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■女子中学生・秋の嵐(16)

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10月24日(日)の夕方。(お留守番前半戦)
 
この土日は秋祭りが延期になったので、千里たちは普通の勉強会をしていた。それが夕方に終わり、みんなが帰る。千里は特別メニューで花絵さんから渡された小6〜中1の問題をやっていた。
 
それも終わって、20時前に帰ろうとしていたら、大神様から呼び止められる。
 
「千里、今年も留守番を頼む」
「神様会議に出られるのは、秋祭りの後じゃなかったんですか?」
「本当は昨日・今日が秋祭りの予定だったから、今夜から行くことになっていた。だから今から伊勢に行ってくる」
 
「来週の秋祭りは?」
「お前が代行してくれ」
「それはさすがに無茶です!」
「まあ仕方ないから、次の土日は会議を抜け出してくるよ」
「お願いします」
「じゃよろしく〜」
と言って、大神様は出掛けてしまうので、千里(千里Y)は、ふっと息をつき、勝手に神社深部に入って、3つの燈台の火が燃えている向こう、大神様の居所の隣の座に座った。これから約1週間ここでお留守番をすることになる。但し、昼間は学校に行くので、小町に代行してもらい、千里の担当は夜間である。夜間は、お願いごととかで祈願に来る人もめったに居ないので、千里の主たるお仕事は、おかしなのが神社の敷地内に入ってこないよう監視しておく業務である(ほぼ夜間警備員!)。このお仕事を千里は2000年以来毎年している。
 
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「小春」
と言って、小春を呼ぶ。ここに入れるのはP大神の(一部の)女性眷属、千里と蓮菜、小春と小町くらいである。
 
「私、お留守番で一週間自宅に帰れないから、小春私の振りして帰っておいて」
「それは去年と同様に代理さんが帰るから大丈夫だよ」
「そうなの?じゃその代理さんによろしくー」
 
実際には普段でもYはめったに自宅に戻ることはなく、自宅にはたいていRが帰っているのだが、たまにRが練習で疲れすぎていると勝手に消えてしまい、Yが帰宅する日もある。しかし今週はRが勝手に消えたりしないように、よく言っておかなくちゃ、と小春は思った。
 

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10月28日(木).
 
沙苗はまた母に付き添ってもらい、札幌に行ってS医大を受診した。
 
「ほぼ完全な女性の形になってきたね」
と主治医は言った。
 
尿道口はもうほぼ女性の通常の位置に近い所まで到達した。平均的な位置よりは少し前よりだが、このくらいの位置にあるのは変位の範囲内ということである。沙苗も、おしっこの出方が凄くストレスの無い感じですと述べた。小陰唇はほぼ完成しかかっている。普通の女性の形になるのは時間の問題だし、これを誰か知らない医師が診たら、普通の女性の外陰部としか思わないだろうと主治医は言った。
 
「今日は生理3日目くらい?」
「はい、そうです。28日に生理になりました」
「生理もほぼ順調に来ているようだね」
「そうみたいです。8月下旬だけが来なかったのですが」
「まあそういう時はありますよ。特に初期の内は乱れがちなんです」
 
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沙苗の生理:5.11 6.7 7.5 8.3 (8.31) 9.28 10.26
 
(8.31の生理が来なかったのは、8.15に、排卵しそうになっている卵子を貴子が採取して、帯広に持ち込み、音香の夫の精子を受精させたため。つまり妊娠したから生理が来なかった!!)
 
「もう君は完全な女性だね」
と主治医が笑顔で言うと
 
「はい!」
と沙苗も明るく答えた。
 

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10月30-31日、P神社の秋祭りが1週間遅れで実施された。
 
P大神様は10月29日の深夜に戻って来たので、千里はホッとして、消えちゃった!
 
「この子、最近消えてる時間が長い気がするけど、大丈夫かな」
とP大神様は心配していた。
 
「学校でも少しずつ消えている時間が長くなってきつつあるんですよ」
と小春も言った。
 
Bが5月にほぼ消えてしまって以来、RとYが半々くらいで授業を受けていたのだが、10月頭頃から、英語と音楽はほぼRが出るようになり、全体的に見てRが6割くらいの授業を受ける感じになっている。先日はRが数学の授業を受けて「分かんなーい」と悩んでいた。(Rは最近、分数で悩んでいる)
 

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10月30日0時、宮司の手により、社務所の囲炉裏で絶えることなく維持されている神火が、いったんカンデラに取られ、そこから神殿に設置された三台の燈台に移される。これから秋祭りが始まる。
 
この神殿の火は明日の夜まで、3人の不寝番(ねずのばん)が消えたりしないように交替で見守る。今年、この役目をしたのは、昨年もこの役目をした杉本さんと花絵、それに梨花さんの婚約者・望田さん(28)の3人であった。
 
一応期間中は1人ずつ交替で仮眠を取り、最低2人が火を見守っているようにする。仮眠は取れるとはいっても基本的にきつい仕事なので“身内”で引き受けることにしている。
 
昨年不寝番に参加した和弥は今年は宮司の補佐を務める。彼は現在伊勢・皇學館の3年生である:神職の資格を取れるのは2006年3月だが、彼は常弥が元気であれば、更に2年間大学院にも通う予定である。
 
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神殿の燈台に火が灯ると、続けて境内に昨日の内に設置していた多数のLEDランプも点灯されて、神社は灯りに包まれる。
 
朝9時、神職が、和弥の太鼓、千里R!の龍笛に合わせて祝詞を上げ、姫奉燈が神社を出発する。今年、この姫奉燈を先導する巫女は、千里・広海・純代・守恵の4人が務めた。千里(実はR)は
 
「昨年しなかったから2年ぶりだなあ」
などと発言したが、
 
「何言ってんの?あんた去年もしたじゃん」
と純代さんから言われて
「嘘!?」
と驚いていた。むろん昨年この姫奉燈の先導役をしたのは千里Yである。
 
今年は千里Yが一週間の“お留守番”でクタクタに疲れているため、小春の誘導で、千里RがP神社のお祭りにご奉仕することになった(実は昼間のお留守番をしていた小町もきつい)。
 
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「うっそー!?私が扇を持って先頭歩くんですか?」
と千里は焦る。
 
「他の3人は全員1度先頭を務めているし」
と広海さん。
 
秋祭り復活後の姫奉燈・先導巫女 (L:先頭)
 
1994 文代L 梨花 花絵 小春
1995 花絵L 梨花 美輪子 小春
1996 美輪子L 花絵 梨花 小春
1997 梨花L 乃愛 美輪子 小春
1998 乃愛L 洋子 美輪子 小春
1999 洋子L 守恵 美輪子 小春
2000 守恵L 朱理 美輪子 小春
2001 朱理L 純代 守恵 美輪子
2002 純代L 守恵 広海 千里
2003 広海L 純代 守恵 千里
2004 千里L 広海 純代 守恵
 
※1999年は乃愛が風邪を引いて欠席。守恵が急遽旭川から呼び出されて参加した。守恵は蓮菜の従姉で、それ以来毎年このお祭りのためにわざわざ旭川から来てくれている。現在は旭川の大学生である。
 
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「でも3年間メンツが変わらないのは、初めてだね。2年連続同じというのは以前1度あったけど(1995-1996)」
「守恵ちゃんが大学を卒業するまで、あと2年はこのメンツで固定かもね」
「来年は守恵ちゃんが2度目の先導役かな」
 
「そういえば蓮菜ちゃんはなぜやったことが無いんだ?この神社の主(ぬし)みたいな顔してるのに」
「あの子は非処女だから」
「中学生のくせにもうセックスしてるの?」
「あの子は小学生の頃からしてますよ」
「ま、はしたない!」
 

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姫奉燈(車輪付き)は、4人の巫女が先導し、赤い服を着た氏子さんたちの手で曳かれて、町内を巡回する。
 
先導巫女−宮司−姫奉燈を曳く氏子さんたち−姫奉燈−宮司補助者(和弥)−末尾巫女
 
という並びで歩き回るのである(末尾巫女は梨花と花絵)。
 
巡回経路には1日目の日中に、氏子さんたちや子供会の手で、多数のランタン型LEDランプが設置される。夕方になるとこのLEDランプが点灯されて美しい風景になる。それでこの美しさが“留萌の灯りフェスティバル”などと言われて、結構見に来る人もあるし、テレビ局も取材してくれる。昔は蝋燭を使用したランタンだったのだが、火事の危険性と資源節約の問題から1994年に復活した時には蛍光灯や一部電球に変更され、更に省エネとバッテリーの“もち”のため、2002年全面的にLEDに変更された。
 
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現在、火を使用するのは神社神殿の燈台のみである。
 
LEDになって、それ以前より明るくなったとして好評である。
 
拝殿では夕方から4回、先導役4人の巫女による巫女舞が奉納される。これの太鼓は巫女長の梨花さん、龍笛は恵香が吹いた。
 

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翌日(10/31)も朝9時に千里の龍笛に合わせて宮司が祝詞をあげ、4人の巫女に先導されて姫奉燈が町内を巡っていく。鳴り物や歌も無い、静かなお祭りである。夏祭りが“陽”であるのに対して秋祭りは“陰”なのである。
 
夕方からまた4回、巫女舞が奉納される。
 
21:00に最後の巫女舞が奉納された後は、境内の参拝客も帰っていく。出店も店仕舞いである。神殿の燈台にはこれ以上燃料を追加しない。
 
宮司、和弥さん、花絵さん、梨花さんの4人だけが、拝殿で静かに火を見守る。
 
やがて3つ目の燈台の火が消える。最後に消えるのは必ず奥の側の神座に近い燈台の火である。この火が消えた所で、小町を呼んで笛を吹かせ、和弥が太鼓を叩いて、宮司が締めの祝詞を奏上する。
 
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これで2日間にわたったお祭りは終了で、境内のLEDランプも落とされる。
 
なお町中のランタンは、明日、氏子さんが軽トラを運転して回収しに回ってくれることになっている。
 

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千里Yは起こされた。
 
(A大神が休眠しているYをそのまま転送し、そこでP大神が起こした)
 
「あれ?大神様。お早うございます」
「秋祭りが終わったから、私はまた伊勢に行ってくる、また留守番を頼む」
「あれ〜。終わっちゃったんですか?私、姫奉燈の先導役頼まれていたのに」
「それは君が眠ったまま務めてたよ」
「うっそー!?」
「じゃ、留守番よろしく」
 
ということでP大神様は飛んで行ってしまった。
 
「私、いつまで留守番すればいいんだっけ?」
と思いながら、神座の横に座る。
 
「おはよう、千里。食事を用意したよ」
と言って、カノ子が食事を持って来てくれたので、千里はそれを食べながら、まだボーっとしていた。
 
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