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■女子中学生・秋の嵐(23)

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この日は市民体育館は満杯。会場に入りきれない客が出たため、整理券を配って入れ替え制を実施!1回目のライブを観られなかった人が2回目で観られるようにした。それでも入りきれない人たちには「良かったら明日の札幌ライブを」と案内した。
 
結果的にチケットがたくさん余っていた翌日の札幌ライブのチケットが当日券でソールドアウト。札幌の会場は(なにせファンのボランティアによる運営だったので)整理のスタッフなども用意していなかったのをレコード会社がイベンターさんに無理をお願いして人を手配し、並んでいる人の整理作業に当たってもらった。
 
留萌市側は、松原珠妃のような大物歌手に来て頂くのに万が一にも閑散とした会場にしてはいけないというので、大都市・旭川のミニコミ誌に広告を出したり、そちらの地域ケーブルテレビでもCMを流してもらったりし、バス会社と交渉して、当日は旭川からの臨時バスまで運行してもらったりしている。また来場者全員に留萌の海産物(洋菓子と交換可能)のお土産付きである!(珠妃のギャラ以上に費用が掛かっている気がする)それでこの日は旭川からやってきた客が多かった。
 
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かえって地元の留萌では当日までほとんど知られていなかった!
(市のホームページに掲載しただけ)
 
車で来た人のために、急遽ジャスコと交渉して、そちらの駐車場を使ってもらえるようにし、ジャスコとの間にシャトルバスを運行した。
 
しかしこのライブは2回とも満員御礼になり、翌日の札幌ライブも旭川組が札幌に押し寄せて盛り上がった。そして、12/24-25のスパリゾートハワイアンズでのイベントも大盛況となる。これらの反響を受けて、年末に福島と北海道のローカル局が共同で、急遽、珠妃のスタジオ1時間ライブを制作して放送することになり、年明け以降の珠妃復活の先駆けとなっていく。
 
留萌はこの復活劇のスタート地点になったので、珠妃はずっと後になってもあの日留萌での2回のミニライブは忘れられないと語る。
 
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ちなみにこの時期『ドテ焼きロック』の歌詞や構成は、作詞作曲者・蔵田孝治の気まぐれで頻繁に変わっている。それで、『ドテ焼きロック』留萌バージョン、札幌バージョン、常磐バージョン、年末スタジオライブ・バージョンは全て微妙に歌詞等が異なっていたらしい。この歌はお正月の特別番組に突発出演した時にも歌っているが、それは「蔵田先生のご指示で札幌バージョンで歌ったと思う」と珠妃は言う(最も歌詞の品が良かった:恐らく本当に指示したのは加藤主任!)。この曲は最終的には『鯛焼きガール』と改題されて2月に発売され80万枚のセールスをあげることになる。
 

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千里はずっと2階席からイベントを見ていたのだが、トイレに行きたくなったので行ってくる。トイレ近くで、歩き方に特徴のある男性とすれ違いそうになった。
 
「あれ?四つ子の貞子の子だ」
と男性が言った。
 
“この千里”は何のことやらさっぱり分からないのでぽかーんとしている。
 
男性の方が戸惑って、
「えっと、君、大中愛子ちゃんとかじゃなかったっけ?」
と尋ねた。
「大中愛子は私の従姉です。私は村山千里です」
「従姉妹だったのか!君たちよく似てるね」
「はい。並んでるとよく双子と思われるんですよ」
 
「ちなみにぼくのこと分かる?」
 
千里は考えた。
「水泳の北島康介選手?」
 
蔵田孝治は大笑いして
「従姉妹さんともどもいいセンスしてるよ」
と言って、千里の肩を数回叩く。
 
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千里は実際は誰だっけ?と考えたものの分からなかったので、いいことにした!
 
「でも君も髪長いね」
「はい。るろうに剣心の緋村剣心を演じるために髪を伸ばしました」
「貞子よりはいいかも」
「貞子って?」
「リングって映画に出てくるキャラだけど知らない?」
「知りません」
「でも緋村剣心なら剣を扱えなきゃ」
「私、剣道初段ですよ」
「へー!」
と言ってから、男性は言った。
 
「君、試斬りとかできる?」
「藁の試斬りはしたことあります。人間の試斬りはしたことはないです。お望みなら、北島さんの身体を4つくらいに分割してもいいですけど。4つに分れたら4倍の速度で泳げるかもですよ」
「それは遠慮しとくわ。試斬の藁とかすぐ準備できる?」
 
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千里は後ろに気配をやる。
「できます」
 
「それやってくんない?」
「いいですよ」
「じゃちょっとこっち来て」
 

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それでこの日2度目の松原珠妃のステージの前に、緋村剣心のコスプレをした千里が登場。<こうちゃん>に用意させた巻藁をスタッフさんに立ててもらい、千里は“関の孫六”を使用して、これを4ヶ所で斬った。
 
歓声があがる。
 
それで退場しようとしたら、刀を持った<こうちゃん>が登場する。どうも斎藤一のコスプレ(のつもり)のようだ。
 
「寸止めで」
などと言っている。
「いいよ」
 
それで2人は剣を抜いて向かい合う。<こうちゃん>が斬りかかってくる。
 
待て?こいつ本気じゃないのか?
 
千里は反射的にその刀を自分の刀で受け止めると跳ね上げ、刀を彼の首筋にピタリと寸止めした。
 
つもりだったけど、ちょっと切れた!
 
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しかし観客からは凄い拍手があった。
 
松原珠妃が登場する。
 
千里たちは退場し、スタッフが藁を片づけた。
 
珠妃は予定に無かった曲『HEART OF SWORD 〜夜明け前〜』を歌う。アニメ『るろうに剣心』の曲(T.M.Revolution)である。
 
歌い終えてから
「格好よかったですねー」
と言う。少しトークしてから、その後は第1部と同じ構成で歌を歌った。
 
この日、蔵田孝治は『美少女剣士・にしん伝説』という曲を書き、この曲は『鯛焼きガール』(『ドテ焼きロック』から改題)のカップリング曲として収録されることになる。
 
「にしんを名刀・月光で4つに斬ったら、4倍速で逃げてった」などという歌詞が入っている。千里との会話からインスパイアされたものである。なおサビの歌詞で「にしん、にしん」という所が「にんしん、にんしん」に聞こえると言われた。さすが蔵田である。この曲は例によってピコ(冬子)が“清書”したので、実は千里と冬子の初の合作であった。
 
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12月24日(金).
 
天皇誕生日の翌日・クリスマスイブ。S中では終業式が行われ、学校は1ヶ月弱の冬休みに突入した。
 
年末年始になるので、神社は忙しい。P神社では、千里や蓮菜をはじめ、普段この神社に集まっている中学生たちが巫女衣装を着て、祈祷や販売のお手伝いに忙しくしていた。昇殿して祈祷する人も多いので、恵香・千里・小町の3人で交替で笛を吹いていた。
 
Q神社の方は主として高校生のバイトさんを入れてやはり祈祷や販売のお手伝いをしてもらっている。笛は、京子・映子・千里の3人で主として回したが、手が足りなくなり、循子もかなり吹いた。なおここに出て来ている“千里”はむろん星子の代理である。
 

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冬休みに突入するので“早川ラボ”を開けることにした。
 
C町の通常の道路から早川ラボ方面に行く町道は冬季は除雪しないので通行不能になっている。しかし千里の眷属たちは除雪車を持ち込んで12月22日から2日がかりで除雪を行い、車が通れるようにしてくれた。
 
道路からラボへ入る細い道路もカムフラージュの樹木を取り外し、除雪もして通れるようにした。雪の壁の中を通過してラボまで行く感じである。
 
排水路が凍結してしまうので、昼間だけでも流れるように(勝手に!)ラボから川に至る水路に電熱線を張り、雪防止のためふたまでかぶせたようである。この工事はどうも10月の内にやっていたようだ。電熱線は、取り付け道路と駐車場にも埋め込んでいる(でないと夕方帰ろうとして脱出できなくなる危険がある)。なおトイレの汲み取りは9月に一度やってもらっているので、この後は春まで大丈夫のはず(北海道東北の便槽はだいたい半年程度もつ容量がある)。
 
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「千里さん、今月に入ってから、ヒグマ2頭、エゾシカ1頭を捕獲して、お肉はこの雪の天然冷蔵庫に埋めてますから、練習期間中の食料には困りませんよ」
などと九重は言っていた!
 
「それは素晴らしい。冬ならではだね」
 
どうもここの“害獣防止壁”には毎月2〜3頭の害獣(ヒグマ・エゾシカ)が掛かり、眷属たちはその度に焼き肉パーティーをしていた様子である。お肉の地下貯蔵庫までできていた。秋の間は太陽光パネルが生み出す電気で冷蔵していたようだが、冬になると、通電しなくても天然の冷蔵庫になったようだ。捕獲したまままだ解体してない獣は雪にそのまま埋めていたようである。
 
「いっそ、このあたりでヒグマの養殖をするとかはダメですかね」
「それは人間の被害が出る恐れがあるからやめよう」
と千里は言っておいた。
 
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しかしこの九重の思いつきは違う形で1年ほど後から起動することになる。
 

12月25日に冬休みの集中練習参加組が集合した。
 
玖美子と柔良は学習塾の合宿に参加するということで、どちらも札幌に行ったらしい。
 
残りは、千里・公世・弓枝・沙苗・清香だが、これに今回は如月とR中の田詩歌(*31)も参加した。恐らく、千里たちの世代が卒業した後は、彼女たちが中核になる。
 
(*31) 中国名:田詩麗(ティエン・シーリー)だったが、一家丸ごと日本への帰化が認められたので、以降、日本名:田詩歌(でん・しいか)を名乗ることになった。彼女はこれまで国籍は台湾だったが、小学1年生からずっと日本の学校に通っていたので、日本人と同じとみなされ、大会参加資格があった。
 
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「なんか凄い所に練習場所がありますね」
「集団行動を守ってね。ひとりでラボの外に行って、ヒグマに食われても責任持てないからね」
「分かりました!」
 
「でも全員女子だと、気楽ですね」
などと新入りの詩歌が言っている。
「そそ。裸で歩き回っても平気だし」
と清香。
 
練習メニューは夏と同様に、朝海岸に集合して、5kmのジョギングをした後、保護者の車に分乗して、早川ラボに移動し、夕方までである。この時期は留萌の日没は16時くらいなので、16時終了ということにしている。朝は日出が7時頃なので、朝8時集合ということにした。ジョギングをしてラボに入るのが9時頃で、休憩をはさみながら7時間、実質は5時間くらいの練習である。
 
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なお冬なので、床暖房(オンドル!)が入っている。おがげで、足袋で練習していても冷たくなかったし、部屋全体も暖かく、汗をけっこう掻いた。むろん、どんどん水分補給をしていた。練習疲れで仮眠している子もいたが床が暖かく快眠できたようだ。
 
お昼は連日、熊肉パーティー・鹿肉パーティーで、みんなもりもり食べていた。
「熊肉美味しい」
「熊肉は美容にも良いらしいよ」
「それはたくさん食べなきゃ」
 
清香はまたシャワーを浴びた後、裸で素振りをしていて、おっぱいの揺れ具合を(柔良が居ないので)詩歌にチェックさせていた。
 

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千里の父たちの船は12月23日の祝日も休まず、24日のお昼まで操業して、24日(金)の夕方帰港した。この後、1月3日まで休み、4日(火)から出港である。
 
今年は正月休みが短いが、最近漁の成績が良くないので、少しでも多く操業しようということになったようだ。父たちの船は今年も24日の帰港の時に大漁旗を立てていなかった。ほんとに漁獲量が減っているようである。
 
12月25日から1月3日までは父が自宅に居るので(何日かは福居さんの所や岸本さんの所などに出掛けて飲んでいたらしい)、玲羅は父と話すのを嫌がってずっとP神社に出ていた。それで、恵香にこれ幸いと雑用で使われていた。昇殿祈祷の笛も何度か吹き
 
「これで千里が高校進学で留萌を出た後も安心だな」
と花絵さんから言われていた。
 
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