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■女子中学生・秋の嵐(8)

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9月24日(金・おさん).
 
“おさん”とは“納ん”でつまり、年貢の納め時!
 
8月11日に電車内の痴漢(強制猥褻)で逮捕された都内の予備校講師(だった!)Xが18件に及ぶ、強姦罪(既遂が5件あった)・強姦未遂罪・強制猥褻罪で起訴された。
 
逮捕の報道を見て「自分もやられた」という訴えが100件を超える大事件となった。起訴までに時間が掛かったのは、その全ての事件の取り調べをしていたからである。本来は逮捕してから起訴までは23日間以内に行わなければならない。
 
・逮捕後48時間以内に釈放するか送検するか決定
・送検後24時間以内に釈放するか勾留請求するか決定
・勾留後10日以内に釈放するか起訴するか決定
・但し勾留は1度だけ10日間延長できる
 
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再逮捕再勾留禁止の原則:1つの事件で同じ人を再度逮捕・勾留することはできない。
 
だから通常は逮捕から23日以内(の平日)に起訴される。しかしこの男の場合、2つの理由でこれが長引いた。
 

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ひとつは、この男のように余罪が多数ある場合、勾留期間が終わった後、別件で逮捕してまた勾留するという手段が存在するので、それを使ったことがあげられる。
 
実際、事件報道後に被害の申し出があった案件だけでも100件を超えていたので、このひとつひとつについて取り調べをするのは大変な作業だった(他県からも派遣してもらって性犯罪案件に慣れている女性捜査官30人!で対応した)。
 
それで23日間ではとても調べきれなかったという問題があった。
 
そしてもうひとつの理由だが・・・
 
送検された後、検事の取り調べを受けている最中に男は
「玉が痛い」
と訴えた。
 
「急に痛くなったの?」
「1ヶ月くらい前から痛かったんですけど、警察で取り調べ受けてる最中にかなり痛くなってきて」
「なんでそれ取り調べの警察官に言わなかったの?」
「言ったけど、我慢してろと言われたんですよ」
と男は検事に文句を言った。
 
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それで取り調べを中断して病院を受診させた所、左右の睾丸がどちらも破裂!していることが判明した。
 
「これは命に関わります。すぐ摘出しましょう」
と医師は言った。
 
「取っちゃうの〜?」
「既に壊死が始まってます。これはとても危険です」
「玉取るなんて嫌だよぉ」
「睾丸は両方とも既に死んでます。放置しておくとあなたの命にも関わりますよ」
 

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ということで男は泣く泣く両方の睾丸を摘出されてしまったのであった。
 
「俺、痴漢とかレイプとかしようとして、女から反撃されて股間蹴られたこと何度もあったから、その時に潰れたのかなあ」
などと、手術後、男は男性看護師に泣きながら言っていたらしい。
 
(女性看護師を付けるのは危険なので、男性看護師が対応している)
 
看護師は「天罰だな」と言いたかったが、下手なこというと暴言だとして後で訴えられかねないので何も言わなかった。
 
しかし男は、睾丸が既に死んでいるにも関わらずも痴漢行為を続けていたことになる。(ひょっとすると1個は真広のキックで潰れ、1個は千里に握り潰されたのかも?だとすると男の娘2人に潰された!?)
 
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ちなみに和久俊三さんの「赤かぶ検事」では去勢している男が起こしたレイプ事件のケースが取り上げられたことがある(元恋人が去勢後もセックスしていたことを証言して性交能力があったことが証明される)。実際睾丸が無くても勃起は可能なようである。射精はもちろん睾丸とは無関係に可能である(精子が入っていないだけ)。
 
話が逸れすぎるが、某youtuberのように性転換手術をして女の股間になっていてもクリトリス刺激で射精できる人さえある(むろん彼女の場合、“女性射精”の別名がある“潮吹き”ではなく通常の男性の射精である)。
 

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話を戻して、男はこの治療で3日間入院した(その間は勾留の執行停止となり、取り調べも中断される)
 
8.11(Wed) 逮捕
8.13(Fri) 送検
8.14(Sat) 勾留開始
8.15-17 治療のため勾留停止
8.27(Fri) 勾留延長
9.06(Mon) 勾留終了。別件逮捕・勾留開始
9.16(Thu) 勾留延長
9.24(Fru) 起訴
 

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なお、男は提示された100件を超える事件についてほとんどの事件で犯行を認めた。
 
痴漢案件に関しては本人も記憶が曖昧なものもあったが、レイプについては男が“レイプ日記”を付けていたため、被害者の訴えが全て日記で裏付けられた。
 
日記の最後の記事が「留萌で女子高生を犯(や)ろうとしたが惜しくも逃げられた。顔面蹴られたの痛かったけど興奮した」(!?)という7月25日の件であった。むろんこの事件は千里の告訴を受けて、起訴した事件に含まれている。
 
男は千里に「こんなことしたのは初めてなんだ」と泣きながら訴えていたが、実は逆にそれが最後の強姦事件となったようである(ほんとにあの時千里に握り潰されたんだったりして)。
 
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日記にあるものの内、警察に被害の申し出があったものは(告訴保留されたものを含めて)3割ほどにすぎなかった。泣き寝入りしたレイプ被害者がかなりいたことになる。
 
男がほとんどの案件を認めたため、取り調べ自体は比較的スムースに進んだ。「毎週火曜と木曜に15時頃、##線で女の子のお尻に触るのを楽しみにしてた」!などと男は言い、その条件に当てはまる調書にはどんどん署名捺印した。
 
しかしあまりにも件数が多くて時間が掛かった。
 
裁判で全てについて検証を行うのはあまりに大変なので、特に悪質なもの18件(全てのレイプ・レイプ未遂を含む)についてのみ起訴することにした。
 

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起訴された後は、裁判が終わるまで拘置所に勾留される。
 
軽微な事件であれば保釈されるのだが、被告人が常習犯であったことから、検察官は、保釈すればまた犯行をおかす可能性があるとして保釈に反対した。裁判官はその主張を認め、保釈申請を却下した。
 
弁護人は、被告人が睾丸を除去したので、今後性犯罪をおかす可能性は無いと主張したが、検察官は被告人が、睾丸の機能喪失後も性犯罪を続けていたとして、睾丸の除去によって被告人の性向は変わらないと主張。それが認められた。
 
(服役しても性向は変わらない気がするが、強姦罪の最高刑は懲役20年で、更に併合罪になるため最高30年くらう可能性があり、出所した頃はもう年齢的に性欲が減退している可能性はある)
 
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2004年9月25-26日(日).
 
S中では文化祭が行われた。
 
「え〜〜〜!?女装カフェ!?」
 
「それって男子が女装するの?」
「もちろん。女子が女の服を着ても女装にはならない」
 
「去年1組がやったね」
「2組は“女子が”メイドに扮した」
 
「3組は漁業に関する展示やったけど、あまりお客さん来なかった」
「あれ、準備に凄い手間暇掛けたのに」
「やはり模擬店の魅力にはかなわない」
 
ということで女子全員の賛成と、一部男子の「面白そう」「女装してみたい」1?と1いう声もあり、2年1組は女装カフェをすることになった。『留萌の森林について』という研究展示をする案は却下された。
 

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基本的には女子たちは厨房で調理を担当し(但し法令により包丁で材料を切ったりする作業は禁止なので、あらかじめ素材は用意しておく)、男子が女装で接客するというコンセプトである。
 
「ぼく女装するの?」
と不安そうに雅海が言ったが
 
「まさみちゃんは女の子だから、厨房担当でよろしく」
「良かったぁ」
「厨房内ではセーラー服着ててね」
「え〜〜〜!?」
 
「ぼくも女装するんだっけ?」
と困惑気味の公世。
「きみよちゃんも女の子だから、厨房でよろしく」
「そちらか」
 
「だって、きみよちゃんが女装で接客したら、『女装カフェ』と言うけど、女の子も混じってるんだと言われるし」
「まあ料理はわりと好きだからやるよ」
「セーラー服着てね」
「拒否」
ということで、彼は体操服で参加することになった。
 
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「あれ?きみよちゃんは体操服なの?じゃぼくも体操服で」
と雅海が言ったが
「まさみちゃんはセーラー服でなきゃダメだよ」
と言われて、結局セーラー服を着るはめになる。
 
「どっちみち、きみよちゃんも当日は女子トイレ使ってね」
「嫌だ」
 

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上原君や中山君についても“女装”が成立するかというのが女子たちの間で議論されたが
 
「ぜひ女装でウェイトレスさんしたい」
と本人たちが言うので、女装してもらうことにした。
 
厨房に入ると結果的にセーラー服を着せられるし、セーラー服よりはウェイトレス衣裳の方がマシと思ったか!??
 
「僕も女装するの?」
と転校生の児玉君が不安そうに言うので、セナが
 
「児玉君、きっと可愛くなるよ」
と励まして?いた!?
 
実際彼は結構な美少女になった!
 
なお“男子が着られるサイズの”ウェイトレスさん衣裳は昨年1年1組が使用したもの(実は蓮菜・玖美子・千里・沙苗・田代君・鞠古君の6人がお金を出して買い、学校に寄付している)が保管してあったので、それを流用することにした。
 
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日程では25日は展示関係が行われ、クラスで展示をやった所と、多くの文化部があちこちの教室で展示をしていた。展示をしたのはこういう所である。
 
1年3組:アイヌ文化
2年3組:炭鉱の歴史
3年2組:新エネルギーの比較
3年3組:近世の文学
各種表彰(1-1教室)
科学部(理科室)
パソコン部(PC室)
囲碁部(2-1教室)
将棋部(2-2教室)
茶道部(被服室)
書道部(1-2教室)
美術部(美術室)
手芸同好会(3-1教室)
工作同好会(3-2教室)
 
千里や公世が取った賞状・トロフィー・メダルも1-1教室に展示された。バスケ部や野球部・ソフト部の地区大会の賞状も展示されている。
 
囲碁部・将棋部は、来客した人と囲碁・将棋の対局をしていた。
 
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囲碁部には、すっごい強い人が来た。最初副部長の松原君が対応したものの「すみません。もっと強い人呼んできます」と言い、千里が連行されてきた。
 
それで対局したが、物凄い激戦になった。20人くらいのギャラリーが出来た。最終的には千里が投了したものの、“峰山”と名乗ったその女性は
 
「あんた中学生なのにすっごい強いね」
と感心していた。
 
「アマ五段くらいの方でしょうか?」
と千里が訊く。相手がかなり手加減してくれていたのを感じたので、恐らくそのくらいの実力の人ではと感じた。
 
「四段なんだけどね。君は三段くらい?」
「試験受けたことがないので。自分では初段くらいかなと思っていたのですが」
 
(初段の松原君が千里に1子置いて対局しているので初段ということはあり得ない)
 
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「二段か三段を申請していいよ。明日、私の師匠を連れてくるから対戦してみてよ」
「あ、はい」
 
それで明日、千里とその“お師匠さん”の対局が行われることになった。
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2日目の26日は模擬店と体育館でのパフォーマンスである(教室の展示も模擬店とぶつからない教室のものは継続。各種表彰は校長室、書道部は少人数教室に移動した)。
 
1-1:(普通の)喫茶店
1-2:丼屋さん
2-1:女装カフェ
2-2:カレー屋さん
3-1:ラーメン屋さん
 
丼屋さんは海鮮丼をしたかったようだが、衛生上の問題で却下され、天丼・親子丼・カツ丼・牛丼で行くことになった。
 

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体育館での演目は、このような演し物(だしもの)が組まれていた(時刻は目安)。
 
_8:58 開会の辞
_9:00 □応援部
_9:21 ▲柔道部
_9:37 □演劇部
10:18 ▲体操部
10:39 □吹奏楽部
11:09 昼休み
12:00 ▲有志演奏1
12:11 ▽有志演奏2
12:22 ▲有志演奏3
12:33 □チア部
12:54 ▲剣道部
13:10 □合唱同好会
13:31 ▲バスケット部
13:52 □英語部
14:33 ▽先生合奏
14:49 □PTA合唱
15:05 全員合唱
15:10 閉会の辞
 
演し物は、ステージ上で行なうもの(上記□)と、体育館の後方に取ったスペースで行なうもの(上記▲)があり、だいたい交互に使用するようにして、インターバルを空けずに実施できるようにしている。(▽:ステージ下)
 
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千里は午前中最後の吹奏楽部の演奏と、午後の剣道部のパフォーマンスに参加する予定である。“女装カフェ”は女装する男子たちは忙しいものの、女子はわりと人数に余裕があるので、10時すぎに抜けさせてもらい昼休みは少し手伝って、昼休みが終わる前に剣道着姿に着替える予定である。
 

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体育館でのパフォーマンス先頭は応援団である。
 
応援団も3年生が引退して団長が交代している。2年生の河合君が応援団長になったが、留実子は旗手に任命された。それで生徒会副会長の開会の辞に続くパフォーマンスでは重さ15kgほどの応援団旗をしっかり掲げていた。
 
応援団旗はそれ自体の重さは15kg程度(男子でも非力な人には厳しい)であるが、野球やサッカーなど屋外の応援で掲げる時は、風に煽られると30-40kgの負荷となる。むろん、一瞬たりとも降ろすことは許されない過酷な任務である。相当の筋力と精神力のある人でないと務まらないお役目だが、留実子は海岸で強風の吹く中、3時間不動で団旗を掲げ続けて合格をもらい、旗手に任じられた(もう一人挑戦した男子は2時間で身体が揺れ始めてストップが掛かり不合格)。
 
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千里や蓮菜に嬉しそうに話していたが、さすが留実子である。
 
留実子は応援団での活動では丸刈りの頭を曝しているので、女子だとは思わなかった人が大半だろう。
 
 
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女子中学生・秋の嵐(8)

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