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■夏の日の想い出・無茶言うなよ(12)

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学校が終わった後、職員玄関の所に行き、同じ中学に通うセレン・クロム・鈴原さくら・長岡飛鳥と5人でSCCのドライバーさんが運転するエスティマに乗って女子寮に向かう。レッスンを受けるためである。
 
車にはこのように乗った。
 
助手席:飛鳥(3年)
2列目:さくら(2年)ひかり(1年)
3列目:セレン(3年)クロム(3年)
 
ここで飛鳥・さくらは女子制服を着ている。セレンとクロムは男子制服だが、移動中に信濃町ガールズの練習用ユニフォーム(スカートタイプだが本番用と違って膝丈スカート)に着替えるつもりである。
 
ひかりが女子制服で車に乗ってきたので、車が出発してからセレンに尋ねられた。
 
「ひかりちゃん、女子制服に着替えたのね?」
 
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「朝のホームルームの後で、クラスのみんなに『君女子でしょ?ちゃんと女子制服着なよ』と言われて、女子制服着ちゃったんです。それで生徒手帳の写真とかも撮っちゃった。明日からはちゃんと女子制服着て来なよとか言われちゃったけど、女子制服で登校するなんて恥ずかしいー。どうしよう?」
 
「・・・」
 
「女子制服で生徒手帳の写真撮ったのはまずいよ」
とさくら。
「そうですか?」
「そのまま女子生徒として処理されてしまうと思う」
とクロム。
「先生にちゃんと説明して写真は撮り直してもらった方がいい」
とセレン。
 

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「やはりまずかったですかね」
 
「だいたい女子生徒ということになったら体育の着替えとか身体測定とかどうするのさ?」
とさくらから訊かれる。
 
(飛鳥はドキドキしている)(*40)
 
でもひかりは答えた。
 
「今日身体測定があって体育もありましたけど」
 
「・・・・・」
 
「それ男子と一緒に身体測定したの?」
「女子と一緒に身体測定しましたよ。ぼくの書類女子のほうに入ってたし」
 
「体育の着替えの時は男子と着替えたんだよね?」
「女子と一緒に着替えましたけど。ガールズ関西のレッスンの時も女子と一緒に着替えてたし」
 
「女子と一緒に着替えられるの〜〜!?」
 
「汗掻いたからパンティとブラジャーも交換したんですけど、生胸触られちゃって『男みたいに小さな胸だね』とか言われちゃった」
 
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「・・・・・」
 
「ね。君女の子の身体なんだっけ?」
 
「ぼく男の子ですけど」
「嘘つけ!」
 

なおこの日、19時からテレビ局で白鳥リズムちゃんのバックで踊ったが、ひかりがショートパンツのユニフォームを着けてるのを見て、さくらから
「女子制服着てる子がショートパンツは無い」
と言われ、スカートに穿き換えさせられた。
 
「スカートとか恥ずかしい」
「見え透いた嘘を」
 

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(*40) 今日は飛鳥も女子として身体測定・内科検診を受けたが、心配した同じクラスのクロムに「大丈夫?」と訊かれて「何とかなると思います」と答えておいた。
 
実際飛鳥は、保健室で下着姿になり女子たちと並んで、少しドキドキしたものの(*41)“今日はおっぱいが大きくなっているので”全く不審がられなかった。内科検診も、聴診はブラジャーの上からだったので
「なーんだ、ブラジャー外さなくて良かったのか」
と拍子抜けした。
 
クロムは、飛鳥が女性ホルモンをしていて既にバストがあるものと思ったようである。
 
1年生の内科検診は後日行われる。
 
(*41) 性別未分化?な、ひかりの場合、女子と一緒に下着姿で並んでいても、それで何か感じることもなくドキドキすることもない。飛鳥は身体を何とか中性に近い状態に維持していても、心は男の子(男の娘?)に進化しつつある。
 
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4月9日(土) 0時過ぎ。
 
松山貴昭の妻、露子さんが亡くなった。
 
私は政子に、こちらから妃美貴と佐野君に行ってもらうから両親たちが来る前に戻ってくるよう言った。佐野君は結局麻央も連れて妃美貴を乗せて夜通し車を運転して大阪に行ってくれた。そして妃美貴が政子と風花を車に乗せて9日の内に東京に戻った。
 
佐野君夫妻は貴昭の友人として葬儀にまで出席してから戻った。その間、誰も面倒を見てくれず放置されていた紗緒里(4)・安貴穂(2)の面倒は麻央が見てくれた。
 
麻央は2人から「お兄ちゃん」と呼ばれていたらしい!
 
本人も「お兄ちゃんと一緒に居ようね」などと言って子供たちを別室に連れ出したりしていたらしい。
 
「でもどうしてお兄ちゃんスカート穿いてるの?」
「スカートは好きだから穿いてるだけだよ。君たちだってズボン穿くだろ?」
「あ、そうだよね。女の子がズボン穿いていいんだから男の子がスカート穿いてもいいよね」
 
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佐野君たちによると、奧さんのお父さんが
 
「あんたが気をつけてないから露子の病気の発見が遅れたのでは?」
 
と言って、貴昭を酷く責めて、それに対して貴昭の両親が喧嘩を買って言い争いになり、露子さんの妹さん夫婦が
 
「こんな所でやめてください」
となだめたりしていたらしい。
 

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「まあ何か大変な葬儀だったよ。通夜でも告別式でも親族で言い争いしてるから坊さんが困ってた」
と佐野君と麻央は言っていた。
 
露子さんを亡くして落ち込んでいる所に露子の父親から責められて貴昭は佐野君に
「佐野君が居なかったら、僕も死にたくなったかも」
とこぼしていたらしい。
 
「子供2人居るんだから、お前が頑張るしかないだろう。何言われても気にするな」
「うん、ありがとう」
 
「それから唐本からの伝言。香典は治療費出した分と相殺にさせてくれって」
「すまない、本当にすまない」
と彼は泣いていたという。
 
「まあ芸能界って御祝儀や香典の相場が俺たち一般人と100倍か1000倍違うから、これも儀礼の範囲だよ。結婚式に招かれたら300万包んだりするみたいだし」
 
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「確かに相場が凄まじいみたいだね!」
 

貴昭は妹さんに
「少し落ち着いたら露子さんの遺品整理に来てほしい」
と言った。
 
妹さん夫婦は49日の5月28日(本当は5/27が四十九日:“給料日”というものの都合で28日にした)に子供も連れて出てきてくれて(旅費は貴昭が出した)、記念品的なものだけ持ち帰り、服などは娘たちに形見として残すもの(振袖と色留袖を含む和服数点)以外、全て処分したらしい。妹さんは、父が貴昭のことを責めたりしたのを
 
「父が酷いこと言って申し訳ない」
と謝っていたという。
 
「お姉ちゃんはうまく島を脱出した。私はお姉ちゃんみたいに頭が良くなかったから脱出失敗した」
などと妹さんは言っていたらしい。
 
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露子さんたちの実家があるのは甑島(こしきしま)と言って、川内(せんだい)または串木野から高速船で1時間(フェリーで2時間)行った所にある離島である。上甑島・中甑島・下甑島という3つの大きな島のほか多数の小島からなる列島になっている。
 
露子さんは地元甑島の小学校を出てから鹿児島市内の中学、福岡の高校に通い、そこから大阪の大学に入った才媛である。妹さんは鹿児島市内の中学高校を出たものの、甑島出身の男性と結婚して!島にUターンしてしまったらしい。
 

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「でも子供の教育のために一家で鹿児島市内に引っ越そうかと言ってるんですけどね」
「お仕事は大丈夫ですか?」
「まあ何とかなるでしょ。それに仕事替えするのもできるだけ若い内がいいし」
「それはありますね!」
 
「松山さんが再婚した後でも、紗緒里ちゃん・安貴穂ちゃんに会いに来ていい?」
「いつでもどうぞ!」
 
この遺品整理で出てきてくれた時も向こうの一家、貴昭と子供2人と一緒にUSJに行ったらしいが、貴昭が東京に移動した後も、また子供を連れで出てきて、紗緒里・安貴穂も一緒にTDLで遊んでいた。妹さん夫婦はその後、結局福岡市!に移住してしまった。
 
貴昭は露子の遺言を聞いたらしいが、その内容は彼が2年後に再婚するまで誰にも言わなかった。
 
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映画『黄金の流星』の制作は、3月下旬からゴールデンウィークくらいまで掛けて行われた。
 
例によってセリフ先録り方式で、基本的に、英語セリフで録音→撮影→日本語・ドイツ語・フランス語のアフレコ、という手順で進める。英語を標準とするのは出演者が英語はだいたい分かること、他の言語のセリフを入れようとした時に英語のセリフの長さがあれば、他の言語もだいたい足りるのが経験的に分かってきたからである。これが日本語で入れていると、足りなくなりやすい。
 

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ただ幾つか撮影と同時にセリフ収録した所があった。
 
フォーサイス(ケンネル)とミッツ(内野音子)が言い争うシーンは撮影とセリフ(日本語)録りを同時におこなった。あの緊張感は“セリフを読む”方式では出せなかった。ただ日本語自体早口だったこともあり、英語のセリフを時間内に収めるのに苦労した!
 
シルヴィア(木下宏紀)がジルダル(アクア)を押し倒すシーンも同時録音でやっている。ここはふたりともフランス語ができるので、フランス語で同時録音している。これも同時録音でないとできない迫力?のシーンだった(*42).
 
またクライマックスの隕石爆発でハデルスンたちが流されそうになるのを必死でアルケイディアたちが助けるシーンも同時録音である。ここは英語で録音している。騒音が物凄いので、各自にポータブルの録音機器を付けさせて録音してあとで技術者さんが頑張って同期を取った!
 
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(*42) このシーンについてアクアFとアクアMは
「どっちが“やられる”?」
と話し合った。
 
「みのりちゃん(*43)って男の子なんだっけ?女の子なんだっけ?」
「それ誰も知らないのよねー。本人は『ぼく男の子です』と言ってる」
「アクアみたいなやっちゃな」
 
結局Fが“やられた”場合、女の子の身体だったら羽柴みのり(木下宏紀)がギョッとして逆レイプの演技を躊躇するかもということで、アクアMが演じた。
 
(*43) “羽柴みのり”は木下宏紀にコスモスが付けた芸名だがこの芸名を付ける前から本名の“木下宏紀”が多くのファンに知られていたので、結局芸名を使用しなかった。篠原君も“春日ライト”という芸名をもらったものの同様に本名が先に広く知られてしまったので、本名で活動している。
 
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結果・・・・
 
ふたりは抱き合ってみたら相手が女の子の感触であったこと、相手が男性器があるかのように偽装していた(と思われた)ことから、アクアは「みのりちゃん、やはり性転換していたのか」と思い、一方の宏紀は「アクアさんって実は女で男を装っていたのか」と思った。
 
それで2人は
 
「みのりちゃんの重大な秘密を知ってしまった」
「アクアの重大な秘密を知ってしまった」
と言っていたようである!
 

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男子寮の怪人X、こと丸山アイ先生によると
 
宏紀のペニスは体表外に出ているが勃起しないし小さい。
アクアのペニスは勃起はするが、普段は体内に隠れている(*44).
 
のだそうである!?
 
なんかよく分からない構造である。体内に埋もれているが勃起するとペニスとして使えるというのは、逢魔がホラーショーの菊千代状態なのでは?
 

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(*44) アクアのペニスは体内に埋もれており(*45)、直接刺激することができない。アクアは女性不感症で、たとえ彩佳のヌードを見ても立つことはない。睾丸も(一時的に?)無いし、元々性欲もほとんど無いので、アクアのペニスを勃起させるのは彩佳以外には多分不可能。彩佳がどうやってアクアのペニスを勃起させているかは『ひ・み・つ』らしい。
 

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(*45) アクアのここ1年半ほどの男性器状態
 
2020.11.02 丸山アイの策略でアクアM去勢される(結果的にFとMの統合ができなくなる←多分それが目的。アイは直接人間世界に関われない“どなたか”の指示で動いている)
 
2021.03,04 変な夢を見てペニスまで消失。女の子の形に変わっている。(この事件の犯人は不明。アイも魔女っ子千里ちゃんも「ぼく知らないよぉ」と言っている。2人とも全く信用ならないが)
 
2021.06.17 桜井さんにヌードを見せるため千里に頼み男性器を作ってもらう。桜井さんに見せた後、声変わり防止のため、再度千里に頼んで、睾丸をダミーと交換してもらった。
 
2021.06.21 八王子の自宅で理史に男性器を見せる。
 
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2021.08 この頃からペニスは“埋もれ”始め、11月頃までには海綿体の全体が体内に埋もれてしまって表面には先端だけが出ているというクリトリス状態になる。但し勃起させると体表外部分が10cmくらいあり性交可能だった。
 
2021.12 ペニスは先端まで完全に体内に埋もれてしまう。それでは排尿ができないので、千里が緊急手術?してくれて、女子の位置から排尿できるようになった。にも関わらず精液(睾丸が無いので精子を含まない)は、ちゃんとペニス先端から出るので膣内射精が可能であり、どうなってるんだろう?と思った。なお勃起した時の体表外のペニスサイズは8cmくらいでぎりぎり性交可能である。
 
2022.01 変な夢?を見た後、唐突にヴァギナができている(陰裂は無い)。彩佳が喜んで入れて遊ぶようになった。コスモスから避妊具を付けるよう注意され、彩佳はちゃんと付けてくれるようになったので、膣内射精?されても多分龍虎は妊娠しない。
 
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(彩佳は精子あるのか?)
 
彩佳とミューチャル性交に成功したが、さすがに射精はできなかった。
 
龍虎は千里に
 
「ぼく卵巣や子宮まではできてないですよね?」
と尋ねたが、千里は笑って教えてくれなかった(←妊娠させる気満々?)。
 
 
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夏の日の想い出・無茶言うなよ(12)

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