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■夏の日の想い出・龍たちの讃歌(6)

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アクアは少し考えた。
 
「だったら撮影だけして出版しないとかは?撮影費用は私が個人的に出します」
 
コスモスは考えた。
 
「そこまで18歳のヌード写真を残したいなら、こうしようか。ある程度名前が通っていて、口の硬い写真家に頼んで、まずヌード写真を撮ってもらう」
 
「はい」
 
「その後、同じ配置・同じポーズで水着写真も撮ってもらう」
「ああ」
「そして水着写真集のみ発売する。ヌード写真は私と龍ちゃんだけがデータを保管する。写真家さんの手元からも消してもらう」
 
「それやりたいです」
「だったら手配するね。6月中にやろう。たぶん7月になったら、アクアはかなり忙しくなる」
 
「はい!」
とアクアFは嬉しそうに言った。
 
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「ちなみに男子水着の写真はどうする?」
「それ需要無いと思いますー」
「だよねー」
 
「まあアクアは男の子だよという証拠に1枚くらい」
「まあそんなものかな」
 

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4月から放送開始予定だった◇◇テレビの新しいクイズ番組『日本クイズ紀行』は予定を遅らせて7月から取り敢えず12月まで半年の予定で放送されることになり、6月中旬から撮影が始まった(好評なら継続)。感染対策のため、回答者は全員個室で撮影されるという方式である。メインスタジオには司会者のサイン・コサイン、アシスタントの宮村尚子のみが居て、そのほかは液晶パネルが並ぶだけである(放送映像はハメ込み合成)。
 
テレビ局が用意する小型スタジオでなくても、事務所などが用意した場所、環境が整えば自宅からでも撮影に参加できるという方式で制作されることになった。不正解を3つやった場合に上から白い粉が落ちてくるシステムまで用意してもらえる条件である!
 
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これに出演することが1月の段階で決まっていたローザ+リリンは、自宅の防音室から参加することにした。むろん白い粉が落ちてくる機構も作り込んだ!掃除を楽にするため、撮影時には下にビニールシートも敷いておく。初回はあと1つ正解したら優勝か?という所で3回目の不正解をやって、2人とも真っ白になった。
 
「まあローザ+リリンはそういう役どころだよな」
「美味しい役柄だよ」
「水を掛けるのではなく粉にしたのは妊婦に配慮したか?」
とネットの声。
 
実際には貸しスタジオや自宅は水浸しにできん、という事情で白い粉になった。一部出演者の「ビールを浴びたい」という要望はアシスタントの宮村尚子!に却下されていた(この番組は次第に司会のサイン・コサインより宮村尚子のほうがよほど番組の仕切り役になっていくことになる)。
 
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なお、初回はやはり自宅から参加していて3回不正解になった吉本宏太の白い粉がスイッチを押しても落ちてこず、結局自分で白い粉をかぶっていた。この程度のハプニングはそのまま放送しちゃうというのが制作陣の方針である(実際の所、クイズ番組はよほどのことがない限りNGを出せない)。
 
ちなみに初回優勝はゲストで出ていたスパイス・ミッションの3人で
 
「シナリオ通り過ぎる」
などとネットには書かれていた。
 

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アクアが出演している『ほのぼの奉行所物語』は3月上旬に2回分の撮影だけが行われていたのだが、その後の撮影のメドが立たず、今年は一昨年放送した第1シーズンのものが再放送されていた。
 
環境さえ整えば撮影を再開するという話だったのだが、6月中旬、今期は撮影をしないことが決定された。
 
これは、この番組は例年3月から7月までの期間に撮影をしていたのが、もう残り1ヶ月半程度では、まともな話を組み立てるだけの撮影が困難であるという判断になったためである。また他の番組の撮影などが復活してきているため、特に7月は人気役者さん(アクアを含む)の日程確保が大変である。
 
再放送分の視聴率がいいので、来期も『ぼのぼの奉行所物語』は制作される予定だが、今年2回分撮影したものの続きを撮影するのか、それとも全く新たなシナリオで撮影されるのかは、現時点では未定である。
 
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役者さんの日程確保の問題を考えると“続きの撮影”は困難と思われるので、今年の撮影分はそのままお蔵入りになる公算が高い。一部には「振袖火事の祟りかも」などという声まで出ていた。
 
既に4000万円ほどの予算を消費しているし、更に役者さんへのキャンセル料支払いも必要になるので、橋元プロデューサーは進退伺いを提出したが、制作部長が「君のせいではないよ」と言って慰留した。橋元さんは夏の賞与の返上を申し入れ、それは認められた(奥さんが悲鳴をあげた)。責任のある人たちも大変である。
 

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ローズ+リリーのミニアルバムの制作は『朱雀』が完成した所でまた2日間の休みを取ったのだが、政子は
「温泉に行きたい!」
と言った。
 
「不特定多数の人と接触の可能性のある所には行かないでくれと町添さんから直々に要請されてるんだけど」
 
「それでも行きたい!」
と政子は言う。困ったなあと思うが、制作で強いストレスが発生しているのは承知である。何とかマリのストレスを解消しておかないと次の曲の制作に影響が出かねない。
 
そこで私は若葉に電話してみた。
 
「郷愁村のホテル昭和でさ、コテージタイプの桜だったっけ?今日明日とか空き無いよね?」
 
「あるよー。あそこは消毒のために1日おきに使うようにしてるから、今から来るんだったら、使えるようにしておく」
 
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「ありがとう!ちなみにホテル昭和の温泉は混雑するかなあ」
 
「時間帯指定して、集近閉にならないように分散してるんだよ。冬たちどうせ時間帯が遅いよね?深夜の時間指定にすれば混雑しないと思う」
 
「じゃそれで予約入れてもらえない?」
「OKOK。誰と来るの?」
「政子となんだけど」
「まだ赤ちゃん出て来ない?大丈夫?」
「さすがにまだ大丈夫」
「万一の時は医者が駆け付けられるようになってるからフロントに言ってね」
「了解」
 

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それで私はドライバーの佐良しのぶさんにお願いして“アクアのアクア”を運転してもらい、熊谷市の郷愁村に出かけたのである。若葉からは、桜のコテージ番号と、そこを開けるQRコードの“電子鍵”が送られて来ていたので、フロントも通らずに直接そのコテージそばに車を駐め、送られて来ていたQRコードで鍵を開けて中に入った。中に入ったことでチェックイン処理がなされる。
 
「ここ広くて好き〜」
などと言って政子は大きなベッドに横になっている。過去にも数回泊まっているが、ここは本当に快適である。だてに高い料金は取っていない。
 
夕食はコテージまでデリバリーしてもらえる。(“プラスチックスタイル”の配膳人さんが来たので、政子が面白がっていた)
 
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御飯を食べて
「美味しい!」
と政子が喜んでいるので私も楽しい気分になるが、油断していると、私のおかずがいつの間にか消滅している!
 
元々桜・昭和は各部屋にデリバリーする方式だったが、現在コロナ対策で、元々は食堂に食べに行く方式だった富士の方も(料金はそのまま)各部屋に配る方式で実施しているらしい。また数人で泊まる場合でも大皿は使用せず、個人別にきれいに盛り分けて配膳する方式にしており、そのためにたくさん人も雇ったということで、費用は物凄く掛かっているはずだが、例によって若葉は
 
「お金が減って助かる」
などと言っていた。
 
若葉の巨額すぎる資産は、お母さんの命令!で本人が直接資産運用するのは禁止され(実際あの資産ができた経緯は偶然と幸運の重なりの部分が大きいと思う)、複数の証券会社のプロの手により運用されているので、毎年どんどん増えているようである。
 
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夕食後少し仮眠し、真夜中になってお風呂に行く。スマホを持って行き、大浴場の入口の所でQRコードをかざすとドアが開き、中に入れる。これで予約時間帯、更には性別のチェックまでしているらしい。
 
「ちなみにアクアには女湯を指定した」
などと若葉は言っていたが、それが多分無難だろう。きっとMの方は部屋に付いているお風呂に入ったのだろうと思う。
 
脱衣場で、おしゃべりしながら服を脱いでいたら、政子は何か考え込んでいる。
 
「どうしたの?」
「ここは脱衣場でしょ」
「うん」
「なんで脱衣場だけあって、着衣場が無いんだろう」
「そんなの分離して、誰が脱衣場で脱いだ服を着衣場に運ぶのさ?」
「確かに大変そうだ」
「分離する意味が無いと思うよ」
 
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政子の発想はやはり面白いと私は思った。
 

浴室に移動する。元々100人くらい入れられる仕様なので広々としている。現在は最大20人で運用しているらしいが、夜中だけあって人が少ない。私たち以外には3人しか人影を見なかった。
 
髪と身体を洗ってから、湯船に浸かる。近くに居た女性と目が合う。向こうもこちらも驚く。
 
「おはようございます、マリさん、ケイさん」
「おはようございます、マリナさん」
 
ということでローザ+リリンのマリナであった。
 
「こちらには休暇?」
「いえ『ザ・ドサ廻り』の取材なんですよー」
「ああ、ここを取材したんだ?」
 
「桜に泊まってるの?」
と政子が尋ねる。
「あんな高い所には泊まれません。昭和ですよ。それもあけぼのテレビの費用でですけど」
とマリナ。
「あけぼのテレビがお金出すなら桜に泊めてあげればいいのに」
と政子は私を見て言う。
「ごめーん」
と私は謝っておいた。
 
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「あれ?ケイナちゃんは?」
と政子が尋ねる。
 
「男湯に入ってますよ」
「男湯に入れるんだっけ?」
「番組の取材では貸し切りだから一緒に女湯に入りますけど。一般客と一緒なら女湯に入る訳にはいかないので」
 
「でも10月のローズクォーツのツアーの時は女湯に入っていたという話が」
「あれ不思議なんですよ。あの時は2人とも女の身体になっていたんですが、ツアーが終わった後、ケイナだけ男の身体に戻ったんですよ」
 
「そんなことあるんだ!?」
と政子は驚いているが、私は何となく察したので
 
「まあたまにあることだよ」
と言っておいた。
 
「世間では、ケイナは性転換手術していったん女になったけど、その後で再度手術して男に戻ったなんて噂が立ってましたが、当たらずといえども遠からずですね」
 
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「手術無しで性転換とかもあるの?」
 
「大宮万葉さんによると、夢魔の悪戯らしいです。昨年夏にテレビ番組の撮影で行った、棒那市の女化神社前に出没していた痴漢がきっかけみたいです」
 
「へー!青葉が関わっていたのか」
 
「事件は大宮万葉さんと醍醐春海さんの連携で解決したみたいですけど、最終的に私は女の子になったまま」
 
「そして妊娠しちゃったわけか」
「戸籍の性別も変更しちゃったから、もう今更男には戻れませんね」
 
「じゃ元々女の子になりたかったの?」
「そんなこと一度も考えたこと無かったんですけどねー」
とマリナは言った上で
「女の身体にハマっちゃったので、このままでもいいかと思って」
 
「ああ。やはりハマるよね!アクアも一度性転換してあげたら、きっと女の子の身体にハマるんじゃないかなあ」
などと政子は言っている。
 
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夏の日の想い出・龍たちの讃歌(6)

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