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■夏の日の想い出・無茶言うなよ(24)

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最近話題になっていた、千代さんが赤ちゃんを抱いた写真について写真を見せられた左座浪は
 
「これは俺が撮った写真。写っているのは龍子ちゃん」
と証言し、アクアの最も古い写真であったことが確定した。
 
アクアが産まれた時の写真とかを知らないかと聞かれた左座浪は
「その写真は俺も見せてもらったけど、夕香さんはいつも肌身離さず持ち歩いていた。だからきっと事故の時に燃えてしまったのだと思う」
と言った。
 
夕香が自分の写真をいつも持ち歩いていたと聞き、zoomで繋がっていたアクアたちは涙を流していた。
 

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「だけど龍子ちゃんほんとに美人になったよね。娘が大女優になって、高岡夫妻もあの世で志水君と一緒に祝杯をあげているよ」
などと左座浪は言う。
 
ひとりの記者が遠慮がちに質問した。
 
「あのぉ。さっきも夕香さんは女の子を出産したとおっしゃいましたが、アクアさんは女の子なのでしょぅか」
 
「なんでわざわざそんなこと聞くの?アクアちゃん、女の子でしょ?」
 
「女の子なんですか?」
 
「俺何度かあの子のおしめ替えたけど間違い無く女の子だったよ。医者が書いた出生証明書も見たけど女に丸が付いてたよ」
 
記者たちがざわめいていた。zoomでつながった先にいたアクアFは大笑いしていたが、Mは憮然としていた。
 
今日はあまり発言していない雨宮が
「これでアクアの性別問題は解決したわね」
と言った!
 
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翌日“アクアはやはり女だった!”というのをトップ見出しにしたスポーツ新聞もあった!
 

最後に記者たちは「プライバシーに関わる問題ですが」と断った上で、義浜夫妻の性別問題について尋ねた。
 
「失礼ですが、レスビアン婚でしょぅか」
 
これについてはハイジが答えた。
 
「私たちは2人とも事件当時は男性でした。しかしそのあと裕恵は性転換手術を受けて女性に生まれ変わり、法的な性別も女性に変更しました。私たちはその時点で結婚したので結婚した当時は男女でした。しかしその後、私の身体に変調が起きて、私は自然に女に変わってしまいました。でも私たちは夫婦関係を維持するため、私の性別は男性のまま修正しまぜんでした。ですからそれ以降私たちは事実上のレスビアン婚の状態にあります」
 
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それで記者たちは納得し、この件は記事にはしないと約束した。記者たちは個人情報ということで実際に記事にするのを控えた。
 
一般人夫婦の性別問題などよりアクアの性別問題のほうがよほどニュース価値がある!!!
 

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ハイジの説明には少し誤魔化しがある。実際にはハイジの性別が変わってしまったのは、裕恵の性転換手術以前である。元々ハイジのために天野貴子は手術を予約していたのだが、ハイジはもう性転換しちゃったと聞き
 
「せっかく予約してたから、代わりにあんた手術を受けなさい」
と裕恵に性転換手術を受けさせてしまったのである。
 
裕恵はそのうち女になりたいとは思っていたが、突然言われて何の覚悟も無い状態で性転換手術を受けた。激しい痛みがあり、さすがに手術に同意したのは軽はずみだったかと後悔したが、性転換したこと自体は後悔していない。またあんな形で無ければいつまでも手術を受ける踏ん切りが付かなかっただろうと思っている。
 
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ふたりの夫婦生活はまさにレスビアン婚である。
 
またその後、ハイジは子供を2人産んでいるが、そのことは話がややこしくなるので話していない。子供は市長決裁で、裕恵の子供として入籍された。父親はハイジということになっている。ハイジは戸籍上男性なので、法的に父親になれる。
 
男性が出産したのが法律の想定外なので、生まれた子供を戸籍に入れないといけないという“福祉上の事情”で、市長が決断した。
 
しかし実際に出産したのはハイジである。出生証明書にも「母:義浜ハイジ、父:義浜裕恵」と記載されている。裕恵は性転換手術によって女性になったので本当は妊娠出産能力が無い。
 
このことはマスコミが知ると極めて面倒な問題を引き起こす。
 
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アクアの性別問題について福井の志水照絵の実家まで行き、質問した記者があった。彼女は笑って答えた。
 
「もうそろそろバラしてもいいでしょぅ。あの子の性別は元々不安定だったんです。おしめを替えるたびにちんちん付いてたり、ちんちんは無くて割れ目ちゃんがあったりしてました。服を着せる時も、女の子の服と男の子の服を並べて『どちら着る?』と訊くと、女の子の服を選ぶ時と男の子の服をを選ぶ時がありました」
 
「だから、龍虎って、まるで女の龍虎と男の龍虎が居て、交替で私たちの前に現れているのではと思いたくなりましたね」
 
それでマスコミは、アクアは非常に特殊な半陰陽なのではと思ったようであった。
 
元々アクアの性別に関しては半陰陽説というのも昔からくすぶっていたのだがこの後半月ほど半陰陽説がかなり信じられていた(映画が公開された後にまた双子説が勢いを持つ)。
 
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自分や両親に関することて世間が騒いでいても、アクアはそれを一切気にせず映画制作に集中していた。このあたりのアクアたちの精神力に監督夫妻や大曽根部長たちも本当に感心していた。
 
しかし感染防止のために主な出演者を越谷の小鳩シティに泊めて制作を進めていたのが非常に良かった。アクアたちはあまり雑音に惑わされずに済んだ。
 
大曽根部長は「恋人と“会っても”いいよ」と2人に言ったが、アクアたちは「いえ、映画制作中は我慢します」と言って断った。ただ美高助監督の提案で“セックス無し”のデートはさせてもらった。(4人でデートしたらしい)
 
また世間ではオミクロン株が猛威をふるい始めていたものの、映画関係者は世間と隔離された状態にあったため、出演者や主なスタッフには1人も感染者は出なかった。
 
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まさに感染対策で全員を撮影現場に泊める対策が功を奏した。
 

左座浪は映画の制作が終わるのを待ち、6月下旬アクアと会って、自分の知る高岡夫妻のことをたくさん話した。
 
アクアは終始泣いていたという。
 
この場には福井から志水照絵も来て一緒に会ったのだが
 
「私たちも左座浪さん亡くなったとばかり思ってた!」
と照絵は言っていた。
 

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6月3日(金).
 
オーストラリアで合宿していた千里(千里3)たち、日本女子バスケット代表の一行はこの日帰国した。次の合宿は6月7日からである。
 

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6月5日(日).
 
映画『お気に召すまま』は最後のカーテンコールを小鳩ホールで撮影して撮影を一通り完了した。
 
このカーテンコールの場面には、人形がずらりと観客席に座っている小鳩ホールの映像も映っているが、この風景もなかなかシュールで、現実と虚構が交錯するこの映画に良い味を加えた。
 
この後、制作は日本語・ドイツ語・フランス語のアフレコに進む。
 

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ドラマ『シンドルバッド2』は4月放送開始予定で3月から撮影を始めるつもりでいたのだが、ドラマで使用する春日部のガレオン船のセットを(まだ完成前に)映画『黄金の流星』で蒸気客船モジーク号に見立てて少し偽装していた。
 
そのため『黄金の流星』の制作が終わるまで撮影ができず、できるようになったのは、そちらの制作が終わった後で、蒸気船の煙突を取り外し、帆船の帆柱などを立ててガレオン船を完成させた5月下旬である。
 
そのため、キャスティングしていた俳優さんたちのスケジュールを再調整する必要が出てきた。恋珠ルビーや水森ビーナなどはコスネスが頑張って年末まで押さえた。ハンドル役の佐々木恒美さんは調整を付けてくれた。松田理史が映画を撮っているため、ヨンドル役には別の俳優さんを予定していたのだが、彼は9月から別のドラマが入っているということでこちらのずれ込みは困るということで降板した。
 
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しかし撮影開始が遅れたことで、松田理史は『お気に召すまま』のアフレコとこちらを同時進行でできることになった。この映画で松田理史の出番はあまり多くない。映像はわりと出ているが、セリフはそんなに無いので兼任可能だった。
 
またシンデレラの姉役をお願いしていた女優さんもそんなに日程がずれるのは困るといって降板したものの、この役を前回演じた岡原襟花が、撮影開始日程が約3ヶ月ずれたことで出演できることになった。
 

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それで結果的に主要な役については前シーズンと同じ配役で行けることになってしまったのである。
 
シンデレラ=シンドルバッド:恋珠ルビー(16)
ヨンドル:松田理史(24)
ハンドル:佐々木恒美(39)
ニャンドル:水森ビーナ(17)
シンデレラの姉アンブレラ:岡原襟花(22)
 
シンデレラが“パーティー会場”に行く時に使う直列6気筒エンジンのベンツS450 も健在だが、シンドルの普段の乗り物として、“シンデレラのアクア”が゛今回使用される。この車を運転するのは今回初登場の“表のドライバー”サンドラ:弘田ルキアである。
 
「あのぉ、まさか女役ですか?」
「もちろん。ルキアちゃん、今後は女役しかしないんでしょ?可愛い衣裳用意してあげるからね」
 
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「ぼく男の子なのに・・・」
とふつぶつ言っていたとか。
 
(↑ウェディングドレスで結婚式を挙げておいて何を今更?)
 
彼は9月23日生まれで誕生日に仮免を取り、10月上旬にに免許取得している。その後、このドラマのため(とは知らされないまま)2万km 運転練習した。ドラマ内では初期にはちゃんと若葉マークを付けて運転する。今回のドラマの最後のほうで若葉マークが外れるので、そのネタも取り上げる予定である。
 

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「まあ無茶なことというと北島マヤの出前だね」
と私は言った。
 
「何だっけ?」
 
「『ガラスの仮面』の第1回で主人公のひとり北島マヤが年越しソバ120軒の出前をするという話が出てくる」
と私は言う。
 
「ああ、何か出前してたね。あれ読んでてっきり熱血おそば屋さんの話かと思ったらなんか違うほうに行っちゃったから、私その先を読んでない」
と政子。
 
「それで120軒の出前をするのに何時間かかるのかという問題」
「うん」
 

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「120軒といったらかなりの範囲に散らばっていると思うんだよね。また出前したら、呼び鈴鳴らして出てきてくれるのを待って、商品を渡して、お金をもらい、お釣りを渡さなければならない。この作業だけで平均3分は掛かると思う。アパートとかは階段を上り下りしなければならない。もっとも近くにある家はまとめて運べる。それでも1軒の出前にはどう考えても平均10分は掛かる。実際話中にも『あと1時間でどうやって10軒も回れるんだよ』というセリフが出てくるから、実際そのくらいの時間が想定されたと思う。だから、1軒10分なら、10分×120軒は、1200分=20時間掛かることになる」
 
「1月1日まで掛かるじゃん」
「でもマヤは12月31日24時ジャストに出前を終えてる」
「だったら朝から始めたの?」
 
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「何時から始めたかは書いてないんだよねー。でも残り1時間で残り10軒と書かれているから、最後の1時間の速度から比例計算すると12時間掛かったことになる」
 
「年越し蕎麦をお昼に持って来られても困る」
と政子。
 
「だよね。だからせいぜい12月31日の16時くらいから始めたと考えてみる。23時までに120-10=110軒に配達したなら7時間=420分で110軒に配ったことになり、1軒あたり3分49秒で配ったことになる。お客さんとのやりとりに3分掛かったとして残り49秒でお店とお客さんの家を往復した計算になる」
 
「分かった!北島マヤはワープ能力か分身能力があったのよ」
 
「そうとしか思えないよねー」
 

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「ところでこれ違法労働ということは?子供を夜中まで使っていいわけ?」
「夜中以前に、そもそも中学生に労働させている時点でアウト」
 
 
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