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■春産(24)

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しかしその後、早紀の提案で、真琴・洋介・雅希・早紀の4人が集まって直接話し合った結果、認知するのは洋介に任せるものの、3人ともこの子の父親と思うことにすること、違約金はこの4人で分担(比率は年収比例)すること、出産費用や養育費、それに青葉と千里に依頼した妊娠中の体調コントロールの依頼費も4人で分担することを決めた。また洋介と早紀が指輪を贈ることを聞くと雅希も指輪を贈りたいといい、それも受け入れることにした。
 
「マコ、指輪豊作だね」
「えへへ。3つ並べて左手薬指に付けちゃおう」
 
「だけどこの4人が一度に集まったのは初めてだよね」
「個別にはお互い会ってるけどね」
 
「そうだね。私は君たちのCBFにも出席してないし」
と雅希。
「まあ女の子はわざわざ女湯に入る会に加入する必要は無い」
と洋介。
「私はさすがに男湯に入ったことはない」
と雅希。
 
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「実はふだん男湯に入るのは洋介だけだよね?」
と真琴。
 
「まあ普通は男湯に入るよ」
と洋介。
「ごめん。僕はマジで男湯にも女湯にも入る」
と早紀。
 
「ああ、早紀なら男湯にも入れそう」
「真琴はおっぱい大きいから男湯は厳しいでしょ?」
「深夜には男湯にも入ったことあるよ」
「それ危ないよ〜」
「うん。真琴は着衣で男装していると充分男に見えるけど、裸になったら女の子にしか見えないもん」
「それについてはやはり早紀が凄い。裸でも男・女、どちらも自由自在だから」
「その仕組みについて一度追及してみたいのだけど」
「勘弁して〜」
 

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「ところでアクアの勧誘の方は進んでる?」
と雅希が訊いた。
 
「あと一押しだと思うんだけどなあ」
 

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9月10-12日に八王子市で開かれた全日本実業団バスケットボール競技大会はJoyful Goldが優勝。2位が熊本のクレンズ、3位山形D銀行で、この3者が11月の全日本社会人選手権に進出する。
 

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9月14日。桃香は生理が重いのでと言って会社を休み(かなりごちゃごちゃ文句を言われた)、朝から千里と一緒にあきる野市の大間産婦人科を訪れた。
 
この日は下北沢から京王井の頭線で吉祥寺に出るルートを使った。経堂から秋川への移動は、南武線を使うルートといったん新宿まで出るルートがすぐ思いつくのだが実はこういうルートもある。
 
秋川駅でタクシーを捕まえ、桃香が目的地の病院名を言った所で千里はびっくりする。
 
「桃香、なんでこんな遠い病院にしたの?」
「うん。ここが長野の水浦産婦人科と協力関係にあるからだよ」
「へー!」
 
要するに非常識な妊娠に理解があるのかな、と千里は思った。
 
それでふたりで一緒に病院に入っていくが、千里は先週ここに数回来ているので、受付の人が「あら?」という顔をした。
 
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診察室に一緒に入る。大間先生も一瞬「あれ?」という顔をしたものの、特に何も言わずに桃香の診察をした。
 
今日も経膣でプローブを入れる。
 
「かなり大きくなってますね」
「動いてますね」
「ええ。もう心拍がありますね」
「いわゆる魂が入った状態ですね?」
「そうです。昔からこのくらいの時期に赤ちゃんには魂が入ると言われていたのですが、医学的に言うと、心臓が形成されて稼働し始める時期なんですよ」
と大間先生は言う。
 
この日千里は医師の前で、確かに自分の子供なので、ちゃんと面倒を見ること、性別を女性に変更しているので認知はできないものの、父親として責任を持つこと、桃香の出産に関しても全面的にサポートすることを言った。
 
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病院を出た後は、書いてもらった妊娠診断書を持って小田急豪徳寺駅まで移動し、世田谷区役所に隣接した総合支所に行って、妊娠届を書いて母子手帳をもらった。診断書は見せたものの特に必要無いと言われた。このあたりは自治体によって様々のようである。
 
「そちらは妹さんですか?」
「この子の父親なんですが」
「ご冗談を」
 
区役所を出てから桃香が千里に小声で言う。
 
「ね、ね、赤ちゃんの心臓が動き出した記念に今夜はセックスしない?」
「当面セックスは拒否。私、怒っているんだからね」
「ごめーん」
 
「ついでに他の女の子とのセックスも禁止。この時期にセックスするのは、赤ちゃんによくないよ。隣の部屋で地震が起きてるようなもので、びっくりしちゃうもん」
「そういえばそうか」
と桃香も少し自省しているようであった・
 
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貴司たちバスケット男子日本代表チームは9月9日から18日までテヘランでFIBA ASIA Challengeという大会に出ていた。この大会は直接はワールドカップ進出には関係無いものの、この大会で上位5位に入ったチームが所属する“サブゾーン”に来年のアジアカップの枠が追加されることになる。つまりここで上位に入ることによって、アジアカップ、ワールドカップに(そして結果的に東京五輪にも)行きやすくなるという仕組みである。
 
貴司たちは6日に成田からテヘランに移動したが、頼まれたハガキは到着してすぐ空港内のカウンターで切手を買って出し、そのあとホテルに着いてからフロントで切手を買って出した。ホテルで買った切手の方が安かったので何でだ?と思った。
 
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この大会では貴司も12日のイラク戦に出してもらい貴重な勝ち越し点を挙げてチャンスに強い所を見せた。日本は何とか決勝トーナメントには進出したものの、ヨルダンに敗れて5−8位決定戦へ。インドに辛勝して5−6位決定戦に進み、最後は中国に敗れて6位に終わった。この大会の最終順位はこうなった。
 
1位イラン(西アジア、2位韓国(東アジア)、3位ヨルダン(西アジア)、4位イラク(西アジア)、5位中国(東アジア)、6位日本(東アジア)、7位インド(南アジア)8位台湾(東アジア)
 
結果的に西アジアが3つ、東アジアが2つ枠を増やすことができた。これで日本がアジアカップに出場できることはほぼ確実になった。結果的に見ると5−8位決定戦で南アジア枠のインドに日本が勝ったのが大きい。最終戦は同じ東アジア枠の国同士の戦いなので、枠争いには無関係である。
 
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男子日本代表は9月20日(火)に帰国する。
 

その20日。
 
大阪千里のマンションで、阿倍子は少し体調が良かったので、今日は貴司が帰ってくるし、お部屋の掃除でもしようと思って、京平を最近はもう使っておらず物置と化しているベビーベッドの上に座らせた上で朝から全室に掃除機を掛けていた。
 
居間の掃除をして、寝室の掃除をして、貴司が寝る場所として使っている書斎(バスケット関係の雑誌や書籍、ビデオなどを納めた棚が3つある)の掃除をしていた時、阿倍子はその紙袋に気付いた。
 
それは本棚の裏にひっかかるようにして途中で止まっていた。元々は棚の上にあったのかも知れないが、何かの拍子に落ちかけて、壁との隙間で途中停止したようである。
 
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何だろうと思って開けてみると女物の下着が入っている。
 
阿倍子はかぁっと頭に血が上った。
 
千里に電話する。
 
「おはよう。阿倍子さん」
「千里さん、やはり貴司と浮気したのね?」
「え?何の話?」
「だって、貴司の部屋に女物の下着があったよ」
「嘘!?」
 
千里は確かに貴司にパンティを2枚あげた。でもそれはテヘランに持っていったと思っていたのに。
 
「ねえ、阿倍子さん、そこに何の下着があるの?」
「パンティ2枚とブラジャー1枚」
 
やはり変だ。ブラジャーはあげていない。もっとも貴司が勝手に持っていった可能性はあるが。
 
「ねえ、そのサイズは?」
「えっと・・・・パンティはL、ブラジャーはA95かな」
「それ私のサイズじゃないよ。私、パンティはMだし、ブラジャーはD70だよ」
「千里さんのじゃ・・・・ない?」
「だいたいA95って何?そんなブラを着ける女性がいるとは思えない。普通はアンダーが95もあって、カップがAってあり得ないよ。もしかして着けてたのは男じゃないの?」
「まさか、貴司が女装に使ったのかしら?」
「貴司ならパンティはLでも入らないと思う」
「確かに」
 
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「ねえ、私もその下着見たい。そちらに行っていい?」
「あ、うん。千里さん、今どこ?」
「東京にいるけど、新幹線で駆けつけるよ。1時くらいまでには着くと思う」
「分かった」
 

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それで千里は《すーちゃん》に今日のレッドインパルスの練習の代役を頼み(そんなの無理だよぉと言うのを強引に押しつけた)、《こうちゃん》に新横浜駅に運んでもらうと、9:29の《のぞみ》に飛び乗った。11:40に新大阪に到着。12時すぎに貴司のマンションに到着した。エントランスの所で阿倍子のスマホに電話を掛け、中に入れてもらう。
 
「これ私の趣味じゃないよ。私、こんなフリルの付いたパンティとか穿かないよ」
と言って千里はスカートをめくって今穿いているパンティを見せてあげる。
 
「私バスケットするから汗掻くでしょ?だからコットンのシンプルなのを穿くんだよ」
「確かにこういうの千里さんの趣味ではない気がする」
「ブラも見せてあげようか?」
と言って、服をめくってブラのサイドベルトをひっくり返してタグを見せてあげる。
 
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「ほんとD70だ。確かに千里さん、おっぱい大きいからAカップなんて入らないよね?」
「うん。Aなんてつけてたのは中学生頃だよ」
 
と千里が言うと、阿倍子は何か考えているようだった。
 
「ということは、これは千里さんのではない。そして私のでもない」
「貴司が着けるには、パンティが小さすぎる。これではおちんちんを収納できないよ」
「あの人、ブラを着けるとしたらいくらだろ?」
「貴司は胸囲は102-3cmあったはず」
「じゃA90ではホックが留められないね」
「だと思う」
 

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ふたりは顔を見合わせた。
 
「結論。これは貴司の浮気相手の下着だ」
と千里は言った。
「やはりそういうことになるよね?」
と阿倍子。
「それも多分これ男の娘だよ。A90が入るというのは結構細身の男の子だと思う」
「あの人、男の娘と浮気したりするんだっけ?」
「あいつけっこう、そのあたりが怪しいよ」
 
「貴司、何時頃帰宅するかな」
「それまで一緒に居ていい?」
「うん」
 
千里はたぶん初めて阿倍子と握手した。京平がどうなってんだ?という顔をしていた。
 
「ママとちさとおばちゃんってなかよし?」
と京平が訊く。
「今日だけはね」
と千里は笑顔で言った。
 

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貴司たちは朝成田に到着したものの、そのあと記者会見や挨拶まわりなどを経て、13時過ぎに解散した。
 
14時の新幹線に乗り、16時半頃新大阪に到着する。地下鉄に乗り継いで17時すぎ、ちょっと疲れたなと思いながらもマンションに帰着する。そして玄関を開けてギョッとする。
 
阿倍子と千里が並んで座ってこちらを怒ったような顔で見ているのである。こんな情景が存在し得ることを貴司は想像もできなかった。
 
「貴司、そこに座って」
と千里が言う。
 
「あ、うん」
と言って、貴司は靴を脱いでから床の上に座る。
 
「これ何?」
と阿倍子が言って、問題の下着を見せる。
 
「あ・・・」
と言って貴司は焦っている。
 
「自分で白状する?それとも私に拷問されたい?」
「拷問?」
「おちんちんに包丁を突きつけて正直に言うまで力を緩めない」
「千里の力で押しつけられたら、ほんとに切れちゃうよ!」
「切られたくなければ正直に言うのね」
と阿倍子。
「もっとも正直に言っても罰として切り落とすかも知れないけど」
と千里。
 
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「待ってくれ〜!」
 

すると京平が言った。
「パパ、おちんちんきるの?」
「もしかしたらね」
と千里。
「おんなのこになるの?」
「もしかしたらね」
と阿倍子も言った。
 
「パパ、スカートはく?」
「はくことになるかもね」
「ぼくもスカートはいてみたいなあ」
「京平、スカート穿きたかったら今度買ってきてあげようか?」
と千里が言うと
「うん」
と京平は嬉しそうに答えたが、阿倍子はやや不快そうな顔をして
「スカートくらいママが買ってあげるから」
と言った。
 
しかし京平は急に不安になったようで言った。
「ぼくもおちんちんきるの?」
 
「京平は子供だからちんちん付いててもスカート穿いていいんだよ」
と千里がいうと
「よかった」
と言って京平は笑顔になった。
 
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