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■夏の日の想い出・無茶言うなよ(8)

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4月4日、あけぼのテレビとTKRは共同で
「信濃町ガールズ・ミュージックキューブ」
を発売した。
 
これは縦横高さ5cm×5cm×5cm の角を丸めた立方体のプラスチック製。色は取り敢えず赤・青・黄・緑・オレンジ・ヴァイオレットの6色。色による機能差は無い。ストラップを付けることができる。
 
これをwi-fiでネットにつながる所に置いておくと、“勝手に”あけぼのテレビBチャンネルの内容を最新96時間(4日)分サイクリックに録音する。これを充電になぞらえて“充音”と称する。
 
(ダンスパフォーマンスなどは“充音”スキップされるし、再放送は新しい物だけが残されるので、実際には10日分近く入る)
 
そして再生ボタンを押すかスマホからの指示または音声による指示で再生し、“充音”した内容を再生するというものである。音はイヤフォン(ステレオミニブラグ/Bluetooth)で聴くか、またはFMトランスミッターを通してカーラジオなどで聴くこともできる。
 
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サイズはもっと小さくすることもできるのだが、あまり小さすぎると紛失するのでこのサイズとした。電源は単4電池またはUSB充電(Type-C)である。単4電池でも動作する仕様にしたのは、これを旅のお供に使う場合を想定したものである。基本はシークェンシャル再生で、前回停めた所から再生するが、番組単位(15分)ランダム再生も可能である。
 
一定時間移動しなかったら自動停止するスリープ機能がある(この機能を使用しない設定、USB充電してない時だけ適用する設定も可)。またある時刻になったら再生を開始する目覚まし機能もある(Bluetoothスピーカー使用推奨:結構これで目覚まし時計代わりにする人があった)。
 
本体価格は1000円、使用料は月200円である。支払いはあけぼのテレビの会費と一緒に払うことができる。この使用料は実際問題としてJASRACへの著作権使用料の支払い原資に充てるためのものであり、視聴者へのサービスに近い。
 
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それにしても権利問題が生じずギャラの安い信濃町ガールズのパフォーマンスだから成り立つ商品で、地上波テレビなどでは全く考えられない商品である。
 

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ところで3月26日から放送されていた明治のチョコ菓子“いろいろイロハ”のCMだが、小野寺雪と糸川穂美が出演したCMが流れ始めてから、このチョコ菓子は売上が倍増した。またこのCMがネット上で結構話題になった。
 
「この子たち何て子?」
「信濃町ガールズの新人らしいよ」
「何か可愛いじゃん」
「歌もうまいね」
 
2人は付き添いで行った海浜ひまわりの指導で(キーボードで伴奏もした!)即興で和音も付けて歌っているので凄くうまく聞こえる。
 
「この子たち名前は何て言うの?」
 
というわけで、わざわざメーカーに問い合わせた人もあり、2人はバニラちゃんとショコラちゃんらしい、という情報が拡散する。
 
売上増加で一時は店頭からなくなり慌てて増産する騒ぎになる。これまでこの商品のCMは何代もの名も無きモデルさん・タレントさんたちが出演していたのだが、メーカーでは、当面この2人に今後もこの商品のCMをしてほしいと要請してきた。4月上旬にはもう少しまともな演出で撮り直したCMが流れ始める。ギャラも前回は80万だったのが200万に引き上げられた(ふたりの取り分はあわせて40万:ひとり20万)。
 
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また「このCMの歌、発売されてないんですか?」という問合せがあり、急遽CDを制作することにした。楽曲もCMで使う8小節しか無かったのが3分ほどの曲に補作された。
 

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そういう訳で、結局バニラ・ショコラという名前は今更変えられなくなった。
 
「あんたたちに苗字つけてあげるね」
と花ちゃんは言った(コスモスからこちらに投げられた)。
 
「バニラちゃん(小野寺雪)は花畑バニラ、ショコラちゃん(糸川穂美)は米田ショコラで」
 
「ありがとうございます!」
と2人は作り笑顔で!元気よく答えた!
 
「何かいわれがあるんですか」
「芸能人の名前は成功するように花が咲いて実が成るようにというのがいいんだよ。だから田と畑で、花と米だよ」
 
「なるほどー」
 
花ちゃんからそう言われると良い名前のような気がしてきた(きっと気のせい)。
 
「結局私たちセットなんですね」
「うん。君たちのユニット名はツィストクリームにしよう」
「ツイスト?」
「ソフトクリームで2種類のフレーバーを一緒に巻いたものをツイスト(twist)と言うんだよ(*36)」
「あ、聞いたことある気がする」
 
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(*36) ツイスト(twist)とは“ねじれ”という意味。電話線やLANケーブルはtwisted pair cable(撚対線:よりついせん)。2本組で撚(よ)ってある。
 
このタイプのソフトクリームはスワール(swirl 渦巻き)とも言う。
 
ウクライナ風に言うとトリパーク(Трiпак)かも!?
 
『くるみ割り人形』の『トレパーク(Трепак)』はこれをロシア語風に発音したものである。
 
なお“ソフトクリーム”は和製英語で英語ではソフトサーブまたは99フレーク。ドイツ語がわりと日本語に近くソフトアイス(Softeis)。スウェーデン語なども似た言い方。フランスでは Glace a l'italienne (イタリアン・アイスクリームという意味)、そのイタリアでは Gelato alla spina (注ぎ口から出るアイスクリーム)と言って英語に近い。また中東では“アメリカン・アイスクリーム”と(各々の言語で)言うらしい。
 
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昇格組の鳴田あゆなと石田一絵が花ちゃんのところに来て言った。
 
「花ちゃん、私たちにも名前付けてくれませんか」
「君たちの名前はそう遠くない内にコスモス社長が付けてくれると思うが」
「でも雪ちゃんと穂美ちゃんがもう名前付けてもらったから」
「私たちも名前欲しいなあと思って」
 
なんかこの2人息が合ってる?
 
「君たちわりと仲が良い?」
「はい。昇格試験の後、同じ飛行機で帰ったので」
「機内でたくさんおしべりして仲良くなったんです」
「じゃセットの名前を付けてあげよう」
「ありがとうございます」
 
それで花ちゃんは名付けソフトを起動して2人に名前を考えてあげた。
 
「西浜(にしはま)ももこ、南里(なんさと)くりこ」
と花ちゃんは15分くらい試行錯誤してから言った。
 
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「へー」
「西も南も方位の名前、どちらも先頭がナ行、浜と里で対、もも・くりはペア」
「おぉ」
 
「でも西と東とか、南と北とかじゃないんですね」
「そうすると画数が良くないんだな」
「ああ」
「それに日本は偏西風帯にある。偏西風というのは南西の風」
「わあ」
 

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「ということで石田一絵ちゃんが“西浜ももこ”、鳴田あゆなちゃんが“南里(なんさと)くりこ”」
 
「それ、どちらがどちらという言われとかあるんですか?」
「鳴田あゆなちゃんは碧南市出身だから“南”を取る。石田一絵ちゃんは西九州の有田出身だから“西”を取る」
 
「すごーい!」
 
(このくらいの屁理屈をバッと思い付かなきゃ、タレントたちの元締めなど・・・以下同文)
 
それでこの2人の名前は西浜ももこ・南里くりこと決まったのである。この2人は後に“ピーチ&マロン”というデュオを組むことになる。
 
なお、コスモスは石田一絵に有田みかん、鳴田あゆなには熱田やまと、という芸名を考えていたらしいが、花ちゃんの付けた名前のほうがずっといいので、そちらを追認した。
 
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だいたい有田みかんは佐賀の有田ではなく和歌山の有田だ!どう考えても場所を勘違いしている。勘違いで命名されたら可哀想すぎる所だった。
 

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4月5日(火).
 
北区のC学園中学高校で入学式があり、風谷リンゴ(美崎ジョナ)は中学時代と同じ女子制服を着て出席。高校生になった。制服は基本的に同じものだが、胸元のスカーフの代わりにリボンを着けた。
 

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4月6日(水).
 
足立区のE中学校で1学期で始まり、下記のメンツがこの学校に転入して新しい学校生活を始めた。
 
3年:
東海林椿希(酒田レモン)
2年:
鳴田あゆな(南里くりこ)
糸川穂美(米田ショコラ)
小野寺雪(花畑バニラ)
石田一絵(西浜ももこ)
 

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4月6日(水).
 
長岡飛鳥は世田谷区のF中学に男子用学生服を着て登校した。最初は職員室に来るよう言われていたので、そちらに行く。ところが50代くらいの男性教師にいきなり注意された。
 
「君、何ふざけて学生服とか着てるの?ちゃんと女子制服を着なさい」
「女子制服を着るんですか?」
「まさか持って来てないの?」
「持っては来てますけど」
「だったらすぐ着替えて」
「この辺で着替えていいですか?」
「そこの面談室を使いなさい」
「分かりました」
 
それで飛鳥は職員室前に並んでいる面談室のひとつに入り、セーラー服に着替えた。
 
「セーラー服着ろと言われたんだから、着ていいよね〜」
などと独り言を言っている。
 
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それで職員室に入り、教頭先生の所に行く。
 
「お早うございます。3年への転入生、長岡飛鳥です」
「ああ、おはよう。えっと・・・長岡さんは島根県からの転入だったね。これ“うんなんし”でいいの?」
「はい。出雲市の南側にあるから雲南市です」(*37)
「なるほどー」
「平成の大合併で6町村が合併して市になったんですよ」
「ああ。あれ?君の書類、男子になってるけど」
 
「あ、私男子ですよ。男子に見えません?」
と飛鳥は言って、バレエのピルエットのように、くるりと1回転してみせた。(飛鳥は小3までバレエを習っていた)
 
教頭は目をぱちくりさせた。
 
「どうもジョークの好きな子のようだね。書類間違ってるみたいだから直しておくね」
「何でしたら学生服で通学して水泳の授業で男子水着着てもいいですけど」
「そんなことしたら、校長先生が逮捕されるよ」
と教頭は笑っていた。
 
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それで飛鳥は3年3組に入るということで担任の先生に紹介され、一緒に教室に行って、みんなの前で自己紹介した。同じクラスになったクロムが手を振っていたので軽く手を振り返した。
 
飛鳥は
『ぼく女子中学生になっちゃった』
と思ってドキドキしていた(*38).
 
(*37) 一般には出雲国の南部にあるからと説明される。
 
(*38) 飛鳥は“身体測定”とか“内科検診”というのを全く考えていない。
 
 
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夏の日の想い出・無茶言うなよ(8)

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