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男子の方では“男の娘部屋”を作り、ここに性別微妙な公世、病気治療のため女性化している鞠古君を泊めることになった。鞠古君はブラウス(リボン無し)に男子用スラックスだがわりと胸が目立つ。公世はブラウス(リボン付き)に女子用スラックスである。ホテルの人は女子2人と思ったようである。
なお、司は普通に3組の女子の部屋に組み込まれた。(クラス委員は司が旭川遠征で女部屋に泊まり女湯に入ったことを聞いている)
大塚讃樹 岡崎かおり 尾崎智美 木村美那
中西志保 中谷数子 野口公恵 広多侑果
福川司 星野麦美 横田尚子 吉岡典江
司はクラス委員女子から「普通に女子の部屋に組み込むねー」と言われて、ひぇーと思ったものの、古くからの知り合いの尚子がいるし、ソフトボール部でわりと親しい麦美がいるので比較的安心した。ちなみに
「司ちゃん、解剖しちゃおうよ」
という提案については麦美が
「あの子普通の女の子だから解剖したらシャレにならないから止(や)めよう」
と言って止(と)めてくれた。
でもおっぱいの触りっこはした!それで司に豊かなバストがあるのは分かった。
もう1人微妙な性別の花和留実子については、結局男性教師!の部屋に泊め、お風呂も部屋付きのバスルームを使わせる。男の娘部屋もバスルーム付きである。これは鞠古君のためにこうした。
鞠古君はバストがあるが男性器もあるので男湯にも女湯にも入れない。しかし、彼がバスルーム付きの部屋になったお陰で、公世も安心して入浴できる。公世は男湯に入ろうとすると間違いなく従業員さんに摘まみ出されるが、バストは無く男性器があり本人も自分は男という意識を持っているので女湯には入れない。それで入浴に困難が生じる所であった。
鞠古君の女性ホルモンの投与は3月でいったん終了しており、現在ホルモンを入れない状態で病気が再発しないか様子を見ている段階である。
「これで病気が再発しないようだったら10月から男性ホルモンに切り替えるって」
「へー。そしたらおっぱい縮むの?」
「分からない」
「男性機能回復するかな」
「それは期待しないようにと言われている。でもバストはこれ以上は大きくならないはず」
「縮むといいね」
と公世も言った。
「妊娠中に胸が大きくなってた女性は授乳が終わるとバストが縮むというから同様に縮むことを期待してるんだけどね」
「心が男の子なのにバストがあったら嫌だろうね」
「留実子はそれが一番わかると言っていた」
「そうか。そういう意味では鞠古君と花和君って似た立場なんだ!」
「それは時々思う」
「でも鞠古君は花和君が男の子になっちゃってもいいの?」
「チンコ付けてもいいから、穴だけは残しておいてくれと言ってる」
「鞠古君、心が広ーい」
と言いながら、じゃ花和君はまだちんちん付ける手術してないのかなと疑問を感じた。彼のペニスを見たという証言がたくさんあるのに。函館遠征でも河合君と連れションしてたらしいし、男湯にも入ったらしいし。
「ルミからはもし俺が女になるならチンコ譲ってくれとも言われてるけど、俺はチンコ取るつもりは無い。立たなくてもこれがあることで俺は自分は男だと思い続けることができる」
と鞠古君は言っていた。
公世は
「ぼくちんちん取ってもいいと同意してしまいそうで自分が怖い」
と思った。
なんか全国大会終わって帰ってきたらそのまま病院に連れて行かれて「今から女の子になる手術だから」と言われたりしないだろうかと不安がある。
「でもあいつ俺がスカート穿いてると殴るんだぜ」
と鞠古君が言う。
「色々矛盾してるね」
ちなみに鞠古君はいま「部屋の中だし」と言って膝丈の“かっこいい”スカートを穿いている。男の子が穿いても違和感の無いスカートもあるんだなあと公世は思っていた。
夕食は18時からで大宴会場で全クラス一斉に行われた。初日の夕食は名古屋名物の味噌カツ・きしめん、にミックスフライ(むろん海老フライを含む)の盛り合わせでなかなか好評だった。
「これにひつまぶしがあれば文句無しなんだけど」
と生徒から声が出るが
「さすがに予算が無いから自主的に食べて」
と先生たちは言っていた。
お風呂については、公世と鞠古君は部屋のお風呂で問題無く入浴した。留実子も部屋のお風呂で問題無く入浴した。
千里は同室の小春(実はコリン)、穂花などと一緒にお風呂に行き、のんびりと大きなお風呂で入浴した。Rは女性的な身体の発達が最も進んでいる。胸もCサイズある。
「あれ〜千里が小学校の時男の子で入浴をどうしようかと揉めたような気がする」
「沙苗と混線してるのでは」
「そうかも」
結局千里が性別移行したことをみんなが(神様たちの記憶操作により)忘れているので、千里が現在女である→千里はずっと女である、とみんな思っている。千里の性別移行を記憶しているのは玖美子と蓮菜くらいである。
(留実子だけが千里は今でも男の子だが最近ずっと女子制服を着ていると思っている)
セナは同室の蓮菜と一緒に早い時間帯にお風呂に行った。
「もう女湯に入るのも10回目くらいでしょ」
「まだこれが4回目くらい」
「じゃもう慣れたね」
「でもまだ正直誰かに「あんた男では?」とか言われないか、ドキドキしてる」
「ああ、私は実際によく言われるからもう気にしてない」
セナは少し考えた。
「琴尾さん、男でも通るかもね!」
「男になる手術受けてみる?と言われたら即承諾するよ」
「でも琴尾さんが男になったら、田代君困るのでは?」
「あいつを性転換して女の子にすればいいこと」
「なるほどー」
一方、雅海は同室の沙苗に連れられて遅い時間帯にお風呂に行った。
「このくらいの時間帯はみんなもうお風呂終わってるから、人が少なくて安心して入れる」
「そうだねー。でも沙苗ちゃん、最初の頃女湯に入るの怖くなかった?」
「最初は凄く怖かった。自分は男湯には入りたくないと思ってたけど、だからといって女湯に入る勇気無かった。でも千里ちゃんや玖美子ちゃんに励まされて入れるようになった」
「そっかー。でも沙苗ちゃんここ何ヶ月かで女らしさが増してる気がする」
「そうなんだよねー。去年くらいは小さかった私の卵巣が急成長してもう年齢相応に近いところまで育ってるらしいからそのせいかも」
「へー」
沙苗の卵巣・子宮・膣のセットは、iPS細胞から作ったものを埋め込んだものである。それは昨年末頃は0歳女児程度のサイズだったが、神様会議の“お留守番”をしたご褒美にQ大神の手で5歳女児の大きさまで成長させてもらい、その後だいたい1月に1回程度の割合で、1年分くらい成長させてもらっている。現在は13歳レベルの卵巣・子宮を持っており、こちらから月経が起きている。それで沙苗の体内にあった卵巣・子宮(佐藤小登愛のもの)はセナの体内に移動されている。しかしセナの身体にはその他にセナの妹で死産した美加の女性器も1セット入っている。
また司も同室の麦美と一緒に遅い時間帯にお風呂に行った。
「司ちゃんが完全な女の子だというのは杏子ちゃん(ソフト部のチームメイト)からも聞いてるから安心して」
と麦美は言っていた。
「杏子ちゃんには着替えの最中見られちゃったからなあ」
ただしその時はまだ司はお股をタックした偽装状態だった。今は本物の女体である。それで安心して女湯の中に入ることが出来た。
「杏子ちゃんだけが司ちゃんがソフト部にいた頃のことを覚えてるらしいんだよね」
「え?そうなの?」
「野球部が8人しかいないから誰か貸してと言われたときに、最初身体の大きな杏子ちゃんが野球部に貸し出される予定だったのが試合の日に風邪を引いたから代わりに司ちゃんが野球部に行ってそれで大活躍したとか」
「実はそのあたりのこと、私自身覚えてない」
「きっと自分が元々女だったことを忘れようとしてたんだよ」
「うーん。あり得る気がしてきた」
「もう大会も終わったし、2学期からは普通の女子生徒として登校するんでしょ?」
「なんかそれに同意してしまいそうで自分が怖い」
「だって元々女の子なんだから、そうすべきよ。戸籍上は最初から女なんでしょ?」
え?そうなんだっけ?自分の戸籍とか見たことないけど。
通常時間にお風呂に来た女子たちが言っていた。
「雅海ちゃんと司ちゃんはお風呂来ないのかなぁ。裸の姿を詳細に観察するつもりだったのに残念」
(こっわぁ)
「司ちゃんは、野球部の遠征では女湯に入ったらしいよ」
「だったらやはり完全な女の子なんだ?」
「あの子の場合、元々女の子なのを野球をやるために性別を偽っていた疑惑がある」
「そうそう。元々は女子のソフトボールに入ってたらしいよね」
「だから男を強調するために小学5-6年生頃はわざと男っぽく振る舞っていた」
「だけどさすがに性別をごまかすのも限界に達した」
「もう無理だろうね」
「だけどあの娘(こ)、今回の道大会でも2試合に投げて無失点でしょ」
「男子のバッターをじゃんじゃん三振に取るって格好いいよね」
「男子からも女子からもラブレター殺到してるらしいよ」
「でも男子の試合にも出て良いという許可は今年度限りだから。高校からは女子野球に行くらしい」
「高校には女子の野球もあるんだ!」
「札幌のSY高校、苫小牧のKZ高校、夕張のV高校と3つ道内に女子野球部があるらしい」
「へー。3つもあるのか」
「まあこれ以上男子を装うのは無理だったねー」
「実際男子制服着てても女の子がコスプレしてるようにしか見えなかったもん」
「花和君は男子に見えるけどね」
「花和君はペニスあるみたいだよ。睾丸もあるかあるいは男性ホルモン飲んでるか」
「そうだよね。男性ホルモン飲んでなきゃあの身体付きはあり得ないよね」
「彼の身体付きは“逞しい男”の身体付きだもん」
「札幌に行ってる彼のお兄さんが性転換してお姉さんになったから、その元・お兄さんからペニスと睾丸を譲ってもらったと聞いた」
「すごーい。お兄さんは女の子になりたかったのか」
「小さい頃から性別逆だったら良かったのにと言ってたらしいから。今年のゴールデンウィークに性転換手術受けたらしい」
「だったら花和君はやはり睾丸付けたから男っぽい身体か発達してきたのね」
「司ちゃんはわりと華奢な身体付きだもん」
「でも司ちゃん毎日10km走ってるらしいよ」
「すごいなあ。さすが全道大会の最優秀投手」
「やはり女子でも頑張れば男の子並みに活躍できるのね」
「剣道部も女子の千里ちゃん、玖美子ちゃん、沙苗ちゃん、公世ちゃんの四強に男子が誰もかなわないらしいからね」
「北海道から2人しか全国大会に行けないから、公世ちゃんは無理矢理男子に出ているらしいもんね」
「なるほどー。だから女子なのに男子の部に出てるのか」
「でもさすがに高校ではちゃんと女子の部に出てくださいと言われたらしい」
「そうかもね」
「沙苗ちゃんは女子の部に移籍する時、もう男子の部には戻らないと誓約書書いたから男子の部には出られないらしいね」
「やはり男になったり女になったりふらふらされるのが困るんだろうね」
「そうそう。性別の変更は一方通行」
「雅海ちゃんはなしくずし的に女子になっちゃった感じだね」
「セーラー服似合うよ。着たいでしょ?とか、おだててる内に本人もその気になって、ふらふらとおちんちん取っちゃって法的にも女の子になってしまった感じ」
「そうそう。あの子は沙苗ちゃんみたいに『女の子になるんだ』という強い意志を持ってなかった。だからちんちんも、うっかり切っちゃったんじゃないのかなあ」
「手術が終わってから『ぼくちんちん無くなっちゃったぁ』としくしく泣いてる気がする」
「ああ、するする」
「あの子はそれありそう。もう性転換手術して法的な性別も変えたんだから女の子になるしかないのに、まだ気持ち的にふらふらしてる」
「意志が弱いよね」
「そのあたりが悪い意味で女の子っぽいのかもね」
「ああ、それはある」
「でも正直、公世ちゃんは分からない」
「私も分からない」
「あの子、女の子にしか見えないけど、ひょっとしたらまだ男の子の部分が一部残存してるのかも」
「本人の容姿とか、水泳の授業の時に見たボディラインを見たら、もう睾丸はなくてバストも少し膨らみ始めているのは間違い無い。あれ卵巣もあると思う」
「こないだの性別検査では卵巣があるという診断だったらしいよ」
「やはりあるんだ!」
「でもひょっとしたらまだペニスがあるのかもね」
「雅海ちゃんと司ちゃんはもう生理来たみたいだけど、公世ちゃんはまだなのかも」
「でもあの子もこの夏の剣道大会までじゃないの?男を装うのは」
「うん。全国剣道大会が終わったら完全な女の子に移行して、ちんちんも除去して、生理も始まるのかも」
「今回の修学旅行ではすぐズボンに着替えちゃったけど最初スカートの制服で出て来たし、2学期からはスカートの女子制服で登校するんじゃないかなあ」
「うん。修学旅行で女子制服は着るだろうけどスラックスかなあと思ってたけどスカート穿いて出て来たから、やはり女の子の自覚が出てきたのかもね。でも勇気が足りなくてズボンに着替えちゃったんだろうけど」