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■竹取物語2022(26)

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銀(しろがも)も金(くがね)も玉(たまも)も。
 
かぐや姫たちの姿が消えたあと、桃は突然気がつきました。
 
「この子のお乳、どうしよう?都(みやこ)あるいはせめて和紙製作所のある美濃か中継所のある熱田(名古屋)まで戻れば誰か乳母(めのと)を頼めるけど」
と桃。
 
「こんな知らない土地では頼みようが無いね」
と竹。
 
すると雪兎(ゆきえ)が現れて言いました。
「都あるいは美濃か熱田までお連れします。どこがいいですか?」
 
「どうせなら都!」
「では、この扉を開けたら都です」
 

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それで桃が扉を開けると、そこは以前かぐや姫が住んでいた家の前でした。乗って来た馬も“3頭”そばに居ます。
 
「あれ?菘鳥様は?」
 
松と竹は居ますが、菘鳥が居ません。
 
「御自宅にいらっしゃったようです。各々自分の思いが強い所に行くので。では私は菘鳥様のところに行ってきます」
と言って雪兎は姿を消します。
 
ここの家は現在は翁と媼に、桐と夫の竹内晴昌が住んでいます。隣の別宅側には小夜の一家が住んでいます。
 
その小夜(松梨詩恩)がちょうど桐(箱崎マイコ)を連れて別宅の玄関から表に出て来ました。桐が手を振るので松と竹も手を振ります。桃は手がふさがっているので会釈しました。
 
「あら、こんにちは、桃さん。その子供は?」
と小夜。
 
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「えへへ。私の子供なのです」
「いつの間に!」
と2人は驚きます。
 
「でもこの子可愛いね。なんかちょっとかぐや姫に似てない?」
と小夜。
「私も思った」
と桐。
 
「私ずっとかぐや姫様のおそばに居たからそれで感応してかぐや姫様に似たのかも」
「ああ、あんたほんとにいつも姫にピッタリ付いてたもんね。沐浴や風呂(*208)に入るのも一緒だったし」
 
語り手「小夜は、女同士で子供ができることもあるんだっけ?と一瞬考えたものの、あまり気にしないことにしました!」
 
(視聴者の声「松梨詩恩は物事を深く考える人ではない」)
 

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(*208)沐浴というのは、日常的な身体の“よごれ”“けがれ”を落とすもので、貴族なら2〜3日に1度はおこなう。沐浴場(湯殿/湯小屋)には比較的小さな沐槽と少し大きめの浴槽が並んでいる。沐槽のお湯を汲んで身体を洗った上で、最後に浴槽に入る。
 
もっと簡単な小沐というのもあり、貴族は沐浴しない日は小沐する。沐浴・小沐するのは朝出勤前である。寝て汗を掻いた後すっきりして仕事に出掛けるのは合理的。
 
かぐや姫はずっと平民ではあったが、湯小屋程度の設備はあって、かぐや姫ならきっと毎日沐浴して身体を清めていたものと思われる。姫様の沐浴には補助する女房や女童が3名程度は必要である。桜・橘・桃の3人で補助していたのだろう。
 
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風呂というのは蒸し風呂で、風呂殿/風呂小屋で石を熱く焼いて、その上に水を掛け大量の蒸気を発生させるもの(枕草子に記載がある)。とても贅沢な設備であり、上級貴族の家にしかなかった。これを使用するのは上級貴族でも月に1回程度である。風呂小屋を持たない中級貴族は、関わりのある上級貴族の家の風呂殿/風呂小屋を借りたりした。これもかぐや姫の家には装備されていたであろう。やはりかぐや姫が風呂に入る時は桜・橘・桃が補助したものと思われる。
 

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現在のかぐや姫邸(再掲)

 
桃は言いました。
 
「翁と媼にこの子をお見せしようかなと思って連れてきたの」
「うん。見せてあげて。うちの子供たちともよく遊んでるし」
 
それで本宅に入り、翁・媼に見せると
 
「可愛いね!」
と言って、翁と媼は嬉しそうに見ています。
 
「抱いていいですよ」
と桃が言うので媼が抱きますが、翁は怖がってただ見ているだけです。
 
「ねえ、この子かぐや姫に少し似てない?」
「美人ですから。鳶が鷹を産んだって感じの美人ですよね。美人ってお互い似るものなんですよ」
 
「ああ、そうかもね」
 

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語り手「桃は石上菘鳥殿のツテで確かな乳母を頼み、かぐや姫が託した娘・雪子を育て始めました」
 
映像は乳母(桜木ワルツ)が雪子に授乳している姿。
 
「養育費に関しては、かぐや姫の侍女で銀色の羽衣を着た“雪兎”(月城たみよ)が時々桃の前に現れて黄金を渡したので何の不自由もありませんでした。昔の竹取翁の場合と違って、桃は石上菘鳥の妻で、かぐや姫の元侍女という立場なので黄金を持っていても誰も怪しみません」
 
「翁と媼は小夜の子供たちともよく遊びましたが、時々輿で運んでもらい藤や紫、桃の家まで行き、各々の子供と遊んでいました。特に雪子の所には歩いても行けるので毎日顔を出していました。そうこうしている内に2人は随分元気になりました」
 
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(撮影に使用した赤ちゃんは『とりかへばや物語』でも使用した赤ちゃんロボット。特に雪子の個体はアクアの赤ちゃんの時の写真を元に顔を作った!スペシャル版)
 

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帝(アクア)が出産したばかりの光(アクア)を見舞っています。光は布団に寝ています(*211)。赤ちゃんは隣の小さな布団に寝せられています。
 
「でかした。また男の子だったな」
「今の所、男、女、男と交互ですね」
「女の子も可愛くてよい」
 
傍に3歳(*210)の女の子を抱いた女房(神田いづみ)、5歳(*210)の男の子を抱いた女房(日野ソナタ)が控えています。
 
(視聴者の声「アクアとアクアで生殖したらアクアが生まれる気がする」「どこかに自分と結婚して自分を産む話があったな(*209)」)
 

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(*209) きっとハインライン『輪廻の蛇』。究極の自己完結物語。
 
(*210) いづれも数え年。以下同様。
 
5歳の男の子を演じたの唐本あやめ、3歳の女の子を演じたのは小山内弘晴である。あやめはマリの子供、小山内弘晴はケイの姉・萌依の子供。リアルの性別と逆なのは、子供の役を年齢で割り振った結果でゆりこの差し金ではない。
 
生まれたての子供はロボット。
 
(*211) 当時は掛け布団が無いので、敷き布団の上に寝て、身体の上には上着を掛けている。
 

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山の中、川縁に建つお邸。
 
★音楽:常滑舞音『素敵な山の秘密基地』
 
子供が4人走り回っています。元々鬼ごっこをしていたようですが、小さい子はルールがよく分かっておらず、結果的に単なる駆けっこになってしまったようです。でもみんな楽しそうです。女房の鯛(木下宏紀)が
 
「そんなに走ったら転びますよ」
と注意しています。
 
乳母たちは笑っています。
 
★音楽:常滑舞音『しろがねも、くがねも、たまも、*んたまも』(*212)
 
乳母:璃久 菜美 音々 依帆 (乙女地区)
 
(乙女地区は姫路スピカのバックバンド)
 
(*212) 山上憶良のあまりにも有名な歌『銀(しろがね)も金(くがね)も玉(たま)も何せむに。勝(まさ)れる宝、子にしかめやも』をベースにして未来居住が歌詞を書いた。
 
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CDの歌詞カードには『しろがねも、くがねも、たまも、めんたまも』と書いてある。でも「絶対これ“きんたま”と歌っている」と多くの声。
 

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車持皇子(くらもちのみこ:キャロル前田)が頭を抱えて悩んでいます。
 
「皇子様、何を悩んでいるんですか?」
と女房装束の旅村(鈴原さくら)が訊きます。
 
「なぜ子供ができたのだろう」
「そりゃ結婚したら子供ができますよ。コウノトリが子供を運んでくるんですよ」
「そうなのか?」
 
(「今どきそんな話信じる子供は居ないぞ」と視聴者の声)
 
「だってこんなに産まれましたし」
と坂口(夢島きらら)。
 

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ここに出演した子供:
 
篠田京平、高園早月、川島由美、吉野浪織、桂木来稀。
 
篠田京平・高園早月・川島由美は苗字はバラバラだが、現在浦和の家で千里が育てている子供である。
 
吉野浪織は吉野美来(XANFUSの光帆)の娘、桂木来稀は桂木織絵(XANFUSの音羽)の娘で、2人は同父異母の双子の姉妹である。
 

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「ところでここに居る者の中で玉のある者は?」
「1人もいませんね」
と坂口。
 
「だよなあ。なぜ子供ができたんだろう」
と皇子はまだ悩んでいました。
 

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2秒間だけ女房の鯛(木下宏紀)の顔が映り
「ぼくまだ玉があるけど“犯人”じゃないよ」
と言った。
 
(視聴者の声「木下君が女の子とセックスするとは思えない」「木下君のちんちんが立つとは思えない」「やはり犯人はキャロルだろ?」「キャロルなら玉くらい無くても女を妊娠させそうだ」)
 
3秒間だけ雪兎(月城たみよ)が映る。雪兎は“金の銅鑼珠・銀の銅鑼珠”を須恵器の皿に載せてニヤニヤしているが、カメラに気付くと驚いたような顔をして
「ぼく何もしてないよ」
と焦ったように言った。
 
(視聴者から「凄く怪しい!」という声!)
 

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語り手「車持皇子が玉を既に取っているのに子供を作ったのはきっと匠たちを招いて玉を作らせたからだろうと人々は噂し、これを“玉つくる”と言っていたのが訛って「玉つける」→「玉ける」となったのが「たまげる」という言葉の始まりだそうです」
 
(視聴者の声「無理がある」「だいたいどうやって作るんだ?」「金(きん)で作ったんだろ?」「誰うま」)
 

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語り手「その後、かぐや姫は雪子の2年後に今度は月子を産み、再び桃に託しました。一方、桃自身も石上菘鳥と正式に結婚して子供を産みました。その結果、桃の家には子供があふれます。桃の狭い家にはとても収容できなくなり、竹取の翁・媼の家からあまり遠くない場所に広い土地を求め、そこに部屋が10個ほど取れる館を建てました」
 
映像は桃の家の中を4人の子供が走り回る様。
 
★音楽:常滑舞音『しろがねも、くがねも、たまも、*んたまも』
 
出演している子供は下記。
 
かぐや姫の子供
(雪子)白雪めぐみ (月子)大林月花
桃の子供
(朝子)細川緩菜 (夜子)唐本大輝
 
細川緩菜は千里と夫の細川貴司さんとの子。唐本大輝は、政子と大林亮平の間の子供。大林月花は大林亮平と原野妃登美の間の子である。
 
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子供たちが走り回るのを乳母たちが追いかけますが捕まりません。その内乳母のほうが転びました。(本当に転んだ映像を活かした)
 
松と竹も子供たちを見て微笑んでいます。
 
乳母:桜木ワルツ、十勝萌子、五和真希、四谷恵美、三嶋道代、二見睦子 (白雪1200km)
 
子供の人数より乳母が多いのは多分近々子供が増えるため(それでも多いぞ)。
 
(白雪1200kmは菘鳥を演じている白鳥リズムのバックバンド。10×5×4×3×2=1200)
 

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「来月はまた富士に行ってきます」
と桃が言うと
「うん。今年はぼくは新嘗祭の準備で行けないけど、かぐや姫様と兄貴によろしく」
と菘鳥(白鳥リズム)は答えます。
「うん」
 

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それで桃は護衛の松と竹、今年5歳になる雪子、3歳になる月子を連れて旅に出ました。雪子は今回が3度目ですが、月子は初めての富士行きとなります。
 
3頭の馬で向かいます。月子を桃がおんぶして、雪子は竹の馬に一緒に乗りました。
 
子供連れなのでゆっくりとした歩みです。
 
語り手「桃は年に1度は富士まで行き、かぐや姫に会いました。それで、たまにかぐや姫に会うことを“たまかぐや”と言い、それが訛って、“たまかや”→“たまはや”→“たまはた”→“たなはた”と変化して、“たなばた”という言葉が生まれたそうです」
 
(視聴者の声「そろそろネタが尽きてきたか」「かなり苦しかった」)
 

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竹取物語2022(26)

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