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■娘たちの面談(20)

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12月23日(金).
 
千里は千城台の房総百貨店体育館で近まるオールジャパンに向けて数人のチームメイトと一緒に練習した後、付属の合宿施設のシャワールームで汗を流してから、ライダースーツに身を包むとZZR-1400に跨がる。
 
「何か巨大なバイクが置いてあると思ったら千里のだったのか」
と麻依子が言っている。
 
「麻依子はいつ結婚するの?」
「そうだなあ。明日結婚しちゃおうかな」
「まじ?」
 
「式は夏くらいに挙げようかと思ってる」
「へー!」
「だから私、3月いっぱいで退団するかも」
「そっかー」
 
「千里はいつ結婚するのさ?」
「あいつが再度プロポーズしたら結婚してもいいかな」
「ふむふむ。じゃ明日かも知れないね」
「うーん・・・」
 
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「それと浩子がやっと就職先が決まったらしい」
「良かった!」
「だからあの子も3月で退団したいと言ってる」
「なんか随分退団者が出るなあ。夏美もでしょ?」
「うん。夏美も就職するから3月で退団の予定」
 
「するとかなりの人数入れないと陣容が保てない気がする」
「5〜6人入れないといけないね。浩子が次のキャプテンは千里さんにお願いしていいかなあ、とか言ってたけど?」
 
「うーん。。。私も逃げだそうかな」
 

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結局麻依子を彼女のアパート近くのコンビニまで送って行ってから高速に乗る。そして首都高/東名/名神と走り続けた。途中の休憩を入れて9時間ほどの走行でいつものように大阪中央環状線(府道2号)の千里(せんり)インターを降りた。
 
到着したのは夜中の2時頃である。
 
大阪に来た時にいつもインプを駐めている駐車場にZZR-1400を駐めて、盗難防止チェーンを掛ける。そしてマンションに行き、自分の持っている鍵で勝手にエントランスを通り、エレベータで33階まであがって3331号室の鍵を開け、音を立てないようにそっと部屋に入る。
 
まずは服を脱ぐ!
 
シャワーを浴びてバイクで走ってきて掻いた汗を流す。あの付近は念入りに洗っておく。軽くオードトワレを振る。そして身体を拭いて寝室に行く。
 
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貴司が寝ている。
 
ベッドの下の方から潜り込み、パジャマとトランクスを下げる。
 

している内にかなり大きくなってくる。貴司は起きない。熟睡してるのかな?と思ったら「千里好きだよぉ」とか言っている。
 
よしよし。間違わずにちゃんと私の名前を呼んだね。他の女の名前を口に出したら、これ切り落としていた所だよ、と思いながら更に刺激する。
 
やがて貴司は眠ったまま逝ってしまう。出た後をきれいにしてあげていたら、やっと目を覚ました。
 
「え?千里!?」
「貴司を食べちゃったよ」
 
「あっ逝ってる!?起きて体験したかった!」
「じゃ1年後のクリスマスに」
「1年間お預けなの〜?」
 

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貴司が起きたので一緒にリビングに行く。
 
「クリスマスケーキにシャンパンも買ってきたよ」
と言って出す。
 
「わあ。大きい」
「貴司が4分の3くらい食べてね」
「頑張る」
 
取り敢えずシャンパンを開けて乾杯した。
 
「メリー・クリスマス!」
「メリー・クリスマス!」
 
ケーキは8分割して2個を小皿に分けて千里が取り、残りを貴司の前に置いた。
 
「シャンパンも美味しい。ケーキも美味しい」
「シャンパンは何がいいのか分からなかったから、お店の人に訊いてモエ・エ・シャンドンのネクター・アンペリアルを選んだ」
 
「うーん。僕はシャンパンはよく分からないや。でもこのシャンパンは美味しい」
「飲みやすい感じだよね。このケーキはモンサンクレールで買ってきた」
 
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実はどちらもバイクで運ぶと問題が起きそうだったので、葛西のマンションに置いておき《くうちゃん》にさっき転送してもらったのである。
 
「チキンは今夜作るね」
「楽しみだ」
「ローストチキンがいい?フライドチキンがいい?それとも唐揚げ?」
 
「うーん。。。フライドチキンかなあ」
「じゃそれで。朝になってからお買い物行ってくるね」
「うん」
 

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ケーキを食べながら、たくさんおしゃべりをしたが、全部バスケットの話題ばかりである。
 
「え〜?日本代表に招集されるの?」
と千里はしらばっくれて驚いたふりをして言った。
 
「いや、まだ確定じゃない。代表候補に召集するかも、って話なんだよ」
と貴司。
 
「それはチャンスだよ。頑張ってアピールして代表枠入りを狙おう」
 
「情報収集してみると外人の監督さんが来るらしいね」
「へー」
「たぶん候補30-40人くらいから絞っていって最終的には12人。だから数字的には3倍の競争。でもたぶん半分くらいは既に確定してるだろうから、実際には30人程度で5−6人の枠を争う生存率10%か20%くらいの競争だと思う」
 
「でも日本代表への招集は初めてじゃん」
「うん。どこで見てもらったのかなあ」
 
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ケーキを食べた後はまた寝室に行き、たっぷりと愛の確認をした。バスケをした後でバイクで9時間走り、その上でお腹も満たして、それでセックスまですると、さすがの千里も自然に眠ってしまう。
 
結局起きたのは24日のお昼頃である。
 
「ごめーん。完全に熟睡してた」
「千里はいつもオーバーワークだから、時々はしっかり寝ないといけないよ」
 
結局お昼はカップ麺を食べることになる。
 
午後から貴司のチームの練習があるので、千里が貴司のアウディを運転して練習場まで乗せて行き、そのままイオンに行って買物をした。
 
いったんマンションに戻りフライドチキンの下味を付ける。
 
まずは大量の手羽元を、岩塩・ブラックペパー・ニンニク・ショウガ・水の混合液に浸して3〜4時間置く(その間寝てた)。
 
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このチキンを2度揚げするのだが、時間を見計らって1度目を揚げる。
 
片栗粉・卵・牛乳の混合液に浸けてから、薄力粉・強力粉・天然塩・ホワイトペパーを混ぜたものにつけて、10分くらい揚げる。いったんバットに取り、余熱で中まで火を通す。
 
練習が終わる頃にアウディを運転して迎えに行く。そして戻ってから2度目の揚げをする。表面が黒っぽくなるまで揚げる。しかし1度揚げているので短時間でその状態に到達する。この方法で短時間にフライドチキンをたくさん供給できる。
 
「凄い。これケンタッキーとかの味に似てる」
「ケンタッキーの場合はもっとたくさんスパイス使っているけどね。片栗粉と牛乳・卵を使うことで表面がカリカリになって、お店のフライドチキンっぽくなるんだよ」
 
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「へー」
 

この日もふたりはひたすらバスケットの話をしていた。千里は今年のクリスマスはひょっとしたら貴司から「結婚してくれ」と言われるのではと思い、半分は不安、半分は期待の気持ちでいたのだが、貴司はその話はしなかった。
 
元々24歳くらいになってからなどと言っていたし、まだその気は無いのかなあ、大学卒業したら大阪に来て一緒に暮らしてよとも言われるのではと思っていたのだが、そういう話も出ずに、千里としてはやや消化不良気味であった。
 
貴司から大阪に来てと言われなかった場合、私、大学出た後はどうすればいいんだろう?と悩む。やはり東京で就職かなぁ・・・。それとも大学院に入っちゃおうか。
 
(と千里が思考したら、どこかで『ぎくっ』とした人がいたようである)
 
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25日の日中はふたりで一緒に伏見に行き、京平に会う。京平は最近かなりバスケが上達してきている。ランニングシュートもきれいに決められるので、1on1とかをやるが、さすがに今の京平では千里や貴司を停めることができない。
 
「やはりパパは強いなあ」
などと言っていた。
 
「だけど京平は、お母ちゃんのことは『お母ちゃん』で僕のことは『パパ』なんだな」
と貴司はふと気付いて言った。
 
「何か最初そう言っちゃったから、そうなってるけど、どちらかに統一したほうがいいかな?」
 
「いや別に構わないよ」
 

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京平とたっぷり1日遊び
 
「じゃ京平またね〜」
と言って別れる。
 
「あ、お母ちゃん、パパ、雨が降ってるからこれ持って行って」
と言って、京平が2人に傘を渡した。
 
「この傘は?」
「境内に落ちてたんだよ。でも少し修理したら使えそうだと言って、安二郎さんが修理してストックしてるんだよね」
 
「なるほど〜」
「そういうケースは人間の法律でも問題ない気がする」
 
そういう訳で傘を差してお山を降り、電車で大阪に戻る。セルシーで買物をして、この日はビーフシチューを作った。
 
「美味しい、美味しい。ほんと千里は料理がうまいなあ」
と貴司は感激していたようである。
 
その後に「毎日御飯を作ってくれないかな」とか続くといいのだけど、そういう要求はしないのかな〜?と千里は思いながらも、微笑んでいた。
 
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寝室で愛の再確認をした上で、0時頃帰ることにする。
 
「じゃまた来るね」
と言って貴司にキスをする。
 
「インプで来てるんだっけ?」
「ううん。今日はバイクで来たんだよ」
「でも雨降ってない?」
「レインウェアと防水手袋・ブーツも持って来てるから大丈夫だよ」
「だけど雨の日は視界が悪いから危ないよ。そうだ。僕のアウディに乗ってかない?」
「貴司が送ってくれるの?」
「そうしたいけどまだ会社があるから。この後、1月14日までは使わないから大丈夫だし。オールジャパンの応援に行くからさ。その時、帰り僕が運転して帰るよ」
 
「なるほどー!」
 
「でも何のバイクで来たの?ディオチェスタじゃないよね?」
「さすがに原付で千葉から大阪まで走るのは無謀すぎる。でも見る?」
「うん。見る」
 
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それでアウディを出してまずはZZR-1400を駐めている駐車場に貴司と一緒に行く。
 
「こんな巨大なバイク買ったの!?」
と貴司が驚いている。
 
「仕事の都合で二輪免許取って最初Suzuki ST250で練習してたんだけどさ。知り合いがそれを借りていって壊してしまったということで、代わりにこれをもらったんだよ」
 
「これ高そうなのに」
「まあお金持ちだからいいんじゃない?」
「でもなんでローゼンメイデン?」
「恥ずかしいんだけどね。貼り直してもいいよと言ってたけど、貼り直しかたが分からないや」
 
「じゃ道具用意しておいて、お正月に行った時に貼り替えやってあげるよ。何のイラストに貼り替えるの?」
「それが思いつかないのよね〜。バイク用のイラストシート売ってるサイトも見てみたけど、気に入ったのが見つからなくて」
 
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「プリンタで自分の好きな絵をプリントして貼り付けられるよ」
「そうなの!?」
 
「千里、絵が上手いし自分で描く?」
「Inkscapeとかで描いていいんだっけ?」
「Inkscapeならいちばん問題無い。描いたら送ってよ。プリントして持って行くから」
「うん。じゃ描いて送る」
 

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それで貴司と2人でZZR-1400からアウディに荷物を載せ替えた上で、貴司をマンション入口まで送り、キスして別れた。つまりZZR-1400はそこに駐めたままである。
 
そして千里(ちさと)はアウディで千里(せんり)インターを上り、府道2号(中央環状線)、名神、東名、首都高と走って江戸川区葛西の駐車場に26日朝10時頃帰還した。
 
なお実際に運転したのは千里に擬態した《こうちゃん》で千里本人は後部座席に行って毛布をかぶって寝ていた(大阪に行く時は千里自身が全部運転している。実は網走行きの練習なのである。真冬の北海道の道を走る前に東京−大阪間を走ってみておきたかった)。
 
 
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