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■娘たちの面談(18)

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松前さんは言った。
 
「二度とこういうことをしないと誓う?」
「誓います」
 
「これまでに欺したアーティストを全てここに書きなさい」
「はい」
 
それで彼が書いたのは、ワランダーズ、スカイロードを含む7組のアーティストである。
 
「少しこちらのメンツで話し合うから君はちょっと待ってて」
と松前さんは言った。
 
車で待機していた千里を呼び出し、大部屋の方で須藤さんと千里に太荷さんを見ていてもらい、その間に応接室で4人で話し合う。千里と一緒に近くで待機していた吉住先生、いったん信濃町の§§プロに行って待機していた紅川さんと雨宮先生もすぐこちらに向かうということであった。
 

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千里が加藤さんに頼まれてコンビニでお弁当やお茶などを買ってきたので、それを太荷さんに勧めると、最初は遠慮していたものの、千里と須藤さんもそのお弁当を食べ始めると、
 
「僕も食べようかな」
 
と言って食べ始める。彼は放心状態ではあったものの、食べてお茶を飲むと少し落ち着いたようである。
 
悠子がコーヒーを入れて勧めると
「美味しい!」
と言っていた。このコーヒー豆も実は千里の差し入れである。
 
「このコーヒー本当に美味しい。何の銘柄ですか?」
と須藤さんが訊く。
 
「ジャマイカですよ。最近現地に行って来た知人からお土産にもらったんですが、ひとりではもてあますんで持って来ました」
「へー」
 
「ジャマイカというとブルーマウンテンが有名ですけど、あれはジャマイカ島の標高800m以上の土地で栽培されたものだけがブルーマウンテンを名乗れるんですよね。これは700mくらいの土地で栽培されたものなんですよ」
 
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と千里は説明する。
 
「惜しいですね」
「だからブルーマウンテンに近い味がします」
「それなら美味しい訳だ」
 
「雨宮先生はブルーマウンテンに物凄く近いから、女の子に物凄く近い男の娘のようなものだと言ってましたが」
と千里は言ったのだが
 
「へー。でも雨宮先生って、結構、漢(おとこ)らしいですよね。頑張っている女性もいるなあと思って、いつも尊敬しています」
などと須藤さんは言っている。
 
ん?もしかしてこの人、雨宮先生が男だとは知らない??
 

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紅川社長と雨宮先生は20分ほどでやってきた。それで7人で話し合う。
 
(松前・町添・鬼柳・加藤・吉住・紅川・雨宮。ちなみに秋風メロディーはいったん自宅に戻って寝ていて、お昼すぎにこちらに顔を出した)
 
松前社長たちは、まず詐欺にあったアーティストの救済について話し合った。それでこのような方針を固めた。
 
・現在進行中だった2組のアーティストに関しては「担当が代わった」と称して、加藤課長の腹心・南係長がフォローし、作業を継続する。
 
・ワランダーズに関しては、太荷本人から「いったんダメと言われたけど、頑張ったら発売OKになった」と伝えさせて、その後をやはり南が引き継ぐ。音源はよくできているのでJASRACシールだけ貼り直して2月くらいに発売の方針で。
 
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・雨宮から持ち込まれた《スカイロード》、吉住から持ち込まれた《らべんだ》、上野が関わった《紅梅》については、やや時間が経っているので、各々雨宮・吉住・上野から各アーティストに連絡して「他のレーベルからデビューできることになった」と言い、★★レコードのレーベルのひとつである《ライミューズ》(rimuse)から出す方向で考える。rimuseは鬼柳次長がこの春まで元々統括していたレーベルで、現在の統括者も鬼柳次長の腹心の松園室長である。この3つの音源もよく出来ているがレーベルが変わるのでマスターを流用してプレスし直しの方向で。
 
・最初に被害に遭った《クロコダイル》については、3ヶ月経っており、意向が不明であるのと、太荷が持っていたCDを聴いた感じではアレンジの練り不足であり、録り直した方が良さそうなので、再制作の方向で。音楽の方向性からレーベルは★★レコードがよいので鬼柳次長が面談を申し入れた上で同意できたら鬼柳次長に近く口の堅い森元係長が処理する。
 
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・いづれも被害にあった人たちの負担額はすぐに精算する。
 
・精算に必要なお金、またプレスし直しの代金、録音し直しの場合のスタジオ代などは、松前社長が個人で負担する。松前さんが個人で負担するのは、万一バレた場合に、松前さん1人が責任を負えばいいようにするためである。
 

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「結果的に南君の負担が大きい気がする」
 
「それで思ったんだけど、今南君はローズ+リリーとローズクォーツを担当しているよね。あれの作業量がかなり大きいから、その2つを別の人に分離しない?」
と鬼柳次長が言う。
 
「それがいいかもです。南はそもそもオーバーフローしているので、充分ケイちゃんたちのフォローができてないんですよ」
と加藤さん。
 
「誰かいい人いる?」
と町添部長が訊く。
 
「実は今年の春入る新人なんだけど、ローズ+リリーのファンですと面接の時に言った子がいてね」
「女性?」
「うん。氷川真友子君というんだよ」
 
「じゃその子と少し話してみよう」
と加藤課長は言った。
 
その結果、まだ正式入社前の1月中旬から、氷川がローズ+リリー、ローズクォーツと、もうひとつスリファーズを担当することになるのである。
 
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話し合いはお昼を悠子に買ってきてもらい、昼食を食べながら継続された。午後は主として、太荷の処遇に関して話し合った。
 
「とにかくどこかに就職させる必要があると思う。どこか紹介する?」
「また問題起こしたりしませんかね?」
「根は真面目な奴なんだよ。ただ少し気が弱いのが欠点なんだよね。今回の事件も結局自分はもう辞めたというのを言い出せなかったことから来ている」
 
「借金については自己破産させよう。弁護士くらい付けてやって」
「その方がいいと思います」
 
それで結局、長年の付き合いである町添部長がどこか再就職先を探してあげることになった。
 
本人を呼んで話し合いの結果を通告する。大荷本人は午前中ずっと千里や須藤と色々話して、かなり精神状態が改善されていたようである。
 
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応接室に入っていった時、彼は言った。
 
「本当に申し訳ありませんでした。須藤さんたちと話している内に気持ちは固まりました。それで厚かましいことは承知で社長にお願いがあります」
 
「なんだね?」
 
「私は服役することになるかと思いますが、その後何とか仕事を見つけて頑張って返済しますので、被害にあった方々への弁済を一時的に肩代わりしてくださることはお願いできないでしょうか。私は何も資産もなく、お金を貸してくれるような親戚もなく、それで今カードローンやサラ金に1500万円ほどの借金がありまして」
と太荷は言った。
 
「借金に関しては自己破産しなさい。弁護士代は出してあげるから」
 
この場合「弁護士代を貸す」のは無意味である。貸した場合、破産処理の過程で破産の対象債務となり債務が消えてしまうからである。破産処理においては全ての債権者を公平に扱う必要があるという観点から、全ての債務を消滅させなければならない。特定の債務だけを残すことは許されない。だから弁護士報酬も必ず先払いである。後払いにするとそれも破産対象債務になり弁護士は報酬の請求権を失ってしまう!
 
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「本当ですか?ありがとうございます。助かります」
と言って、太荷は土下座して感謝した。
 
「被害のあった所については、すぐこちらで弁済用のお金を準備するから、君がそのお金を自分で持っていって渡して」
「分かりました!そうします」
 

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各アーティストとの接触は年内に行われた。お金を返す作業に関してはこのようにした。
 
・ワランダーズについては須藤に直接松前さんが渡す。これはこの日の内に実行されたので、須藤は「よかった!夜逃げせずに済む!」などと言って喜び、悠子が呆れたような顔をしていた。
 
・スカイロード、らべんだ、紅梅については、各々太荷が各代表者の所に行き
「負担を掛けて申し訳無かった。取り敢えずそちらが負担していた分は営業費から出たので渡しておく」と言って、お金を渡す。その上で雨宮・吉住・上野から「他のレーベルで興味を持ってくれた」と言って、ライミューズとの打合せを進める。
 
・現在進行中だった2件に関しても太荷が直接会って、「取り敢えず今まで掛かったお金の分の仮払い」と言って、お金を渡した上で「担当が変わるのでよろしく」と言っておく。その後、鬼柳次長から連絡する。
 
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クロコダイルについても太荷がお金を返した上で、すぐに鬼柳次長が面談した。
 
すると彼らは夏にプレスしたCD(★★レコードの名前が入っている)を自分たちで自主流通させて売っていたらしい。それについては★★レコード側でもそれを追認することにし、在庫分は★★レコードが引き取ることにした。そして鬼柳は、現在流通させているものと別に新曲を2つ用意して今度こそ本当に★★レコードから販売しようと提唱し、彼らは喜んでいた。
 
なお太荷の身分については「嘱託になっていた」ということにした。
 

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時間を戻してUTPで大きな出来事のあった12月17日の夜23時頃、千里は雨宮先生と一緒に笹塚のUTP事務所を出た。
 
「いやぁ疲れた。どこかでメシ食おう」
と雨宮先生は言っている。
 
「どこがまだ開いてますかね」
「少しドライブしてから銀座に行こう。おごるから」
「銀座の相場は、私はおごりでないととても行けません」
「億の収入がある人がよく言うよ」
 
それで結局首都高をぐるっと一周してから銀座に行く。夜遅くなるので駐車場の空きがある。
 
「ここ駐めちゃいましたけど、ここは夜間は出し入れできないみたいですね」
「どうせ今から飲むから、車は動かせないよ」
「じゃいいか」
 

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それで千里も数回連れてきてもらったお店に入る。座っただけで1万円飛ぶお店であるが、お酒は良いものを揃えている(結果的に高い)。まずはワインで乾杯して
「お疲れ様でした」
と言う。ボルドーのシャトー製のワインである。1本7−8万する品だと思ったが、さすがに美味しい。
 
適当に料理(これも高い店だけあって美味しい。どこかの高級レストランに居た人を引き抜いたらしい)も出してもらいながら飲む。今日は千里もけっこう飲んだ。
 
そして2時間ほど飲み食いしてから(代金は20万円くらいになった模様)、どこかホテルにでも入って寝ようという話になる。
 
「ちなみに私と一晩寝る気は無い?」
「おちんちん切り落とされたくなかったら、そういう誘いはやめた方がいいと思います」
「あんたは本当に切り落としそうで恐い」
「サービスで女性器を形成してあげてもいいですし」
「遠慮する」
 
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「そもそも立つんですか?去勢してからもう4年くらいでしょ?」
「それが最近調子良くないのよ。どこかいい病院とか知らない?」
「タイにヤンヒー病院というところがありますが」
「それじゃ、ちんちん無くなっちゃうじゃん!」
 
「先生もそろそろ男の辞め時という気がしますけどね」
「どうにも立たなくなったら、その時考える」
 
結局マリオット銀座に入りプレミアムローズ・ツインの部屋を2つ、各々シングルユースで取った。
 
「襲ったりしないから、もう少し一緒に飲もうよ」
「まあいいですけど」
 

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