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■娘たちのベイビー(22)

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千里は1月30-31日には、40 minutesで、関東クラブバスケット選手権(さいたま市Vアリーナ)に出場。優勝して全日本クラブ選手権に駒を進めた。2月中もあちこち移動しながら試合に同行したり出場したりしていたが、2月20日から3月2日までの行程が大変だった。
 
2.20-22 鹿児島でレッドインパルスの試合に同行。
2.23 鹿児島市内でバスケット教室。その後大阪に飛ぶ。
2.24 貴司とデート
2.25 新幹線で東京に戻ったら美空と遭遇。強引に奈良まで連れていかれる。
2.26 奈良県の奥八川温泉に滞在。雪に閉じ込められる。
2.27 冬子を連れて村を脱出。冬子は福島へ、千里は秋田でレッドインパルスの試合を見てから福島へ。更にプラドで秋田へ。
2.28 秋田でレッドインパルスの試合。夜間はスペインでLFBの試合。
2.29 福島にプラドで移動し青葉・彪志と一緒に新幹線で盛岡へ。自分だけ新幹線で秋田に戻る(プラドは東京に持って行ってもらう)。
3.01 秋田でレッドインパルスの試合。
3.02 新幹線で東京に戻る。夜はスペインで試合。
 
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2月25日に千里は東京駅でKARIONのメンバーたち(蘭子=ケイを含む)と遭遇したのだが、美空が強引に千里を一緒に奈良県南部の奥八川温泉まで連れて行った。ここはKARIONバッグバンド・トラベリングベルズのリーダー、相沢さんが、社長を継承することになった旅館があり、そこに泊まったのだが、折からの列島的豪雪で、この一軒宿の温泉に閉じ込められてしまう。
 
千里は27日15:00の試合に顔を出さなければならない。ケイは28日16:00のライブに出なければならない。
 

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千里は車が必要になりそうだと思って25日の内に専任ドライバーの矢鳴さんに新幹線で大阪に移動してくれるよう頼んでいた。26日、貴司に連絡して彼女にプラドを貸してもらい、矢鳴さんは大阪から奈良に向かうが、豪雪に阻まれ、26日は五條市内のホテルで1泊することになる。彼女は27日朝から雪で交通制限の掛かる中、五條市からR168を南下して大原集落まで来てくれた。
 
一方で千里は《きーちゃん》にレッドインパルスのユニフォームと訪問着・振袖を持って27日朝から新幹線で秋田に向かってもらった。
 
26日夕方、青葉から心配する電話があったが、千里は何としてもケイはちゃんとイベントに間に合わせるから心配しないでと言っておいた。状況は悪化して27日朝には携帯も通じないようになっていたが、千里は《きーちゃん》が持つクローン携帯を経由して、青葉に『自分が付いているから大丈夫』と再度メールした。
 
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千里はお昼過ぎ青葉に《今から脱出する》とメールした後、冬子と一緒にスノーモービルを使って雪に閉じ込められた一軒宿から脱出。大原集落まで行き、矢鳴と合流した。
 
合流後プラドで五條市方面に向かうが千里は矢鳴さんと冬子を眠らせ、2/27 14時半頃きーちゃんと交替で秋田に行ってレッドインパルスの試合に臨席する。
 
試合後きーちゃんと交替すると既に福島に来ているので仰天する。実は奥八川温泉に居る間に千里が吹いた龍笛の音に感銘した龍神・円と星の内“より親切な”星(3歳)が『急ぐなら運んであげるよ』と言ってプラドを福島まで飛行機並みの速度で運んでくれたらしい(後できーちゃんから聞いた)。
 
ともかくも千里は車を今日ローズ+リリー一行が泊まる予定になっていたホテルに付けて冬子を起こした。
 
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「着いたよ」
「え?もう五條市?」
「福島だよ」
 
冬子は時計を見た。時刻は17時半である。大原から五條方面に北上している途中で眠くなり千里と運転を代わってから3時間しか経っていない。
 
「福島って・・・大阪の?」
「まさか福島県福島市」
「なぜ、この時間で福島まで来ちゃう訳〜?」
 
しかしともかくも千里の先読みした対策、老女将の趣味に近いスノーモービル、矢鳴さんの頑張り、最後は星龍神のおかげで、ケイはちゃんと前日に福島入りすることができたし、千里も秋田の試合に間に合ったのであった。千里は冬子を送り届けた件を青葉にもメールした。青葉は新高岡駅で東京方面行きを待っている時だった。
 
《今冬子を福島市内のホテルに送り届けた》
 
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《なんでもう福島なのよ?》
《普通にプラドで走って来たけど》
《だったら間違いなくスピード違反》
 
大原から福島まではたぶん800kmくらい。時速250kmくらい出さないと到達できない。だいたい国産車でそんなに速度が出るのか?しかし青葉はケイがもう福島に着いたというので安心して新幹線に乗車することができた。
 
《でも秋田の試合は残念だったね。明日は出られるよね?》
《今日の試合もちゃんと出席して客席から応援したよ》
 
もういいや!と青葉は思った。
 

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アクアのほうは福島には27日夕方の新幹線で移動する予定だったのだが、折からの豪雪で、新幹線も止まるかもということだったので、土曜日の取材などの予定をキャンセルさせてもらって、26日夕方の新幹線で福島に移動した。おかげでアクアは無事福島に辿り着くことができた。
 
28日の公演はアクアが12時、ローズ+リリーが16時だが、そのローズ+リリーのケイと同一人物であるという疑惑?がある蘭子を含むKARIONの4人が奈良県の山奥の温泉に雪で閉じ込められているというTV報道が26日の夕方にあり、アクアは不安を覚えた。
 
ところが27日の午前中、千里からコスモスにメールが入ったのである。
「千里さんがケイさんを連れて村から脱出するらしい。ちゃんとルートはあるから、最悪明日の朝までには福島に辿り着けるって」
 
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「良かった!千里さんが一緒だったんですか!」
 
「昨夜の中継の時にチラッと映ったのが千里さんのような気がしたのよね。私も千里さんが付いているなら何とかするかもという気はした。不可能を可能にしてしまう人だから。でも綱渡りだなあ。私たちは予定を変更して早めに移動して良かったね」
 
「ですね。ケイ先生も忙しすぎますよ」
 
「多分、アクアとケイさんと千里さんが今日本でいちばん忙しい3人かもね」
 
しかしケイが実際にはその日27日の夕方19時頃にはアクアも泊まっているホテル内に居るのを見て、アクアもコスモスも仰天した。
 
「もう到着したんですか!?」
 
新幹線も飛行機も止まっている。そして蘭子=ケイはお昼のテレビ中継ではまだ奈良の山奥の村に閉じ込められたままだったのである。
 
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「交通手段は詮索しないで。あと今夜中に着いていたことも秘密にしといてね。私は物理的には明日の朝にしか福島に辿り着けないはずだから」
 
と言っているので、世間には公表できない特殊な移動手段を使ったのだろう。自衛隊のジェット機にでも乗せてもらった?しかし詮索する必要は無い。
 
「でも間に合って良かった!」
とコスモスが言う。
 
「心配掛けてごめんね。今回の件では、私千里に叱られたよ。自分が主宰するイベントの直前に交通の不便な所に日程を入れてはいけないって」
とケイ。
 
「自分を叱ってくれる人がいるというのは素晴らしいです」
とコスモスは言った。その意味にケイは気付いていないようだったが、アクアは“経営者の孤独”のようなものをコスモスの言葉に感じた。
 
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翌日28日のライブはパブリック・ビューイングも行われることになっていた。会場に入るのは2万人だが、パブリック・ビューイングを通してその倍か3倍くらいの人が自分たちのライブを見ることになる。
 
今回はアクアがミニスカの衣装を着るのではと事前に随分噂されていたが、アクア自身はコスモス社長から
「“たまには”男を強調するよ」
と言われていた。
 
それでステージ前半では男性用の背広スーツでの登場となった。むろんアクアの身体サイズに合うような既製品は存在せず、オーダーメイドである。ワイシャツもアクアの体型に合わせてオーダーしている。
 
「ボクの胸が入るワイシャツがあるんだ!」
「そりゃオーダーすればね。そのワイシャツあげるよ」
「ありがとうございます。でも“誰か”さんにすぐ隠されちゃいそう」
「ん?」
 
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2016/2/28 12:00.
 
ステージに同様のスーツ姿の西宮ネオンと2人だけで登場すると、物凄い歓声がある。アクアだけでなく、ネオンもたくさん名前が呼ばれるので笑顔で手を振っている。ふたりともアコスティックギターを持っており、ステージ前方に置かれた椅子に座って、ギターを弾きながら『I love you & I need you ふくしま』を歌い始めた。拍手がたくさんなり、それが手拍子に変わる。唱和している人もある。
 
震災復興イベントにぴったりのオープニングアクトであった。
 
ネオンがギターを2つとも持って下がり、アクアは
「こんにちは、アクアです」
と挨拶をした。
 
しばらくMCをしたところで信濃町ガールズが今日は膝下のスカートの制服で入ってくる。ピアノの所に今日はスカートを勘弁してもらった今井葉月が座る。そして彼のピアノ伴奏で『花は咲く』を信濃町ガールズと一緒に合唱した。これもたくさん唱和してくれる人たちがいた。
 
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続いて品川ありさが登場してアクアと2人で『群青』を歌った。引き続き葉月がピアノ伴奏をする。これは信濃町ガールズも2部に分かれて合唱した。
 
なお品川ありさはこの日夕方からのローズ+リリーのライブでも司会を務めることになっている。
 

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品川ありさが下がり、代わってエレメントガードの4人が走り込んで来る。そして『冬模様』を演奏した。その後、前半はこのような歌を歌った。
 
『スキーに行こうよ』『テレパシー恋争』『ロックバンドの少女』『朝食ラーメン娘』『走って告りに行こう!』『半分少年』
 
『ロックバンドの少女』だけ Gt.米本愛心 B.ハナちゃん KB.今井葉月 Dr.佐藤ゆか、というオリジナルバンド(4人とも信濃町ガールズとして来ている)で演奏し、他はエレメントガードの伴奏である。
 
なお信濃町ガールズやエレメントガードの旅費は今回アクアが個人的に!負担している。
 
幕間で西宮ネオンが2曲歌ってから、後半最初はアクアがヴァイオリンを抱えて出て行く。そしてヴィヴァルディ『四季』より冬第二楽章Largo“雨”を演奏した。歌は無しである。“みんなの歌”などにも取り上げられたことのあるお馴染みの曲なので、けっこうみんな静かに聞いていた。そして終わると物凄い拍手となった。
 
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アクアのフルートの腕前は以前のライブで見せていたのだが、今回はギター演奏、ヴァイオリン演奏を披露して、アクアの音楽能力の高さを観客に見せた。
 
後半の衣装はサファリルックである。エレメントガードが出てきて最新シングルから『桃色の予感』を演奏する。以降後半はこのような曲を演奏した。
 
『想い出海岸』『憧れのピーチガール』『ライオンと少女』『ぼくのコーヒーカップ』『翼があったら』『The Young and the Freshness』『ウォータープルーフ』
 
『The Young and the Freshness』のみ、葉月のピアノソロで伴奏したが、それ以外はエレメントガードの伴奏である。この時期はまだ葉月の顔はあまりファンには認識されておらず、“信濃町ガールズ”の中にピアノの上手な“女の子”がいて、演奏しやすいようにするためか、その子だけスカートじゃなくてズボンを穿いていた、と観客には思われたようである。
 
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そして最後は『nurses run』で締める。
 
アンコールとなるので、アクアは楽屋でスポーツドリンクを2本飲み干して3分で再登場。『恋人たちの海』『白い情熱』と歌って終了した。
 
年末年始のツアーではエレメントガードが2時間半の連続演奏ができず3バンドのリレーとなったが、今回は(途中休憩も入れてもらったことから)何とか全部演奏することができた。もっともいちばん体力の無いキーボードのハルは実はアンコールに出て行く体力が無く、今井葉月がピンチヒッターでキーボードを演奏した(エレメントガードの衣装のジャケットにスカートを穿かされた!)。
 
「ごめんなさい」
とハル本人も謝っていたが、コスモスは
「ハルちゃんは毎朝ジョギング2kmだな」
と言う。
「頑張ります」
 
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それを見て
「ミュージシャンって肉体労働なんだなあ」
とハナちゃんが言っていた。
 
この日は南田容子がアクアが着ていたのと同じサファリルックの衣装を着て鱒渕が運転する“白いアクア”に乗って会場を出て、それで追いかけるファンを引きつけておき、アクア本人は別途★★レコードの奥村照枝が運転する青いミラで無事脱出することができた。
 
南田容子は「追いかけてくるファンの目が怖かったぁ」と言っていた。
 
「ああ。目が逝っちゃってる子がいるよね」
と品川ありさも言っていた。
 

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このイベントでは多数のグッズも販売したのだが、§§ミュージック側も、まさかこんなに売れるとはと驚いたのが、この会場限定で販売したアクアの写真集である。夏のツアー写真、『ときめき病院物語』『ねらわれた学園』のスティル、それに11月に与論島で撮ってきた写真で構成していたのだが、番組のスティルということは、当然セーラー服姿のアクア(友利恵)の写真も含まれている。それで異様な人気となったようである。
 
本会場だけでも用意していた1万冊があっという間に売れ、後日郵送することにして宛名を直接佐川急便の伝票に書いてもらったものが3万枚出た。つまり入場者の倍売れた。パブリック・ビューイングの会場での分まで含めると合計9万枚である。
 
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この写真集の最後には“明智ヒバリ画・アクアちゃんの可愛いお姿・想像図”が4枚入っている。
 
・ミニスカを穿いてステージで歌うアクア
・ナース姿のアクア
・フライトアテンダント姿のアクア
・ビキニの水着を付けたアクア
 
という絵がホルベインのカラーインクを使って描かれていた。この4枚の絵については、あまりにも可愛すぎるとしてネットでの妄想発言が凄まじかった。
 
オークションで10万円の値段がつく事態になったことから、入手できなかったファンのために若干内容を調整して一般発売することを§§ミュージックは発表した。しかし“調整”について
 
「ヒバリさんの絵は絶対カットしないでくださいね」
「セーラー服姿のアクアちゃんの写真はカットしないでくださいね」
という声が凄かった!
 
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実際には会津磐梯山や相馬盆唄をフィーチャーした表紙を福島のステージで歌うアクアの写真に変更、写真集の制作に協賛してくださった地元企業の広告をカットさせてもらい、与論島での写真を増やし、会場版には入っていなかった年末年始のツアー、『ねらわれた学園』の1月以降の写真(高見沢みちるの写真を含む)を追加してページを増大。価格7000円で4月に発売に漕ぎ着けたがゴールデンウィークだけでも30万冊売れた。
 
むろんヒバリ画伯の4枚の絵はそのままである。
 
巷では『アクアちゃんのビキニ姿、実際に見てみたい』という声が多数あったが、アクアも
 
「ボクは男の子なのでさすがにビキニの水着を着るのは無理です」
 
と言っていた。しかしアクアのビキニ姿の写真は翌年の写真集で公開されることになる!
 
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娘たちのベイビー(22)

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