女子中学生・セーラー服と移転中(19)