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■夏の日の想い出・ラブコール(25)
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(C) Eriko Kawaguchi 2021-09-11
9月8日(水).
常滑真音の新しいシングル(事実上のマキシシングル)『赤巻きスカート、青巻きスカート、黄巻きスカート/西風の香り/風のオルガン/からくり弓ひき』および、新しいアルバム『くろ招き猫』(2枚組!)が同時に発売された。
『赤巻きスカート、青巻きスカート、黄巻きスカート』はファッション・ブランド“ノノ・パパイヤ”の新しいCM曲でこの日からテレビやネットにも流された。
『風のオルガン』は音楽教室のCMで9月頭から流れている。
『西風の香り』は昨日が第1回の放送だった『Girl from West』の主題歌で、舞音自身が主演している(今度はセリフのある主演!)が、今話題の舞音が主演するというので、視聴率が物凄かった。舞音は今最も注目されている人である。
『からくり弓引き』はアルバム側にも収録した(但しミクシングが異なる)がロボット掃除機のCM曲である。詳細は後述。
アルバム『くろ招き猫』は2枚組(DVDセットは4枚組でミニ写真集付き)で、下記の楽曲を収録していた。1枚目(お魚disc)は半数以上が何かのCM曲である。
『くろ猫のサンバ』(original)
『クロマネグラフ』(クロノグラフ)
『からくり弓引き』(ロボット掃除機)
『マネがフットンだ!』(寝具)
『そっ栗まねっこ』(和菓子屋さん)
『舞音のお勉強タイム』(学習参考書)
『舞音の頑張れニツポン!』(スポーツ用品)
『キスはスイッチを切ってから』(ウェブカメラ)
『キスは消毒をしてから』(格安スマホ)
『くろ猫秋便り』
2枚目(ちゅーるdisc)はこれまでのシングルの別バージョンを収録している、
『ちょっとだけ甘い時間』(招き猫バージョン)
『タイカジキ、カニエビ、イカタコ、サケマグロ』(お寿司mix)
『舞音の招きマネキン』(Multiplied)
『風のいざない』(招き猫mix)
『マイルドな夜明け』(招き猫mix)
『プレルージュ』(招き猫mix)
『ガラスのエンブレム』(招き猫mix)
『風読みシンドバッド』(招き猫mix)
実はここまでのシングルがリリースされたのは、舞音のバックバンド“招き猫”の発足前で、最初の『ちょっとだけ甘い時間』はMIDI伴奏、それ以降のものは手の空いているバンドに伴奏してもらったり、手の空いてるミュージシャンを集めて臨時編成のバンドで演奏してもらったものである。今回全ての楽曲を招き猫バンドで演奏しなおした。『ちょっとだけ甘い時間』だけは舞音の歌も録り直しているが、それ以外は、歌は再利用して伴奏だけを差し替えた。
ここで“歌が合うように演奏する”というのをドラムスの篠原君がなかなかうまくできなかった。ドラムスが合わないと全部合わない。
そこでこの2枚目の2曲目以降については、ドラムスを木下君が打った。篠原君は代わりにギターを弾いている。
MVは、CM曲に関しては、概ね、テレビで流れているCFの“ロングバージョン”になっている。
『からくり弓引き』では、弓曳き童子の動きが収録されている。これはかなり関心を集めていたので、急遽シングルにも収録することにした。このビデオ見たさにシングルのDVD付きを買った人がかなりあったようである。
本物の弓曳き童子は3本の矢の内、2本は当てるが1本は外す。舞音が弓曳き童子のコスプレをして弓を射るシーンも2本は当てるが1本は外している(実際には20本射て2本だけ当たった映像を使用している)。
シングルに収録したMVおよびアルバムのスタンダード版では童子・舞音ともに、矢を外す所が省略されている。
アルバムには実はシングルとほぼ同じ尺のスタンダード版と、演奏時間の長いエクステンディド版が収録されており、弓曳き童子および舞音が外すシーンまでビデオに収録したのはこのエクステンディド版のみである。
演奏時間→シングル=3:20 スタンダード版=3:24 エクステンディド版=4:43
(シングル版とスタンダード版では微妙に歌詞が異なっている。エクステンディド版はまた異なる!また舞音が矢を当てた後「当たった!」と声を出したのがスタンダード版には収録されている:それで4秒長い)
一緒に撮影してきた柳川の川下りの映像が『くろ猫秋便り』のMVの中で使用されている。ビーナとの共演なので、かなり話題を呼んだ。ついでにうなぎのセイロ蒸しを食べている所も映っている(悠木恵美の貴重な出演シーン)。
『クロマネグラフ』ては舞音が“ストップウォッチ”の針になり、女子100mの計時をしている所が映っている(舞音は回転盤に載せられ本当に1回転/分の速度で回されている)。ここで100mを実際に走ったのは↓のメンツである。
山本コリン・恋珠ルビー・花貝パール・夕波もえこ・甲斐絵代子・水谷雪花・美崎ジョナ・木下宏紀
足の速そうな立山きらめきにも声を掛けたが、おっぱい付けてと言ったら逃げた!でも木下君が参加してくれた。
3×3大作戦に出て日々身体を鍛えさせられているパールとエーヨも参加している。運動神経の良さそうな子を集めただけあって、全員20秒以内にゴールしたので「君たち凄いね」と指導してくれた舞通陸上部の選手さんが言っていた。
「男の娘が2人入っているのは愛嬌だよね」
とカメラマンさんが言っていたので
「誰と誰が男の娘と思われたと思う?」
と花貝パール(168cm)と夕波もえこ(172cm)が話していた!
(実際には元男の子はエーヨと木下君の2人だが、たぶん2人とも純女子と思われた)
『マネがフットンだ!』では、舞音が布団を干そうとベランダの手摺りに掛けようとしたら転落するも、そこに強い風が吹いてきて、舞音が布団に乗ったまま、空を飛んでいくという状況が映されている。
下ではサッカーとか野球の試合をしてたり、ホームランが飛んできてキャッチしちゃったり、新幹線が走っていたり、小さな雲に乗った若い雷さん(立山キラメキ)がびっくりして見上げたり、していたが、最後は女性が水浴びしているのを見たら落下した!(民家の屋根に着地)この水浴びしていた女性を演じたのは、ケイナである!なお、CFでは無事着地できた舞音が
「ふんわりの***のお布団でよかったぁ」
と商品名を言うセリフが入るが、アルバム収録バージョンでは
「ふんわりのお布団でよかったぁ」
と商品名が省略されている。
これは予算を掛けて制作しただけあって、ビデオのダウンロード数がアルバム中で3位だった。更に子供番組でも随分放映され、子供たちにも人気になったので、後日シングルカットすることになった。
『そっ栗まねっこ』は栗を使用した秋の和菓子の紹介CMで、(双子のように似ている)水谷姉妹がお揃いの可愛い浴衣を着て、和菓子を頂いている。水谷姉は右利き、水谷妹は左利きなので、舞音の左右に並んで3人で食べていると動きが対称的で面白かった。
『舞音のお勉強タイム』は5月に撮影した参考書のCMの長い尺のものが使用された。『舞音の頑張れニツポン!』では、オリンピックの色々な場面の映像が取り込まれている(権利料が高かった!)。
『キスはスイッチを切ってから』では友人たちと一緒にZoomでおしゃべりしていたカップルがウェブカメラのスイッチを切ってからキスする内容。カップルを演じているのは、桜木レイアと山下ルンバである。むろんレイアが男役である!
『キスは消毒をしてから』ではリモートでおしゃべりしていたカップルが相手が映っているスマホの画面に各々キスするのだが、キスの前にちゃんとアルコールウェットティッシュで画面のフィルムを拭いてからキスしている。カップルを演じているのは、品川ありさと高崎ひろかである。むろんありさが男役である!
『くろ猫のサンバ』では舞音がサンバの衣装を付けて踊っている。この撮影のため、舞音は1日サンバのレッスンを受けたが、他に日本在住のブラジル人女性ダンサー3人による踊りも収録されている。伴奏も実はブラジル人のミュージシャンに演奏してもらっている。また黒猫がサンバを踊るアニメーションに、更にサンシャイン映像でストックしていた、本物のリオのカーニバル(2019年の映像)の様子まで入れてある。
それで結構本格的なこともあり、今回のアルバムの中で「弓曳き童子」に次いでダウンロード数の多かったビデオである。この曲は後日『マネがフットンだ!』とカップリングしてシングルカットされた。
2枚目の方のMVも新たに撮ったものが多い。
『舞音の招きマネキン』ではテレビの歌番組で話題になった、多数のマネキンが並んでいて、その中の1人が歌い出すという演出をした。しかし途中で別のマネキンも動き出して舞音がどんどん増えて行く(multpy)。最後は8人の舞音が並んで歌うシーンで終わっていた。
クッキーのCM『ちょっとだけ甘い時間』は完全に撮り直した。七つの曜日を表す7つの色の衣裳を着て歌っている。
『タイカジキ、カニエビ、イカタコ、サケマグロ』では舞音が色々なお魚に扮して泳いでいるが、釣り人(秋風コスモス)に釣り上げられてしまう。そして、握り寿司の上に載せられて、客(川崎ゆりこ)に食べられちゃう!
「なるほど、舞音ちゃんは事務所に食い物にされてるんだな」
とファンの声(もちろんジョークだと思う)。
全体的なテイストは『およげ!たいやきくん』を意識した造りになっていて、桃色サンゴ(水谷姉妹)、難破船に鮫(山本コリン)なども登場している。
『風のいざない』はCFを撮った当時のビデオを再構成し、舞音が招き猫バンドをバックにステージで歌う所などもミックスしている。
『マイルドな夜明け』は舞音が“舞音バージョン”のスクーターに乗って練習している様子が映っている。ビーナと一緒に練習している映像も含まれている。
『プレルージュ』ではCFのメイキング映像が使用されており、寮を出てきたところから、美容院やエステに行く所、更に美容部員さんにメンテしてもらう所なども映っていた。最後にはビデオの試写を見た舞音が「嘘!?こんな所も撮ってたの?」と言った所まで入っている!
『ガラスのエンブレム』では“ガラスの靴”の製造過程の様子が映っている。そしてこのMVのラストでは、東雲はるこ・アクア・常滑舞音・恋珠パール・山鹿クロムの5人が全員シンデレラの衣裳を着け、ガラスの靴を履いて、ガラスの家の中で並ぶシーンが入っており、「これはお宝映像だ」と言われた。
(実はガラスの家での松芝電機さんのCM撮影が終了した時間に、東雲はるこ・恋珠パール・山鹿クロムにも来てもらい、30分ほどで撮影したものである。バールとはるこが多忙なのでヘリコプターで熊谷に空輸している)
『風読みシンドバッド』ではΛΛテレビさんの協力で、シンデレラに出て来たガレオン船の製造風景が、池の浚渫(しゅんせつ)作業も含めて映っている(結構貴重な映像である)。そしてこの船のヤードの上に、“シンドル”衣裳の舞音、船員の格好をしたセレンとクロムが並んで腰掛けている様子も映っている。
舞音のCDの売上だが、シングルは予約だけで30万枚入っており、初日に56万枚売れていきなりダブルプラチナである。9/13の統計では82万枚まで行き、恐らくミリオン到達は確実と思われた。舞音のファンはひじょうに広い年齢層に及んでいるため、年齢の高い人は、発売から(気がついて)購入するまでにタイムラグがある。それでじわっと売れていく傾向がある。
同時発売されたアルバムの方も好調で初日に20万枚、9/13の統計では43万枚で、こちらもダブルプラチナは確実と思われた。
今回は『弓曳き童子』が牽引した雰囲気もあった。
アクア・ラピスラズリはアーティストの魅力だけで売れているが、常滑舞音の場合はプロジェクトの魅力が牽引している、と花ちゃんは分析する。だから舞音の成功は半分は雨宮先生のおかげと彼女は言う。
「でも雨宮先生の要求に応じられる子は少ないよね」
とゆりこが言う。
「うん。相当の体力と能力と根性が必要。私にゃ無理」
と花ちゃんは言っていた。
「まああの子は根性あるし、雨宮先生の無茶苦茶な要求をしっかりこなすからね」
と私も言った。
「エーヨには無理だよね」
「うん。あの子は全く根性が無い。すぐ諦めて泣いちゃう。歌もまだまだだし」
「舞音はたぶん、アクア・東雲はるこ・薬王みなみの次くらいに上手い」
と花ちゃん。
「みなみちゃん、上手いよね?」
と私も言う。
「うん。既に美崎ジョナを追い抜いた。更に夕波もえこも猛追してきている。舞音も抜かれたのを意識してるから、忙しいのに頑張って毎日歌の練習してる。抜き返す可能性もある」
「その2人(薬王みなみ・夕波もえこ)は春までに上位2人(美崎ジョナと立山きらめき)を完全に抜く可能性がある」
「美崎ジョナはデビューまでに立山きらめきを追い抜くとオーディションの時は言っていたのに、下手すると新人の中で5位に落ちる」
(5位というのは、夕波もえこと並んで人気を集めている、鈴原さくら(*1)にも抜かれる可能性があることを意味する。第2回ビデオガールコンテストの上位入賞者の中でこの2人へのファンメールやプレゼントは群を抜いている。鈴原さくらは「ボク男の子ですよー」とあけぼのテレビの番組でも出演したラジオ番組でも明言しているが、かえって女子のファンも増えた感じである)
「更に鈴鹿あまめが最近凄い。あの子トークもうまいから、あけぼのテレビで重宝されて多用されてる。露出が多いから人気も上昇している」
「山本コリンと鹿野カリナも、既にいつデビューさせてもいい状態」
「まさに群雄割拠、戦国時代になっている」
「去年が春秋時代だね」
(中国では戦国七雄など多数の国家が乱立したBC403-BC221を戦国時代と言うが、その前段階になるBC771-BC403を春秋時代と呼ぶ)
(*1)“鈴原さくら”は、鈴木春南にコスモスが付けた芸名。“はるな”から“さくら”という名前を思いつき、最初は彼女の出身地・狛江市から、その象徴ともいうべき多摩川の名前を借りて、“多摩川さくら”というのを考えた。しかし、ゆりこが「5秒で忘れられそう」と言うので、“さくら”に合う苗字のリストを千里に作ってもらい、そのリストの中から“鈴原”を選んだ。偶然にも彼女の本名の苗字の1文字が入っている。
「本名の字を含む人は珍しいですね」
「安原祥子は本名・田中優子の“子”が入っている」
「気付かなかった!」
「まあ苗字は、女の子はお嫁さんに行けば変わっちゃうし、いいんじゃない?」
「それはそうですけどね」
やはり、春南はお嫁さんに行くのか!?
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