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■夏の日の想い出・無茶言うなよ(9)

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4月6日(水)、水谷姉妹名義の2枚目のシングル
『狼が1匹狼が2匹/ダリのまねをしたのはだり?』
が発売された。
 
彼女たちのファーストシングルは昨年9月に発売されており(売上枚数は7万枚でまあまあ売れた部類)、約半年ぶりの自分たち名義のシングルとなった。
 
「ふだん舞音ちゃんと一緒に仕事してるらねー」
「実際その分だけでほとんどの時間が潰れてるよねー」
「ギャラが美味しいからいいけどね」
 
しかし今回は久しぶりの水谷姉妹メインの仕事だった。
 
前回のシングルも、通販サイトのCM曲と森永のお菓子“ダれたチョコシュー”のCM曲であったが、今回も同じ組合せである。『ダリのまねをしたのはだり?』は常滑舞音の曲のカバーである。
 
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今回の伴奏は下記のメンツである。
 
Gt.水谷雪花、B.水谷康恵、Dr.長浜夢夜、KB.薬王みなみ
 
キーボードだけが交替した。前回キーボードを弾いた夕波もえこが、あけぼのテレビの仕事で忙しいので(この時期はまだ時間があった)薬王みなみに交替したものである。
 
「でもみなみちゃんの歌売れてるから次回は無理かも」
「というか私たちの“次のシングル”って、あるのだろうか」
「人数が増えてるから忘れられてる人もあるよね」
 
(例えばエーヨとか・・・・)
 

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世間の評価
 
「舞音ちゃんの歌が凄くうまいというのがよく分かった」!!
 

4月6日(水).
 
世田谷区M高校の入学式があり、末次一葉(花園裕紀)は、“男子制服”を着て登校し、受付でピンク桜模様のリボンを付けてもらい、入学式に出席した。コロナの折、入学者の氏名読み上げは省略されて「○○○名の入学を許可する」と校長は言った。来賓もPTA会長だけで、式は短時間で終わる。
 
式が終わってから教室に入る。何人か中学でも一緒だった子がいるので視線が合ったら手を振っておいた。しかし何か自分を見る視線が多数あるのは何だろうと思った。テレビとかには出てるけどそんなに売れてる訳でもないしと思う。
 
やがて担任が入ってきて挨拶をする。先生は生徒たちにひとりずつ自己紹介をするよう言った。ここは混合名簿なので性別関係無く単純50音順である。やがて一葉の順番が回ってくる。
 
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「F中学から来ました末次一葉です。一枚の葉っぱと書いて一葉(かずは)ですが、この漢字で“いちよう”と読む、お札(さつ)にもなっている有名人が居るので、ぼくの名前もよく“いちよう”とか更に短くして“いちよ”とか読まれてしまいます。個人的には気にしませんので、どう読んでもらっても構いません。生まれた所は埼玉県の大宮。好きな作曲家はモーツァルト、好きな画家はデルヴォー、好きな作家は池井戸潤、好きなタレントはアクアです」
 
と言って座る。
 
質問が出る。
「末次さん、どうして男子制服っぽい服を着てるの?」
「えーっとぼくは男子ですけど」
「また冗談を」
 
「だってピンクのリボン付けてるし」
「え?」
 
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それで教室を見回すと、ピンクのリボンを付けているのはみんな女子で、男子はライトブルーのリボンを付けているようだ。
 
なんで、ぼくピンクのリボンもらったの〜〜?
 

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ホームルームは取り敢えず先に進む。全員の自己紹介が終わり、委員の指名などをしてホームルームが終わったが、その後で中学で一緒だった元代ちゃんが言った。
 
「一葉(いちよ)ちゃんは、戸籍上男子らしいんですけど、実際はほぼ女子なんですよ。なんか病気で男性器取っちゃったらしくて。だから男子トイレの小便器も使えないし、男子と一緒には着替えられないから別室で着替えてましたね」
 
「へー。病気で取っちゃったんだ?」
「取っちゃったから、おしっこの出方は女の子と同じ。ただ性転換手術したわけじゃないから、割れ目ちゃんとかは作ってないんだって。でもほぼ女の子だから、声も女の子みたいな声だし、体型も女の子の体型だし、バストはCカップあるし、生理もあるみたいだし」
 
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どうも自分の性別のことで凄い噂ができあがっていたようだと一葉は思った。
 
「生理もあるのなら本当に女の子なのでは?」
「でも本人は男の子という意識、なんだよね?」
「うん、まあ・・・」
 
ということで、裕紀は半陰陽で男性器を除去してるからほぼ女子。でも意識は男子という形で“理解”されてしまった!
 

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「それで女子用男子制服着てるのか」
「声は女の子の声だもんね」
「喉仏も無いし」
「バストもけっこうあるし」
「それCカップ?Dカップありそうだけど」
 
「更衣室はどうするの?」
「中学の時は別室で着替えていたけど女子更衣室でもいいと思うなあ」
「だったらそれで」
 
「トイレも女子トイレ使ったら?」
「うん。ちんちん無いんだったら男子トイレに入ってもしょうがないよ」
 
「だから授業で男女に分かれて何かするような時、たとえば男子は校庭の掃除で女子は体育館の掃除だとか、男子チームと女子チームに別れてサッカーするとか、そんな時は男子に入ってもらって、トイレとか更衣室とかは女子のほうを使ってもらえばいいんじゃない?」
 
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「うん、まあそれでもいいかに」
と一葉は同意してしまった(なぜ同意する?)
 
という訳で、一葉(花園裕紀)はほぼ男装女子生徒扱いになってしまった!!
 
(多分ほぼ問題無い)
 

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2時間目は身体測定があった。先に女子が呼び出される。
 
一葉は座って居たのだが、気付いた元代ちゃんが誘ってくれた。
 
「一葉ちゃん行こう」
「え?でも」
「だって一葉ちゃん女子に入れられてるから、書類も女子のほうにあるはず」
「確かにそうかも」
 
でもいいのかなあ?などと思いながらも、手をつないでくれた彼女と一緒に保健室に行く。
 
それで保健室に行くが、みんな着衣で並んでいる。あれ〜。脱がなくていいのかな?と思ってたらひとりの子が言った。
 
「身体測定が着衣っていいね」
「ほんとほんと。下着だけになる意味ってほとんど無いもんね」
 
ということでこの学校は着衣測定なので一葉は偽装しているバストをクラスメイトたちに曝さなくて済んだのであった!
 
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よかったぁと思ったら、体重と身長を測られた後、カーテンの向こうへと言われる。何?と思ったらひとりずつ内科検診をしまますと言われる。
 
え〜〜〜!?
 
一難去ってまた一難、と思ったが、裕紀はお医者さんが一葉が着けているブレストフォームに気付かない、というのに賭けた。
 
それで制服を脱ぎ下着姿になって、脱いだ服は渡されたビニール袋に入れて持ち、カーテンの向こうに行く。脱衣するカーテン内には1人ずつしか入(い)れない。お医者さんの前の椅子に座る。年配の女性の先生である。ブラジャーの上から聴診器を当てられる。
 
「後ろ向いて」
「はい」
 
それで背中に聴診器を当てられる。そしてまた向き直る。
 
「どこか体調の悪い所はありませんか」
「特に無いです」
「生理は乱れてませんか」
「特に乱れてません」
「はい、いいですよ。ではそのままレントゲンに行ってください」
「あ、はい」
 
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ということでブレストフォームを着けていることに先生は気付かなかった!
 

着替えを持ったままカーテンの向こうに行くと出入口そばにレントゲン車が駐まっている。目隠しの衝立が左右に立っている。ここは多少順番待ちが生じるようで、前の順番の佐藤絵美が下着姿のまま待っていた。下着姿の一葉を見てニコッと微笑むのでこちらも微笑んで軽く会釈してからソーシャル・ディスタンスを空けて立った。
 
絵美はすぐにレントゲン車に入っていく。一葉は彼女が立っていた付近に進む。次の順番の元代が下着姿で入ってくるので一葉は笑顔で手を振る。向こうも笑顔で手を振る。一葉はすぐに呼ばれてレントゲン車に入る。絵美が服を着ている最中である。一葉は名前を確認される。
 
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掲示を見てくださいと言われる。このように書いてある。
 
「中に入ってから。もし妊娠している場合、妊娠の可能性がある場合、たとえばセックスをした後、まだ最初の生理が来ていない場合は、手をあげてください。そしたら撮影はしません」
 
一葉は妊娠した覚えは無いので、手は挙げず普通に撮影された。
 
セックスした覚えも無いし、などと思う。
 
でもセックスっていまいちよく分からないよね。
 
一葉は可愛い女の子に抱きしめられてキスされて「してもいい?」と訊かれて「うん」と返事する自分を妄想した。その先がよく分からないけど多分何か気持ちいいことするのかな?
 
(↑もしかしてレスビアン願望?)
 
ぼくその内セックスとかするのかなあ。できるかどうか不安だなあ。
 
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退出して服を着ていると元代が入ってくる。また手を振る。そして一葉は服を着終わると元代を待ってから一緒に教室に戻った。
 
こうして一葉は、身体測定・内科検診・レントゲンを普通に“女子生徒として”無難に乗り切ったのであった。
 
(女子校に進学しても何とかなってたりして)
 

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さて一方、長岡飛鳥は転入初日を女生徒として過ごしてしまったのだが、その日の夜、明日の準備をしていてブリントを見、ギョッとする。
 
「4月7日は身体測定と、3年生は内科検診がありますので、脱ぎにくいシャツやブラウスの着用は避けてください」
 
身体測定・・・
内科検診・・・・・
 
ぼくお股に余計な物があるのはタックで誤魔化せるけど、おっぱいが無いのは誤魔化せないよう。
 
プールの更衣室程度ならじろじろ他人を見たりしないからパッドで何とかなるけど、身体測定で下着姿で並んでたらクラスメイトには胸が無いのバレる。それに内科検診の時ってブラジャーも取るよね?
 
飛鳥は小学校の修学旅行の時、みんなと時間帯をずらしてお風呂に行き、女湯に入っちゃったけど
 
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「何年生?」
と聞かれて
「小学4年生でーす」
と答えて、
「4年生ならまだ胸が無いよね」
などと言われた。
 
でも中学3年生で胸が無いのは絶対不審に思われる。
 
どうしよう?
 
と思いながら、いつの間にか眠っていた。
 

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飛鳥は身体測定を受けていた。
 
この日はパッドが分かりにくいフルカップのシームレスカップ・ブラジャーを着けていたのでクラスメイトたちには胸が無いことが何とかバレずに済んだ。クラスメイトがふざけて胸に触ったりしたものの、カップの中にシリコンパッドを入れていたので本物みたいな感触があり怪しまれなかった。
 
身長と体重を計られ内科検診を受ける。
 
ここでブラジャーを外さなければならない。
 
それで覚悟を決めてブラを外し、お医者さんの前に座った。
 
「あれ?君胸が無いね。君生理来てるよね?」
「いえ、生理も来てません」
「それはおかしい。ちょっとこちらに来て」
と言って別室に入れられて先生に精密検査?を受けさせられる。
 
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「ちょっとお股を見せて」
「はい」
 

それで仕方ないので、飛鳥はパンティを脱いでお股を見せた。
 
「ああ、君クリトリスが大きすぎるね。少し切って小さくしてあげよう」
 
切っちゃうの?
 
と思う間もなく、お医者さんは“クリトリス”の根元にハサミを当てると
 
チョキン
 
と切っちゃった!
 
きゃー!?
 
根元から切った“クリトリス”はゴミ箱に捨てられる。
 
「生理が出てくる穴も空いてないし。ちゃんと穴を作ろうね」
と言ってお医者さんは杭(くい)のようなものをお股の後の方に当てると金鎚で数回叩いた。
 
ひぃー。
 

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「うん。これでちゃんと穴ができたね。あと陰唇も癒合しちゃってるから分離しておくね」
 
と言って癒着している陰唇の皮膚を中央でハサミで切り、左右を各々降りたんでちゃんと普通の陰唇の形にした。この時、皮膚の下にあった卵形の物体は
 
「なんか腫瘍ができてるから取っておくね」
と言って切除してゴミ箱に捨てた。
 
それで飛鳥のお股の方は普通の女の子と同じ形になった。
 
「あと胸も大きくしておこうね」
と言って胸に注射をされた。するとバストはみるみる内に大きくなった。Aカップくらいだろうか。
 
「この後は卵巣の働きでもっと成長するよ」
と言われた。
 

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夏の日の想い出・無茶言うなよ(9)

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