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■春銅(10)

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ところで千里と若葉が中心になって、開発を進める仙台の若林植物公園だが、COVID-19の流行で、設計を根本的に変更せざるを得なくなった。
 
1〜2月に話し合っていたのでは、公園の東側に長さ500mのスロープを作り、そのスロープの下にビルを作って(正確にはビルを立ててその上辺をスロープにする)、そこにテニスコート、プール、(フィギュア用)スケートリンク、グラウンド・ゴルフ場などを作り、ビルの上層階は宿泊所にして、ここで合宿などができるようにしようというものであった。
↓ビル内の競技場配置予定

 
この競技場ビルは、どう考えても“密”を発生させるし、構造上どうしても“閉”になってしまう。そこで千里と若葉は仙台市側と話し合い、このビルの計画を白紙に戻すことにした。
 
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代わりに若葉が提案したのは、若林植物公園の“地下”に競技場を分散して建築するというものである↓

 
中央の通路は上下2段になっており、上を人が、下を専用バス(クレール若林店−織姫前−白鳥前−仙台駅−クレール青葉通り店−青葉通り一番町の循環)が通る。一般車は通行禁止である。
 
競技場を分散させることで、人の動線も分散し、結果的に密を避けるという手法である。競技場ビルとしてまとめる方法では、どうしてもバス停や駐車場からビルへの流れに人が集中し、エレベータが完璧に“密”になるところだった。
 
新たな設計では、基本的にエレベータは障碍者や妊婦、足腰の弱い人向けということにしている。できるだけ“動く歩道”か階段を使ってくださいと案内している。また換気にかなり気をつけて、密閉を作らないようにしている。
 
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(エスカレーターでは車椅子やベビーカーの人が使えないので、敢えて段の無い動く歩道を中心に整備することにした:傾斜はどうしても緩くなる。また滑落防止のため滑り止めの突起を設置している)
 

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競技場の窓や戸を開放していてもあまり騒音が外に響かないようにすることも兼ねて、最初に公園の地面を3m掘り下げている。そこに施設を建築し、体育館・プール以外の施設は7mの所に天井を設置した(体育館とプールは14m)。そしてその7mの天井の上に最初に掘った土を2mほど乗せる。そしてここに花壇を作るので、植物公園自体は、元々の地面の高さから6m上に造られることになる。道路からは階段・スロープ・動く歩道などで植物公園の高さに移動できる。
 
なお東側のスキー場にするスロープについては、“中身”は何も作らず、鉄骨だけで組み上げることにした。すると自重が大幅に軽くなり、結果的に更に鉄骨の数を減らすことができた。
 
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建設費も、スロープの下にビルを作り込む方法では150億円とみていたのだが、植物園の下に作り込む方式だと50億円程度で済むことになった。結果的にこの公園全体の整備予算も、250億円の予定だったのが150億円で済むことになる。仙台市の出資額は10億円で変わらない(議会で通っているので変更できない)ので、出資率は4%の予定が6.6%に増えることになった。千里・若葉・冬子の負担も80億円だったのが、47億円ずつで済むことになった。
 
(若葉が「お金が減らない」とこぼしていた)
 
なお「地面を掘り下げて、施設完成後に土を乗せる」ということで、仙台市側の承認を得たのだが、実際に播磨工務店は「“地面”を3m切り取り」別の場所(どこ?)に置いておいて「その地面を後で載せる」ということをした。それで仙台市の土木部長さんが「こんなしっかりした盛り土は見たことが無い。信じられない!造山しても崩れるようにはしませんよと播磨工務店さんが言ったのが、今理解できました」と驚いていた。
 
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しかしあちこちで出た残土を、この公園に敷いて、一気に処分するつもりだった千里のもくろみは外れてしまった! 結果的にはここでも大量に残土が出ることになり、千里はぶつぶつ言っていた。
 
「やはりどっかに島を造ろうよ」
「ダメ」
 

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ところで6/9の夜、織絵のマンションでは“結婚祝い”に訪れた桃香・広実・優子・千里1の4人が飲み明かし、かなり乱れていた。全員記憶を失うほど飲んでいる。
 
6月10日(水)の朝、浦和のマンションで目覚めた千里2は、普段千里(1+)3がしているように朝御飯を作り、彪志と京平を起こして御飯を食べさせる。出勤する彪志を見送ってから、京平の手を引いて幼稚園に登園した。
 
先生に京平を託して帰宅するが
 
「全く、向こうは何時まで飲んでたのかね」
と呆れるように言った。
 

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江戸川区の織絵たちのマンションでは途中で全員ダウンしていたのだが、お昼頃、全員二日酔いの頭痛とともに起きた時、6人の性別はこのような状態だった。
 
千里♀ 桃香♀ 広実♀ 優子♂ 織絵♂ 美来♀
 
昨夜どういうことが起きたのかは(裏に回っている千里3以外)誰も分からない。
 
「先生!私女に戻りたいです」
と優子が言うので、千里(千里3)は彼女と一緒に隣の部屋に行き、優子を女の身体に戻してあげた。
 
優子は男になって誰かとセックスしたような気もするが、記憶が定かではない、
 
「他は今のままの性別でいい?広実ちゃんは女の子のままでいい?」
「このままでいいです」
 
「だったら、君は病院に行って医師に相談しなさい。そしたら半陰陽だったのが、卵巣があったので、その働きにより、本来の女の形に戻ったという診断書を書いてくれるだろうから、それで裁判所に性別の訂正を申請すればいい」
 
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「それ、裁判所に行けば分かりますかね」
 
「不安なら弁護士に頼めばいいよ。弁護士代くらい出せるよね?」
「うん。それは大丈夫」
 
「織絵はどうする?このまま男として暮らす?」
「それもいい気がするけど、やはり女がいいけど戻せる?」
 
「ノープロ。おいで」
 
と言って、千里は織絵を連れて隣の部屋に行く。それで15分ほどで戻って来た。
 
「女になれた。やはりこちらのほうがいい気がする」
「ちんちんなんて、要らないよね〜」
 

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「提案がある」
と美来が言った。
 
「今夜のことは夢だったということにして、みんな忘れない?」
 
「というより、こんなこと他人(ひと)に言っても誰も信じない」
と優子が言っている。
 
「確かにそうだ」
 
「ではそういうことで」
と言って、結局、13時頃になって、千里が食材を適当に使ってシチューのようなものを作り、それを食べてから解散することにした。
 

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「でもどうやって帰る?」
 
「私が車で広実を自宅まで届けてから、桃香と優子を浦和まで運ぶよ」
と千里。
 
「待て。君もかなり飲んでいたぞ」
と桃香が言う。
 
「もう大丈夫だよ」
と千里。
 
「アルコールチェッカーを使ってみよう」
と言って、織絵が出してくる。
 
千里が息を吹きかける。
 
「0.00mg/L !?」
「嘘!?」
 
「私、スポーツウーマンで筋肉がたくさんあるから、アルコールの分解も早いんだよ。それにみんなに比べたら飲んだ量が少ないし」
 
「確かにスポーツマンはお酒に強いらしいね」
 
「まあゼロミリグラムなら問題無かろう」
ということで、千里がアテンザを運転して、広実を送った上で、桃香と優子を浦和まで連れて行くことになった。
 
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なお、千里1はお酒を飲んで調子に乗り、人を性転換しまくり現在ダウンしている。千里3は全くお酒を飲んでいないからシラフである。千里3も“1回だけなら”性転換させることができる(ついでに年齢が約1割若くなる)。千里1は何度でも性転換できる(年齢は変わらない)。
 
なお、広実(三田夏美)はこの後、2日くらいひたすら寝ていたらしい。でも酔いが醒めると、あらためて女になった喜びがこみあげてきて、自分でケーキを買って来て、(烏龍茶で)乾杯してお祝いをした。更には酔い覚ましも兼ねてスーパー銭湯に行って堂々と女湯に入ってきた。また半月後に初潮が来た時は赤飯を炊いた。
 

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6月10日朝、アクアFはコスモス社長の自宅を訪ねた。
 
アクアは6月8日の夜から9日朝に掛けてNが実体化した。Fは喜んだものの、朝起きたらNが消えていたので寂しい気持ちになる。そして自分もこんな感じで近い内に消えるのではと思うと、居ても立ってもいられなくなり、コスモスの所に来たのである。
 
FとMはだいたい1日交替で日中と夕方以降の仕事に出ているのだが、この日は日中がMで、夕方からFになっていた。またコスモスはだいたいお昼過ぎに会社に出る(川崎ゆりこが9:00-17:00, コスモスが14:00-22:00くらいが各々の出社時間)。それで午前中は自宅にいることが多かったのである。
 
「ここに来るって珍しいね」
「社長、お願いがあるんです」
「何?いよいよアクアMを拉致して手術室に連れ込んで性転換しちゃう?」
「それもいいですけどねー。社長、ボクのヌード写真集を撮ってもらえませんか?」
 
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6/10 浦和ではお昼の京平のお迎えも千里2がして一緒にお昼も食べたが、15時過ぎになって千里3から「もうすぐ帰る」というメールがあったので(千里同士は龍虎たちのような“脳内通信”で連絡ができない:むしろ“しない”)
 
「もうすぐ1番か3番が帰ってくるからね」
と京平に言い、ハイゼットを運転して葛西に帰っていった。
 
京平がプラレールで遊んでいると、千里3が桃香・優子と一緒に帰宅した。
 
「ごめんねー。ひとりでいい子してた?」
「いい子にしてたよ」
「よしよし」
 
桃香と優子は翌日(6/11)の夕方くらいまでダウンしていたので2人はRoom.3に隔離しておいた。さすがの桃香も、この状態では優子を襲う元気は無かったようだ。実は千里1も11日朝くらいまで二日酔いに悩まされた。千里1も千里2や3には劣るがスポーツ選手なので酔いが覚めるのは早い。
 
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千里は桃香と優子には完全に酔いが醒めるまで休んでればいいよと言っておいたのだが、11日の夕方、朋子から電話がかかってきたのである。
 
「桃香、あんたいつ、こっちに戻ってくるの?」
「ごめーん。あと1〜2日休んでから帰る」
「早月の3歳児健診のお知らせが来てるんだけど」
「あ、しまった」
 
早月の住民票は浦和に置かれているので、本来は3歳児健診も浦和市内で受けるべきなのだが、コロナで移動を控えているので、早月はずっと高岡にいる。それで保健所に相談した所、高岡市内の医療機関で受けられるようにしてくれたのである。その受診予定日が6月12日(金)だった。本来は6月9日(火)の午後織絵のお祝いに行き、その日の夜高岡に向けて出発するはずだったのが、その夜徹夜で飲み明かしているので、そもそも予定がくるっている。
 
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「帰らなくちゃ」
「私はもう大丈夫だよ」
 
「待って。アルコールチェックさせて」
 
それで千里が優子をアルコールチェッカーで測ると 0.2mg/Lあった。交通法規で酒気帯び運転は 0.15mg/L以上で違反点数13点、0.25mg/L以上で25点である。優子は「このくらいは大丈夫だよ」と言ったが、千里は「捕まったら(前歴があるので)免許取り消しだよ」と脅す。
 
「仕方ない。私だけ新幹線で帰ろうか」
と桃香は言ったが、千里は
 
「だったら私が送ってあげるよ」
と言った。
 
「帰りは?」
「迎えにきてもらうから大丈夫」
「へー」
 

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それで千里はムラーノの後部座席に優子と桃香を乗せて、6月11日夕方、浦和を発ったのである。実際にこの車を運転したのは千里1(この日の朝にはもう酔いが醒めている)で、1年ぶりにこの信次の遺品の車を運転することになり、感極まるものがあった。千里3は裏に回っている。
 
ちなみにこの車に同乗したのは、全員、信次の子供の遺伝子的な母であった。桃香は由美の遺伝子的母、優子は奏音の遺伝子上かつ産みの母、千里は緩菜の遺伝子的(かつ実は産みの)母である。
 

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浦和のマンションの方には、葛西から千里2が《きーちゃん》に転送してもらって駆け付け、京平と一緒に夕飯を食べて京平は21時には寝せる(Room2). 22時頃帰宅した彪志を迎え、彪志が食事を終えて、お風呂に入るタイミングで千里2は京平の寝ている部屋に入り、そばで一緒に寝た。
 
なお彪志はRoom.1で寝る。
 
またここ数日、桃香と優子が居たRoom.3はアルコールの臭いがひどいので、一晩中窓を開けていた。
 

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千里1が運転する車は、1度だけ妙高SAでトイレ休憩して桃香のリクエストで夜食を食べた他はノンストップで走り、6月12日の午前4時頃、高岡に到着した。
 
優子が「さすがにもう大丈夫」というので、先に桃香の家に寄り、ここて千里と桃香が降りて、あとは優子が自分で運転して自宅に戻った。
 
そしてこの日は3歳児健診だったのだが・・・
 
「桃香、アルコール臭い。そんなんで早月を連れていったら顰蹙もの」
と朋子から言われ、結局、千里が連れて行くことになった。
 
千里は本当は早月の“父親”なのだが、千里がふつうの格好で早月を連れていけば、ごく普通に母親に見えるので、特に何も違和感などなく、健診を終えることができた。
 
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