[*
前頁][0
目次][#
次頁]
BMW E46 Cabriolet で屋根を開けてオープンカー状態でドライブを楽しみながら、桂助は言った。
「ぼくさ、小さい頃よく、父ちゃんから言われてた」
「うん?」
「お前、真広ちゃんと仲いいみたいだから、お前が女になって、真広ちゃんのお嫁さんになれって」
「へー!」
「だから、小学4年生くらいになったら、女になる手術受けてもらうからとかも言われてたよ」
「さすがに冗談では?」
「今思えば、そうだと思うけど、当時は結構真に受けてて、ぼくその内、女の子になる手術受けないといけないのかなあ。女の子になったら、やはりスカート穿くのかなあ、とか思ってたよ」
「けいちゃん、わりと女装も似合いそうな気がするよ」
「小さい頃、ぼくわりとスカートも穿いてた記憶がある」
「それは見てないや」
「さすがにその格好で親戚の集まりとかには出てないし」
「あ、そうだよね」
でも男ばかりの兄弟なのに、そのスカートって桂助のために買ってくれていたのか?と真広は疑問を感じる。
「でもぼく、中学ではセーラー服を着るのかなあとかも思ってたよ」
「着ればよかったのに」
「でも女になる手術を受けることもなく、おとなになっちゃった。中学も学生服で通(かよ)ったし」
「セーラー服、着たかったんじゃないの?」
「やはり自分自身の性別意識の中に今でも混乱がある気がするよ」
「だったら、思い切って、性転換手術を受けちゃおう」
「・・・・・」
「あ、悩んでる、悩んでる」
ふたりは、2時間近くドライブをしてから、室蘭の近くの地球岬まで来た。
「眺めがいいね」
「どこまでも海が続いている」
「地球を丸ごと見渡せる気がするね」
「それぼくも言おうと思った」
というので、2人は笑う。
「なんで地球岬というんだったっけ?」
「アイヌ語だよ。断崖とかいう意味だったはず」
「ああ、この断崖か。あまり近寄りたくない」
「ちょっと恐いよね」
30分ほど眺望を楽しんでから車に戻ると、桂助は携帯でホテルを検索して予約したようである。
「今日はこの近くに泊まろう」
「うん。そして性転換する人を決めるじゃんけんね」
「まあちゃんの性別が分からなくなって来た」
「だから確かめるんでしょ?ちなみに私じゃんけんで負けたことないから」
「うっ・・・」
「性転換手術も予約しておくといいよ。私、けいちゃんが女の子になった時の新しい名前考えといてあげるね。女で桂助は無いからね」
「・・・・・」
桂助の反応を見ていて、この子、本当に女の子になりたいのでは?と真広は思った。
それでロードサイドのレストランで夕食を取ってから、ホテルに入った。お部屋はダブルルームである。
「提案。先にお風呂に入ろうよ」
「それはいい案だ。だったら先に、まあちゃん入りなよ」
「うん」
それで真広はバスルームに入り、身体を丁寧に洗った。“この身体”を洗うのにもだいぶ慣れたなあと思う。最初の内はお風呂に入る度にドキドキしていた。
いったん服を着てからバスルームを出る。
「交替〜」
「うん」
と桂助は答えたが、緊張してるなあと真広は思った。
まあ、いいよね、と思い、真広は服を全部脱いでからベッドに潜り込むと、灯りを消した。ところで彼“持ってる”よね?と思いながら、念のため、自分のバッグを手に取れる位置に置いた。
やがて桂助がバスルームから出てくる。裸のままだ。
薄明かりで、彼の身体が確かに男の子のものであることが認識できる。ただ足がとても白くて毛など全く無いのも確認できた。お腹とかにも毛は無い。
「確かめていい?」
と桂助が言う。
「どうぞ」
と真広は答える。
彼がベッドの中に入ってくる。
「触ってもいい?」
「好きなだけ触ってもいいけど、私まだ赤ちゃん産みたくないから、ちゃんと処置はしてくれる?」
「うん。それはちゃんとする」
と桂助は言った。
ベッドの中で桂助は真広のバストを触ったが、明らかにドキドキしている。
こちらもドキドキだけどね!
「おっぱい本当に大きい」
「でもまだCカップしか無いんだよ」
「大きいじゃん!」
桂助の手が下半身の方に来る。あの付近を触られる。
「ちんちん無いね」
「残念だったね。私にちんちんがあったら、けいちゃん、親公認で堂々と性転換手術を受けて女の子になって、私のお嫁さんになれたのに。本当は女の子になりたいんでしょ?」
桂助はそれには答えず、真広の“中”まで指を入れてくる。
触られる。
気持ちいい!
真広はもう我慢できなくなって、桂助を抱きしめた。
「魔法の言葉を言って」
「魔法?」
「女の子が男の子に心を許す気持ちにさせる魔法の言葉だよ」
「えっと、何だっけ?」
もう!勘が悪いな。
「私のこと、嫌いとか、気持ち悪いとか、化け物とか」
それでやっと気付いたようだ。
「まあちゃんは可愛いし、素敵だよ。そして好きだよ」
それで2人はキスした。
「結合できるかどうか確認していい?」
「いいけど、赤ちゃん対策はよろしく」
「もちろん」
それで桂助は自分のバッグに入れていた避妊具を取り出す。装着に手間取っている!装着の練習とかもしてなかったみたいだなと思う。
でも何とか装着したようだ。
「していい?ぼくの可愛い人」
「どうぞ」
それで真広は桂助にバージンを捧げたのであった。
初めてだったせいか、桂助はなかなか逝けないようだ。彼が焦っているのを感じる。けいちゃん、男性ホルモン弱そうだしなあ。
「なかなか逝けないね」
「ごめん。頑張る」
「私のバージンを奪ったのに、ちゃんと私の中で逝けなかったら、罰として、ちんちん切っちゃうぞ」
「え〜!?」
「ほんとはちんちん切られたいでしょ?」
「えっと・・・」
「実は女の子になりたいんでしょ?私、けいちゃんとはレスビアンでもいいよ。このまま逝けなかったら、このちんちん切っちゃうから明日から私たちレスビアンになるね。スカート買ってあげるから、明日は女同士のデートを楽しまない?」
真広がそんなことを言っていたら、彼は思い詰めるような顔をした。
そして
逝けた!
真広はギュッと彼を抱きしめた。
女の子になるという妄想で性的な興奮度があがって、何とか逝けたようだ。
でも桂助は真広の上で眠っちゃった!!
疲れたのね、と思い、そのままにしておく。
彼は10分ほどで目を覚ました。
彼は真広にキスをした。そして真広の身体から抜くと、避妊具を取り外して、ゴミ箱に捨てた。
真広がティッシュを取ってあげると拭いていた。
真広は言った。
「私さあ、私が確かに女だということになった時、親から言われたんだよ。桂助ちゃんの所にお嫁に行けって」
「ぼくも、実は、真広ちゃんが女になったのなら、口説き落として結婚しろと言われた」
と桂助。
「まあ親たちの意図は分かるけど、親たちの打算とは関係無く、ぼくはまあちゃんのこと好きだよ」
「私も、親の意思とは関係無く、けいちゃんのこと好き」
それでまた2人はキスした。
恋人たちの夜はまだまだ長い。
「でも残念だったね。けいちゃん、性転換して女の子になれなくて」
「正直、まあちゃんと結婚できるなら、どちらが妻でもいい気はした」
「やはりレスビアン婚する?」
「えぇ〜〜〜!?」
「ウェディングドレス同士で結婚式挙げるの。そして私がけいちゃんの赤ちゃん産んで、けいちゃんは私の赤ちゃん産むとかどうよ?」
と真広が煽ると、桂助は
「ぼく赤ちゃん産めるのかなあ」
などと言っている。
やはり女の子になりたいのね。小さい頃スカート穿いてたとか言ってたけど、絶対嘘だ。今でもスカート穿いてるのはたぶん間違い無い。だいたい足の毛はきれいに剃ってるじゃん。きっとスカート穿くために剃ってるんだ。
「けいちゃんは妊娠できそうな顔してるけどなあ」
と真広は言ってあげる。
「でも両方ウェディングドレスとかいいのかなあ」
などと桂助。
やはりウェディングドレス着たいのね。
「次のデートではけいちゃんも、女の子の服を着ておいでよ。女の子2人で遊んでるように見えるから、人が見ても変には思われないよ」
「うーん・・・」
悩んでる、悩んでる。
やはり私たちレスビアンになっちゃう気がする。この子、貴子さんとこに連れてったら、喜んで女の子に変えてくれそうだし。そしてほんとに夫婦同時妊娠とかしたりして!?“男の跡継ぎ”が欲しい、お父ちゃんは困るかもだけど!
「けいちゃんが女の子になった後の名前だけど、“桂助(けいすけ)”あらため“桂沙(けいすな)”とかはどう?」
「それ何か変だ!」
11月19日(金・大安・たいら).
杉村家の敷地内に建築していた離れが完成して引き渡された。早速、午後には古広と柚美が入居した(母はもう少し月数が進んだら来る予定)。同時に、義浜ハイジ・裕恵夫妻もその隣に建てた(置いた)家に引っ越してきて、裕恵はこれ以降、来年5月に予定されている柚美の出産までドライバーを務める。
しかし古広と柚美、ハイジと裕恵という2組のカップルが並んだ家に入居したのに、全員女性というのは、なかなか凄いことである!(更に4人の“女性”の内3人が遺伝子上はXY)
古広と柚美の家の前には柚美通学用のプリウス、ハイジと裕恵の家の前にはハイジが通勤に使用するスターレットが置かれている。
ハイジはだいたい夕方出掛けて、朝戻って来る。ハイジが戻って来た時は既に、裕恵は柚美を乗せて大学に出ている。裕恵は9時半頃いったん戻るが、ハイジは午前中寝ているので、裕恵は掃除をして御飯を炊いてハイジが起きるのを待つ。だいたい昼頃ハイジが起きるので一緒にお昼を食べる。午後3時か4時頃に裕恵は柚美を迎えに行き、古広とのスイートホームに連れ帰る。夕食はだいたいハイジが作っていて、一緒に夕食を食べた後、ハイジは自分で車を運転して仕事に出掛ける。
これがハイジと裕恵の1日のサイクルである。
なおハイジは裕恵が高岡の事件の時(たぶん)車を乗り逃げされたと思われることから、運転席を離れる時は必ずキーを抜き、車をロックするよう厳命。裕恵もそれは必ず守ると誓った。裕恵はいったんパターンさえ出来上がればそれを確実に実行できる人である。キーを付けたまま離れる癖があったのは、イベンター・事務所で運送の仕事をしていた時の習慣だった。そういう仕事では誰でも運転できるようキーを付けたままにしていた。
一方、柚美は朝裕恵の車で出掛けて、午後講義が終わってから柚美の車で帰宅する。帰りにスーパーに寄ってもらい夕食の買物をする。そして帰宅すると晩御飯を作る。古広はふつうに自力でバスで自分の高校に行き、バスで帰宅する。夕飯を柚美が作ってくれるので、朝御飯はだいたい古広が作る。
どちらも女2人の気楽な生活である。なお、古広は柚美が妊娠中なので、当面セックスは我慢することを約束した。でも柚美にちんちんをいじってもらったりして快楽を味わっていた。
「ちんちんの快楽を覚えさせて、取るのが惜しい気持ちにさせよう」
「ぼく20歳になったらちんちんもタマタマも取っちゃうからね」
11月21日(日).
千里Bの振りをした星子がQ神社でのお務めを終え、帰ろうとしていたら、とても高貴な雰囲気を漂わせた女性が、星子の所にやってきた。誰だろう?と思う。
「おや?そなた千里かと思ったら千里ではない」
「すみません。代理のものです」
と星子は正直に答えた。この人には嘘をついてはいけない気がした。
「千里はどこぞよ」
「実は冬眠してるんです。A大神のお話では10年くらいそのままではないかと」
「困ったなあ。お留守番を頼もうと思ったのに。誰か適当な留守番のできる者を知らぬか。そなたでもよいが」
「私は主人の許可無しではお受けできません!」
などと言っていたら、そこに千里が出現する。
同時に星子をW町の家に転送した。(瞬間的な交替なので小春たちには分からない)
「おお、千里。これから神様会議に行ってくるから留守番を頼むぞよ」
「Q大神様。私は大神様の求めている千里ではなく別の千里です。適当な代理を呼びます」
「よく分からんが頼む」
それで千里(千里V)はある人物を呼び出した。
彼女はタクシーで来たので、運転手に千里が代金を払う。
「どうしたの?」
「沙苗、8日間ほどお留守番をして」
「お留守番?」
と沙苗は全く訳が分からない。
「おお、そなたは素敵な巫女だな。この際、そなたでも良い。留守番を頼む」
「留守番?」
「あ、待て。そなた生理が近いか?」
「はい。明後日くらいに来るかなと思っているのですが」
「だったら生理は千里が代わってやれ」
「まあいいですよ」
ということで11月23日に来る予定の沙苗の生理は千里Vが代理で引き受けることになった。大神様が沙苗の卵巣・子宮・膣(小登愛由来)をVの体内に移動したので、たちまちVは気分が悪くなるが、ぐっと堪える。逆に沙苗はPMSで少しお腹が痛かったのが治った!
この時、Vの体内には下記の生殖器系統が併存することになった。
A:千里のIPS細胞から育てた女性器セット(3歳女児相当のサイズ)
B:小春の右卵巣・子宮・膣(小さいし卵巣は加齢により衰えている)
C:小登愛の左卵巣・子宮・膣
沙苗自身の女性器セットは沙苗の体内にあるが0歳女児相当のサイズである。小春の左卵巣は千里Bの体内にあり、小登愛の右卵巣はセナの体内にある。
なお千里Vにはとっても小さいながらペニスも存在するので、Vはこれからペニスがあるのに生理が来るという状況を体験することになる。