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■夏の日の想い出・無茶言うなよ(20)
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2022年5月21日(土).
バスケットの日本女子代表の合宿をしていた千里(千里3)はこの日、オーストラリア遠征に旅立った。つまり何人か(筆者もよく分からない)居る千里の内3人が海外(アメリカ・オーストラリア・スペイン)に出たことになる。
5月22日(日).
アメリカのバイデン大統領が来日。首都圏の交通は麻痺する!
24日には日本(岸田首相)・アメリカ(バイデン大統領)・オーストラリア(アルバニージ首相)・インド(モディ首相)による戦略会議 QUAD が開かれた。QUADは中国の軍事的野心を牽制するためのフレームだが、今回の会議はロシアのウクライナへの軍事侵略開始以降、ロシア寄りの姿勢を示していたインドを“こちら側”に少しでも引き寄せることができたのが大きな成果だった。
※QUADは京都に移動して行われたとの情報も一部に流れているが、東京首相官邸で開かれたというのが正しい模様。官邸のサイトにもTOKYO2022 と書かれている。
22-24日の3日間、男子寮に住んでいる寮生のレッスン参加はお休みとした。またあけぼのテレビはこの3日間は、17:00-20:00 のサテライトスタジオからの番組以外は、録画放送で乗り切った。
在来テレビ局でも番組の収録などを中止する所があった。
映画『お気に召すまま』の制作は、23日の週から、アーデンの森を舞台にしたシーンの撮影を行った。バイデンの来日で首都圏は交通が麻痺していたが出演者の大半が感染対策のため小鳩シティに泊まり込んでいるので、大きな問題は無かった。
栗原リアが演じるマーガレットが川を飛び越えきれずに転落するシーンは、川の上に台を組んで、川岸から高さ50cmくらい落ちた下に走り高跳びに使うようなクッションを敷いて撮影した。しかしリアがこの演技を怖がったので、花園裕紀が模範演技?を見せてあげて「こんな感じで転落すればいいんだよ」とやってみせようとした。
ところが裕紀は最初うっかり飛び越えてしまって
「わざと落ちるの難しいですね」
と言ってやり直して2度目にうまく転落する演技ができた。
リアはそれでも怖がって、内心「飛び越えちゃおう」と思って飛んだらしい。でも足の先が向こうの岸に少し引っかかって下に落ちたので、マジで失敗した感じになって、
「栗原さん名演技!」
と監督に褒められていた!
実は演技じゃなくて本当に落ちた。
その後で、梯子で本当の川の下まで降りて、フィーヒー(七浜宇菜)とウィリアム(花園裕紀)でマーガレット(栗原リア)を助けるシーンを撮影した、
宇菜が高さ1.5mほどの崖をひょいと飛び降りるし、マーガレットを助けた後は簡単によじ登るので
「凄いですね。憧れちゃう」
と言ってマジで憧れる感じで宇菜を見ていた。
その余韻が残っている内に、マーガレットがフィービーに花束を渡して
「私の彼氏になってください」
と言うシーンは、ほんとに惚れている感じが出てとても良かった。
ここも
「栗原さん名演技」
と言われたが、本当に好きになってたりして!?
もっとも宇菜は女の子に好きになられるのは慣れている!
撮影は5/28-29の土日に、ハイメン役の槇原歌音が金沢からHonda-Jet
blackでこちらに出てきて(*64) 楽人たちも入り結婚式のシーンを英語セリフ同時録音で撮影した。衣裳の耐久性の問題などもありNGの許されない1発撮りであったが、特に目立ったミスもなく1発OKとなった。
松明の火が1本途中で消えたのは愛嬌であるが、従者役のセレンがごく自然に予定されていた動作であるかのように再着火して、何事も無いように結婚式は進行した。このあたりのセレンの対応能力も素晴らしい。
(*64) 歌音を迎えに行った千里(千里6)は彼に変な邪霊が憑いているのを見て速攻で除霊した。そして北陸の案件を処理している千里4に警告した。
それで、千里4は、あの日、鏡海姉妹(姉弟だっけ?)から墓場劇団の話を聞かなくても適当な理由を付けて梨原のマンションに青葉を連れて行くつもりだった、
撮影終了後、千里6は歌音を能登空港経由、金沢まで送っていったが、彼の2人の弟(弟と妹に見える)も呼び出してもらって弟たちも除霊した。そして3人に邪霊にやられないようガードを掛けてあげた。
「何か色々ありがとうございます」
「いや君は演技うまいよ。監督も喜んでいたし。こちらの劇団でも頑張ってね」
「はい、ありがとうございます」
それで千里(千里6)は3人と握手して別れた。
5月25日(水)、
薬王みなみの2枚目のシングル『無茶言うなよ』が発売された。
彼女のデビューシングルは『ブーゲンビリアの伝説』という美しい歌(*66)だったのだが、今回は一転してコミカルな歌となった。
『無茶言うなよ』蜂矢仁美作詞・本田慈媛作曲
『変わらない距離』水野歌絵作詞・鹿賀カノン作曲
『ブーゲンビリアの伝説(本家版)』波斯魔琴作詞・本田慈媛作曲
今回の演奏も伴奏はホロウズが行っていて、当面薬王みなみの伴奏はホロウズということになりそうである。ホロウズはどこの事務所とも契約していないので§§ミュージックは取り敢えず彼女たちと委託契約を結んだ。
3曲目に入っているのはデビューシングルの曲の元歌である。この曲は元々波斯魔琴(ぺるしゃ・まきん)こと清原空帆(きよはら・うつほ)率いるホロウズの曲なのだが、中学生に歌わせるには歌詞の内容が“おとなすぎる”という、花ちゃんの意見から、蜂矢仁美に新たな歌詞を書いてもらい、それを花ちゃんが添削して、出したものだった。
しかし元歌も聴きたいという声が多数あったので、今回のCDに収録した。薬王みなみは歌詞の内容がいまいち分からないと言って、首をひねりながら歌っていた。DVD版に収録された映像では、沖縄のブーゲンビリアの花園に薬王みなみ本人がお邪魔して撮影している。デビューシングルでは神奈川県内の植物園の温室で撮影していたので
「制作予算が上がってる」
と言われた。
歌自体の反響。
「前回の記者会見の時に言ってたように元歌は日本語がおかしい」
「格好良いけど意味が分からない」
結局、元歌・新歌詞どちらもそれぞれ良いということになったようである!?
2曲目『変わらない距離』の作詞者・水野歌絵ことアクアは現在映画制作中だが、この歌の歌詞は2月頃もらっていたらしい。鹿賀カノンは松本花子の一部である。
これは薬王みなみ向けに音域を拡大し、ある程度の不協和音も許容し、また通常は「歌いにくい」としてカットされるような音程進行も許容した特化システム。だから実はカラオケなどで“正確に”歌うのが結構難しい。
“変わらない距離”というのは彼との関係がなかなか進行しない、もどかしさを歌ったもので、だからといって思い切った行動を取る勇気は無い10代の恋愛ならではの悩みを歌っている。若い世代にしか書けない詩だ。
実は今回のCDではファンのコア層と思われる中高生たちに最も受けた曲で、歌うのが難しいことからかえって合唱コンクールや文化祭などでも多数歌われた。編曲許可を求める照会が何件かあったので、二部合唱・三部合唱向けに編曲した譜面(醍醐春海編曲)も発売したが、この譜面が物凄く売れた。信濃町ガールズたちが実際に女声二部合唱・女声三部合唱している動画も無料公開している。
また追って都内の音楽系高校の生徒たちに歌ってもらった混声三部・混声四部の動画も公開された。混声の編曲では、男声と女声が会話するように曲が進行する。
表題曲『無茶言うなよ』は様々な無茶を歌った歌である。作曲者の本田慈媛は忙しかったようだが、気分転換もかねて書いてくれた。
1番では「8月31日」という日めくりが映ってから、机の上に積み上げられた大量のプリントを見て放心状態?になっている薬王みなみが映される。
それでも頑張ってプリントの問題に必死に取り組んでいる本人。
2番では、どーんと段ボール箱100個ほどファンレターの入った箱を積み上げられて永田秋世マネージャーから
「これ全部お返事書いてね」(字幕)
と言われるシーンが映る。
その後必死にお返事を書いている薬王みなみ。
3番では「15分以内に完食したらタダ」と書かれたパフェを注文したら5mほどの高さのパフェが出てきて、呆気にとられる薬王みなみ。
その後、必死に食べているシーンが映る。
発売記者会見で“その後”を訊かれた、みなみはこう答えた。
「ファンレターのお返事は2021年内に頂いたものについては、全部読ませて頂いて(*65)、ピックアップして合計で200通くらいお返事書かせていただきました。でもその後はごめんなさいです。とても読み切れなくなりました」
と正直に答えた。
へたに「全部読んでます」などという見え透いた嘘をつくより良いと言われた、
(*65) 実際には本人に読ませるにはふさわしくないメールは見せていない。
また巨大パフェについては、こう説明した。
「あの容器は直径30cm 高さ5mほどあって、まともに詰めると350リットル、つまり350kgほどあって、お相撲さんが100人かかって何とか食べられるかどうかというレベルだそうです。実際にはあれは容器に“芯”を入れていて、外側だけに詰まっていて、中央は空洞なんですよ。だから実際には30リットルくらいしかありませんでした。それでも§§ミュージックのタレントさんや信濃町ガールズ合計50人くらいで食べました。味は美味しかったですよ」
しかし30Lを50人がかりでも1人600ccくらい食べたことになる。
なかなか大変だったようである。
(後日、みんなで食べている様子のビデオがファンクラブ報に掲載された。実際にはマネージャーなども入り100人がかりで食べた)
なお、このパフェはそもそも作るのに職人さん10人がかりで丸1日かかったらしい。手間を省くためにアイスクリームはレディーボーデンの既製品を使用している。下の方が重力で潰れないように、中心に入れた芯から枝を出すように透明な“棚”を出しており、パフェはこの棚の上に載っている。
(*66) 本当はデビューシングルのタイトル曲は『音楽室の想い出』という曲だったのだが、カップリング曲の『ブーゲンビリアの伝説』のほうが売れたので、2回目の出荷以降は両A面に変更された。
政子は言った。
「無茶というと、亮平の女装には無理があるよね」
「若い頃は結構行けたけど、最近は難しいかもね」
「あ、そういえばアクアがデビューした時の『性転の伝説』では女装してたね。本騨真樹(ほんだまき)ちゃんほど可愛くは無かったけど」
本騨真樹(ほんだまさき)は女装して“女の子キャラ”になると本騨真樹(ほんだまき)と呼ばれる!彼は『少年探偵団』(明智小五郎役)でもしばしば女装しているが、普通に女性に見える。flower four (元? wooden four) のメンバーで本騨君と森原君の女装はちゃんと女に見え、亮平の女装はこんなおばちゃんも居るかもという感じで、木取君の女装は痴漢にしか見えない!
「やはり男性ホルモンの作用で亮平は女装が似合わなくなったのかなあ」
「そうだと思うよ」
「亮平は25歳までに去勢しておくべきだったな」
「本人去勢したくないと思うけど」
「やはり寝ている内に病院に運び込んで」
「それ犯罪だって」
そういえば、doces flocosの2人は朝、目が覚めたら睾丸が無くなってたから仰天したなんて言ってたなと思いだした。無茶なことする所もあるものだ。
「貴昭は今でも女装すると女に見えるのは去勢したのかなあ」
「彼は去勢はしないだろうけど、男性ホルモンが弱いタイプかもね。去勢したら子供作れないし」
彼はきっと・・・今でも女の子になりたい気持ちがあるから、身体があまり男っぽくならないように努力しているのだろう。彼は撫で肩だし、ウェストの凹みがあるし、喉仏は目立たないし。彼は奧さんが入院して以来、会社には男装で出るが、家の中ではほぼ女装になってしまった言っていた。多分無理して男らしい生活を送っていたここ5-6年の結婚生活の反動が出たのだろう。
「ああ。貴昭は男性ホルモン弱いかもね。でも子供は2人とも体外授精だから冷凍保存した精液だったかもよ」
「へー。体外授精だったんだ?」
そんな会話をしながら私は思っていた。最近政子の会話には百道大輔さんの話が全然出てこないしデートもしてないみたいだけど、やはり別れたのだろうかということ。そしてまさか政子のお腹の中の子供は貴昭君の子供ということは?という疑惑であった。彼も奧さんが闘病している最中に浮気することはなかったと信じたいが。
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