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■女子中学生の生理整頓(20)

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4月12日(月).
 
警視庁と岐阜県警の合同捜査本部は、高岡猛獅・長野支香・佐藤小登愛死亡事件に関する捜査を終了し、かなり膨大な調査報告資料を警視庁と東京地検に保管。結果は非公表とした。
 
この事件では精神世界の専門家の意見も聞きたいとして、その方面に詳しく、信頼できて、かつ口が硬い人物として、静岡∽∽寺の住職・広瀬瞬角にも意見を聞いている。彼は仏教の秘法のみでなく、神道や修験道・陰陽道、西洋魔術・魔女術(捜査員はこの違いを知らなかった)などについても詳しい博識の人として、実は数人の霊能者やオカルト関係者から推薦があったのである。
 
彼は問題の“魔法陣”は、自分の生き霊を飛ばす魔法円だと断定した。それで全てのことがきれいに説明できる。
 
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この図形自体を恐らくターゲットの人物の体液で書いているというので慌てて鑑定したら確かに長野夕香の経血であることが判明した。彼がいなかったら見落としていたところだった。そして魔法円がこのように破れているということは、誰か強い術者に返り討ちにあったと考えられると言った。捜査本部でそういう強い術者として思いついたのは、何といっても佐藤小登愛である。しかし彼女の死は事故の8時間前である。
 
「26日21時に死亡した術者の反撃で27日5時頃に魔法円が破れたというのはあり得るでしょうか?」
 
「相打ちということだよね。あり得ないことはないが、誰か他の人物の可能性のほうが高いと思う。術を遅れて効かせることは、ある程度の能力のある人ならできるけど、危険な相手をわざわざ遅延攻撃する理由が無い」
 
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それで未知の霊能者が関わっている可能性も出て来たものの、捜査本部は手がかりを得ることができなかった。捜査本部は龍虎の存在に気付いていないので、その先の糸をたぐれないのである。
 
(そもそも夕香の戸籍に龍虎が記載されていない!し、左座浪は事件のことで振り回されて、結果的に龍虎がマスコミにも取材攻撃に合うのは可哀想と思い、龍虎のことを捜査員に話していない。捜査員は松戸市に志水夫妻も訪ねているが、龍虎は志水夫妻の子供だと思い込んでいた←普通そう思う)
 
龍虎が高岡たちの子供であり事件に絡んでいたことに気付いたとしても、龍虎と遠駒真理、更に千里との関わりを見付けることは困難であろう。(ただの通りがかりだし!)
 
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最終的な処理として、都内在住A子を業務上過失致死(高岡猛獅・長野夕香)と傷害致死(佐藤小登愛:殺人罪は“不可能犯”とみなされても被害者が感電しているので、スタンガンのようなもので襲った可能性があるとして傷害は取れるかもという意見が強かった)の疑いで送検しているが、被疑者死亡により不起訴ということで完了させている。A子については、本人の子供が死亡していたのを埋葬せずに自宅に放置した死体遺棄罪、放送局駐車場で長野夕香を殺害しようとした殺人未遂罪、でも送検しているが、これらも被疑者死亡により不起訴である。
 
(子供が病死であることは救急医療センターのレシートから診療記録を確認し、担当医の話も聞いて判明。担当医は虐待のような痕は認められなかったと証言している。死因はたぶんSID(乳幼児突然死症候群)だろうということだった)
 
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捜査が完了したことにより、ここまで証拠保全のため、高岡たちのマンションをそのままの状態にしてもらっていたのを、もう片付けてよいですよという連絡が事務所にあった。A子のアパートについても、同様の連絡を九州の弟さんにしたが、貧乏なのでとてもそちらまで行けないし、家賃等も払えないということであった。なお、弟さんは、A子に関して既に相続放棄の手続きを完了している。
 
結局この3ヶ月間の家賃と片付け費用は、アパートのオーナーの負担になってしまうが、保険でまかなえるということであった。
 

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左座浪は、義浜配次(よしはま・はいじ)に相談した。
 
「高岡君と夕香ちゃんの遺族に連絡して、必要なものを引き取ってもらえばいいかな」
「今の状態で、それをやると、高岡さんの遺族、夕香さんの遺族に、呪いが掛かります」
「まずいな」
 
「だから、どなたかある程度の力のある霊能者さんに、まずは呪いグッズの処分を依頼したほうがいいです。実は高岡さんの荷物を中目黒のマンションからあそこに移動した時にも、引越屋の作業員さんが階段から落ちて大怪我なさっているんですよ」
 
「え〜〜〜!?」
 
「だから佐藤小登愛は、少しずつ呪いグッズを持ち出してはお焚き上げしてたんです」
「つまり佐藤さんがしていた作業を誰かに継続してもらう必要があるのか」
「そうなります。ただかなりパワーのある人でないとできないです。パワーの無い三流霊能者がやったら、きっと本人が死亡します」
「これ以上死人を出したくないしな。でもそういう人は高いよね」
「高いと思います」
 
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「やむを得ん。その費用を事務所が出すから、君の心当たりの霊能者さんに頼んでくれない?」
「分かりました」
 

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それで義浜は佐藤小登愛とつながりのあった、天野貴子に連絡を取ったのである。彼女は
「そういう作業なら、私がやるべきだろうね」
と言ってくれた。
 
取り敢えず4月14日(水)、北海道から出て来てくれたのだが。部屋を見るなり
「何これ〜〜〜!?」
と悲鳴のような声をあげた。
 
「やはり酷いですか?」
「呪いグッズもあふれてるけど、霊道がクロスしてるじゃん」
「私はそういうの全然分からないのですが、小登愛さんもそう言っておられました」
 
「なんでこの人、こんな酷い部屋に住んでたのよ?」
「それが本人物凄く忙しかったもので、不動産屋さんに電話掛けて、都内どこでもいいから新宿駅まで40分程度で来られる場所、駐車場付きで家賃7-8万くらいの3LDKのマンションないかと言って、現地も見ずに契約したらしいです」
 
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「40分 3LDK 7-8万〜〜!?そりゃおかしなマンションに当たる訳だよ。ここきっと以前に自殺者も出てるよ。変なところでケチるから結果的に命を落とすことになったんじゃないの?」
 
「すみません」
 
「ハイレちゃんが謝ってもしかたないけどね。あんたも事前に見なかったの?」
「私はそういうの、さっぱり分からなくて」
 
(高岡はバンドを退団して事務所も辞めたらしばらく厳しい生活になるかもと思い安い所を探させた。でも1500万の車を買っているのが、思考破綻している。更に呪いグッズの処分に必要と言われて、土地を300万で買っているし)
 

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天野貴子(きーちゃん)はしばらく考えていたが
「普通なら最低5000万円請求したいけど、小登愛の後始末だから、特別に1000万円で、してあげるよ。私の報酬は無しでいいし、実費も私が負担してあげるけど、助手のお手当だけ出して。助手も命懸けになるから充分な謝礼払う必要がある」
と言った。
 
義浜が左座浪を見る。
「お支払いします」
 

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「じゃ助手を呼ぶ」
と言って、きーちゃんは稚内の藤原毬毛(桃源 38)と留萌の千里(13)を呼び出したのである。
 
「あんたたちなら死にそうに無いから」
と、きーちゃん。
 
「またあぶない仕事〜?勘弁してよ」
と桃源。
 
「死ぬかどうかより、私、学校あるんですけどぉ」
などと言いながらも4月15日(木)に出て来たのは実は千里G(Chisato Green)である!
 
GはRの“シャドウ”なので、Rと同じ能力を持っている。Rの携帯のクローン携帯も所持しているので、着信を横取りしたのである。沙苗に関する処理が発生しそうだったので、今Rを留萌から離れさせるわけには行かないと判断して自分が出て来た。
 
Gの主たる役割は、3人の千里の調整なので自身も留萌を離れたくないのだが、その作業を千里V(Chisato Violet) に託して東京に出て来た。
 
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「私Gちゃんみたいにうまくやる自信無ーい」
と言っていたが、Vに頼むしかない。
 
VはYのシャドウなので、VはYと同じ能力を持ち、またYの携帯のクローン携帯を所持しているが、GとVは連絡用のピッチを所有しているので、それで連絡を取り合うこともできる。
 

 
携帯のクローンを作ったり、ピッチを確保して2人に渡したのはA大神である。GとVの存在はA大神のみが知っており、A大神の眷属たちや小春も知らない。
 
GとVは早い時期にお互いの存在に気付いて協力し合うことにしたのだが、Bのシャドウ“千里o”(ちさと・おー) Chisato Orange も存在するのかどうか、GやVも不確かである、A大神に訊いても「知らん」と言われる。また千里R・千里Y・千里B・千里G・千里Vは元々全員エイリアスにすぎない(だから消えたり現れたりする)。“千里の本体”千里K (Chisato Black) がどこにあるのかは、GやVは知らない。多分A大神だけが知っている、
 
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Gは千里の本体はA大神が隠しているのでは、ひょっとして大量女性ホルモン投与で完全女性化・遺伝子のXX化とかを図っているのでは、などと想像(妄想?)しているが、Vは「RかGのどちらかが実は本体なのでは?」と疑っている。
 
GとVは留萌市内のP大神の神圏にもQ大神の神圏にも掛からない場所に家を確保してもらっていて、そこに普段は住んでいる。RBYWの4人の身体にはA大神の手により密かにGPSが埋め込まれているので、この家のモニターで4人の位置・移動履歴は常に把握できる(最近の神様は意外にハイテクである)。
 
GとVは30mルールが働かないので並んで御飯を食べたりしている。布団も並べて寝ているが
 
「襲うなよ」
「あんたこそ」
などと言っている。
 
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千里RBYの操作をする時以外は、中学校の教科書と進研ゼミでお勉強している。運動も毎日5kmのジョギングを課している。ただし数学に関しては、2人とも小学1年生!のドリルから、やり直しさせられている。
 

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現地を見て、桃源も千里(G)も
「何これ〜?」
と声を挙げた。
 
「作業の流れを説明する」
と天野貴子は言った。
 
「まず、まりちゃん(毬毛:桃源)が危ないグッズを見つけ出してはワゴンに入れる。そのワゴンを灰麗(ハイレ)ちゃんが地下の駐車場まで運ぶ。それを千里ちゃんが車を運転して**山の小屋まで運ぶ。小屋で私がお焚き上げする。小登愛は1人で全部やってたから20日掛けて半分くらいしか進まなかったけど4人で協力すればたぶん5日で終わる」
 
「私車運転できませーん」
と千里が言う。
「そっか。あんた中学生だった」
と、きーちやんは声を挙げる。
 
「この子、運転できそうな顔してるけど」
と桃源。
 
顔で運転するのか?
 
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「実は運転できるんじゃないの?」
「お巡りさんに捕まりますぅ」
「やはり実は運転できるっぽい」
「でもお巡りさんに捕まるのはやばいな」
 
「じゃ、ハイレちゃんが運転する?」
と桃源が提案する。
 
「それでは事故を起こす。呪いグッズに影響されずに運転できるパワーのある人が必要」
と、きーちゃん。
 
「仕方ない。千里がお焚き上げして」
「え〜〜〜!?」
「やり方は教えてあげるから」
「分かった」
 

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それで桃源が仕分けしてワゴンに入れたものを、きーちゃんが見ている中、ハイレが地下駐車場まで運ぶ。きーちゃんと千里が車に乗って、山中の小屋まで行く。小屋のそばに大量に薪が積み上げられているが、どうも特殊な薪のようだと千里は思った。
 
「白膠木(ぬるで)?」
「そうそう。でも特殊な白膠木なんだよ」
 
どうもこの薪自体がかなり高価なものっぽいと思った。きっと“実費”の大半はこの代金なのだろう。
 
「白膠木は、取り敢えず昨日の内にこれだけ用意した。足りないからもっともっと持ってこさせる」
 
きーちゃんは火の起こし方、維持の仕方を教え、必ず1個ずつ火に投じるよう指示した。また万一何かあったらすぐ自分を呼ぶように言った。
 
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それで千里が処分を始めた所で、きーちゃんは車で帰って行った。
 
千里はやや心細い思いで、教えてもらった真言を唱えながら、ひとつずつ呪いの品を火鋏(ひばさみ)で掴んで火に投じていく。物により炎の上がり方が違うので、ああ、強いのと弱いのがあるんだなと思った。
 
でもこれ自分の身を自分で守れる人にしかてきない。だからきーちゃんは、一番危険性の低い運搬係を私にさせようとしたのだろう。運転できるかどうかについては、ノーコメント!!
 
お焚き上げしているものの中にはかなり“たちの悪い”ものもあることを千里は意識した。時々襲われそうになるので粉砕する。悲鳴が聞こえた気がした。たぶん生き霊を飛ばしていた人物が生き霊を破壊されて、本人もダメージをくらったのだろうが、生き霊を飛ばしてる奴が悪い。こちらは正当防衛だもんね。死んだって知〜らない。
 
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「一掛け二掛け三掛けて、四掛けて五掛けて橋を架け、橋の欄干、手を腰に、遙か彼方を眺むれば、十二十三の娘さん、花と線香手に持って、もしもし嬢ちゃん、どこ行くの?私は必殺仕事人・鰊(にしん)の“おちさ”と申します」
 
などと言いながら、また襲ってきた奴がいたので、4倍返し!にしてやったら、断末魔のような悲鳴が聞こえた。
 

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「死んだかな?別に気にしないけど」
と独り言のように呟いたら
 
「死んではいないけど、もう普通の仕事はできないだろうね。霊的な操作も」
という声がする。
 
「その程度はいいや」
「でも今の奴は手加減したら危険だった。今の規模の攻撃が適切だと思う」
「うん。なんかこいつには手加減できない気がしたから4倍返しにした」
「さっすが。でも死なない程度にしたね」
「やはり甘かったかなあ」
「私の弟子だったら叱る。こういう時は一発で殺せって」
「だよね〜」
「まあ相手を殺すには覚悟が必要だから、あんたまだ中学生だし、少しずつ覚えてけばいいよ」
 
やはり、仕事人の修行かな。
 

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「ところで、玉兎弓弦(ぎょくと・ゆづる)さん」
「はい!?」
と、弓弦はびっくりして返事をしたが、返事をした瞬間「しまったぁ」と思った。
 
むろん弓弦は、きーちゃんに頼まれて何かあった時に千里を守るため姿を消して付いていたのである。
 
「ずっと火のそばに居ると暑くて。悪いけど、320m下の交差点から1.2kmほど東に行った所にある自販機でお茶のペットボトルを2本買ってきてくれない?」
「いいけど」
 
それで千里がお金を渡したので、弓弦は交差点まで降りて、そこから東側に1.2kmほど行ってみる。小さなCBがあり、本当に自販機があったのでお茶のペットボトルを2本買って千里の所まで持っていった。
 
「ありがとー。助かる」
と言って千里はお焚き上げをしながらお茶を飲んでいる。
 
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「ここ何度も来たことあるの?」
「ううん。初めて」
「どうして自販機の位置が分かったの?」
「自販機の位置は分かるよ〜」
「へー」
「コンビニの位置も分かる」
「便利だね」
「神社の位置も分かる」
「神社の位置が分かる人は多い」
「トイレの位置は分からない」
「あはは」
 
ちなみにここは小屋の中にトイレがあるので、そこを使うことができる。ひとつのグッズが燃え尽きた後、トイレに行ってから次のを火に投じる。
 
「でもどうして私の名前が分かったの?」
「え?そんなの見れば分かるよ」
 
この子は・・・・霊感体質の人に少し毛が生えた程度のような顔をしていて、実は凄い子だ、と弓弦は思った。襲われそうになったら、躊躇無く速攻で反撃している。その反射神経が素晴らしい。
 
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釧路で会った時は、身体に雑霊を付けていて小登愛が祓ってあげていた。でもあれもきっと自分の能力を知られないための偽装だ。
 
この子は物凄く用心深い。今自分に見せているパワーも、呪いグッズから身を守るための最低限のパワーなのかもしれない。
 
「でも私の“ありよう”を見ても驚かないの?」
「世の中にはいろんな人がいるから気にしないよ。その怪我、早くよくなるといいね」
「ありがとう」
 
 
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女子中学生の生理整頓(20)

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