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■女子中学生・夏祭り(12)

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「これ全部見るには1週間はかかるな」
「物凄い待ち時間のところがあるから制覇しようと思ったら1ヶ月かかると思う」
「たぶん1つのパビリオンだけで終わってしまう日もあるね」
 
「もうパビリオンを歩いて回ること自体が時代遅れという気もする」
「歩いて回るんじゃなかったらどうすんの?」
「全部ネットで見られるようにしたら待ち時間も少なくて済むのでは」
「10年後の万博はそうなるかもね」
「何と言っても環境負荷が小さいよ」
「確かに」
 

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この日ホテルに帰ってからの夕食はドテ煮だった。千里たちは16時すぎにおやつ?を食べたばかりだが、夕食となればもちろん入る。
 
「これ美味しい」
「なんか庶民の味という感じだよね」
 
「ドテ煮って大阪かと思った」
「それはドテ焼き」
と蓮菜が注意する、
 
「“焼き”と“煮”の違いか!」
 
「あと使う味噌も違うね」
と玖美子。
 
「そうそう。大阪のは白味噌だけど、こちらは八丁味噌」
と小春(コリン)が解説する。
 
「だから名古屋のが濃厚な感じになるよ」
「へー」
 
「熱田神宮の近くに美味しい店があるんだけどなあ」
「お、詳しい」
 

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公世はドテ煮をズボンの上にこぼしてしまった。
 
「公世ちゃん、ズボンが汚れたからスカート穿こう」
「いや大丈夫。昨日洗濯して今部屋に干してるのがある」
「なんだ。残念」
 
部屋に帰った後、同室の鞠古君から
「それすぐ洗濯しないとシミが残る」
と言われ、お風呂場で軽く洗った上で、鞠古君の着替えと一緒にまた沙苗に頼んでコインランドリーで洗濯してきてもらった。乾燥を長めに掛けたので翌朝までにはだいたい乾いていた。
 

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千里たちの修学旅行4日目(最終日)7月22日(金)。
 
午前中は栄(さかえ)に出て、お土産を買ったりなどのショッピングを楽しんだが、千里たちのグループは喫茶店に入り、名古屋の喫茶店メニューを楽しんだ。「ひつまぶしを食べよう」という意見もあったが、お店まで行き店頭に表示されている値段を見て「あまりに高すぎる」とショックを受け断念。喫茶店になった。
 
そのあとこういう連絡で留萌まで帰った。
 
栄11:54-12:00金山12:05(名鉄快特)12:30中部国際空港13:40(ANA707)15:20新千歳空港16:00(貸切バス)18:30留萌S中
 
お昼は空港でお弁当が配られて食べた。新千歳で食べ物を買い込んでバス内で食べている子が多数いた。
 
千里Rは栄でコリンに言った。
「別の千里が近くまで来てるんでしょ?そっちに行ってていいよ」
 
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コリンも、
「後は帰るだけだし玖美子ちゃんも沙苗もいるし、勝手に死ぬことも!あるまい。やばい時は、貴子さんも出てくるだろうし」
と思い、
 
「じゃ留萌に帰るまで死なないでね」
と言って千里Rと別れ、名古屋駅から四日市市(よっかいち・し)に移動。そこでホテルを取って待機した。実際千里Yからは毎晩呼び出された。
 

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小春用の飛行機の座席が空いてしまうのでGは星子を代わりに転送した。だからこの修学旅行で“小春”は、名古屋までは本物の小春、2日目・3日目はコリンの擬態、名古屋からの帰りは星子の擬態であった。もちろん千里の財布は星子が預かっておいた。
 
S中まで戻った後は多くが保護者の車で帰宅した。留実子は沙苗の母に乗せてもらった。千里Rは消えちゃった!ので星子が荷物をコリンの家に持ち込んだ。
 
しかし星子がいなかったら千里の荷物だけが校庭に残され、先生たちが大騒ぎするところだった!
 
「星子さん。ぼくまだ女の子のままですか」
と女の子に変えられている源次が情け無さそうに訊く。
 
Rは明日から旭川である。
 
「千里Yが多分8月上旬に帰って来ると思うからそれまで待って」
と星子は言った。
 
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7月22日(金)、千里Rはそもそも留萌に戻ってくるのが遅かったし、学校で解散になったところで消えちゃった。Yは三重県の河洛邑に行っている。
 
ということでこの日は村山家でカレーを作る人がいなかった。玲羅は「今日はきっとお父ちゃんの機嫌が悪い」と思って遅くまで神社に居た。津気子は夕方港まで夫を迎えに行ったものの、船から降りてきた顔を見ると機嫌が悪い。きっと不漁だったのだろう。鳥山船長も岸本漁労長も難しい顔をしていた。
 
とにかく家まで連れ帰る。
 
「千里と玲羅は?」
「千里は修学旅行だよ。玲羅は神社に行っててまだ帰って来ない」
「そうか。まあいいや。飯は?」
 
「ごめーん。今作るから、お父ちゃんはビールでも飲んでて」
と言って冷蔵庫に入っているサッポロビール、それにおつまみのカルパスを出す。テレビを点けたらプロ野球のオールスターをやっているので楽しそうに見ているようである。
 
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津気子は「千里がいなかったら私カレー作る自信無いよぉ」と思いながら、御飯を炊飯器に入れてスイッチを入れ、それから野菜を切ってカレーを作り始める。
 

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ニンジンとジャガイモを細かく切り(←タマネギは?)、千里は炒めてたよなあと思いサラダオイルで炒めるが、フライパンにくっついてしまう。えーん。これどうしたらいいのよ?と思う。フライパンにくっついてしまった分は放置して(あとで鍋を洗うのは誰?)深い鍋に入れて煮る。なんか足りないような気がするなと思いながらも(←お肉を入れてませんよ)「このくらいかな?」と思って10分タイマーを掛けた。タイマーが鳴ったので(←野菜が柔らかくなったか確認しないの?)カレールーを入れる。少し煮たところで(←掻き混ぜないんですか?)御飯のできあがった音がする。
 
それで
「お父ちゃん、カレーできたよ」
と言って皿に盛って持って行く。
 
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「ああ、これが楽しみなんたよなあ」
と言って武矢はカレーを食べたが
「まずい!」
と言った。
 
「ごめーん。私、千里みたいにうまく作れないみたい」
と謝る。
 
それで津気子も一口食べてみたが(←なぜ作りながら味見しない?)、ほんとにこれ美味しくないと思った。でも津気子にはどうすればいいのか分からなかった。
 

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玲羅はその日遅く、花絵さんに送ってもらって帰宅したが、どうもお母ちゃんとお父ちゃんは喧嘩したみたいだなと思い、私遅く帰って良かったぁと思った。
 
なおカレーは母の作ったカレーがまともな味になるとは思えないと考え食べなかった。神社でも取り扱っている“峠の丼屋”さんの熊カレーを買ってきたのを御飯に掛けて食べたが
「これ御飯にも芯がある!」
と思った。
 
玲羅は真剣に、姉が高校進学で留萌を出たあとの“自分の”食生活について悩み始めた。へたすると餓死しかねない!!
 
(自分で料理を覚えようという気は無い!)
 

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7月22日(金)の夜、瑞江はセレナを運転して留萌まで来た。駅前で“千里”と会う。
 
「修学旅行は終わったんですか?」
「うん。さっき帰ってきた」
「帰ってきたばかりで大変ですね!」
 
「取り敢えず道場へ」
と言って千里は瑞江の車に同乗して天野道場に入った。
 
「食料も適当に買ってるし、自由に食べて。それで明日6時に駅前で私と友人たちを拾って」
「分かりました」
「じゃ帰るね」
「あ、送っていきますよ」
「大丈夫。ジョギングして帰るから」
「旅行から戻って来たばかりで元気ですね!」
と瑞江は感心していた。
 

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千里たちは修学旅行から帰った翌日、7月23日の朝、留萌駅前に集まった。集まったメンバーは下記である。
 
千里・玖美子・沙苗・公世・清香・柔良
 
この6人を、昨夜のうちに留萌に来て天野道場に泊まっていた瑞江がセレナで旭川まで運んでくれた。貴子の家に行き、ここで剣道の道大会まで合宿する。
 
しかしさすがに、S中の4人は旅行疲れで道中ひたすら眠っていた。
 
なおこれと別途、道田大海と工藤弓枝が昨日のうちに特急バスで旭川に出て貴子の家に前泊している。
 
また団体戦に出るS中の男女代表は週3日学校で練習し、学校が使えない日は公民館や天野道場で練習している。天野道場では忌部さん(太陰)がある程度指導してくれる。
 
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今回千里たちのサポートは、コリンが四日市に行っているので、コリンの古い友人であるミッキー(伊呉三姫)に頼むことにした。ミッキーはこれまでも時々コリンのお手伝いをして千里をサポートしたこともある。
 
「千里さん、私今主(あるじ)が居ないんです。よかったら眷属にしてもらえません?」
 
実は仕えていた主人が1年ちょっと前に亡くなったのである。
 
「いいよ。それでは白井蜜月よ、我に従え」
「はい!」
と答えてからミッキーは驚いたように言う。
 
「どうして私の真名(まな)を知ってるんですか?」
「そんなの見れば分かる」
と言うので、ミッキーは
「この人は恐ろしい人だ」
と思った。
 
一方千里は
「また安易に眷属増やしちゃったけど、ちゃんと食べさせていけるかなあ」
と少し不安を感じていた。
 
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貴子の家の練習場は3つあるので、千里・清香/玖美子・柔良/公世・沙苗で各々の練習場を使ってひたすら稽古をする。これに道田と弓枝が巡回して助言するが、実際には、千里・清香には、道田もとても指導できるレベルを越えていたので、
「あんたたち怪我だけはしないように」
と声を掛けていた。
 
なお女子たちの部屋割はこのようになる。
 
No.2 公世・沙苗
No.3 千里・玖美子
No.4 清香・柔良
PfRoom 大海・弓枝
 
御飯はミッキーが作っていたが
「ミッキーちゃん、その量では全く足りない」
と貴子から言われ、半信半疑で当初用意した材料の10倍の材料で作った。しかしそれが全部無くなってしまったので、凄い食欲!と驚いていた。
 
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「私って給食のおばちゃんね」
などと言いながら御飯を作っていた。
 

7月23日(土).
 
七尾善美は大きく伸びをした。
 
「さあて会社もめでたくクビになったし、社員寮も追い出されたし、私どこに行こうかなあ」
 
と言って彼女は寮の部屋から持ち出した荷物を満載した軽トラに乗ると、まず最初に友人のアバートに行き
 
「使えそうなもの全部もらってほしい」
 
と言った。
 

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「一体どうしたのよ?まるで引っ越すみたい」
「いやあ、会社クビになっちゃって」
「大変だったね!何やったの?」
「国宝の錦鯉をうっかりお昼御飯に食べちゃったから」
「あんたらしいね」
 
そうか?
 
まず彼女は本棚とかカラーボックスの類いのかさばる物を引き取ってくれる。軽トラに同乗していた“弟”と一緒にアパートに運び込んだ。これは彼女が普通に使うと言っていた。なお寮に住んでいたのでテレビ・冷蔵庫・洗濯機・電子レンジは寮に備え付けだったのでこの荷物には入ってない。
 
また布団とかお洋服類もかさばるので
 
「申し訳無いけど布紐類の日に捨てて」
と言って引き取ってもらった。(毛布数枚と枕だけ残した)これも弟と2人で運び込んだ。
 
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でも布団は予備に使い、お洋服も着ると言っていた。彼女は漫画とかCDも全部引き取ってくれた。趣味の近い友人を持つと助かると思った。
 

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「でもヨーチン、この後どうすんの?ハローワーク行った?」
と心配してくれる。
 
「まあせっかく暇になったから少し旅行してくる。それから仕事探す」
「うん。気をつけてね。男子トイレに無断侵入して痴漢で捕まったりしたら身元引受人くらいにはなってあげるから」
「じゃその時は頼む」
 
“いい”友人を持ったなと思う。
 
しかしこれでかなり身軽になった。善美は軽トラを借りたレンタカー屋さんに戻り、残った荷物を自分の愛車 BMW-Mini に移す。そして軽トラを返却するとminiを運転してスーパーに行き、食料品を買い込んでから、手近な高速の入口に向かった。
 
 
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女子中学生・夏祭り(12)

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