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■夏の日の想い出・龍たちの讃歌(24)

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ここには結局、これまでワンルームマンションに住んでいた西宮ネオンまで引っ越してきて5階2DKの部屋に入居することになる。
 
「ここで結婚してもいいですよね?」
「いいけど相手は男の子?男の娘?」
「女の子ですよ!」
 
結婚年齢規制が解除されたので彼は今すぐでも結婚できるが、彼女がまだ女子大生でもあり、向こうの親との約束で、彼女が少なくとも大学を卒業してから結婚する約束らしい(つまり今までは実は無断交際していた)。
 

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ということで、結局ここが男子寮になってしまったのである!
 
「桜新町の方はどうする?」
「まだ工事の見積もり取ってる段階だったし、まだ古い建物を解体もしてないから、そのまま放置で」
 

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結局、仮男子寮になるはずが、正式に男子寮となったこの用賀の“橘ハイツ”に入ることになったのは(葉月やネオンを除くと)下記の8名である。入寮は9月くらいまでに各々都合のよいタイミングで入居してと言ってある。
 
201 菱田ユカリ(2007 中1) 2020VG 4位相当
202 須舞恵夢(2007 中1) 2020VG 3位
 
204 末次一葉(2006 中2) 2020春.応募加入
205 上田信貴(2005 中3)と上田雅水(2007 中1)の兄弟 (この部屋は1DKで少し広いので兄弟で一緒に住みたいと言った彼らに割り当てた)
 
301 弘原如月(2004 高1) (**)
 
303 篠原倉光(2004 高1)信濃町ミューズ
305 木下宏紀(2002 高3)信濃町ミューズ
 
さてこの名前を眺めてみて、この中で男の子は何人でしょう?
 
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などと言いたくなるほど、まるで女の子みたいな名前の子が多い。ついでに見た目も女の子っぽい子が多い。例外は篠原倉光くらいである。
 
(実際には女の子みたいな名前で、見た目も女の子っぽいから、性別を気付かれずにオーディションで女子たちに紛れて上位まで進出している(篠原君はロックギャルコンテスト出場者ではなく信濃町ガールズ自体への応募参加))。
 

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堂々とスカートを穿いて入居してきた子もある。
 
「あんたたち、女子寮でなくて良かったんだっけ?」
「まだ、ちんちん付いてるから」
「“まだ”ということは、その内取るんだ?」
「そういう訳ではないんですけどぉ」
 
なお、弘原如月だが、彼(多分まだ彼女ではない)は関西在住の信濃町ガールズだったがこの春、内部試験に合格。東京に出て来て、都内の私立高校に入学した。高校生ではあるが、新加入なので今年度いっぱいはガールズをしてもらう。2021年春にミューズ移籍予定である。彼は東京本団の入団試験を受ける時
 
「スカート穿けと言われたら穿きますので入れてください」
などと言った。ゆりこが目をキラキラさせていたが、コスモスは
 
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「大丈夫だよ。男の子はショートパンツだよ」
と言って、彼の歌とダンスを見た上で合格を告げた。
 
でも実はむしろスカートを穿きたいのだったりして!?
 

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千里はこの子たちを見て「睾丸の無い子が3人もいる」などと言っていたが。誰が睾丸が無いのかは「見れば分かるじゃん」としか言わなかった。しかし8人中3人も既に男子を辞めてるのか!?
 
コスモスも「**君と**君は睾丸取っちゃったみたいね」と言っていたが、なぜ分かるんだ〜〜!?
 
どうも西宮ネオンの系統の子は少数で、大崎志乃舞の系統の子が多いようだ。川崎ゆりこは「やはり男の娘寮になった」などと言って嬉しそうにしていた!
 
上田兄弟など、退寮までに姉妹になっていないか不安である。
 
川崎ゆりこは、男子のメンバーたちに「君たち女子のユニフォーム着てもいいからね」と言って女子用のユニフォームを配っていた!ついでにセシールとフェリシモのカタログまで置いていた!
 
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更に上田兄弟のお母さんなどコスモスに「性転換手術は高校卒業までに受けさせたらいいですかね?」などと聞いていた!
 

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『ヒカルの碁』の撮影は8月20日のお昼過ぎにほぼ終了した。あと数シーン残ってはいるが、後日追加撮影することにして、これでクランクアップとした。
 
打ち上げ代わりに、出演者・スタッフ全員にケーキと松花堂弁当と飲み物が配られ、解散した。
 
アクアと葉月は、桜木ワルツの運転するアクアにアクアMと葉月M、和城理紗の運転する別のアクアにアクアFと葉月Fが乗って、代々木のマンションに帰宅した。
 
「葉月ちゃん、いつ用賀のマンションに移るの?」
「23日のイベントまではとても時間が無いから、29日か30日くらいに引っ越そうかと思ってます。それまでこちらに居ていいですか?」
 
「もちろんもちろん」
「葉月ちゃんたちが居なくなると寂しくなるなあ」
 
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「取り敢えず4人のお誕生会をしようよ」
と桜木ワルツが言う。
 
「お料理作っておいたよ」
と言って、和城理紗が、鶏の唐揚げとか、一口カツ、海老フライ、など、また酢豚・エビチリ・青椒肉絲に、春巻き・焼売なども出してきて、レンジでチンしては、各自の前のトレイに置かれた容器に盛り付けていく。
 
「大皿は禁止だから、こういうのも大変」
「ああ、手間がかかりますよね」
 

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丸テーブルに椅子を7個出している。アクアM・アクアF、葉月M・葉月F、ワルツ、理紗だが、アクアMとアクアFの間の椅子には“アクア人形”か乗せられている。アクアNの分である。(正七角形の頂点の位置に椅子を置くと、真正面に対面する子が出ない)
 
小さめのラウンドケーキを3つ出してくる。ワルツが各々を2等分して、その内4つにロウソクを立てる。火をつけて、2人のアクアと2人の葉月の前に置く。あとひとつのケーキを半分に切ったものは、ワルツと理紗の前に置いた。こちらにはロウソクは立てない。
 
「じゃ各々自分の前にあるケーキのロウソクを消してね」
と言って部屋の灯りを消す。
 
「Happy Birthday!!」
 
パチパチと拍手。
 
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灯りを点けてから、アクアFとアクアMが各々の前にあるケーキの3分の1をカットして、アクア人形の椅子の前に置いた。これでMFNの3人で3等分したことになる。
 
「Nの分はどうするの?」
「あとでMが食べるよ」
「頑張る」
 

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それでスプライトで乾杯して食べ始める。
 
「来年も4人で祝おうよ」
とアクアMが言うが
「まあ2人か3人かも知れないけどね」
とアクアFは言う。
「6人か8人になってたりして」
と葉月Fが言うと
 
「それもあり得ることはあり得るよなあ」
とアクアMは言った。
 

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30分くらい食事しながら歓談していた所にピンポンが鳴る。
 
「こんにちは。水森ですけど、1803号室のクリーニングが終わったので、鍵を渡そうと思いまして」
 
「あ、はいはい」
と言ってアクアFが玄関に出た。
 
「鍵は5本あります。全部お渡ししますね」
「分かりました」
 
「一応確認してもらえますか?」
「はい、行きます」
 
それでアクアFは受けとった鍵の内1本を除いて居間のテーブルに置き、「ちょっと確認に行ってくる。20-30分で戻ると思うから先に食べててね」と言った。
 
(でも朝まで戻れなくなる!)
 
アクアFが、ゆみと一緒に18階に行く。前回は押し倒されて服を脱がされたなあと、あの夜の記憶が蘇る。まさか今日は大丈夫だよね?今日はズボン穿いてるし、などと考える。
 
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「傷とか無いのを確認してもらえる?後で揉めるとお互い嫌だし」
「じゃしっかり確認しますね」
 
と言って、荷物が全て搬出されて空っぽになったリビングとキッチン、そして各部屋を丁寧に見てまわった。棚なども開けて確認する。和室の畳は新しくなっているし襖はきれいに張り替えてある。これ結構お金が掛かったんじゃないかなあなどと思いながら見て廻った。
 
「大丈夫みたいですね」
「あと1部屋あるよ」
と言って一番奥の南側の部屋に行く。ゆみがドアを開けて身体をずらすので、龍虎は何気なく、そのまま部屋に入った。
 
「あれ?ベッドがまだありますよ」
と龍虎は言ったが
 
「じゃね」
と言って、ゆみはその部屋のドアを閉めて、向こうに行ってしまう。
 
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「え!?」
と戸惑うような声をあげた時、部屋の中から声がした。
 

「龍、お誕生日おめでとう」
とベッドの中から“彩佳”の声がした。
 
龍虎は思った。やはり、女の人の部屋に安易にひとりで入るものではない。ワルツさんか葉月に付いてきてもらえば良かった、と。
 

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「アヤ、なんでここに居るの?」
「だって龍にお誕生日プレゼントあげようと思って」
 
「誕生日プレゼントって?」
「わ・た・し」
「えっと・・・」
「今日は逃げないでよね」
 
龍虎Fは思った。こないだケイナさん言ってたじゃん。あんまりこの子を拒否してたら、思い詰めておかしくなっちゃうよって(**) ボクたちも19歳だもん。デビューの頃みたいな中学生ではない。ただ自分の立場としてまだ結婚できないし、交際したとしても人に知られてはならないのは重々承知である。
 
(**)言われたのはアクアMだが、2人は“長期記憶”を共有するので、Fもその内容を記憶している。
 

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「私のこと好き?嫌い?」
「シャワー浴びてきていい?」
「いいよ。バスタオルとお風呂セット、私のを置いてるから、良かったら使ってね」
「分かった」
 
つまり、彩佳はシャワーを浴びてきて、きっと裸でベッドに入っているのだろう。
 
龍虎Fはシャワールームに行く。彩佳の服が畳んで置かれている。自分も服を脱いでシャワーを浴びた。ここはMと交替すべきところかも知れない。でもMはきっと逃げる。それではここまでした彩佳が可哀想すぎる。ボクも恋愛とかよく分からないけど、彩佳の気持ちには応えるべきだ。
 
あの付近もよくよく洗う。
 
そして彩佳の残したバスタオル(少ししけっている−やはり彩佳が自分の身体を拭くのに使ったのだろう)で自分の身体を拭くと、そのバスタオルを胸から腰にかけて巻き付けた。
 
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そして寝室に戻った。
 

「アヤ、ボクさ、今日はアヤとここで会うなんて思わなかったから、ちんちん自分の部屋に忘れてきちゃって。今、ちんちんが無いんだけど、それでもいい?」
 
「忘れてくるようなものなんだ!」
 
「20歳の誕生日の時は、ちゃんとちんちんも使ってアヤを抱くから(きっと1年後はボクが消えてMが残っているだろうしなどと思う)、今日は“手付金”だけで勘弁してくれない?」
 
「いいよ。じゃ手付金だけもらう」
 

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それで龍虎Fは寝ている彩佳にキスした。
 
彩佳が激しく吸う。口が離せない。
 
それで龍虎Fは彩佳と顔をくっつけたまま、バスタオルを外し、毛布をめくってベッドの中に入った。
 
あ、Mが気付いて抗議してる。でもここで交替できないでしょ?交替したらMがこの子を抱くことになるけど、その勇気無いでしょ?
 
彩佳はもちろん裸である。肌と肌が接触する。
 
「龍、おっぱい大きい!」
「アヤとおっぱい同士くっつけるためだよ」
 
「龍、ほんとにちんちん無い。割れ目ちゃんがある。やっばり取っちゃったの?」
「あるけど、忘れてきただけ」
 
と言って、龍虎Fは先日、鮎川ゆまから聞いたテクニックを思い出しながら、最初に彩佳の敏感な部分を指で優しく刺激した。自分の身体でもよくやっているから、いちばん気持ち良くなる強さと速度は見当が付く。
 
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「気持ちいい!こんな気持ちいいの初めて!でも、ちんちん無くても、ちゃんと私のバージンもらってよね。5年前みたいに肩透かしはもう嫌だよ」
 
「悪いけどバージンもらっちゃうよ。アヤをボクのものにしちゃうよ」
「うん。私は龍のもの。龍は既に私のものだけどね」
 
実は5年前のデビュー直前、彩佳は龍虎のヴァギナ(なぜかあった)に指を入れ「龍のバージンもらっちゃった」と言っている!あの時、彩佳は龍虎の(突然復活した)おちんちんに避妊具まで装着したが、龍虎は「今日はやめようよ」と言って彩佳には入れなかったのである。
 
「でも龍、ちゃんと爪切ってるんだね」
「レスビアンの人に爪伸ばしてる人はいないって、こないだ鮎川ゆま先生が言っていたよ」
「確かにこれはレスビアンかも」
「実際には“ヒカルの碁”の撮影で、指がたくさん映るのに、伸ばしていたら変だから、ちゃんと切っていたんだよ」
「なーんだ」
 
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龍虎Fは彩佳が充分濡れてきた所で彼女の足を大きく広げると同時に膝を立てるように言い、彩佳の敏感な部分と自分の敏感な部分がきれいに合うようにする。こちらもかなり濡れている。
 
「ね、まだ私の質問に答えてない。龍、私のこと好き?嫌い?」
「それに言葉で答えないといけない?」
とアクアFは言って、彩佳に再度キスをした。
 
この日、彩佳は龍虎のものになった。
 
 
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夏の日の想い出・龍たちの讃歌(24)

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