広告:ストップ!!ひばりくん!コンプリート・エディション2
[携帯Top] [文字サイズ]

■夏の日の想い出・龍たちの讃歌(21)

[*前p 0目次 8時間索引 #次p]
1  2  3  4  5  6  7  8  9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 
前頁 次頁 時間索引目次

↓ ↑ Bottom Top

(C)Eriko Kawaguchi 2020-10-03
 
「ちょっと一緒に来て」
と言われて、彼はいつものように可愛いスカートを穿いて一緒に出かけた。
 
付き人さんの車で新宿まで送ってもらう。バスや電車は使わないように通達されており、代わりに数人の付き人さんたちを自由にプライベートな移動手段にも使ってよいことになっている。
 
ビルの中に入っていく。**病院と書かれている。
 
「ここで何するの?」
「去勢手術」
「・・・・」
「受けたくない?」
「どうしよう?」
「迷うなら受けた方がいい」
「そうなの〜!?」
 
普通は“迷うならやめろ”って言わない?
 
彼も少し考えたものの、去勢しちゃってもいいかなという気がした。
 
「じゃボク手術受ける」
「よしよし」
 
↓ ↑ Bottom Top


それで受付で体温計と問診票をもらい、体温を計りながら問診票に記入した。問診票最後の「生殖能力を永久に喪失することを含む別紙の副作用の発生を了承して睾丸を除去する」という所にチェックマークを付けると心臓がドキドキした。別紙には陰茎が高確率で勃起しなくなること、ホルモンバランスが崩れて様々な症状が出る可能性があることなどが明記されている。でもいいよね?そもそも既にあれは立たないし。
 
最後に署名する。
 
「睾丸を取る前に精液を採取して冷凍保存できますが。最初の1年間は保管料サービスです」
「冷凍保存、お願いします」
と言うとガラスの容器を渡されたので、彼は指示された採精室に入った。
 
女の人の裸が表紙になっている本とか、男の人!の裸が表紙になっている本まで並んでいる。こないだ出た、アクアさんの水着写真集まである!アクアさんって、やはり性転換してるのかなあ。
 
↓ ↑ Bottom Top

ベッドに横になるとスカートをめくりパンティを下げる。指で押さえて回転運動をかける。できるかな?と不安だったが、これがもう最後だと思うと、珍しく昂揚して何とか出すことができた。先端に容器を接触させ、流れ出てきたものを受け止める。
 
でもこれ“中身”入ってるかな?と不安になる。
 

↓ ↑ Bottom Top

お医者さんは顕微鏡で見て確認していたが
「精子はありますよ。濃度が低いし運動性も悪いけど、顕微鏡受精ならできる可能性あります。保証はできませんが」
と言っていた。
 
いったん病室に入り、女性の看護師さんに剃毛された。それで手術室に運ばれていく。姉も手術室の前まで付いてきてくれる。手術台に乗せられ足を曲げるように言われる。部分麻酔を打たれる。
 
「本当に取っていいですか?取ったら戻せませんよ」
と最後の確認をされる。
 
「お願いします」
と彼は自分の意志で医師に答えた。それで手術が始まった。
 
「右の睾丸を取り出しました。切断します」
「お願いします」
「左の睾丸も取り出しました。切断します。これを切ると永久に子供が作れなくなります」
「切ってください」
「切りました」
 
↓ ↑ Bottom Top

ボク、男の子辞めちゃった!
 
「縫合完了。手術が終わりましたよ」
と言われた時、自分が解放されたような、とても楽な気持ちになった。
 
「ついでにちんちんも切ります?」
と言われてドキッとする。
 
切りたーい!
 
そもそもこれまで、何度切ろうとしただろう。
 
でも・・・
 
「済みません。そこまでは今日は心の準備が!」
「だったらまた今度ね」
「はい!」
 

↓ ↑ Bottom Top

その年の7月、音楽雑誌が「歌姫2020」という読者投票を実施した。人気よりもとにかく歌が上手い人を選ぶという投票である。雑誌に投票券(QRコード)が封入されており、そのQRコードでスマホから投票するというものであった。
 
通常のネット投票ならIPアドレスを変え、クッキーを消去して、別人を装い1人で何百票と投票する人が出るのでその結果は当てにならない。しかし雑誌の投票券を使う場合は、雑誌自体をたくさん買われる可能性はあるものの、ネット投票よりは操作しにくい。
 
それでその結果が8月中旬に発売された号に掲載されたのだが、こういう結果であった。括弧内は“生年度”。
 
1.松原珠妃(1987) 2.松浦紗雪(1982) 3.ケイ@ローズ+リリー(1991) 4.絹川和泉@KARION(1991) 5.山森水絵(1999) 6.アクア(2001) 7.花山波歌@三つ葉(2001) 8.フェイ@Rainbow Flute Bands(1994) 9.マリナ@ローザ+リリン(1985) 10.小野寺イルザ(1993)
 
↓ ↑ Bottom Top

ローザ+リリンのマリナがランクインしている。やはり先日の『ウォータードラゴン』の高評価が反映されているのだろう。
 
また、三つ葉でメインボーカルで、高校生や大学生男子に人気が高い八島(やまと)ではなく本当に歌がうまい波歌(しれん)が選出されている。シングルのタイトル曲では八島がメインを取っているものの、昨年夏以降に出たCDのカップリング曲では波歌や優羽(ことり)がメインを取っている。3曲入りCDなら1人ずつメインを取っている。
 
こういう方針は実は昨年の★★レコードの大激震で三つ葉を担当していた日吉室長がMSMに転出し、その後任となった明智光代主任(**)の意見からそう変更されたものである。そしてこの“新体制”の下で今年春に出た『四季の栞』のカップリング曲『愛の誓い』での波歌の歌唱はひじょうに高く評価された。恐らく今回のランキングはその影響が出ている。
 
↓ ↑ Bottom Top

(**)係長だったが、アーティスト大量流出の責任を取って本人が自主的に降格を申し出、現在は主任。但し実際には係長と同等の予算執行権が与えられている。
 

↓ ↑ Bottom Top

ちなみにこの雑誌の前身となった雑誌が2013年6月に行ったランキングはこのようであった。
 
1.松浦紗雪(1982) 2.保坂早穂(1978) 3.松原珠妃(1987) 4.芹菜リセ(1980) 5.しまうらら(1966) 6.篠田その歌(1984) 7.絹川和泉(1991) 8.ケイ(1991) 9.Elise(1984) 10.百瀬みゆき(1987)
 
7年前にも入っていたのは、松浦紗雪、松原珠妃、私、和泉、の4人で、この7年間にかなり様変わりしていることが分かる。
 

↓ ↑ Bottom Top

しかし!!
 
今回のランキングで騒然となったのがこの“歌姫”ランキングにアクアが入っていたことである。6位というのはかなりの票を集めている。
 
「とうとうアクアが女子認定された!」
とネットでは騒然となる。
 
この件に付いて「アクアは男性歌手では?という問合せが多数あったので」と述べて編集長名で見解が出た。
 
「歌姫(diva)の定義が難しいのですが、当社では「ある程度の知名度があり、歌唱力が充分に高い“女声ボーカル”」という定義が最もふさわしいのではと考えました。するとアクアさんはソプラノ歌手であり、間違いなく女声ボーカルです。そもそも各々の被選者の法的な性別や肉体的な性別を確認する方法も存在しませんので、女声ボーカルであれば選考対象としてもよいのではないかということになり、そのままランクインさせました」
 
↓ ↑ Bottom Top

そういう訳で、アクアは“歌姫”であると認定されてしまった!
 
確かに肉体的性別を確認する方法は無いよね!?
 

↓ ↑ Bottom Top

ランキングといえば、10代の男子向けファッション雑誌が“お嫁さんにしたいタレント”ランキングというのも実施した。これはネット投票なので信頼度が低いのだが、こういう結果になった。
 
1.アクア(2001) 2.雪丘八島@三つ葉(2001) 3.宮村尚子@ファレノプシス(2001) 4.奏和@ボニアートアサド(2000) 5.鈴鹿@鈴鹿美里(1998) 6.いとは@トラインバブル(2001) 7.ビンゴ・アキ(2004) 8.本坂愛菜@ホワイト▽キャッツ(2005) 9.奥奈@UFO(2006) 10.ミント@スパイスミッション(2006)
 
アクアが2位以下に大差をつけてトップであった。
 
「“お嫁さんにしたいタレント”と書かれていて“お嫁さんにしたい女性タレント”とは書かれてないし」
「いや、アクアは“女性タレント”でよいと思う」
などといった会話が交わされていた。
 
↓ ↑ Bottom Top

ちなみに鈴鹿美里の鈴鹿がランクインしたことについて本人は
「なんで美里じゃなくてボクなんだろう?」
などと美里の前で呟いたが、美里は
「性別を変更したのは私の方だと思ってる人多いからね〜」
と言って笑っていた。
 
ちなみに本坂愛菜も実は男の娘だが、情報統制がしっかりしていて、ほとんど彼女の性別は知られていない。彼女は既に睾丸は除去しているが、まだ性転換手術は受けていない。しかしセーラー服を着て女子中学生をしている。
 

↓ ↑ Bottom Top

6月に結婚したXANFUSの音羽と光帆だが
 
「妊娠しました!予定日は3月です」
というFAXを報道各社に送った。
 
これだけではさっぱり分からないので、記者会見を開いて欲しいという要請があり、2人はネットで記者会見を開いた。
 
「妊娠なさったのはどちらでしょうか?」
という質問に音羽も光帆も
「私です」
と同時に答えた。
 
「おふたりとも妊娠したんですか?」
「そうです」
「予定日はふたりとも同じです」
「私たち、元々生理周期が連動していたので」
 
生理は“移る”ので、女性が複数一緒に生活していると、その周期が合ってしまうのはよくあることである。家族や、ルームシェアしている人同士で、しばしば見られる現象である。実は私とマリの生理周期もほぼ一致している。
 
↓ ↑ Bottom Top

「父親はどなたでしょうか?」
「お互い相手の子供を胎児認知しようとしたのですが、女ではダメと拒否されました。男女差別ですね」
 
いや、それはさすがに男女差別ではない。
 
「実際はどなたなのでしょう?」
「光帆に中出しされた後で妊娠したから光帆の子供だと思うんですけど」
と音羽。
「音羽に生で出された後で妊娠したから音羽の子供だと思うんですけど」
と光帆。
 
「あのぉ、おふたりとも男性器を持っていたのでしょうか?」
「光帆は時々あるみたいですね」
「音羽もたまにあるみたいですね」
 
といった感じの質疑に終始し、結局、記者たちは2人とも妊娠していること、母子手帳はもらったこと、そして3月に2人とも出産予定であること以外には何の情報も引き出せなかった!
 
↓ ↑ Bottom Top

なお、どっちみちコロナの折りライブなどできないので、音楽制作活動自体は出産前後以外は休まない方針だということであった。
 

↓ ↑ Bottom Top

2020年8月12日(水).
 
ローズクォーツは、7枚目のオリジナル・アルバム『String Quartz』を発売した。特に発売記者会見のようなものは無いが、タカ・サト・マリナの3人で、アルバム内の曲を流しながら、このアルバムのコンセプトや制作中のできごとなどを語る動画を、動画配信サイトにアップロードした。
 
この制作は先月完了しており、ローズクォーツは続けてRose Quarts Playsシリーズの制作に入っていた。テーマは『Rose Quarts Plays Love Song』である。
 

↓ ↑ Bottom Top

2011年12月に、私とローズクォーツの面々(当時はマキ・タカ・サトの3人)がやよい軒でお昼を食べていた時、「ローズクォーツってレパートリーが広いから、様々なジャンルの曲を演奏してシリーズで出していかないか」という話が出て来た。その時、たまたま近くでお昼を食べていた太田恭史さんが寄ってきて、
「だったらこういうアルバムを作ろう」
と言って、一緒に様々なジャンルのものを書き出してみた。
 
(太田さんはこれがきっかけで、なしくずし的にローズクォーツのメンバーになってしまう(正式加入は1年後)。当時キーボードはサトが弾いたり私が弾いたりしていたが、彼の加入で全ての曲にキーボードを入れることができるようになった)
 
↓ ↑ Bottom Top

当時書きだしたジャンルは↓である。
 
Rock →RQP1
Jazz →RQP2
Minyo →RQP5
Classic →RQP4
Latin →RQP3
Pops →RQP14
Sakura →RQP8
Summer →RQP10
Autumn →RQP12
Anime Song →RQP11
Christmas →RQP13
Love Song
 
しかし、そのほとんどをこれまでに実際にリリースした。時系列で書くと
 
2012.02 RQP1 Rock
2012.05 RQP2 Jazz
2012.07 RQP3 Latin
2012.10 RQP4 Classic
2012.12 RQP5 Minyo
2013.03 RQP6 Girls Sound★
2013.06 RQP7 Easy Listening★
2014.03 RQP8 Sakura
2014.07 RQP9 Sex Change−性転換ノススメ★
2015.07 RQP10 Summer
2016.08 RQP11 Anime Song
2017.09 RQP12 Autumn
2018.11 RQP13 Christmas
2020.01 RQP9r Sex Change Reboot −女になりました ★
2020.04 RQP14 Pops
 
↓ ↑ Bottom Top

★を付けたものが当初のリストには無かったものである。RQP9については今年リブート版を出している。
 
Girls Sound については、元々 Rose Quarts Plays GS という企画を進めていた。たまたま居合わせた雨宮先生が「GSっ何?」と訊くのでグループサウンズですと答えたら「そんなの買ってくれるのは浦中部長みたいなお年寄りだけだよ」と雨宮先生は言い「GSなら Girls Soundsだね」と言って強引に企画を変更させたのである。プロデュースもしてくれたが、雨宮先生は
 
「女の子の気持ちになって演奏しなきゃ」
と言って、制作中、メンバーに女装するように言った。それで身長190cmで筋骨逞しいサトは女装でスタジオに向かっていて警官から職務質問されるハメになる!
 
↓ ↑ Bottom Top


そういう訳で、当初リストアップしたものの中で残りは "Love Song" のみになっていたのである。
 
それで『Rose Quarts Plays Love Song』は区切りのアルバムとなるものであり、一応これでPlaysシリーズは完結だが、状況次第では来年以降もこの系列の作品を出す可能性はある。2011年時点で候補にはあがったものの最終ラインナップには入れなかった、フォークとか童謡唱歌はあり得るし、ロシア民謡歌謡、アイドル、デュエット曲、バラード、ゲーム音楽なども可能性はあると思う。
 

↓ ↑ Bottom Top

↓ ↑ Bottom Top

前頁 次頁 時間索引目次

[*前p 0目次 8時間索引 #次p]
1  2  3  4  5  6  7  8  9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 
夏の日の想い出・龍たちの讃歌(21)

広告:放浪息子(5)-BEAM-COMIX-志村貴子