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■娘たちのベイビー(3)

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5分近くMCしてから2曲目の『いちごの想い』に行った。
 
日野ソナタの10年くらい前のヒット曲だが、ライブで歌うかもということで練習していた曲である。アクアの歌い方はものすごく可愛い。女子中生歌手が歌っているようにしか聞こえないし見えないので、これ絶対“道を誤る”男の子が出るよなあ、などと思いながらカノンは伴奏していた。
 
2分ほどのMCを経て、同様の路線で川崎ゆりこの『白い通学バス』を歌う。楽屋からステージを見ていた、川崎ゆりこ本人が
「私より可愛く歌ってる。嫉妬しそう」
などと言っていた。
 
8月12日発売予定のシングルから『ぼくのコーヒーカップ』を歌う。これもまた可愛い曲である。今日はノリのよい曲は避けて、ひたすら可愛い路線で攻めていこうという感じである。
 
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「この曲はローズ+リリーさんから頂いた曲なんですが、最初マリ先生が『おちんちんが無くなっちゃった』(*1)という曲を渡そうとしたんですけど、ボクが『いやです』と拒否したら、ケイ先生がこの『ぼくのコーヒーカップ』を渡して下さいました」
 
とアクアが言うと、会場は大爆笑になっている。
 
(*1)沖縄で不動産業者が破壊したウタキを守っていたシーサーがウタキ破壊時に一緒に破壊されたのを、破片を集めて復元したのだが、この時、片方のシーサーのお股の部分のカケラがどうしても見つからなかったのにヒントを得てマリが書いた曲である。相棒のお股の型を取ってそれから復元したので現在はちゃんと男の子に戻っている。でも女の子になっている間に赤ちゃん産んじゃった!?(父親は不詳)
 
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そして5曲目、色鉛筆のヒット曲『りんりんりん』を歌ったのだが、この歌を歌っている最中に、一部の観客に異様な動きが見えた。アクアは歌いながら客席を見ていたのだが、興奮した前方にいる観客の圧力があまりにも凄すぎて、1人の警備員が倒れてしまった。
 
嘘!?と思いながらもアクアは歌い続ける。しかし警備員が倒れた所から、その付近の観客が、水が穴の空いた袋からこぼれ出るように数人あふれ出てくる。近くの警備員がそちらに寄り押さえようとするが、いったん動き出した観客は押さえきれない。結局最初に倒れた警備員の両隣の警備員も押されて倒れてしまう。
 
十数人の観客がステージに向かって押し寄せてくる。アクアは歌い続けている。客席後方にいた数人の警備員が前方に走っていく。観客を止めようとするが、いったん勢い付いた観客は簡単には収まらない。
 
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そして観客がステージによじ登り始めた。
 
ゴールデンシックスが演奏を中断する。リノンが駆け寄ってくる。
「逃げて」
 
え〜〜〜!?
 
それでカノンがアクアの腕を取るとステージの袖に連れて行く。と同時に数人ステージにあがってきて「アクアちゃーん!」と叫んでいる。
 
ゴールデンシックスの他のメンバーが楽器を持ったまま、上ってきた観客とアクアの間に立ちふさがる。怒号がする。しかしアクアはカノンに連れられて楽屋に飛び込んだ。★★レコードの男性社員3人が階段を登り、ステージに向かう。
 

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「山本君、私を守って上まで連れて行ってくれない?」
と秋風コスモスが先日§§プロに入社したばかりの19歳男子社員・山本明に声を掛けた。
 
「はい。行きましょう」
 
それでコスモスは高校時代は野球部だったという山本君に楯になってもらう形で何とかステージの上まで行った。ステージでは警備員数人と、上に登ってきた50人ほどの観客とが揉み合っていた。しかし完璧に多勢に無勢である。
 
コスモスはアクアが使っていたマイクを掴んだ。
 
「落ち着いて!」
と大きな声で呼びかける。
 
「騒いでいる人たち、さっさと客席に戻らなかったら、私がハイヒールでおしおきしちゃうぞ」
とコスモスが言うと、ドッと笑い声が起きた。
 
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「それとも鞭がいいかい?蝋燭がいいかい?」
 
「コスモスさん、シモネタはやめてください」
と★★レコードの八雲礼朗が言う。彼は近くに倒れていたスタンドマイクを使用している。リノンが使用していたものだが、支柱が曲がっている!
 
「今度、全編危ない格好をしたCD出そうかな」
「コスモスさんのファンが仰天しますよ」
「やはりそういうのは10代の内にやらないといけなかった?」
「10代でやったらつかまりますって」
 
八雲がうまくお返事をしてくれるので、この後、コスモスと彼との掛け合いのようになっていく。それで結果的には騒いでいた人たちも毒気が抜かれてしまったようである。
 
「まあそういう訳で、ステージに登ってきちゃった人、警察が来る前に逃げたほうがいいと思うけど」
とコスモスが言う。
 
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それで1人、若い女性が
「ごめんなさい」
と言って、自主的にステージから降りた。するとそれに続いて他の人たちも降りてくれた。ステージに殺到していた人たちも、後方に戻る。
 
コスモスがステージに立ってから7-8分ほどで、何とか騒動は収まったのであった。
 

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「お客様の中で押されたり倒されたりして、お怪我なさった方はありませんか?おられたら、スタッフに申し出てください。また自分の近くで倒れたり苦しんでいる人がいたら教えてください」
と運営の腕章を付けた人が呼びかけた。
 
あちこちで申し出る人がいるが、あまり大きな怪我をした人はいない雰囲気だった。
 
運営さんはコスモスおよび八雲と小声で話し合ってから宣言した。
 
「本ライブはここで中止とさせて頂きます」
 
「え〜?」
といった声もあるが、大半の観客は仕方ないと思ってくれたようである。
 
「係員が誘導します。後方の方から順に退場してください」
と運営の人がいい、観客たちは静かに退場しはじめた。
 

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楽屋ではスタッフが輪になって話し合った。
 
「アクアをどうやって脱出させようか?」
 
「誰か身代わりになって、鱒渕さんの運転する車で脱出して、その後アクアはスタッフみたいな顔をして出よう」
と八雲さん。
 
「身代わりになれそうな人?」
「何か居るのが女の子ばかりだし」
 
(この時点では女子の方がアクアの代役を務めやすいことに誰も気付いていない)
 
「でも山本君は背が高すぎる」
 
「八雲さん、何cm?」
「えっと・・・僕は165cmかな?」
「ここにいる男性の中ではいちばん背が低いみたいだし、代役お願いできません?」
「まあいいかな」
 
それで急いでアクアが衣装を脱ぎ、その衣装を八雲さんが着た。
 
「ウェストのボタンが留められたんですね?」
「ちょっときついけどね」
 
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信じがたいことに八雲さんはアクアの衣装が着られたのである。
 
「八雲さん細い!」
「ウェスト何cmですか?」
「えっとスカートなら61cmが入るけど」
と八雲が答える。
 
アクアの本来のウェストサイズは56cmだが、衣装は安全を見て59cmで作られている。それで61cmの八雲は着ることができたのだろう。もっとも彼の発言に対しては
 
「スカート!?」
という疑問の声があがる。男性がスカート??
 
「いや、女装させられたことがあるので」
と八雲は言い訳をしているが、明らかに焦っている。多くの人が、この人、女装趣味があるのかな?と感じたようだが、ここはあまり時間がない。
 
「水帆ちゃん、八雲さんと一緒に出て」
「はい。行きましょう」
 
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それで鱒渕の運転するミラココアの後部座席にアクアに扮した八雲が乗り、腰をずらして低身長を装う。それで出発したら、案の定その車を
 
「アクアちゃーん!」
などという声をあげて追いかけていくファンが大勢居た。
 

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一方本物のアクアは運営の人が着ていたスタッフのパーカーを借りて、ロングヘアのウィッグをかぶせられる。そして撤収作業に紛れて何とか会場の外に出ることができた。
 
ゴールデンシックスのノノとフルルが腕を押さえている。
 
「どうしました?」
とコスモスが訊く。
 
「観客と揉み合っていて痛めたみたいで」
 
「それはいけない。エルちゃん、この2人を医務室に連れて行って」
「うん」
 
それで川崎ゆりこが2人を連れていった。
 
「参ったなあ」
とカノンが頭を抱えている。
 
「カノンさん、お怪我は?」
「私は無事なんだけど、楽器が完璧に破壊された」
「わぁ」
 
リノンが持っていたギターが折れている。怪我をしたノノが持っていたベースも折れている。フルルが持っていたフルートはキーが取れてしまっている。
 
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「このフルート高そう」
「それ200万円くらいすると思う」
「ひゃー。うちの事務所で弁償しますから。ギターとベースも」
「ドラムスも完全破壊。私が弾いてたキーボードも鍵盤が数個取れてる」
「申し訳無い!」
とコスモスは謝る。
 
「でもゴールデンシックスは今日の夕方にステージがありますよね?」
「そうなんだよ。どうしよう?」
「至急、貸し楽器店から借りられないか連絡します」
「うん。お願い」
 
結局、ギター2本、ベース、キーボード、ドラムスと借りることができたが、フルートは調達できなかった。またノノとフルルは骨折などはしていないものの今日は演奏しない方がいいと医者から言われた。それで結局、ベースは(ゴールデンシックスのルーツ)DRKのメンバーだった美空が弾くことにし、フルートはローズ+リリーのスタッフで木管楽器の専門家である風花が自分のフルートで吹いてくれることになった。
 
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アクアは大混乱の会場からスタッフの振りをして脱出した後、佐良さんの運転する車で越後湯沢駅まで行き、ここで別行動だった鱒渕と合流した。そして次の仕事!に行く。
 
越後湯沢11:04-12:20東京
 
アクアは内心『フェスと他の仕事を1日に掛け持ちするのって、さすがにボクくらいじゃなかろうか』と思った。しかし翌年はもっと非道いことになるとは、思いも寄らなかった!
 
それでNHK-FMに行って番組の収録に参加した。この日はずっと鱒渕がアクアに付き添ってくれたのだが、コスモス社長との電話で、今朝の騒動では怪我人は30人ほど出たものの、大怪我した人はいなかったという情報にホッとした。
 
楽器を壊されたゴールデンシックスには、楽器代相当の金額を§§プロが払い、それで各々新しい楽器を買ってもらうことにしたらしい。また、紅川会長と★★レコードの松前社長が、その日の内に主催者の所に行き陳謝して、今後はこのようなことがおきないよう万全の対策を取ると言明した。
 
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NHK-FMNの仕事が終わって次の仕事がある放送局に鱒渕と一緒に向かおうとしていたら、まだ苗場にいる上島雷太から連絡があり、雨宮先生のお父さんが亡くなったので、高岡の名代として葬儀に出席してくれないかということだった。コスモス社長の方に上島さんから直接連絡してもらい許可が出たので、両親と一緒に行ってくることにした。
 
7月26日、熊谷を早朝出て、お昼前に舞鶴に入り、通夜に出る。そして舞鶴市内の旅館で1泊してから、翌27日告別式に出た。そのあと親族およびワンティスメンバーの懇親会?のようなものがあったが、夕方で切り上げさせてもらい、東京に戻った。
 
龍虎は翌28日は早朝から仕事が入っていたので、熊谷には戻らずに足立区の§§プロ研修所に泊まった。研修所で龍虎は高崎ひろかから
 
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「夏休みの間はずっとここに泊まったら?毎日熊谷まで帰るの大変だよ」
 
と言われ、確かにそうかもということで両親やコスモス社長とも話し合ってみることにした。
 

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それで母に相談したら
 
「夏はそれでなくても体力消耗するし。あんたハードスケジュールだから、少しでも楽になるようにしたほうがいい」
と言われた。それで母とコスモス社長の話し合いで、龍虎は約1ヶ月の寮生活をすることになったのである。
 
「いっそ東京の中学に転校する?」
と母は訊いたが
「それやると、実際には中学に全く行けないくらい仕事入れられそうな気がする」
と龍虎は答えた。
 
熊谷に住んでいるというのは、一種の防波堤になっているのである。
 
なお寮のお風呂は、どっちみち龍虎は仕事で遅くなることが多いので、0時すぎに入るのを基本にすることにした。むろんそれ以外の時間帯でも、空いていれば入っていいし、他の子も龍虎が入っていたらあがるまでは自粛しようとコスモスは寮生たちに言った。
 
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「まあ一緒に入っても実害は無いけどね」
などともコスモスは言っていたが!?
 
「寮生は全員龍ちゃんのヌードを1度は見てますけどね」
などと、“研修所の主”ハナ。
 
「私はまだ見てないけど、龍ちゃんが、ほぼ女の子だというのは秘密にしとくね」
 
と寮生ではないのに来ている松梨詩恩が言っていた。詩恩もしばしばこの寮に来るが、来たら姉の高崎ひろかの部屋に泊まる。それでひろかの部屋には2段ベッドが入れられている。
 

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娘たちのベイビー(3)

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