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■春変(18)

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旗仲佐理(はたなか・さおり→すけさと)と稠野真倫(しげの・まさみち→まりん)の夫婦は真倫の誕生日でもある(2019年)10月11日に各々の実家がある米子市内で結婚式をあげた。式には、米子市内に住む高校までの友人も、松江市内に住む大学の友人も来てくれた。2人は1999年生まれで、まだ20歳だが、大学に入って以来ずっと一緒に暮らしているので、学生結婚にはなるが、もう式をあげてしまおうということになった。
 
戸籍上の性別が、夫の佐理は法的には女性で、真倫は法的には男性なので、婚姻届の上では、夫が真倫で妻が佐理として届けているものの、むろん結婚式では佐理がタキシードを着て、真倫がウェディングドレスを着ている。2人は高校時代にもよくお互いの制服を交換して着ていたので、みんなそういう2人を見慣れていて、誰も奇異には思わない、
 
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式場関係者もごく普通の結婚式と思ったであろう。神職さんの祝詞でも「旗仲大地が次男・佐理」「稠野飛天が三女・真倫」と読み上げてもらった(神職さんもまさか男女入れ替わっているとは思わない)。
 
結婚式・披露宴が終わってからすぐに2人で一緒に婚姻届を市役所に提出。その後、2次会に出席している。2次会では真倫はミッシュマッシュの清楚な白いワンピース、佐理はタケオキクチの黒いカジュアル・ジャケットを着た。
 
新婚旅行は車で行ってくることにし、佐理の父の車・マツダCX-3を借りて、約1週間(予定)の旅に出かけた。友人たちが「ハネムーンベイビー作っちゃいなよ」とはやし立てていた。一応子供を作るのは大学卒業後とは言われているものの、2人は「新婚旅行の間は避妊しないから、できちゃうかもね」などと答えて、出発している。
 
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ちなみに2人は佐理が男役、真倫が女役のセックスしかせず、真倫が佐理に入れることは決して無い。
 
「万が一にも入れたりしたら、即そのちんちん切り落とすから」
「切り落として欲しいー!」
 

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夕方米子を出てから米子自動車道(落合JCT)中国自動車道(福崎IC)播但連絡道路(山陽姫路東IC)山陽自動車道と、2人で1時間ごとに交替で運転して、三木SAで車中泊。むろん車中セックスして、2人の“初夜”となった。
 
「ほぼ毎日セックスしてるのに、今更“初夜”もない気はするけど」
「何度でも初夜は良いもの」
「初めての初夜、大学合格した記念の初夜、一緒に暮らし始めての初夜、すけちゃんが20歳になったお祝いの初夜、そして結婚式をあげてからの初夜」
「まあいいけど」
 
「性転換手術が終わった後の初夜も待ってるよ」
「それいつ頃手術する?」
「まあ就職してお金貯めてからだね」
「学生時代は無理だよね〜」
「手術代、高すぎるもんね」
 
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翌日(10/12)は、SA施設内で朝食を取ってから、更に山陽自動車道を東行。三木JCTから、山陽自動車道木見支線に入り、そのまま神戸淡路鳴門自動車道に入る。明石海峡大橋を越えて淡路SAで休憩してから淡路島を南下。大鳴門橋を越えて四国に入る。鳴門でいったん高速を降りて、午前中は鳴門の渦を見る観光船に乗った。
 
鳴門市内で徳島ラーメンを食べてお昼御飯とし、高松自動車道を走って善通寺ICで降りる。国道319号で琴平町まで南下する。
 
金刀比羅宮にお参りする。
 
2人は本宮まで登った所で「疲れたから奥社まではいいや」と言って、引き返した。そして車中で1時間ほど“ご休憩”してから、国道377号を西行。観音寺市に至る。ここで「やはりこんぴらさんで疲れたよね」と言って車をいったん置き観光タクシーに乗った。(車はタクシー会社の駐車場に駐めさせてもらった)
 
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「女性の運転手さんがいいんですけど」
と言ったものの
「すみません。今出払っていて、この人はわりと女性的ですから」
などと言って、40歳前後の神崎光恵さんというドライバーさんを紹介された。
 
「みつえさん?」
と名刺をもらってから佐理が尋ねる。
 
「よく誤読されますが、実は“てるさと”なんです」
「人のこと言えないけど、読めない」
「いっそ“みつえ”か“てるえ”に改名して、性転換して女の人になりません?私もよく“さりー”とか“さおり”って誤読されて、いっそ“さおり”と読むことにして性転換して女になったら?と言われるんですよ」
と佐理がいうので、さすがに真倫が呆れている。
 

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しかし性別をよく間違われるという話から、真倫と佐理はこの運転手さんに親しみを感じた。
 
そして神崎さんの案内で“天空の鳥居”として有名になった高屋神社を見た後、ここにお参りすると元気な赤ちゃんが生まれるという一方宮に行く。
 
「奥さん、安産体系ですよ。ハネムーンベイビーできちゃうかもですよ」
「ほんと?できるのは男の子かなあ、女の子かなあ」
と真倫は、はしゃいでいるが、佐理は微妙な顔をしている。そのベイビーって誰が産むんだよ?俺は絶対産まないぞ、という気分である。毎月の生理だって物凄く不快なのに、出産なんて絶対にしたくないと思っている。
 
「そうですね。おふたりとも美形だから、可愛い女の子かもですね」
と神崎ドライバーは言っている。
 
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真倫が、お尻が大きく安産体型なのは、そういう体型になるように、物凄く身体をいじめてきているためである。脂肪がつきやすいように、カロリーは多めに摂取し、一方でお腹が凸にならないよう、常にボディスーツを着け、また運動で身体を引き締めている。それで真倫はH88-W58という体型で「女性のモデルになれる」と大学の友人には言われている。「但しヌードを撮る時は後ろ向きね」という困った一言が付くのだが。
 

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一方宮の後は観音寺観光の目玉でもある砂絵に向かう。
 
位置的には高屋神社は観音寺市の北部、一方宮は南部、砂絵は中心部近くにあり、こういう移動は不効率なのだが、砂絵を日没近くで見ようということでの時間調整もあったのである。
 
道の駅に車を駐め、琴弾八幡宮にお参りし、お遍路の札所でもある観音寺・神恵院にも寄ってから、砂絵の展望台に行く。ちなみに観音寺市は“かんおんじし”だが、お寺の名前は“かんのんじ”である。(神恵院は“じんねいん”)。また観音寺と神恵院は歴史的経緯で同じ境内に並んでいる。
 
展望台に到着したのが17:20くらいで、太陽はもう後少しで海に沈んでいきそうである。この日の観音寺市の日没は17:36である。
 
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2人が神崎さんの説明を聞きながら寛永通宝の砂絵を見ていたのだが、近くにお遍路衣装の23-24歳かなという感じの女性が立って砂絵を見ていた。こんな若いお遍路さんも居るのね〜と思って真倫が見ていると、神崎さんがその女性に気づいて言った。
 
「そちらはひょっとして歩きお遍路さんですか?」
「そうですよ。南無大師遍照金剛。そちらは新婚さんですか?」
「昨日結婚したんですぅ」
と真倫は笑顔で言った。
 
「それはおめでとう!言葉が山陰の人っぽい」
「すごーい!米子なんですよ」
 
神崎さんは尋ねる。
 
「お遍路さんはどこから歩いてこられました?」
「霊山寺を出て順打ちでここまで来ました。4分の3終わった所ですね」
「ずっと歩いて?」
「そうですよ」
 
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「よく歩きますね!」
と佐理が言う。“スポーツマン”の佐理にも、とてもこの四国1200kmを歩き通す自信はない。よく見たら、このお遍路さんは凄く体格がいい。
 
「そちら何かスポーツなさってますよね?」
「バスケット選手なんですよ。調子落としてこの所2軍で調整してますけど」
「Wリーグ?」
「はいそうです。以前はスペインのリーグにもいたんですが」
「海外のリーグにいたとは!さすがプロだなあ。身体の造りがしっかりしている」
「高校時代は毎日10kmとか走ってましたから」
「凄い。見習わなくちゃ」
と佐理は本当に感激している。自分もこの人くらい鍛えたら、男子サッカー部にの選手ににしてもらえるかも、と思った。女の身体でもここまで鍛えられるんだ!
 
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現状は、大学の男子サッカー部には入れてもらえたものの、選手としてやるだけの運動能力が足りないと言われてマネージャー扱いである。ただし練習は他の男子選手と一緒にやるし、佐理に勝てない選手がいると「旗仲に負けた奴は明日からマネージャーな」などと言われている。実際、結構負けてマネージャーに降格される選手が相次いでいる。
 

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「なんか握手でもしたら御利益(ごりやく)がありそう」
と神崎さんが言う。
 
「あ、だったら握手してもいいですか?」
と真倫。
 
「いいですよ」
 
それでまず真倫がお遍路さんと握手し、ついでのような感じで佐理も彼女と握手し、更についでに神崎さんまで、そのお遍路さんと握手した。
 
手を握った時、明らかに“女の手”なのに、凄く力強いと佐理は思った。ちょっと痛いくらいだった(千里が“女性”の真倫は手加減したものの“男性”でスポーツマンっぽい佐理には手加減しなかったため)。
 
やがて夕日は海に沈み、急速に暗くなっていく、真倫たちはお遍路さんと別れて、道の駅に戻り、その道の駅そばにある《世界のコイン館》を見学した。
 
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その後、すぐ近くの“天然温泉”琴弾廻廊で降ろしてもらった。ここでお風呂に入って食事もして1泊した上で、翌朝、電話をしたら観光タクシー会社まで連れて行ってもらい、そこで自分たちの車に戻る予定である。
 

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