広告:オトコの娘コミックアンソロジー-~小悪魔編~ (ミリオンコミックス88)
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■夏の日の想い出・龍たちの讃歌(23)

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この日の撮影はここまでであった。ヒカルを演じるアクア、伊角を演じる計山卓さん(伊角の設定は18歳だが、計山さんの実年齢は25歳)の心理描写を表す独白が続く場面である。撮影自体は無言でおこなわるのだが、各々別室でアフレコする。アクアは朗読もうまいのですんなり行ったが、計山さんはかなりNGを出して「すみません」とみんなに謝っていた。
 
予定より1時間遅れて19時、今日の撮影を終了する。
 
監督は言った。
「今日の佐為はすごく格好良かったね」
脚本家さんも
「うん。ボクも感じた。今日の佐為は男らしい」
 
それは実はアクアも感じたので、今日の城崎さんはノリがいいなあ。まるで性転換でもしたみたい、などと思っていた。
 
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この後、ラストに向けて集中撮影が続くので明日は休養日とすることが宣言された。
 
「三密になるような場所には行かないでください」
 
という注意だけされた。
 
城崎綾香は夫の丸山アイと連絡を取り、デートすることにした。アイが昨年もデートに使ったフェラーリJ50を綾香が撮影のために泊まり込んでいるコテージ型ホテル“桜”の横につけた。可愛くメイクアップした綾香が出て来て、フェラーリに乗りこむ。2人は軽くドライブデートすることにした。
 
関越道に乗り新潟方面に走る。おしゃべりしながら、北関東道・東北道・圏央道とループして東名に出る。休憩中にお互いのおっぱいを揉んだりはするものの、さすがにセックスまではしない。この車はドライブには良いが、セックスするには不適だ。左右の座席が独立型なので、横になることができない!それに何といっても目立ち過ぎる!実際PAとかに駐めている最中にもたくさん人が寄ってきていた。
 
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東京ICから首都高に入り、結局ふたりのマンションに付けた。
 
「あれ〜、食べるものが無い」
と綾香は冷蔵庫を覗いて言う。
 
「ごめーん。ボクもしばらく作曲に集中してたから食べ尽くしちゃった」
とアイ。
 
「いいよ、いいよ。私コンビニで何か買ってくるね。何か食べたいものある?」
「そうだなあ。カツサンドとか」
「OKOK。じゃ行ってくる」
と言って、綾香はマスクと布手袋をして出かけた。
 

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コンビニでアイからリクエストされたカツサンドをはじめ、自分が食べたかった牛丼(なぜか入る気がして大盛り)、それにパンやカップ麺を適当に。ポテチやチョコなども買う。それにコーラとスプライト、早紀は飲むかなあと思って恵比寿ビール350mlを2缶。そしてペットボトルの2Lのお茶を2本。
 
重い!
 
えーん、早紀(アイ)と一緒に来れば良かったと思う。
 
買ったものをエコバッグに入れてもらい、ファミペイで支払う。
 
本当に重いなあ。でも何でだろう。今日はわりと力が出る気がする。
 
それでマンションに戻る。
 
「重かったぁ」
「ごめん。ごめん。ボクも一緒に行けばよかったね」
 
それで腹ごしらえする。
 
「よく牛丼大盛りとか入るね」
「うん。なんかお腹空いて」
 
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ビールは結局1缶ずつ開けた。綾香がビールを一気飲みしたので、アイが
「今日の雅希(綾香)は男らしい」
などと言うと
「今日はまるでちんちんでもあるみたいだよ」
と本人まで言っている。
 
それでお茶なども飲んでから、一戦交えようとする。お互い愛撫しながら服を脱がせて行く。アイが綾香の敏感な所を刺激しようとしたら・・・・
 
「何これ?」
「あれ〜〜〜!?ホントにちんちんがある」
「いつ生えたの?」
「分からない。そういえばさっき厚木でトイレ行った時、なんかおしっこの出方に違和感があった」
「いつからその違和感あったの〜〜?」
「うーん。いつからだろう。朝は女の子だったと思うけどなあ(自信無いけど)」
 
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「これじゃセックスできないじゃん」
とアイが文句を言っている。
 

「じゃ早紀、女の子になってよ。私久しぶりに男役したい」
「いいけど」
「その後、私を女に戻して、早紀が男になれるよね?」
「できるけど」
「じゃそれで」
 
アイが自分の身体を女に変える。
 
「可愛い!早紀好きだよ」
「待った。コンちゃんつけてよ」
「結婚したんだから、いいじゃん」
「そんなあ」
 
それでふたりは生でしてしまったのである。
 
「交替交替」
「OKOK」
 
それでアイは綾香を女に戻し、自分は男に変えて、第2戦に入る。
 
「待って。生なの?」
「さっきの仕返し」
「え〜〜!?」
 
それでアイ(早紀)も生で綾香(雅希)に入れたのである。
 
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「結構気持ち良かったね」
「少し寝ようよ。早紀、女に戻ってよ」
「うん」
 
それで2人は女同士になり、お互いの女性器を相互に指で刺激しあいながら、いつしか眠りに落ちていく。アイは夢うつつに思っていた。
 
ここの所、同性(?)カップルの結婚が続いたけど、パターンが全部違うよな。
 
・ケイナとマリナは元男同士のカップル(但し、ケイナ♂マリナ♂→ケイナ♀マリナ♂→ケイナ♀マリナ♀→ケイナ♂マリナ♀と変化して婚姻届提出。性別を変更したのは、夢魔→ボク→千里ちゃん。その後、青葉ちゃんがロックを掛けた)
 
・音羽と光帆は元々女同士の結婚
 
・そしてボクたちは性別が無い者同士の結婚かも!?
 
あ、そうだ!雅希(綾香)にはロック掛けてなかったから、きっと何かの拍子にフラッシュバックして男に戻っちゃったんだ。バストはあるのに下だけ男とか、混線してたし。ちゃんとロック掛けるべきかなあ、でもロックしたら性転換させたい時に外すの面倒くさいなあ、などと考えている内に眠いので明日でいいやと思った。
 
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そして翌朝にはロックのことはきれいさっぱり忘れていた!
 
(アイも千里ほどではないが物忘れの天才である。200年?も生きていると全てのことは覚えていられない)
 

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私はアニメ制作会社から『龍たちの讃歌』のビデオができあがってきたので、自分で見て内容を確認した上で、千里3に連絡した。川崎の練習場から浦和の自宅に帰る途中に寄るということだったので、作曲作業をしながら待っていたら夕方やってきた。
 
「リーグは開催できそう?」
「今のところ9月19日開始の予定」
「良かったね」
 
「フィジカルディスタンスを確保して入場者数を減らす。勝手な席移動禁止。マスク着用義務。ゲートで検温。声を出しての応援禁止。肩を組んだりしての応援禁止。コンコースの回遊禁止。サインや選手との握手禁止。万一感染者が出た場合の濃厚接触者チェックのため、半券は試合後2週間保管しておいてもらう」
 
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「たいへんそうだ」
 
それで出来上がったビデオを見せる。
 
「きれいに出来たねぇ」
と言って見ていたのだが、何だか首をひねっている。
 
「何か変なところあった?」
「いや、青龍が女の子になってるなと思って」
「青龍は後藤節子さんが女性だったから、それに合わせて女性の龍として描いたんだけど」
と私が言うと、千里は頭を抱えている。
 
「何か変だった?」
「そうか。冬にも女に見えたか」
「え!?後藤さんって女性じゃないの?」
 

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「5年前にさぁ。私大学院卒業した後は、バスケと作曲の専業になるつもりで、就職とかするつもり無かったから、何も就活とかしてなかったのよね」
 
「うん。あれびっくりした。なんで会社勤めとかするんだろうと思った」
 
「どうも変な運命の輪に巻き込まれてしまったみたいで。私、プログラムとか組めないのに、ソフトハウスに就職するハメになって」
 
「それも不思議だった」
 
「で、私にはプログラム無理だからさあ、後藤さんがプログラム経験長いから彼に私の代わりにJソフトに勤めてもらうことにしたんだよ」
 
「彼?」
 
「彼もそれはいいよと言ってくれたんだけど、私の代理するんだから、ちゃんと女装してよねと言って」
 
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「女装!?」
 
「最初の頃は『女装なんて嫌だぁ。女子トイレなんて恥ずかしくて入れない』とか言ってたけどね。それ以来5年間女装しているから、女装が板について、もう違和感が全く無くなってしまったね」
 
「後藤さんって、男性なの〜〜〜?」
 
「ちなみに性転換手術してもいいよと言ったけど、嫌だと言った」
 
「どうしよう。女性とばかり思い込んで、そういう造形しちゃった」
「まあいいんじゃない?青龍にも男の龍、女の龍いるし。男の娘・龍ということで」
「えーん。ごめーん」
 
むろん今更変更はできないので、このまま発売するしかない!
 

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2020年8月19日。
 
千里がこれまで葉月が住んでいたアパートの場所に建てていたマンションが竣工した。千里は1〜3階の全室の鍵と1-3F用マスターキーを、受け取りに出て来たコスモスに渡した。
 
桜新町(正確にはその南側の深沢町)に建設予定の男子寮が完成するまて、ここが仮の男子寮になる。寮生は2-3Fの1K(一部1DK)の部屋に住み、1階を管理用として使用する。101=管理人住居 102=調理室、109=キュアルーム(後述)。
 
なお、2-3Fの部屋の入口ドアだが“液晶シャッター・ドア”が設置されている。
 
実はコロナ対策で、朝晩の食事の配送は“置き配”方式にして、基本的に、配る人と住む人が直接接触しないようにすることにしたのだが、それを千里に話したら
 
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「だったら接触しなくてもコミュニケーションはできるようにするよ」
 
と言って、2-3階の部屋のドアは、普段は不透明なのだが、部屋の内側のボタンを押して通電すると液晶素子が回転して透明になり、お互いの姿を見ることができるようにしたのである。
 
都会に出て来た子たちは1人暮らしで不安だろうから、毎日食事の配送・食器回収の時だけでも同じ人と接触していたら、随分気持ちが安定するだろうというのが千里のアイデアだった。
 

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この寮の、朝夕の御飯の配達係については、西湖の推薦で彼の知り合いの女子2名が担当してくれることになった。ユキさん、ツキさんという(たぶん)双子の姉妹である。西湖が先輩と言っていたので、あるいはS学園の先輩なのだろうか。年齢は20歳前後に見えた(西湖は220歳と言っていたが、さすがにジョークだろう)が、ふたりとも学校等には行っておらず、ロッテリアのバイトなどをしていたと西湖は言っていた。
 
ユキちゃんとツキちゃんはそっくりなので、最初寮生たちは同じ子が朝夕宅配してくれていると思い込んでいたようだ。しかし別人だと分かると、寮生間で「ユキちゃんとツキちゃんの見分け方」が議論された!
 
どっちにせよ、ユキちゃんとツキちゃん、そして寮母になった門脇純江のお手伝いで、しばしば顔を見せる真悠の“妹”で女子中生の瀬那は、男子寮生たちのアイドルとなるのである!
 
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1階の東側109号室は“キュア・ルーム”であり、看護師の資格を持っている、海老原さんという30代の女性(大学の看護科を出てから、内科に10年、外科に12年勤めたという話:年齢の計算が合わない気がする)に日中は常駐してもらうことにしているし、1日おきの夕方には、カウンセラーをお願いした上野さんが来訪して男子寮生たちの心の相談にのる部屋でもある。海老原さんと上野さんは、ほぼすれ違いになるが、たまに両者在室していることもある。
 
(再掲1F部分)

 
ここは食事宅配係のユキちゃん・ツキちゃんも控室として使用する。2人は主として↑の図のラウンジに居る。
 
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信濃町ガールズに入るような男子には、あまり男性ホルモンの強い子は居ないので大丈夫とは思うのだが、万一クライアントが“欲情”した場合も海老原さんや上野さん1人ではなく、ユキちゃんかツキちゃんがいれば安心である。
 
他に、寮生たちの荷物の受け取り・保管などもフロントで、主としてユキちゃん・ツキちゃんがしてくれることになっている。実はこのキュアルームのラウンジからも、管理人住居のリビングからも、フロントのカウンター内側にアクセスできる。
 
またここには音楽理論の本や楽譜類、CDなども多少置くようにして、それを寮生たちに貸し出すことにもしている。
 
なお、ユキちゃん・ツキちゃんは、すぐ近くに住んでいると聞いた。
 
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この日は、千里が播磨工務店の人と一緒にコスモスと私を案内してくれて、私たちは色々説明を聞いていたのだが、一通り見て回ってから、コスモスはおもむろに言った。
 
「ねぇ、ケイちゃん」
「何?」
「桜新町の建設はやめて、ここをそのまま男子寮にしない?」
「え〜〜!?」
 
「だって今引っ越して、また半年後に引っ越しとか面倒くさいじゃん」
とコスモスが言うと
 
「あ、それは感じました」
と私たちに付いて廻っていた、篠原倉光も言った。
 
「だって、なんか理想的な部屋構成なんだもん。ここは向こうの土地の倍の広さがあるし。駅までの距離も向こうは不動産屋さんの掲示で8分、実際には12分かかる。ここは用賀駅まで本当に6分で行ける」
 
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実は交通の便を確認するため、駅前でおろしてもらい、歩いてここに来ている。
 
「でも部屋数は10しかないよ」
「これ以上男の子ガールズが増えるのも問題あるし。まあ何人か適当に見繕って性転換させて女子寮に移動させる手はあるけど」
などとコスモスが大胆なことを言うと
 
「ボク性転換しなくてもいいですよね?」
と篠原君が不安そうに言っている。
 
「君の性的傾向は理解しているよ。君くらいだな。間違い無く西宮ネオン路線なのは」
とコスモスは言っている。
 

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「まあ性転換してと言ったら喜んで手術室に行きそうな子が多いよね」
と私も言う。
 
「場合によっては4Fも借りてもいいんじゃない?」
とコスモスが言うと、千里は
 
「なんなら1Fから5Fまで全部貸そうか」
と言う。
 
「いっそそれがいいかもね。6Fも性別のかなり怪しい今井葉月が入るし。6Fのもうひとりの入居者というのはどういう方ですか?」
 
「青葉の友人で、東京で就職した女の子なんですよ」
「天然女子?」
「生まれながらの女子です」
「でも大宮万葉先生のお友達なら、身内ってことでいいよね?」
「いいと思いますよ」
 
「じゃ西湖専用練習室を除いた地下から5階まで、月200万とかで貸してもらえません?」
「じゃその金額で」
 
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夏の日の想い出・龍たちの讃歌(23)

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