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■夏の日の想い出・龍たちの讃歌(8)

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「じゃ、指輪見せてあげるね」
「はい」
 
それでゆみは奥の部屋から水色のジュエリーケースを持って戻ってきたが、アクアはギョッとした。
 
「ほら、これだよ」
と言って、ゆみはケースを開けて見せてくれた。
 
「あのぉ、なんで裸なんですか?」
「別に気にすることないじゃん。女の子同士だし。アクアちゃんも裸になるといいよ」
 
アクアは逃げ出すべきかどうか悩んだ。
 
ゆみは自分でダイヤの指輪を左手薬指につけてみせた。
 
「きれーい」
 
「アクアちゃんも、きっとあと6−7年したら、誰かがこういう指輪を買ってくれるよ」
 
「そうかな」
 
「アクアちゃんを奥さんにしたいという男性は大量にいるから。あ、男性とは限らないけど」
「私、男女双方から、結婚してほしい、お嫁さんになって欲しいというファンレターが来ます」
 
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「アクアちゃん、男女どちらとも行けるんでしょ?女の子の奥さんになるのもいいかもよ」
 
「私、実は恋愛が分からないんですー」
 
会話しているので何とか冷静さを保てているものの、ゆみのヌードがどうにも気になる。
 

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「そういえば、そんなこと言ってたよね」
 
と言ってゆみは少し沈黙していたが、突然、アクアに襲いかかった!
 
「何するんですかぁ!?」
「アクアちゃんも脱いじゃおうよ」
と言って、ゆみはアクアを組み敷いて服を脱がせてしまう。今日はドレスだったので容易に脱がされてしまった。ブラジャーまで外される。何とかパンティだけは死守した!
 
「ほぉら、アクアちゃんは女の子」
などと、フルヌードのゆみは言っている。
 
「恥ずかしいですー」
「女の子同士恥ずかしがることないじゃん。パンティも脱いだらいいのに」
「勘弁してください」
 
「この胸はシリコンじゃない。女性ホルモンの作用で育ってるね」
と、ゆみはアクアのバストに触りながら言う。
 
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「手術とかはしてないですー。私が手術したのは小学1年生の時の腫瘍の手術だけです」
 
「その時、ちんちんも一緒に取ったんでしょ?そしてその後、腫瘍が再発しないようにするため女性ホルモンを投与してたんだっけ?だから実質女の子として成長している。でもその傷跡、結構目立つよね」
 
そんな噂があるんだっけ?とアクアは思う。
 
「ビキニ写真なんかにこの傷が映ってるから、手術をしている女子から、勇気づけられました、というお頼り、わりともらうんですよ」
 
「うん。アクアがそういう傷跡を堂々と見せていたら、勇気づけられる人多いと思うよ」
とゆみも言っている。
 

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「でもここお引っ越しなさるんでしょ?」
「うん。彼の家は一戸建てなんだよね」
「ああ、そういうのもいいですね」
「ここより広いんだよ。お掃除考えると頭痛くなる」
「あぁ」
 
その時、ゆみは唐突に言った。
 
「ねね、結婚するのにここを売却するんだけどさ、ここアクアちゃんが買い取ってくれたりしない?」
 
「へ?」
「ここ3億円で買ったんだけどさ、この値段のマンション買い取れる人なんてあまり居ないじゃん」
「そうかも」
「といって、不動産屋さんに買い取ってもらうと、1億4千万円かせいぜい7千万程度だと思うのよ」
「ああ、そんなものですか」
「そして別の人に2億5千万くらいで売る」
「なんか凄い儲け」
 
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「不動産屋さんに仲介してもらって誰か買い手を探す手もあるけど、その場合は手数料を恐らく1500万円くらい払わないといけないし、必ずしもいい値段では買ってもらえないと思うのよね」
 
「手数料で1500万円かぁ」
「私がアクアちゃんに直接売れば手数料とか無しで済むし。ここローンとかは使ってないし、もちろん抵当とかも設定されてないから。何ならそれそちらの弁護士さんとかに確認してもらってもいいよ」
 
「えっと・・・」
「アクアちゃんなら2億円でいいよ。分割払いでもいいよ」
 
「ちょっと待ってください」
「年内に結婚するつもりだから、11月くらいまでに売却できないかなあと思っているのよ。もし良かったら検討してみてくれない?」
 
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「でも私、10階にも部屋があるし」
「うん。だからこちらは別荘ということで」
「別荘かぁ」
 

結局アクアはゆみの部屋に2時間ほど滞在して、あれこれ芸能界のことなども話したのだが、AYAのインディーズ時代に醍醐春海が関わっていたという話は初耳でびっくりした。
 
「ある意味では醍醐先生の姉妹弟子になるかもね」
「ああ」
「だからアクアちゃん、私の妹分を名乗ってもいいよ」
「妹?」
「少なくとも弟ではない」
「あはは」
 
「でもボク、きょうだいとか居ないから、なんかそういう感覚もよく分からない」
「だから私と姉妹ということで。お互い裸も見せ合ったしね」
「そうですね」
と言って赤くなったら「可愛い!」と言われた。
 
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結局夜中過ぎに退出したが、アクアはやはり安易に女の人の部屋に行くものではないと、服を着ながら思ったのであった。でもゆみさんから
「姉妹になった記念にこれあげる」
と言われて、ゆみさんとお揃いのイルカのイヤリングをもらった。遠上英美子さんともお揃いらしい。
 
「遠上笑美子さんとの関係がよく分からないんですが」
「あの子は私のお母さんの再婚相手が別の女性との間に作った子供なんだよ」
 
アクアは少し考えた。
 
「つまり血はつながってないんですか!」
「そうなのよ。同じ戸籍に入っているのに」
「へー!」
 
アクアはやはり世の中には自分と同様に複雑な家族関係の人っているんだなと思い、ゆみに親近感を持った。
 
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7月の下旬、醍醐春海さんから電話が掛かってくる。
 
「龍ちゃんさ、1ヶ月くらい、ひょっとしたら2ヶ月くらい、西湖ちゃんと同居してくれたりしない?」
 
「はい?西湖ちゃんなら問題ないですけど、何で?」
 
「今西湖ちゃんが住んでいるアパートを建て替えるのよ」
「へー」
 
「あそこ、すごくいい場所に建っているから、あの子が卒業した後もそのまま住んでもらおうと思ってさ。でも年収が億を超えるタレントが1DKのアパートに住むのも問題があるじゃん。ストーカーとかに狙われた時に最低でもオートロックでないと心配だし」
 
「そうですね」
 
「だからあのアパートをマンションに建て替えることにした」
 
「あそこ、千里さんの所有物件だったんですか?」
「買い取った」
「へー!」
「ついでに隣にあった駐車場も買い取った」
「なるほどー」
「それで合筆してひとつの土地にしてマンションを建てる」
「ああ」
 
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「この地区は建蔽率50% 容積率200%なんだよね。高さ制限は16m。だから6階建てまで建てられる。でも容積率の問題で全体の33%以内の土地に建てる必要があるから隣の土地まで買い取った。ここに地上6階・地下1階のマンションを建てる」
 
「地下の面積は関係無いんですか?」
「全体の3分の1以内なら地下の面積は容積率に算入しなくていい」
「へー!」
 
「両方合わせて24m×25mで600m2の土地だから、ここに9m×20mプラス若干の共用スペースのマンションを建てて、90m2弱の戸を12個設定する。そのひとつに西湖を入居させる。今住んでいる部屋は4m×7mの28m2だから、3倍広くなって楽器とかを置くスペースもできるね。まあ地下を音楽練習室とかにしようと思うから、グランドピアノとかはそこに置いてもいい」
 
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「ああ、それいいですね。あとの11戸は分譲ですか?」
「不動産会社に預けて、分譲でも賃貸でもどちらでもいいかもね」
「あの土地って本来は人が住めない場所という話もありましたけど」
「既に浄化は終わっているよ」
 
(実は京平のコネで伏見の大狐様にリセットしてもらっている)
 
「すごーい!」
「龍ちゃん、愛人を囲うのとかに1戸要るなら安く分譲するけど」
「愛人とかいません!」
「龍ちゃんが囲われるんだっけ?」
 
千里は龍虎とそんなことを言いながら、明日香に取り敢えず入ってもらった経堂のアパートの方はどうしようかなと考えていた。実はあそこはそのままにしておくと、2023年頃に崩壊しそうなのである!(元々違法スレスレの弱い造りになっている)
 
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それで西湖が一時的にアクアの代々木のマンションに同居することになったのである。この客人にはアクアFが喜び
 
「(聖子)Fちゃん、一緒に寝ようね」
などと言っていた。実際、同居期間中は、聖子Fが龍虎Fと同じベッド、西湖Mが龍虎Mと同じベッドで寝ることにした。
 
西湖たちはこのマンションに以前にも来たことはあるのだが、泊まったりしたことは無かったので、あらためてこの部屋を見て
 
「ここ凄く広い」
と感心していた。
 

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昨年制作した映画『ヒカルの碁〜棋聖降臨編』の続編『ヒカルの碁2〜プロ試験編』は制作されることが決定し、7月から作業が始まった。昨年の映画ではヒカルは院生のB組まで上がってプロ試験を迎えることになっていた。
 
A組なら直接本戦に出場できるのだが、B組(10名)の場合は外来予選通過者4名と一緒に14名で総当たりの予選をおこない、上位6名が本戦出場となる。
 
この予選の様子に関しては昨年郷愁村に作った日本棋院のセットで撮影を行う。コロナの折、出演者は(その日出番の無い人も)毎日検温して報告することになっている。またその日の出演者もスタッフも全員医師の診察を受けてから現場に入(い)れるという厳戒態勢で臨んでいる。
 
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8月に入ってから、本戦の撮影が始まるが、これを本来は郷愁村に、囲碁研修センターのセットを建て、そこで撮影する予定だったが、映画制作スタッフはその建築を取りやめた。
 
そして本戦はネット碁方式でおこなうことを決めたのである。これは撮影が長時間になること、ヒカルの対局(13局)だけを撮影すればよかった予選と違って、本戦では上位陣の他の対局も合格者決定に関わりが出てくるため、撮影対局数が多くなることから、“三密”の発生が回避困難であるとして、ネット碁対局ということにしたのである。
 
この結果、ヒカルは毎日自宅のパソコンから対局に参加することになったし、今回のストーリーでの重要人物、椿俊郎も会社を辞めずに毎日ネットで他の受験者と対戦できることになった。
 
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そもそもヒカルの碁が少年ジャンプで連載されていた当時と違って、現在なら普通の家庭に、普通にネットにつながるパソコンくらいあっても普通だし、プロ試験参加者にそれを条件として求めてもそう負荷ではない。
 
ネット碁の対局システムは、昨年のsaiのネット碁100人斬りの撮影に協力をしてくれたネット碁サーバーを運営している会社に協力を求め、この撮影のためのサブシステムを設置してもらった。
 

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試験の途中の箸休めエピソードとして、奈瀬明日美(演:今井葉月)が、男の子にデートに誘われ付いて行くも、彼から「君が囲碁を打っている所を見てみたい」などと言われて碁会所に行き、そこで熟練の囲碁師を鮮やかにねじ伏せ
「私の格好いい所、見てもらえたかな?」
と振り向くと、彼氏の方は、ビビって逃げて行くところだったというストーリーが挿入されている。
 
強面の囲碁師を演じたのは、実際に囲碁二段の免状を持っている獄楽(サウザンズ)であるが、この対局は
「一度マジに勝負してみよう」
と監督が言って本当に両者マジの対局をしたら葉月の圧勝だったので、そのままマジの対局が映画に残ることになった。
 
「強ぇ〜、あんた五段か六段くらいの実力あると思うよ」
と獄楽は言っていた。
 
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「葉月ちゃん、石の持ち方、打ち方もうまくなったね」
と中村監督が感心していた。
 
「はい、頑張りました」
と葉月も褒められて嬉しそうだった。
 
葉月は「お千代さんに稲荷寿司買って帰ろう」と思った。西湖のアバートに置かれていた“鏡”は現在アクアのマンションのNの部屋に置かせてもらっている。
 
 
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夏の日の想い出・龍たちの讃歌(8)

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