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■夏の日の想い出・つながり(12)

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湯煙のたくさん立つ池を過ぎると、唐突にお稲荷さんがある。
 
「阿弥陀(あみだ)様もいるのに、お稲荷(いなり)さんもあるんだ?」
「まあ、日本人の感覚って、そんなものだから」
 
そこをすぎた所にこの地獄のシンボル、巨大な龍とお釜がある。巨大な龍のそばに小さな金の龍もいる。釜の所にも2体の金の龍がいる。
 
「ここで記念写真、記念写真」
 
と言って、お互いに写真を撮り合う。竜(アイ)と綾香のツーショット、光太郎も入れて3人の写真も撮ってあげた。早月を立たせて、竜(アイ)がふたりは兄妹だと言っていたからというので、その2人のツーショットも撮った。もっとも光太郎がスカートを穿いているし顔立ちも可愛いので、姉妹に見える。
 
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「でもこの写真は公開しないで下さいね。ここは閉鎖されていることになっているから」
「OKOK」
「でも何かの折にPVに使えない?オーナーさんと交渉すればいいのかな?」
「じゃその時は私に言って下さい。話をつけますよ」
「よろしく」
 
そこを過ぎると、お地蔵様が6体並んでいる所に来る。
 
大定智悲地蔵尊(地獄道)
大徳清浄地蔵(餓鬼道)
大光明地蔵尊(畜生道)
清浄無垢地蔵尊(修羅道)
大清浄地蔵尊(人間道)
大堅固地蔵尊(天上道)
 
と書かれている。
 
「質問。なぜ餓鬼道の所だけ“尊”の字が無いの?」
「書き忘れたというのに1票」
「字を大きく書きすぎて入らなくなったから省略したというのに1票」
 
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その先には8体の仏像が並んでいる。
 
「生まれ年の干支(えと)の菩薩様か。でも、干支は12あるのに、菩薩様は8体しかないよ?」
と綾香。
 
「だぶってるからね」
と言って竜(アイ)は暗唱する。
 
「子:千手観音菩薩、丑・寅:虚空蔵菩薩、卯:文殊菩薩、辰・巳:普賢菩薩、午:勢至菩薩、未・申:大日如来、酉:不動明王、戌・亥:阿弥陀如来」
 
「菩薩じゃないのも混じっている」
と政子。
 
「細かいことは気にしない」
と竜(アイ)。
 
「あれ?戌・亥は八幡大菩薩になってるけど」
と綾香が指摘する。
 
「本地垂迹説では、八幡神は大日如来と同体とされている。だから戌・亥の守り本尊を八幡大菩薩としている寺社もある。ここはその方式を採っているんだろうね。それにこの先に大きな阿弥陀如来像があるから、そちらとの重複を避けたのかもよ」
と竜(アイ)は言った。
 
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アイちゃんって、随分仏教に詳しいみたいだなと私は思った。
 

そしてアイが言った通り、いちばん奥には巨大な阿弥陀様が立っていた。高さ5-6mくらいだろうか。両脇に風神と雷神の像もある。
 
「これは外からも見えてたね」
「まあこれだけ大きいと見えるよね」
 
「阿弥陀様の脇侍はふつう観音菩薩と勢至菩薩なんだけど、きっと何か事情があって、このようなことになったんだろうね」
と竜(アイ)。
「阿弥陀様が来日して、日本のSPが両脇に付いているのかも」
と政子。
「それは面白い見解だ」
 
「風神・雷神って日本の神様だっけ?」
と綾香。
 
「世界的に古くから認識されている神様だと思うよ。まあ神様の固有名詞ではなく、むしろ属性を表す言葉だよね。ゼウスだって雷神だし、菅原道真公も雷神」
と竜(アイ)
 
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近くには弘法大師の像もあった。
 
しかしなかなか面白い地獄であった。私たちはここがいつかまた営業再開できることを祈って、金龍地獄を後にした。
 

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駐車場に行き、車に乗る。
 
「ベビーシートも積んでるから早月ちゃんをそれに乗せて」
「積んでるんだ!?」
「貸してくれた人も小さい子供がいるんだよ」
「なるほどー!」
 
それで三列目の右側にチャイルドシートがあり、そこに光太郎を座らせた上で、左側にベビーシートをセットして早月を乗せた。運転席に竜(アイ)、助手席に綾香が乗り、2列目に政子・私・桃香と乗った。
 
それで高倉竜(丸山アイ)の運転で5分ほど走り、柴石(しばせき)温泉まで行く。別府七地獄の内、残りの2つがこちらにある。
 
まず龍巻地獄に行ってみたのだが、ちょうど噴出したばかりで次の噴出まで30分くらいかかるということだった。それで先に血の池地獄に行ってみる。
 
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「酸化鉄だよね」
「うん。Fe2O3。要するにサビの色」
「ああ、なるほど」
 
「昔の人はこういうのが観光客を呼べる物になるとは思いもよらなかったろうな」
「ここは風土記や万葉集にも載っていたらしい」
「そんなに古くからこれを維持しているというのは凄い」
「恐山にも昔血の池地獄があったけど枯渇しちゃったんだよね」
「へー」
「今も“血の池地獄”という看板は立ってるけど、普通の透明な池」
「ちょっとつまらないな」
 

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ここをしばらく見てから、龍巻地獄に行く。
 
そろそろ来るのだろう。かなり人が集まっている。
 
「そろそろ来そう」
という声がある。
 
そして池の奥の所から小さな噴出が始まるが、それはすぐに大きな噴出へと成長した。
 
「凄い!」
と政子・綾香が声をあげる。光太郎も
「わぁ」
と言ってみとれている。
 
「あの屋根が邪魔だ」
と政子。
 
「昔は無かったんだけどね。危険だからというのであれが作られた」
「へー」
「あれが無いと20mくらいから最大50mくらいまで噴水が上がることもあるらしいよ」
「確かにそれは危険かも知れん」
 
私たちはその自然の驚異にただ見とれていた。
 
地下に1000-2000mくらいの垂直な水路があり、その下部が地熱で暖められることによって沸点に到達すると緩やかな噴出が始まる。そして噴出が始まると水路内の圧力が下がることにより、沸点が下がり、結果的に爆発的な噴出を引き起こす。しかしある程度噴出してしまうと吹き上げるべき熱水が無くなって、噴出は終わる。
 
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間欠泉の原理はそのように説明されている。龍巻地獄のそばにも似たような説明の看板が立っていた。
 
ただこの「垂直管説」は、この龍巻地獄のような小規模な間欠泉には当てはまるものの、かつて熱海に存在した大湯間欠泉(明治時代に枯渇)のような大規模な間欠泉はまた別のメカニズムで起きるらしい。龍巻地獄は30分間隔で7-8分噴出するので、とっても勤勉!?で観光客向きであるが、イエローストーンにあるGiant Geyserなどは数日〜数十日おきに、1日〜数日の長時間の噴出を起こす。ただここは間隔が、とっても気まぐれで、1度も噴出しなかった年(2009)もあれば54回も噴出した年(2007)もあった。観光で見に行っても、見られる確率の低い、困った!?間欠泉である。
 
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(英語では間欠泉はgeyser(ガイザー)という。これは昔アイスランドにあった間欠泉(現在はほぼ枯渇)の名前が一般名詞化したものである。もっともgeyserという単語そのものが古スカンジナビア語で「噴出する」という意味のgeusaから来ているらしい)
 

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「ケイさんたちはどこに泊まってるの?」
と竜(アイ)が訊く。
 
「鉄輪温泉の**屋」
「それはまた家庭的な宿を」
「竜君たちは?」
「ボクたちはホテル**という所なんですけど」
「ああ、いいホテルだ」
 
「でも、ケイさんたちが取った宿のほうが、昔ながらの日本の温泉を堪能できるよ。いっそのこと、**荘とかにすればよかったのに」
 
「自炊する所でしょ?」
「そうそう。昔ながらの湯治スタイル」
「湯治は長期滞在するからね」
「準備で一週間、本番で一週間、仕上げで一週間だから」
「それだけ長期間滞在するなら、自炊しないと費用が大変なことになるよね」
「うん。だから昔の人は自炊しながら湯治したんだよ」
と竜(アイ)は楽しそうに言っていた。
 
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「でものんびり湯治すると、色々病気や怪我が治りそうだよね」
「やはり温浴で身体の循環が正常化されていく効果が大きいと思いますよ。怪我にしても自己修復能力を高めますからね。小栗判官の話はご存知ですか?」
 
「殺されたけど、蘇ったという人だっけ?」
「そうです。和歌山県の湯ノ峰温泉には、小栗判官が使った『つぼ湯』という温泉が残っていますよ。川のそばにあって2〜3人で満員になる小さな温泉ですが」
「よく温泉に入って、生き返ったようだと言うけど、本当に生き返ることもあるんだね〜」
と政子。
 
「まあ伝説ですから。でも私も性転換手術を受けておちんちんを取ったのに小浜(おばま)温泉で体力回復のための湯治をしていたら、おちんちんがまた生えてきたんですよ」
と竜(アイ)。
 
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「マジ!?」
と政子。
「せっかく痛い思いして切ったのに、生えてこられるのは困るなあ」
と私。
 
「だから竜男の言うこと信用したらダメだよ」
と綾香も笑いながら言っている。
 

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「でも小浜温泉って福井だっけ?」
と綾香が訊くが
 
「小浜温泉は長崎県。福井県の小浜市とは別」
「あ、そうなんだ?」
「川棚温泉は山口県で、長崎県の川棚町とは別。草津温泉は群馬県で滋賀県草津市とは別」
「え!?草津温泉って、滋賀県じゃないの!?」
 
「わりとありがちな誤解。結構草津駅で、草津温泉に行くにはどのバスに乗ればいいですか?と訊く人がある」
 
「ああ」
 

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「まあ私たちは湯治じゃなくてリフレッシュだからね」
「次のローズ+リリーのアルバム?」
「いや、今そこまではとても手が回らない。KARIONが放置になってたから、そちらのミニアルバムでも構想を練ろうと思って」
 
「ミニアルバムなら、良かったら丸山アイから1曲提供できません?」
「歓迎歓迎」
「でもどんなテーマで作るんですか?」
「それを今から考えようと思っているんだよ」
「温泉とか地獄とかでもテーマにします?」
 
「そういえば鉄輪温泉の鉄輪(かんなわ)ってどういう意味だろう?」
「色々な説がありますよ。古い文献に出てくる河直山(かなおやま)というのが訛ったという説、念仏の題目から来たという説、遊行僧が持つ錫杖(しゃくじょう)の上の部分にある鉄輪から来たという説」
 
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「錫杖!ああ、あれか!」
 
「金属の輪に何個かの遊環が通してあって、地面に突く度にそれが鳴るんですよね。それで熊とかが近づいて来ないようにするためなんですよ」
 
「熊鈴と一緒か!」
「やはり山野を駆け巡る時は、恐かったと思いますよ」
 
「法力のあるお坊さんなら、熊くらい法力で倒したりして」
「まあ、たまにはそんな人もあったでしょうね」
 
と竜(アイ)が言うと、綾香がなぜか呆れたような視線で彼を見ていた。
 

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その時、私は錫杖の輪の形に唐突に『世界』を感じた。
 
「1024」
「え?」
 
「10周年だから1024というのはどうだろう?と唐突に思った」
「2の10乗ですか?」
「そうそう。10という数字も入っているしKARIONの4という数字も入っている」
「面白いですね」
 
「ね、ね、アイちゃん、ふつうポップスの曲の小節数って、何小節くらいだっけ?」
 
私は考えながら言ったので、うっかり「竜君」ではなく「アイちゃん」と言ってしまったが、彼は気にすることもない。
 
「KARIONの曲ってスローな曲が多いんですよ。Andante(アンダンテ)の場合、だいたい速度は90BPMくらいだから4.5分の曲で、90 x 4.5 = 405拍。だから4で割って100小節くらいですね」
 
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とアイは暗算しながら言った。90x4.5は(100-10)x4.5で 450-45と計算すると405という答えが出る。
 
「だったら10曲くらい書くと、合計小節数を1024にできるよね?」
「それ面白いですね。逆に90BPM 1024小節なら、1024 x 4 ÷ 90 =
はい、マリさん」
「45.5」
「全曲で45分半なら、充分標準的なアルバムですよ」
「だね」
「そういうアルバム出したら、きっと頑張って小節数を数えてみるファンが出ますよ」
「KARIONのファンならやりそうだ」
 
KARIONのファンには元々クラシックファンの人や、音楽の先生、合唱指導者や合唱部・合唱サークルなどのメンバーが多い。音楽理論にも強い人が多いから、そのくらい確認する人が出てきそうだ。
 
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「ミニアルバムのつもりだったけど、10曲構成にしようかな」
「いいんじゃないですか? とにかくピアノ譜程度まで書けば、後はきっと和泉さんが編曲してくれますよ。歌唱や演奏は、作曲作業と並行してできるでしょ?」
 
「できると思う。気分転換にもなるし」
 
「例によって、私や醍醐春海さんが水沢歌月風の曲を1曲ずつ提供したら、ケイさんが自分で書く曲は3曲程度で抑えられますよ」
 
「あはは。でもそれお願いできるかな?」
「いいですよ。じゃ水沢歌月風の曲1曲と、丸山アイ風の曲1曲書きましょう。高倉竜風でもいいですが」
 
「ごめん。高倉竜ではKARIONのポリシーと合わないから」
「まあ演歌始めたらファンがびっくりするでしょうね」
 
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それで私は旅館まで送ってもらった後、もう起きているかなと思った千里2に電話してみた。今は夏時間なので、こちらの16時はフランスの朝9時である。
 
「だったら、私も水沢歌月風の曲と、醍醐春海名義の曲を提供するよ。醍醐春海名義のは琴沢幸穂(千里3)に書かせるから」
と千里2は言ってくれた。
 
「助かる助かる」
 
「それで冬が3曲くらい書けば、私のとアイちゃんのと合わせて7曲になる。あと3曲は、櫛紀香さん、広田純子&花畑恵三さん、青葉あたりに頼むといいよ。もし余ったら私か青葉の曲をシングルに回せばいいし」
 
「うん。ひょっとして余った場合はそうさせてもらおうかな」
 
 
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■夏の日の想い出・つながり(12)

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