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■夏の日の想い出・ラブコール(10)

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2021年7月24日(土).
 
この日は南川彩佳の20歳の誕生日だった(2001.7.24 4:24 熊谷市)。一緒に暮らしている宏恵・桐絵がショートケーキを買ってきてくれて、コーラで乾杯し、誕生日を祝ってくれた。お料理も今日は宏恵と桐絵の2人だけで作ってくれた。そして夜21時頃、いつものように夕飯を持って、山村から借りているヤリスを運転し、代々木のマンションに行く。そして龍虎の帰りを待った。
 
龍虎が帰って来たのはもう0時すぎだった。彩佳は居間のソファでタオルケットを掛けて仮眠していたが、龍虎か入ってきた音で目を覚まし、抱きついてお帰りを言う。龍虎がうがいをするのを待ってキスする。
 
「疲れたでしょ?今御飯温めるから、座ってて」
「いつもありがとね」
「だって、龍は毎日凄い頑張ってお仕事してるもん。少しでも助けになればと思って」
 
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「あ、そうだ。彩佳」
「うん?」
「0時過ぎちゃったけど、誕生日おめでとう」
「ありがとう。覚えてくれてたんだ?」
「去年は忘れててごめーん」
「いいんだよ。本当に忙しいもん」
 
「もう宏恵や桐絵たちと食べたかも知れないけど、一応ケーキ買って来た」
と言って、小さなケーキの箱を出す。
 
「忙しいのに!」
「実は寛菜ちゃんに買っておいてもらった。15時頃、いちばん人の少ない時間に。その後、事務所の冷蔵庫に入れておいて、持ち出す時は新たな冷却剤を入れた」
「なるほどー」
「ボクはお店とかで買物するの禁止されてるし」
「そりゃそうだよ。アクアが万一感染したら、損害は十億とか二十億になるもん」
「デルタがどうもかなり入ってきてるみたいだから、事務所の感染防止規程が随分厳しくなって、それに協力してもらえない番組からタレントを引き上げたものもある」
「それも大変そう」
 
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2人でコーラで乾杯し、一緒にケーキを食べた。それで
「じゃごはん食べよう」
と彩佳が言った時
「誕生日プレゼントがあるんだけど」
と龍虎が言う。
「わあ、何かもらえるの?」
「これなんだけど」
と言って龍虎が小さな紙袋を出すので、その紙袋を見て彩佳はドキッとした。
 
「誤解される前に言っておくけど、これただのファッションリングだから」
「へー」
「彩佳の誕生石のルビー」
と言って、龍虎は、紙袋の中の水色の宝石ケースを開け、指輪を見せた。
 
ピジョンブラッドの大粒のルビーである。指輪自体はプラチナのようだ。
 
「サイズは桐絵に確認してもらった」
「それでこないだ指に糸を巻き付けられたのか」
「もらってくれる?」
「ただのファッションリングなんでしょ?もらう」
「うん」
「龍がはめてよ」
「OK」
 
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それで龍虎は彩佳の指にルビーの指輪を填めてあげた。彩佳が龍虎にキスする。
 
「ただ、お願いがあるんだけど」
「うん?」
「あまり人前でこれつけてほしくないんだけど」
「いいよ、いいよ。私がこれつけてたら、龍からもらったんだろうなと思う人多いだろうからね」
「ごめんね」
 
「じゃ婚約する時は、1.5カラットくらいのダイヤの指輪で」
「分かった」
 

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隔離中の原町カペラだが、4日後の検査でも8日後の検査でも陰性であった。また体温も平熱だし、特に体調がおかしいというのもない。ドライバーの橋本さんも陰性だった。念のためあと6日間は様子を見る。
 
またカペラは25日から制作中のアルバムの録音作業に入った。この1週間自分なりに一所懸命練習した(結局長編漫画を読む暇は無かった)。それをベースに1曲ずつ録音していく。
 
録音はこの隔離部屋(元々防音になっている)でおこなう。隣の202に録音用の機器が持ち込まれており、アクリル板の壁を設置して、カペラと技術者さんが接触しないようにする(203との間は壁をぶち抜いて!ドアを設置した)。また202→203の空気の流れを作った(203で換気扇を回す。この換気扇にはULPAフィルターが付けられている)
 
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歌の仕上がりに関しては、花咲ロンドがリモートで見てくれることになった。
 

カペラが出演していた番組では、1人だけ、もうひとりの感染者Aさんの隣の席に座っていた人だけが、4日後にPCR陽性となり入院になった。それ以外には今の所感染者は出ていない。あの番組は出演者同士の絡みがあまり無く、スタジオの換気も良かったからかもとカペラは思った。
 
川井陽生は入院中で酸素吸入器は使っているものの、今の所、命に別状はないようである。
 
しかしAさんは容体が急変して死亡した。このことは陽生には話していないが、カペラはニュースを見てかなりビビッた。コスモスはその件は決して陽生ちゃんには言わないように、とカペラに釘を刺した。
 
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「とても言えませんよー」
とカペラも言った。
 
カペラは川井陽生とかなり濃厚に接触していたようだが、無事なのはやはりワクチンのおかげだろうなと、コスモスは思った。
 
なお陽生は事務所から、WWW閲覧のできない携帯端末とニュースの無いチャンネルのみ見られるテレビモニターを病室に入れてもらっていて、ニュースとかSNSの類いは見られないようになっている。結構あけぼのテレビを見ていたようだし、CSで古い映画なども見ていたようである。オリンピック中継を見たいと言ったが、興奮しすぎると身体によくないということで禁止された!でも友人から結果だけ聞いていた。
 
陽生のお母さんが田舎から出て来ているが、面会禁止なので会えない。一応毎日朝晩電話している。お母さんは事務所が業者に依頼して徹底的に消毒した陽生のマンションに寝泊まりしている。食事や食材も配送するので外食や買物は控えてくれるように言ってある。お母さんまで倒れられては困るし、ピンポン感染も怖い。
 
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さて、今回のビデオガールコンテストにはギリギリ間に合わなかったのだが、Honda-Jetの発注していた2機が7月27日(火)に納入され、熊谷の郷愁飛行場で受け取った。これでHonda-Jetは5機体制となった。
 
Red アクア優先機
Blue ラピスラズリ>羽鳥セシル優先機
Orange 常滑真音優先機
Silver 高崎ひろか三姉妹>姫路スピカ優先機
Yellow 白鳥リズム>甲斐姉妹>水谷姉妹の優先機
 
各々の内部優先度は営業成績や使用頻度で今後変更になる可能性もある。また競合状況次第では“トレード”が発生する可能性もある。
 
なお、N航空からレンタルしていたBlueに関しては、こちらで買い取ることで話がまとまり、1年間のレンタル期間が終了した4月末に4億円(新品価格は5.6億)で買い取っている。ちなみにこの1年間に払ったレンタル料はパイロット付きで2億円である。
 
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ただし今後の運用に関しては、N航空でホンダジェットのラインセンスを持ったパイロットと、ムーランエアー(*2)のパイロットが共同で5機のホンダジェットを運航することで、N航空側と合意している。パイロットには外食禁止・公共交通機関の使用禁止、毎日の体温報告など、厳しい健康管理を継続してもらう。
 
私とコスモスは、コロナの収束時期がまだ見えない状況から、万一無駄になってもいいという前提で、ホンダジェットは後更に2機発注することにした。
 
結局、今はGulfstreamのビジネスジェットのような15人くらい乗る機体より個別移動に使いやすい7人乗り Honda-Jet の方が遙かに使い手がある。
 
燃費も無茶苦茶いいし!!
 
(飛行機とは思えないほど使用燃料が少なくて済む(*1)。さすがホンダである!)
 
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(*1) ホンダジェットの燃費は3.3km/kg なので、熊谷市西部の郷愁飛行場から小浜市のミューズ飛行場までの330kmを飛ぶのに必要な燃料は100kgである。1kgを130円で計算した場合で1万3000円である!
 
但しジェット気流の関係で“上流に向かう”熊谷→小浜は燃料を多く消費し(飛行時間もかかり)、“ジェット気流と同じ向きに飛ぶ”小浜→熊谷は燃料消費も少ない(飛行時間も短い)。
 
なおGulfstream機の場合は熊谷−小浜で燃料を480kgほど使用するので、燃料代は6万円ほどになる。Gulfstreamだって充分省エネな機体なのに、それと比較にならないほど燃費が良い。
 
(*2)ムーランエアーは、若葉が中心になり、私・千里・コスモス・丸山アイ・雨宮先生の合計6人が出資して2020年春に設立した会社。郷愁飛行場とミューズ飛行場の運営、および航空機の運航を業務とする。管制官が10人(全員経験者)、グランドホステス(若葉が作った制服が凄く可愛い!)が郷愁とミューズに5人ずつ(経験者2名を含む。男の娘2名も含む!)居るほか、30人ほどのパイロット(ヘリコプター操縦士を含む)、整備技師などの技術者を多数雇用している。旅客機会社ではないのでフライトアテンダントは居ない!
 
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社長は大手航空会社の部長をしていた赤竹さん。航空自衛隊あがりの青島さんが専務である。特に赤竹さんの人脈で各地の空港や他の航空会社とも話が通りやすい(餅は餅屋)。彼の腹心の元部下3人も一緒にこちらに転職した。他にも航空会社・空港などに勤務経験のある人・航空自衛隊出身の人をかなり多数雇っている。今年の春は山梨の日本航空高校からも若い人財が入ってくれた。コロナ不況のおかげで良い人材が確保できている。なお、出資者は6人とも取締役に名を連ねている(若葉が会長で千里が副社長)。
 
現在運行している機体は下記である。
 
・ホンダジェット5機(§§ミュージック所有)
・HAL Do228 (§§ミュージック所有)
・ヘリコプター (Ecureuil-2)1機(§§ミュージック所有)
・ヘリコプター (Ecureuil-2)5機(ムーラン所有)
・Bombardier CRJ900(ムーラン所有)
・Gulfstream G450 (千里所有)
・Airbus A318 (千里所有)
・Beechjet 400(丸山アイ所有)
 
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この他にN航空所有の機体の多く(空撮用や農薬散布用のドローンを含む)がここに駐機している。
 
離着陸回数はどうかした田舎空港よりよほど多い。主な顧客はムーラングループと§§ミュージックで、§§ミュージックは毎月高額の使用料を払っているが、実はコロナ以前に払っていた遠距離交通費(航空券代・新幹線代)と大差無い金額だったりする。実はムーランも同様の事情である。元々採算など全く考えずに始めたのだが、この2社が払う使用料でムーランエアーの運営は現在黒字である(無借金で空港作っちゃったので返済金の類いが発生しないのが大きいと思う)。
それ以外に地元の警察・消防・自衛隊!が払ってくれている使用料、若狭湾遊覧飛行の売上、各種空撮や農薬散布などでの使用料も収入になっている(これも意外にある)。
 
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例によって若葉が「お金が減らなくて困る!」と叫んでいた。
 
航空会社としても定期便を持たない航空会社の中では既に充分大手になってしまっている。エアバスを運航しているのは国内の大手航空会社以外ではここだけかも。
 
エアバスはヨーロッパの航空会社から“余っていた”のを借りていたらしいのだが、そこが経営危機で、資産売却をしたいということだったので、結局千里が買い取ったらしい(値段は聞いていないが「意外に安かった」と言っていた)。登録番号は若葉の人脈で日本のものに登録し直した。
 
Bombardier CRJ900 は面白い飛行機で定員は90人という結構大きな飛行機なのにとても背が低く、乗り込むのに使用する階段はわずか6段である。三菱MRJのライバルとも言われたのだが、三菱MRJは完全に頓挫してしまった(会社トップが航空機開発をあまりにも甘く見ていたせいだと思う。不手際がすぎた。ホンダは物凄い努力をしている)。結果的にリージョナルジェット市場では、このボンバルディアCRJシリーズと、エンブラエルのERJシリーズが代表格となった。
 
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アイベックスがこの姉妹機の CRJ700 を運行している。実はムーランエアーでこれを運行しているパイロットは元アイベックスにいた人である。ボンバルディアというと、極めて多数の事故を起こしたDHC-8があまりにも(悪い意味で)有名だが、DHCシリーズはボンバルディアに吸収されたデ・ハビランドが開発したもの、CRJシリーズは同じくボンバルディアに吸収されたカナディアが開発したもので、両者は全く系統が違う。
 
なお、ボンバルディアは最近、三菱が吸収した。ひょっとしたら今後三菱は頓挫したMRJの代わりにCRJの後継機を出すのかも知れない。
 
ムーランでは、このCRJ900を食材の運搬と、ムーラン建設の技術者・作業員の移動に使用している。稼働率はかなり高い(週3〜4回運行)。ムーラン建設の社員は約半数が福井県在住なので、この機体はミューズ飛行場をベースにしていることが多い。なお定員は90人だが政府の指導により現在max45人で運行している。(多分建設作業員を飛行機で空輸してるのは日本ではきっとムーラン建設くらい。社員の士気は物凄く高い)
 
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Beechjet 400は丸山アイの専用機だが、アイミューズの社員やアイの親族が使用する場合もある(§§ミュージックは使用しない)。元々アイが、彼の基盤にしている九州と頻繁に往復するのに使用していた機体。昨年の郷愁飛行場オープン以降はだいたいここに駐めている。Beechjet 400は元々日本の三菱がMU-300として開発したビジネスジェットだが、日本国内ではあまり売れなかった。読売新聞と政府機関(気象庁だったかも?)が1機ずつ買ったほか、多分あと1機どこかが買った気がする。丸山アイが所有しているのはその後権利を買い取ったビーチクラフト製造のものである(最新製品は会社買収の結果、Hawker 400の名前で出荷されている)。
 
なおGulfstream G650は、江藤愛来さん所有の機体で運行も専任パイロット森村雪歌に任されている。一般に江藤さんの会社の上顧客を運ぶのに使用する。原則として女性専用で、どうしても男性が乗る時は最低でもスカートを穿いてもらうルールである!この機にスカートを穿かずに乗せてもらった男性は多分アクアくらい。
 
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羽田に駐機していることが多かったが、郷愁飛行場がオープンしてからは、千里が「駐機代節約でこちら使いません?」と誘い、こちらに駐機していることが多くなった(駐機料は1ヶ月1000円!)。この機体は基本的には森村雪歌が飛ばすが、体調などによっては、妹の森村月世(ムーランエアー所属)が操縦する場合もある。
 
この会社の株主に名前を連ねている雨宮先生は“飛行機があれば逃亡しやすい”というのがあって、一口乗ったようである。先生もコロナ以降、公共交通機関の使用を控えている。先生はG450のパイロット山村と仲よくなり(女たらしで女装者ということで性格が似ている気がする)、北海道から沖縄まで飛び回って(逃げ回って)いるようだ。舞音の制作を嗅ぎつけて顔を出すのも、きっと山村から教えてもらっている可能性がある。
 
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夏の日の想い出・ラブコール(10)

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