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■竹取物語2022(16)

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語り手「そんなことを大納言が言った時、突然突風が吹いて、あたり一面真っ暗になると、激しい雨が降ってきました。稲光が多数発生して、雷が激しく鳴ります。波が高くなり、船は波に持ち上げられたかと思うと、海の底に叩き付けられるかという感じになります」
 
映像はもみくちゃにされる船を映し、また激しく揺れる船の上を映します。
 
(船の上の映像は、カメラをプログラムで振って撮影している)
 
2人の舎人が立っていられなくなり甲板に横になり、流されないように船の綱を必死で握っています。
 
大伴大納言(横になっている)は狼狽しました。
「これはいったいどうしたことか。こんな辛い体験は初めてだ」
 
大納言も流されないように必死で綱を握っています。強弓などとっくに流されてしまいました。(放水したら本当に甲板から流れ落ちた)
 
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船頭(座っている)が言います。
「私も30年船に乗っていますが、ここまで凄い嵐は初めてですね。こうなったら何があっても天に運命を任せるしかないです。海の底に飲み込まれるか、雷に打たれるか。もし無事に嵐を乗り越えられたとしても、遠く南方まで流される可能性もあります」
 

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船主(ガラスの靴で!歩いている)がみんなに声を掛けます。
「お前らどうした?情けないぞ、この程度の嵐で」
 
「郎女(いらつめ)殿は元気ですね」
と船頭は苦笑します。
 
「水夫(かこ)たち、車櫂(くるまがい)を持て!北西に向かって漕ぐのだ!」
「北西ってどっちですか?」
「あっちだ」
と言って船主は右手を伸ばして示します。
 
「どうしてお主、この嵐の中で方角が分かるのじゃ?」
と大伴大納言が訊きます。
 
「海の上で方角が分からなくて船子(ふなこ)などやってられるか」
と船主は言いました。
 
「こんな嵐の中で方角が分かるのは郎女(いらつめ)殿だけですよ」
と船頭は言いつつ、頑張って船首に行き、障害物に注意します。
 
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「玉のある奴は情けないなあ。私は玉が無いから肝っ玉を潰すこともないぞ」
「肝っ玉ってその玉なんですかね?」
「国良くんも玉取る?」
「本名をばらさないで下さい。玉取ったら結婚できなくなるから遠慮します」
 
(国良は極楽の本名で建前的には非公開だが、ファンならみんな知っている)
 
水夫たちが嵐の中必死に漕ぎますが、それでもなかなか船は嵐の中から脱出できません。
 

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舎人が言いました。
「殿様、これはきっと龍が怒っているんですよ」
「そうですよ。龍を殺してやるなどと言ったから嵐を起こしてこの船を沈めようとしてるんです」
「このままでは船人も殿もみんな死んでしまいます」
「龍に謝ってください」
 
大伴大納言も物凄い揺れと激しい雨風でもう今にも死ぬか、あるいは波に身体が流されるかという状況でした。
 
船主はまだ立っています。
「なんだなんだ。みんな情けないな。まだ半時(はんとき:今の1時間)くらいは頑張れると思うのに」
などと言っています。
 
「半時(はんとき)後には?」
と大伴大納言。
 
「みんなで念仏でも唱えますか?」
 
だめだぁ!
 
それでついに大納言は大きな声で叫びました。
 
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「海路守護の神様、私が間違ってました。金輪際、龍の玉はもちろん、その髪の毛1本も取ろうとも思いません。どうかお許しください。私は自分の力を過信して、思いあがっていました」
 

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語り手「そのように大納言がおっしゃいますと、急に雷鳴は遠くなり、最後にピカリと稲妻が光っただけで静かになりました(*129) 。波も次第に小さくなります。しかし風は強く吹きました。その風を見て船主は水夫たちに命じました」
 
「帆を上げろ」
 
★音楽:サウザンズ『航海して後悔した!』
(『航海して行こうかい』と同じメロディーで歌詞違いバージョン)
 
それで水夫たちが帆を掲げると、帆はその強い風を受けて、どんどんある方向に向かって進み始めました。
 
「船頭、岩礁に注意しろ」
「もちろんです」
 
船頭が船首に座り、水夫たちは車櫂を外して艪を掴み、船頭の指示があったらいつでも回す態勢です。
 

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(*129) ここで稲光をひとつ最後に光らせるところは作者の文学的センスの高さを示している。並みの作者ならここに最後に稲光が光ったなどと書くことを思い付かない。しかも稲光だけで雷鳴がしなかったということ自体、発生した雷が遠かったことを示している。稲光は50kmくらい届くが雷鳴は15kmくらいである。
 
原文「雷止みぬ。少し光りて、風はなほ疾く吹く。楫取の曰く。これは龍の仕業にこそありけれ。この吹く風は良き方の風なり。悪しき方の風にはあらず」
 
謝罪したら龍が許してくれて帰還しやすいように風を吹かせてくれるというのも素晴らしい。
 

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「郎女(いらつめ)殿、これは良い風ですね」
と船頭(極楽)が言います。
 
「私もそう思う」
と船主(恋珠ルビー)は答えます。
 

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語り手「そしてわずか3日ほどで、船は明石の港に戻って来たのです」
 
少しは体力の残っている舎人たち(城村銀河・城村流星)が大納言(森原准太)を助けて船から降ろしました。
 
「船主さん、お世話になりました。このお礼は必ず致しますから」
と舎人の2人。
「ああ、いつでもいいよ」
と船主。
 
語り手「大納言が立てないので、舎人たちは地元の国司に頼み輿(こし)を仕立ててもらい、それで大納言を都まで運びました。大納言はあまりの辛さに目が飛び出てまるで顔に2つスモモを付けているかのようになってしまっていたそうです」
 
(映像は輿に乗っている大納言は映すが顔は映さない:目が飛び出す病気の人への配慮。輿を持つのは、実はケイがオーナーを務める女子バケットボール・チーム:千葉ローキューツの長身メンバー4人)
 
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語り手「それで世間の人は。大納言が玉を取ることができなかったので、思い通りに行かないことを“あなたへがた”(*130) と言うようになったとのことです」
 

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(*130) 「あなたへがた」は「あな、たえがた(し)」と読んで、「ああ、笑いをこらえられない」という意味だが、「あな、食べ難し」で、いくらスモモでも大納言殿の顔にできたスモモでは食べられないと笑っているのである。ドラマでは病気の人への配慮でここはあまり深く触れずに流した。
 

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語り手「さて、自分の家に戻ってきた大納言は舎人の2人に例の船の船主や船子たちに充分なお礼を届けさせました」
 
「助かります。あの船、あの嵐で傷んでしまって、もう次の航海には使えそうもないので作り直すんですよ。このお金は充分その足しになります」
と船主。
 
「待ってください。だったらその建造費くらい大納言は出すと思います。いくらくらい掛かりますか」
と舎人は尋ねて、およその金額を聞きました。
 
それで舎人が大納言に伝えると、大納言は「申し訳無かった」と言って再建造費と再建造中の休業補償を出しくれたので船主は安心して船を造り直すことができました。
 

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そして大納言自身が失敗したという噂が広まりますと、大納言の部下のひとり仲村(鈴本信彦)が戻って来て言いました。
 
「殿様、まことに申し訳ありません。私も四方八方探し回りましたが(本当は家の中の離れに閉じ籠もっていただけ)、どうしても龍を捉えることができませんでした」
と申し上げます。
 
「ある時は高い山の風雪の中で凍えそうになり」
 
映像は仲村がヒマラヤか?という感じの高山の頂上で空を眺めている様。
 
「ある時は広い海で飢えそうになり」
 
映像は仲村がイカダに乗って漂流し、大の字(太の字?)になって大空を見ている様。
 
(「もう少しまともな船を使え」という視聴者の声)
 
「ある時は森で猛獣に追いかけられ」
 
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映像は仲村が森の中で、ライオン(常滑舞音)、虎(水谷康恵)、白熊(水谷雪花)に追いかけられている様。
 
(「この3種類、生息地域が重複しないぞ」というツッコミ多数)
(「なぜライオンや虎が二足で走る?」というツッコミ多数)
 

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「またある時は火山が爆発して死ぬかと思いました」
 
映像は多数の火山礫・火山弾が飛んでくる中を仲村が逃げている様。(火山噴火資料映像との合成)
 
「いちばん惜しかったのが、出雲で雨上がりに龍の飛び行く様を目撃した時です。龍に向かって『待ってくれ!玉をくれ』と言ったのですが、私の声が届かなかったようで龍は去ってしまいました」
 
映像は雨上がりに“天使の階段”ができている風景の中を∫型の光の線が飛んで行く様。(天使の階段までは資料映像。それに村山千里の監修で龍のような光の線を描き加えた)
 
「散々探し回ったもののどうしても龍の玉を取ることはできず、このままでは帰ることもできないしと思っていたのですが、殿様ご自身でも玉を取ることができなかったと風の噂に聞きまして、もしかしたらお叱りを受けないかも知れないと思い、取り敢えず都に戻ってこちらに顔を出してみました」
 
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と仲村は長い話を終えました。
 

「お主、よくぞ龍を捕まえなかった!龍は雷の親戚だったのだ。もし私の部下が龍を捕まえようとしたら、お前だけでなく私も一緒に龍に殺されていたであろう。そのような危険な物を所望するとは、かぐや姫などという大盗人(*131)の者が、私をたぶらかして、大変なことになるところだった」
などと仰せられました。
 
そして“龍を捕まえなかったから”と言ってたくさんのご褒美を頂いたのです。
 
そして手ぶらで帰還しても叱られないようだという情報が伝わると、探索を命じられていた者が、ひとり・ふたりと帰ってきます。
 
部下2(三国舜)「伊豆の島々を南端まで探しましたが見付かりませんでした」
 
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部下3(沢村明美)「蝦夷の彼方まで行きましたが見付かりませんでした」
 
部下4(中村昭恵)「琉球まで行きましたが見付かりませんでした」
 
部下5(坂田由里)「瀬戸の島々をしらみつぶしに探しましたが見付かりませんでした」(*132)
 
などと申して、大納言から
 
「よくぞ龍を殺さなかった」
とねぎらいのことばを掛けてもらい、各々褒美をもらったそうです。
 

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(*131) “盗人(ぬすびと/ぬすっと)”は元々は泥棒という意味であるが、ここでは人を罵って「悪人」とか「曲者(くせもの)」といった意味で用いられている。
 
完璧にかぐや姫に対する熱が冷めたようだが、この人は元々飽きっぽいタイプのようである。
 
(*132) もちろんみんな適当なことを言っている。誰1人としてまじめには探していない。
 

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大納言(森原准太)は罰が悪そうな顔をして、元奥方(桜野みちる)の所へやってきました。
 
「私は間違っていた。そなたが私にとって最も大事な人だ。どうかまた私の妻になってくれないだろうか」
 
元奥方は答えて言いました。
「いいわよ。お金を沢山と、翡翠(ひすい)の首飾りをくれるならね」
 
「ありがとう。お金はすぐ用意させる。翡翠の首飾りは1年くらい待ってくれ」
 
それで大納言は奥方の家に多数の絹や紙を運ばせました。
 
「さすが姫様ですね。しっかりまた宝石をねだりましたね」
と侍女1(三田雪代)。
 
「あの人また1年くらいしたらどこぞの姫君に夢中になって私に離縁してくれって言いに来るわよ」
「次は何をねだられるんです?玻璃(はり;水晶)ですか?」
と侍女2(太田芳絵)。
 
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「そうね。瑪瑙(めのう)もいいわね」
「おぉ!」
 

語り手「それで結局、大納言と奥方は、かぐや姫のために用意した新しい邸に住むことにしました」
 
「なかなか豪華なお館ね」
「君が気に入ってくれて嬉しいよ」
 
ただし屋根に取り付けていた様々な色の糸は、小鳥が巣作りするのに、全部持って行ったそうです(あまりにも予測できる結果)。
 
 
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