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■春退(13)

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(C)Eriko Kawaguchi 2016-02-19
 
一方貴司は結局そのままベッドに戻って睡眠をむさぼる。貴司は阿倍子との睦みごとでは射精どころか立てることもできない。それで半年ぶりに射精を経験できたことで、自分が男であることを再確認できた気分で、貴司は少し高揚した精神状態にあった。
 
トントンと部屋のドアをノックする音で目が覚めた。
 
ドアの所まで行き「はい?」と答えると「私」と千里の声がする。それで開けると、千里は
 
「忘れ物しちゃった」
と言って部屋の中に入ってくる。そしてキョロキョロ何かを探しているようであったが、やがてベッドのそばに銀色のボールペンが落ちているのを見つける。
 
「良かった。あった」
と言ってそれを拾い上げる。
 
「大事なボールペン?」
と訊くと
「万年筆だけどね」
と言って貴司に見せてくれる。
 
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「これ凄い!」
 
万年筆には 3P Champion 2011 FIBA world Under-21 Championship for Women という文字が刻まれている。
 
「U21世界選手権は私たちの年が最後になったからね。その最後の大会でもらった万年筆だよ」
 
「もしかしてこういうの普段使いしてるの?」
「うん。だって万年筆は文字を書くために生まれて来たんだもん。使ってあげなくちゃ可哀想じゃん」
 
「すごーい」
 
「じゃ、またね」
と言って千里が出て行こうとしたが、貴司は急に寂しい気持ちになった。
 
「ね、ね、千里もう一回だけしちゃダメ?」
「デートの度に1回だけという約束だったはず。どこかで歯止めを作っておかないと、お互い自分を抑えられなくなるよ」
 
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「むしろ深みにはまりたい」
「馬鹿ね」
「僕は馬鹿なんだ」
 
そう言って貴司は千里のスカートのホックを外してしまった。ファスナーを下げるが千里はじっとされるがままにしている。スカートが下に落ちる。
 
「セックスはできないよ」
「したい」
「だから優勝したら1度だけさせてあげる」
「今してから優勝する」
 
と言って貴司は千里を床の上に押し倒してしまう。千里の服を脱がせる。敏感な部分を揉むと次第に湿度が上昇してくる。貴司は避妊具を付けて入れようとした。
 
が千里は手で塞いでそれを阻止した。
 
「ダメだって言っているのに、どうしてこういうことするの?」
「千里のことが好きだ」
「貴司って本当に馬鹿ね」
「うん」
「そんな馬鹿なこと考えないように、優勝するまで、私が貴司のおちんちん預かっておく」
「へ?」
 
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千里は貴司のおちんちんとタマ袋の根元を強く握りしめた。
 
「痛たたたた」
 
シューターの握力で握られたらマジで痛い。
 
「これ預かって私が時々愛でてあげるから、それで貴司は優勝するまで頑張りなよ」
 
と言うと千里は貴司のおちんちんとタマタマを勢いよく引っばり、外してしまった。
 
え〜〜〜!?
 
「無くさないように、この袋に入れておこう」
 
と千里はいうと、貴司のおちんちんとタマ袋をジップロックに入れた上で冷却剤を一緒に入れふたを閉じる。それを更に銀色の断熱バッグに入れると自分のトートにしまう。
 
「じゃね」
と言って再度キスをすると、千里は手を振って部屋を出て行った。
 
貴司は自分の股間を見る。
 
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無くなってる〜〜〜!? うっそー!!!
 

そこでハッとして目が覚めた。
 
夢かぁ!
 
まだ心臓がドキドキしている。
 
あれ〜? なんか随分昔にも似たような夢を見なかったっけ?などと思う。
 
貴司はベッドから起き上がると、ふと気になってベッドの近くの床を見てみた。
 
銀色の万年筆が落ちている。2011 U21選手権という文字が入っている。本当に千里の忘れ物のようだ。
 
届けてあげなくちゃと思う。それで千里に電話すると
 
「探してた!そこに忘れたのか」
と言う。
 
「貴司、明日は合宿所に入るよね?」
「うん」
「だったら事務の三村さんに預けてくれない? 合宿所内で拾ったことにしといて」
「なるほど」
「私、多分土曜日にそちらに寄るから、その時受け取るし」
「了解」
 
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それで万年筆を取り敢えず自分のバッグに入れてから、トイレに行ってくるかと思う。そしてトイレに行き、ファスナーを下げて、おちんちんを出そうとして初めて貴司は違和感に気づいた。
 
へ?
 
手でまさぐる。
 
?????
 
貴司は焦ってズボンを下げ、トランクスも降ろしてみる。
 
そして自分の股間を見つめて
 
うっそぉぉぉぉぉぉ!!!!!
 
と思った。
 

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冬子たち一行は9月11日午後の新幹線で高岡にやってきた。冬子・政子に、近藤さんと七星さんの夫妻、それに専任ドライバーの佐良さんの5人で新幹線で富山駅まで来て、レンタカーでエスティマを借りる。そして高岡市内まで走ってきて、近藤夫妻をホテルに降ろした上で、冬子と政子は青葉の自宅まで来たということであった。青葉が「学校から帰るのは19時近くになるので」と言っておいたので、ふたりも19時過ぎにやってきた。青葉もこの日は自動車学校をパスして、部活が終わるとすぐに帰宅した。
 
「いらっしゃい」
「遅い時間にごめんね。少し事前に話しておきたかったから」
と冬子は最初に青葉に謝る。
 
「私も部活とかでずっと遅いから」
「大会前だもんね。大変だね」
 
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朋子も笑顔で迎えてくれる。どんな時間帯に来訪しても嫌な顔をしないのが朋子の良い所である。
 
「唐本さん、中田さん、晩御飯は?」
と朋子が訊くと
 
「何御飯かは怪しいけど、頂きます」
と遠慮を知らない政子が言うので、朋子が用意していた富山湾の海の幸で二人をもてなす。
 
「やはり富山はお魚が美味しい」
と政子はお刺身を5人前くらい食べて、ご機嫌である。
 
「アルバムの進み具合はいかがですか?」
と青葉が訊く。
「まだ道半ばという感じ。今月・来月が勝負だね」
と冬子。
 

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「そうそう。例のシーサーの子供なんだけど」
「ああ、ヒバリさんとこのシーサーの子供を玉依姫神社に設置する件ですね」
「そうそう。だいたい今月中にできあがるらしいんだよ。それで10月中旬くらいに設置したいんだけど、青葉出て来られる日あるかな?」
 
「10月中旬ですか」
と言って青葉は手帳を見て、そのことに気づく。
 
「もしですね。今月末にあるコーラスの中部大会で上位に入った場合、全国大会に行けるのですが、その全国大会が10月10日に東京であるんですよ」
 
「ちょうど連休だね!」
「ええ、連休の初日です」
「だったら全国大会に出た後、こちらに来てちょっと音源制作にも参加してもらって、それからシーサーの設置をしてもらえば」
 
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「全国大会は中部大会で上位に入ればですけどね」
「まあそれは頑張ってもらって。大会に出たあと、他の部員さんと別れてこちらに合流するのは可能?」
「大丈夫とは思いますが、先生に言っておきます」
 

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そして翌日9月12日(土)、『Flying Singer』制作のため、朝から市内のスタジオにFlying Soberのメンツが集まったのだが・・・・・
 
練習以前に、技術指導が始まってしまう!
 
基本的には素人集団なので、色々甘い所があるし、近藤さんの目にはピックの持ち方やストロークの入れ方そのものも不満な所が多いようである。
 
「下手なうちに個性を出そうとしてもダメ。まず基本がちゃんと出来てから自分の個性を出せばいい」
などと言って、空帆や治美の弾き方を《矯正》していく。直された側も最初はやや不満そうであったものの、他の子から
 
「あ、そっちの方が格好いいよ」
などと言われると、まんざらでもない感じであった。
 
それで初日は結局近藤さんによる楽器演奏教室になってしまった!近藤さんはドラムスの須美やキーボードの真梨奈にも色々注文を付けていくし、ヒロミのトランペットについてもタイミングのずれなどを注意する。ヒロミやフルートの世梨奈については、七星さんも息の使い方を指導していた。七星さんはクラリネットの美津穂に関しては「取り敢えず注意する点は無い」と言っていた。
 
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翌日13日になってやっと練習が始まるが今度は主として七星さんがなかなかOKを出さない。七星さんは曲の意味を考えろとみんなに指導した。
 
「ここは過去の悲しい恋を思い出している所でしょ?だったら悲しく演奏しなくちゃ。今の演奏は楽しい所も悲しい所も弾き方が同じなんだよ。自分の情感を込めて演奏しなくちゃ。機械的に譜面通りに弾くならMIDIの方がマシ」
 
結局そんなことをしている内にもう16時になってしまう。
 

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「お腹空いた。晩御飯食べようよ」
などとマリが言い出す。
 
「じゃ、一息入れて、それから夕食後にマジで本番やって、収録しよう」
とケイが提案した。
 
「せっかく高岡まで来てるし、私、きときと寿しが食べたい」
とマリは言い出す。
 
「どこだったっけ?」
とケイが訊くので
 
「氷見の本店が近いと思います」
と青葉が答える。
 
「きときと寿し好き〜!」
という声が多数あがる。
 
「じゃ私がみんなにおごるよ」
とケイが言うと歓声が上がる。
 
「どのくらい時間かかる?」
「10kmくらいだから、渋滞にかからなければ15分かな」
 
「あ?車で行かないといけない?」
「電車では無理です」
 
「人数は13人か。エスティマに8人乗るから、あと5人はタクシー2台に分乗すればいいかな?」
などとケイは言ったのだが、世梨奈が
 
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「あ、ワゴン車持ってる子を呼び出しますよ」
などと言い出す。
 
それで電話を掛けているのは吉田君のようである。
「あんたもう免許は取ってたよね。うん。じゃさ、吉田のお父さんのノアを持って来てくれない?」
 
途中を飛ばしていきなり結論を言うので、吉田君は何のことだか訳が分からないようである。
 
「きときと寿しおごってあげるから、私たちを運んで欲しいのよ」
などと世梨奈は言っている。
 
世梨奈がおごる訳ではないと思うのだが!?
 
青葉はケイを見たが、ケイは笑って頷いている。
 
それで吉田君はすぐ来てくれることになった。
 
「そちらは何人乗りだろう?」
「7人乗りですよ」
「だったら今呼び出した子まで入れて14人だから乗るね」
 
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などと言っていたのだが、やがて来たノアを運転してきたのは吉田君のお母さんである。
 
「若葉マークの息子に運転させて、事故起こして他のお子さんに怪我でもさせては大変なので私が運転してきました」
と言っている。吉田君は助手席である。
 
がそちらにあと5人乗るので、佐良さんの運転するエスティマと2台で無事、氷見市のきときと寿しまで行くことができた。
 
吉田君のお母さんは「私は車で待っていますから」と言ったのだが、ケイが
「14人も15人も変わりませんよ。一緒にどうぞ」
と言うので、一緒に店内に入った。佐良さんも外で待ってますと言ったのだが
「まあまあまあまあ」
と世梨奈が言って連れ込んだ(おごるのは世梨奈ではない)。
 
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