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■春社(5)

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(C)Eriko Kawaguchi 2016-07-30
 
5月11日(水)。昼休みに学食で星衣良たちとおしゃべりしていたら明日香から電話が掛かってきた。
 
「やったよ!私免許取った」
「おお、すごい!」
 
「でも帰りのバス待つの辛い。青葉、迎えにきてくれたりしないよね?」
「三時限目の講義が終わるの待ってくれるなら」
「微妙だな・・・」
「待ってくれるなら、帰りは明日香が運転してもいいし」
 
「あ、それやってみたい」
 
それでその日は三時限目が終わった所で星衣良も一緒に付き合って高速を走り富山県運転教育センターまで行った。
 
「確かにこれは富山市内とは思えない風景だ」
と星衣良も言う。
 
到着すると明日香は玄関近くのロビーで待っていた。どうもKindle Fireで映画を見ていたようである。
 
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「今映画2本目に突入した所だった」
「それ終わるまで待つ?」
「ううん。帰る」
 
それで明日香はグリーンの帯の真新しい免許証を得意そうに見せる。
 
「おお、さすがさすが」
「でも、もう少し可愛く写真映ればよかったのに」
と星衣良。
「あれ有無を言わさずいきなり撮るんだよ。全然可愛い顔する暇が無かった」
と明日香。
 
「うん。あれは最初から心の準備しておかないとダメ」
と青葉。
 
「青葉はどんな顔で映った?」
というので自分の免許証を見せる。
 
「あ、可愛い」
「何度も撮ったからね」
「あれ?青葉の免許証は青で、明日香のは緑だ。これ男女で色が違うの?」
 
「いや性別じゃなくて更新回数で変わる。最初に受け取る免許証はグリーンで1度でも更新したらブルーになる」
 
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「ああ、そういうことか」
「青葉は更新してるの?」
「私のは更新ではなくて、別の種類の免許を取ったからブルーになったんだよ」
 
「ん?」
と言って星衣良は青葉の免許証をよくよく見る。
 
「なんか車種の所にたくさん書いてある」
「現時点で、原付、小特、普通、普通二輪、大特の5種類が設定されてる。4月中に牽引を取りに行きたかったんだけど、忙しくてダメだったから、今月下旬くらいを考えてる」
 
「なんでそんなにたくさん取るの?」
「いや、この車種欄を全部埋めたいんで」
「変わった趣味だ」
「あはは」
 

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帰りは明日香が運転する。明日香の初実地運転である。自動車学校の卒業記念にもらった初心者マークを貼ろうとしたら、既に貼ってある。
 
「私のために貼ってくれたの?」
「いや、私もまだ初心者期間だから」
「免許5種類も持ってるのに、まだ若葉が必要なんだ!?」
「普通免許取って1年経つまではね」
 
明日香が運転席、青葉が助手席に乗って、星衣良は後部座席に乗る。
 
「お、ちゃんとスムーズに発進した」
と星衣良。
 
「オートマだからね。マニュアル車はちょっと緊張するけど」
と明日香。
 
「でもこの試験場、富山から遠かったね」
と運転しながら明日香は言う。
 
「えーっと、ここ富山市内だと思うけど」
「嘘!? なんか周囲は田んぼばかりだよ」
「富山市内にもこういう場所があるんだよ」
 
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「金沢に住民票移した子が、石川県の免許センターも行く時、まわりが田圃ばかりで、バス乗り間違ってないか不安になったと言ってた」
と星衣良。
 
「まあ緑が残されているのはよいこと」
 

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美由紀たちを金沢市内で拾って高岡まで送り届ける必要があるので、いったん金沢まで戻ることになる。時間節約と練習を兼ねて高速を使う。
 
一般道は何とか普通に運転し、高速もランプをあがってETCゲートを通過するまでは良かったのだが、合流車線で停まってしまう。
 
「なぜ停まる?」
と星衣良。
「入れないよぉ」
と明日香。
 
「うん。最初の内は合流が難しい」
と青葉。
 
こちらの車が停まっている内に、後ろから来た車がどんどん合流していくが、明日香は合流できない。青葉も走行車線にその内大きな途切れが出ないかと思ってずっと後ろを見ている。
 
しかし、その内、若葉マークを付けた車が合流車線の端で停まったままでいるのを見て親切心を起こしてくれたのか、走行車線を走ってきたトラックがハザードを焚いて停まって、クラクションを鳴らしてくれた。それで明日香はそちらにお辞儀をして、やっと走行車線に入ることができた。
 
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「優しい人がいて良かったね」
「うん。助かった!」
 
「結構トラックの運転手さんには優しい人が多いよ」
「へー」
「乱暴な人も多いけどね」
「ああ」
 

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北陸道を森本ICで降りてそのまま山環(金沢外環状道路の山側部分)に乗る。ここは国道359,304号の合流点の上に山環・北陸道が通りお互いに接続する複雑なインターチェンジだが、しっかり行き先の指示を見ながら間違えず進行し、合流も、うまい具合に走行車線に車がいなかったことからスムーズに行った。
 
それで山環を7kmほど走り、いつものイオンで美由紀・世梨奈と会う。
 
「疲れたから一息ついてから帰ろう」
 
と言って、明日香はラーメンを食べている。
 
「この時間に食べたら晩ご飯が入らないのでは?」
「大丈夫。行ける。ここまでの運転でかなりエネルギー使った」
 
美由紀と世梨奈も既にラインで明日香が免許を取ったのは聞いていたのだが、帰り道明日香が運転すると言うと
 
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「え〜〜〜!?」
と言う。
 
「明日香ほんとに大丈夫?」
「星衣良、ここまで来る時、運転どうだった?」
 
「青葉ほどうまくはないけど、まあまあだったよ」
と星衣良。
 
「生きて帰られるかな?」
などと美由紀は不安そうに言う。
 
「帰りは高速には乗らないから大丈夫でしょ」
と星衣良は言う。
 
それで明日香の運転でイオンを出る。ここは駐車場の出口から脇道に出て、信号のある交差点で本通りに乗るので初心者にも優しい。それで山環を戻っていき、本来は今町JCTまで行くのだが、その前の森本ICで降りることを提案した。
 
「旧道を走っていこうよ」
「OKOK」
 
今町JCTは無茶苦茶交通量が多いので、そこを敢えて避けたのである。森本ICで一般道に降りる場合は単純に左側に分岐して(IC内を間違えずに進行すれば)、交差点で一般道に入ることができる。
 
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それで明日香は旧8号線(県道215号線)を走って、津幡駅まで行った。ここで星衣良を下ろす。
 
「星衣良、もし私たちが今日このあと事故死したらお線香あげてね」
などと美由紀は言っている。
 
「OKOK。香典は500円でいい?」
「せめて1000円くらいちょうだい。クォーターパウンダー食べたいから」
「あちらの世界にマクドナルドあるの?」
「きっとあるよ。カーネル・サンダースも既に死んでるし」
「カーネル・サンダースはケンタッキー!」
「あ、そうか。マクドナルドは?」
「創業者はマクドナルド兄弟だけど、実質的な初代経営者はレイ・クロック」
「聞いたことないや。その人生きてるの?」
「もう30年くらい前に死んだよ」
「だったら大丈夫だな。マクドナルド天国支店はきっとあるよ」
 
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アルプラザ津幡横の南中条ICから津幡バイパスに乗る。今回の合流はとてもうまく行った。
 
「明日香、うまいうまい」
と世梨奈が褒める。
 
「えへへ」
と明日香も得意げである。
 
バイパスに乗ってしまうと後は楽である。
 
「ここ早めに右車線に行っておいて」
「了解」
 
この先の舟橋JCTで七尾方面と高岡方面が分岐するのだが、その直前に車線変更禁止区間が無茶苦茶多いので、早めに車線移動しておかないと、直前になったら目的の方面に行けないという事態が発生するのである。ここは初心者には厳しいJCTである。
 
しかし今日は青葉の指示に従って早めに高岡方面に行く右車線に移動しておいたので、スムーズにそちらに入ることができた。
 
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そのまま津幡北バイパス・小矢部バイパスと走って小矢部市内芹川東交差点まで来たのだが・・・・
 
「あ、ダメ」
と青葉が言った時はもう遅かった。
 
「え!?」
 
「今の交差点は左折しなきゃ。直進しちゃったから、これ福岡ICに乗るしかない」
と青葉。
 
「え〜〜〜!?」
と明日香は叫んでいる。
 
この交差点は他の人の運転で何度も通っているはずだが、自分が運転しない人はこういうのをあまり意識していないものなのである。
 
「Uターンする?」
「高速でUターンは禁止。潔く高速に乗ろう」
と青葉。
 
「今日はやはり私の命日になるのかな」
などと美由紀が言っている。
 
「ごめーん。事前に注意しておくの忘れた」
と青葉。
 
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ここの福岡ICの入口はひじょうに間違いやすいのである。
 

仕方無いので、そのまま進み、福岡ICから能越自動車道に乗った。ここは走っている車が少ないこともあり、そのまま楽に合流できた。
 
しばらく走った所に本線料金所があるのでブースで停めようとしたのだが、手前で停まりすぎる。慌てて再発進したらブースを行き過ぎた。バックしようとするので、青葉が「バックはダメ!」と行って制止する。
 
後ろの車の人が「この下手くそ!!」と叫んでいた。
 
結局料金所の職員さんがブースを出て料金徴収に来てくれた。
 
「すみません」
と青葉が謝り、百円玉を2枚明日香に渡すので、それを明日香が職員さんに払い、領収書をもらった。明日香はさすがに顔がこわばっていた。
 
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車を発進させる。
 
「ここはETCが無かったんだっけ?」
と世梨奈が尋ねる。
 
「うん。無いんだよ。それにここだけ本線料金所なんだよね」
 
美由紀は
「死ぬかと思ったぁ」
などと言っている。
 

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その後は能越道を高岡北ICまで走って一般道に降りた。高岡北ICも単純に分岐して交差点で一般道に入れるので楽なICである。
 
「まあここまで来れば大丈夫かな」
と世梨奈は言っている。
 
「生きて帰れる?」
と美由紀はまだ不安そうであったが、その後は特に問題無く、無事伏木駅に到着した。
 
「良かったぁ、今日は死なずに済んだ」
と美由紀。
 
「ごめんねー。もっと練習してうまくなるから」
と明日香も言っていた。
 

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翌日、12日は青葉の運転で往復したので、美由紀は
 
「やはり青葉の運転は安心だ」
と言っていた。青葉は助手席に明日香を座らせ、自分が運転しているつもりになって前とか横とか見ててごらんよと言い、明日香も真剣に周囲や、青葉の運転操作を見ていた。
 
「でも合流うまいね」
 
「合流はね。初心者は目標にした車の前に入ろうとする。それは絶対うまく行かない。目標にした車の後ろに入ってその車に付いて行けばいいんだよ」
 
「ああ!」
 
「それと基本的に合流は大縄飛びの要領だから。走っている車のリズムを感じとってその中に溶け込むんだ」
 
「ああ、何となく意味は分かる」
 
「女装者が女の子たちの間に溶け込むのと同じかな」
と美由紀が言うので
 
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「なぜそういう話になるのさ!?」
と世梨奈が呆れていた。
 

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