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■竹取物語2022(9)

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車持皇子の場合(後編)。
 
竹取翁に皇子は冒険譚を話しています。
 
★音楽:WADO『荒波を越えて』
 
皇子「どちらへ向かえばいいのかも分かりませんでしたが、『思いを達成できなかったら何の生きている価値があるだろう』と思い、紀伊の岬を回った後はただ風任せに船を進ませました。命が無くなってしまえばそれまでですが、生きている限りは旅を続けていれば蓬莱という山に出会うこともあるだろうと思いました」
 
映像では船が2本の帆を掲げて海を進んでいく様子を映します。
 
皇子「ある時は海が荒れて船が海底に沈んでいきそうになりました」
 
映像は嵐にもてあそばれている船(CG)と、風雨にさらされ苦しそうな皇子。
 
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(キャロル前田はマジで水を掛けられ大型扇風機で風を当てられて撮影されている。ほとんど体当たり芸人扱い!後から 「息が出来なくて苦しかった!」と言っていた)
 

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皇子「ある時は島があったので漕ぎ寄ったら、鬼が出て来て我々を殺そうとしました」
 
映像は身の丈3mほどの鬼(角があり虎皮のパンツを穿いている)に、皇子と従者、船頭と水夫たちが追いかけられているシーン。
 
水夫のひとり(央花)が転んだのを旅村(鈴原さくら)が助け起こすシーンがある。ここは撮影時に本当に央花が転んだので、近くを走っていたさくらが助け起こした。央花はNGだろうと思ったが、監督はこれを活かした。マジで危機を脱した感になった。なお鬼はCGである。
 
皇子「ある時はずっと空が曇っていて太陽も星も見えず、方角が分からなくなって何日も漂いました」
 
映像は曇天の中で風も無く船は帆を下ろして皇子と船頭が話し合っている様子。
 
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(この時代は羅針盤が無い(*70) ので、外洋では太陽と星が頼りである。もっともこの時代に外洋航海の経験がある船頭は日本には存在しなかったはずである!)
 
(*70) “指南”と呼ばれるごく原始的な方位磁針なら存在したが、磁化した釘を刺した木の魚を水に浮かべるというもので不安定だし信頼性も低かった。
 

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皇子「ある時は食料が尽きて草の根を食べて飢えを凌ぎました」
 
(↑航海中にどこに草の根があるの?というツッコミ、昔から多数)
 
映像は皇子・従者・船員たちが草を頬張るシーン。実際に食べているのは、よく見れば分かるが小松菜である!
 
皇子「ある時は何とも形容しがたいものがやってきて食われそうになりました」
 
映像は船の傍にテンタクルズみたいな巨大なタコが現れ、船を多数の足でつかんで海に引きずり込もうとします。旅村と坂口が弓矢を何十本も足に射かけ、船頭と皇子も剣を抜いて蛸の足に斬りつけ、水夫たちが必死で艪を漕いで、何とか脱出する様子。
 
このシーンは3分ほども掛けて死闘が描かれ、この間に視聴率が10%上昇した。
 
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なお大ダコはCGであるが船に掛かった巨大な足は発泡スチロールの芯に粘土を塗って作った大道具さんの力作である。紐で引いて!動くようになっている。(スタッフが頑張って動かしている)これに大量に矢を撃ち込んだ。さくらときららは矢を打つ練習をだいぶさせられたが、おかげで真に迫った映像が撮れた。
 
視聴者の声「さくらちゃん格好いい!」「きららちゃん格好いい!」「のぞみちゃん格好いい!」「若南ちゃん格好いい」「淳子ちゃん格好いい」「大菜ちゃん格好いい」
「央花ちゃん格好いい」
 
キャロルは?
 
(この大活劇で広瀬のぞみのファンが多数できたようでファンメールが100通くらい来て本人もびっくりしたらしい:彼が性転換して信濃町ガールズに加入する日は遠くない??女の子になったら妹のみづほより人気出たりして!?)
 
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皇子「ある時は食料が尽きて、貝を食べて命をつなぎました」
 
(↑海の上では貝より魚のほうが得やすい気がするのですが)
 
映像は皇子・従者・船員たちが貝に食いついている。実際に食べているのは、“茹でた”あさり・さざえである。
 

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皇子「ある時は島があったので寄せたら、多数の女の人が居ました」
 
映像は船が島に到着するシーン。それを女性たち(斎藤恵梨香・桜井真理子・安原祥子・悠木恵美・佐藤ゆか・南田容子・高島瑞絵・山口暢香)が迎えます。女性たちは変わった服装をしていました(*72).
 
向こうが友好的っぽいので、小舟を降ろして、旅村(鈴原さくら)と船頭(広瀬のぞみ)が浜辺に漕ぎ寄ります(広瀬のぞみが漕ぐ。彼は“今の所まだ”男の子なので舟が漕げる)。
 
旅村が女性たちに尋ねます。
「ちょっとお尋ねします。蓬莱(ほうらい)という島はご存知無いですか?」
 
住民1(斎藤恵梨香)が答えます。
「ここは“ロウライ”(*71)と申します。“ホウライ”というのは聞いたことがありません。でも長く航海なさっておられるのでしたら、少し休んでいかれませんか。歓迎しますよ」
 
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旅村が船頭と顔を見合わせます。
「ちょっと聞いて来ます」
 
それで2人は船に戻り、皇子に確認します。
「歓迎するから休んでいきませんかと言われているのですが」
「そうか。では少し休ませてもらおうか」
 
語り手「それで皇子たちはここで休憩し、できたら食料やお酒の補給もしようと思ったのです」
 
一行は船の碇(いかり)(*73) を降ろし、船を停泊させました。そして2艘(そう)の小舟で岸に漕ぎ寄ります(*74).
 

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(*71) 蓬莱(ほうらい)の偽物として少しもじって“ロウライ”を登場させた。実はローレライと掛けている。住民は妖しい人魚たちである。
 
(*72) 住人たちは全員ノースリーブのサマードレスを着ている。色は全員派手なピンクである。
 
「バーゲンの売れ残りみたいな服だ」
と視聴者から言われたし、撮影時にこれを着た出演者たちからまで声があがったが、本物の蓬莱と区別するため、わざとダサい(死語?)服を使用した。
 
(*73) “いかり”は現代では鉄製なので“錨”と書くが、昔は石だったので“碇”と書いた。この2つの文字を混同して“錠”と書くと“錠前(じょうまえ)”になってしまう!
 
(*74) このドラマは大半を千葉市のララランド・スタジオ(ΛΛテレビ)で撮影しているが、小舟で浜に漕ぎ寄るシーン、浜から船に戻るシーンは、越谷の小鳩シティの池で転落防止ロープと支柱を全部抜いて撮影した。船はホリボテ。
 
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小舟のオールを漕いだのは船頭役の広瀬のぞみと、水夫1役の若南の・・・ボディダブルを務めた三国舜。だから小舟が漕がれているシーンでは若南の顔が映っていない。今回のドラマでWADOには“男装はしてもらうけど、男っぽい演技は絶対させない”という約束で出演してもらっている。
 

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皇子たち一行が女性たちに連れられて、立派なお館に導かれます。日本とは違うので門構えや建物の形も違っていて、まるでおとぎ話の世界に来たかのようです(*75).
 
中に入ると、わりと普通の広間があり、大きなテーブルと椅子が並んでいます。皇子たち一行は勧められてそこの椅子に座りました。まずはガラスのような透明の器(*76) に入った飲み物が出てきます。
 
「これは何ですか?」
と訊きますと住人2(桜井真理子)が
「ニョーニー(*77)と呼んでいます。この地で採れる果物の実を搾ったものなんですよ」
「へー」
と言ってみんな飲んでいます。
「この器も日本では見ないものだ」
などと言っています。
 
皇子(キャロル前田)も飲もうとし器を手に取ったものの、船頭(広瀬のぞみ)から話しかけられたので、器を手に持ったまま、船頭と話し始めました。
 
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やがて、食べ物も運び込まれてきました。食べ物は野菜や高野豆腐のようなものを炒めたもののようです。女性8人が皇子一行8人の各々の隣に座って料理を取ってくれます。こちらの男1人の隣に女が1人付いたということは、まさか“して”いいということじゃないよね?などと皇子たちは考えました。
 
坂口(夢島きらら)が尋ねます。
「男の方は漁か何かに出ておられるのですか?」
 
住人3(安原祥子)が言いました。
「この島には女しか住んでないのですよ。だから男の人が来て下さると大歓迎するんです」
 
皇子たちはドキッとしました。
 
看板係(麻生ルミナ)がこう書かれたプラカードを掲げる。
 
「皇子たちの頭の中/女だけの島↓男が来たら大歓迎↓今夜は楽しい♥♥♥」

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その時、突然、水夫1(若南)の頭の上からピンクの霧のようなものが降ってきます(CG)。すると水夫1の服装が水夫服(貫頭衣っぽい上着と袴)を着ていたのが唐突にピンクの“セーラー服”!(*78) に変わっちゃった!
 
「え?何、この服?」
と水夫1(若南)。
 
続けて、水夫2(淳子)、水夫3(大菜)、水夫4(央花)、の上からもピンクの霧が降りてきてその3人もセーラー服になっちゃう。
 
セーラー服を着た4人が前に出て来てハンドマイクを持ち(*79)セーラー服姿のまま彼女たちのヒット曲『ぼくたち女の子』を歌った(*80).
 

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(*75) 中国・インド・アラビア・中世ヨーロッパなどが入り乱れた無国籍なデザインで生成したCGである。まほろばグラフィックスの森石イリモ主任の力作。
 
(*76) 撮影に使用したのは実はトライタン(コポリエステル樹脂)の透明コップである。これも仙境の物質ということで。
 
(*77) “ニョーニー”は“女似”だったりして!? 実際に出演者が飲んだのはノニジュースである!飲まなかったのは車持皇子だけ。
 
(*78) セーラー服は、テレビ局の副音声の解説によると、仙境の服ということらしい。
 
(*79) 「マイクとかどこから出て来たのか?」「この時代に電気があるのか?」とかツッコミ多数。元々この物語は車持皇子のデタラメ話である。
 
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(*80) 鳥山プロデューサーは『セーラー服を脱がさないで』を指定していたが、「おニャン子クラブとか誰も知りませんよ」と若いADさんたちに言われて、WADO自身のヒット曲『ぼくたち女の子』が使用された。
 
ちなみにWADOはこの時点までひとつも台詞が無かった。これらは彼女たちに男声を出させないための配慮である。鬼ヶ島で事故的に央花が発した「ありがとう」は女声だった。本人はこれはどうせNGだろうと思ったので普段使っている女声を使った。
 

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「ぼくたち、どうしちゃったの?」
「ひょっとして女の子になっちゃった?」
「あ、おっぱいがある」
などと言って触りあっている。
 
「これはどうしたことか?」
と旅村が言っている間に、その旅村(鈴原さくら)と坂口(夢島きらら)の上からもピンクの霧が降ってきて、2人とも女房装束に変わってしまいます。
 
「え!?何が起きたの?」
「髪が長くなってる」
「おっぱいが大きくなってる」
「なんか身体が軽くなった気がする」
「あ、はぜ(*81)が無くなってる」
「その分軽くなったのか?(*82)」
「私たちも女の子になっちゃったみたい」
 

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(*81) “はぜ”は男性器の古名。番組では特に説明しなかったが大半の視聴者が意味を理解したと思われる。
 
このセリフは元々WADOに当てられていたが
「女の子にそんなセリフ言わせるのは可愛そうです」
と、さくらが言い、自分が引き受けた。この件はあとでWADOがブログに書いて感謝していますと述べたので、WADOファンの間で、さくらの人気が上がった。
 
多数のファンメールも来て
「さくらちゃんも早く本当の女の子になれるといいね」
などと書かれているので
「ぼく女の子になるつもりないんだけどなあ」
などと言って
「嘘はよくない」
と男子寮の住人たちからも言われていた。
 
(*82) どう考えても男性器よりバストのほうが重いハズというツッコミ多数。
 
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「随分早く女になってしまいましたね」
と住民5(佐藤ゆか)。
「大抵は女に変わるのは翌朝だから一晩は楽しめるのに残念」
と住民6(南田容子)。
 
「どういうことです?」
と船頭(広瀬のぞみ)が隣に居る女性(悠木恵美)(*83) に尋ねます。女性が答えます。
 
「この島に来た男性はなぜか分かりませんが、大抵翌日くらいまでの間に女に変わってしまうのですよ。朝までもってくれたらその夜だけでも楽しいことができるのに」
 
船頭と皇子が顔を見合わせます。
 
「逃げよう」
と皇子が言いました。
 
「全員撤退!船に戻るぞ」
 
「あっ待って」
と住民7(高島瑞絵)。
「女同士でもいいから一晩楽しみましょぅよ」
と住民8(山口暢香)。
 
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(*83) 悠木恵美(常滑舞音のマネージャー:元信濃町ガールズ)は久々のドラマ出演である。この女人国の住人の役は高卒メンバーにしかできないので「メンツが足りないから」と言って引っ張り出された。
 

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