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■夏の日の想い出・つながり(7)

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続けて『硝子の階段』に行く。
 
詩津紅・風花・青葉が下がり、この曲では千里がキーボードを弾く。月子は三味線から篠笛に替える。そしてヴァイオリンの泰華、琵琶の風帆伯母、フルートの榎村アケミが登場する。この3曲目で今日参加する全ての演奏者が登場した。
 
この曲は初めは静かに始まるが、クライマックスでは、かなり盛り上がるので、静かに手拍子を打っていた観客も最後はかなりの歓声をあげていた。
 
「琵琶:若山鶴風、ヴァイオリン:長尾泰華、フルート:榎村アケミ」
と紹介する。
 
「鶴風さんは私の和楽器の事実上の師匠で、若山流鶴派のサブリーダーでもあります」
 
「泰華さんはゴールデンシックスにも出ていましたが、ヴァイオリンとピアノのとっても上手い方で、KARIONの公演にもたくさん参加しています」
 
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と紹介すると、各々拍手がある。そして
 
「榎村アケミちゃんはこの曲のPVにも出演して頂きました。この夏に歌手としてデビュー予定です」
と紹介すると
 
「アケミちゃーん、応援するよ!」
「CD買うからね!」
という声が掛かり、本人も笑顔で手を振っていた。
 

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スターキッズの基本構成に戻して『神様お願い』を演奏する。この曲ではキーボードは青葉が弾いた。千里が「この曲には青葉は参加すべき」と言って弾かせたのである。青葉も涙を流しながら弾いていた。会場の中にも涙を浮かべている観客がかなり居た。
 
この曲が折り返し地点で、いったん私とマリ以外の伴奏者が全員退場する。私とマリは少し長めのMCをして、東北各地の復興状況についても語った。岩手県方面では、山田線の釜石−宮古間が2018年中に復旧する見込みとなったことなども明るい話題だ。
 
山田線のこの区間は震災以来不通になっていて、BRT(バス)による復旧も提案されていたものの、最終的に鉄道で復旧することが決まり、現在工事が行われている。復旧後はJRから三陸鉄道に移管され、北リアス線(久慈−宮古)、南リアス線(釜石−盛)と統合されて「リアス線」として、三陸海岸の動脈となることが期待されている。
 
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震災前は、仙台から八戸まで、石巻線・気仙沼線・大船渡線・南リアス線・山田線・北リアス線・八戸線と走り抜ける列車(リアス・シーライナー)もあったのだが、震災以降は走行不能状態が続いていた。
 

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私たちの話がそろそろ終わろうとしてきたあたりで、伴奏者がアコスティック楽器を持って入ってくる。私は話を一段落させて、次の曲を告げる。
 
『春の詩』を演奏する。
 
スターキッズのアコスティック・バージョンに追加演奏者も入っている。
 
アコスティック・ギター:近藤、ヴィオラ:鷹野、チェロ:宮本、コントラバス:酒向、トランペット:香月、マリンバ:月丘、そしてアルトサックス:七星。
 
ヴァイオリンは泰華がソロパートを弾き、それに美耶と千里も音を添える。これにアケミと風花のツイン・フルート、詩津紅のクラリネットが入り、聖見の箏と風帆伯母の琵琶も入る。
 
美しいアコスティック楽器の音色が、麻布先生の自然な音響設定により、会場に浸透していく。これはこのサイズの会場までしかできない音作りである。メインの巨大スピーカーだけ鳴らしても会場全体に音は聞こえるのに、敢えて会場のあちこちにサブスピーカーを置いているのも、できるだけ自然な音を聴いてもらうためである。
 
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万単位の会場ではどうしてもどこかに歪みが行ってしまう。大宮アリーナでやった時は「音の走行距離」をできるだけ短くするため、アリーナ中央に円形ステージを組むということをやったが、あれは全方向の観客に気を配らないといけないので、なかなか大変であった。
 
私は曲が終わった所で、ひとりひとりの演奏者を紹介し、更に
 
「音響設定、麻布英和」
と紹介した。麻布先生が歓声に応えて手を振っていた。
 

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アコスティック楽器のまま『縁台と打ち水』を演奏する。
 
アケミと風花、詩津紅、聖見も下がり、月子・星子の姉妹が出てくる。ふたりは三味線と太鼓を演奏する。青葉が将棋盤を持って出てきて、美耶と将棋を指しはじめる。更に秋風コスモスがバケツとヒシャクを持って出てきて、打ち水をするようなパフォーマンスをすると、会場には笑いが起きていた。
 
コスモスは今日はこれだけの出演である。
 
演奏が終わるとコスモスが観客に手を振って下がる。そこに
 
「コスモスさーん!」
という声が掛かっていた。
 
コスモスは声が掛けられたので、わざわざ私のスタンドマイクの所まで寄ってきて
「音痴な私でも、こういうお道具なら音を外さない」
と発言して、笑いを取っていた。更に
 
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「コスモスさーん、格好いいよ!」
などという声も掛かっていた。
 
(後から「私はやはり『コスモスちゃん』じゃなくて『コスモスさん』なのね」とか「私は『可愛い』じゃなくて『格好いい』なのね」とか、少し悩んでいた)
 
月子・星子の姉妹が将棋盤を持って下がり、青葉は龍笛、美耶はヴァイオリンを持つ。アケミが再登場してフルートを吹く。
 

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『寒椿』を演奏する。
 
ギターが2本必要なので、琵琶を弾いていた風帆伯母がギターに持ち替えて、留袖を脱ぐ!と、マドンナか!?という感じの派手な衣裳を着ているので会場がどよめいた。66歳でミニスカを穿いて違和感の無い女性は、日本人ではめったに居ないが、毎日10kmのジョギングをしている賜物だろう。ウェストもけっこうくびれているし、演奏は36歳の近藤さんが焦ったような顔をするほどパワフルであった。そもそも素顔でもまだ50歳くらいに見える。精神的に若い人である。
 
この曲では、泰華・千里・香月・美耶の4人でヴァイオリンを弾いた。
 

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ところで今日は千里にたくさんヴァイオリンを弾いてもらっているのだが、
 
実は・・・3人の千里の中で千里2はヴァイオリンが割とうまいのである!
 
千里1は相変わらず「移弦すると音を間違う」という困った癖がある。千里1のヴァイオリンがうまくなっていくのは2020年頃からである。千里3は練習する気が無いようだと(千里2は)言っていた。
 
元々千里は「移弦しない限りはうまい」ヴァイオリニストだった。それが千里2は昨年「3人になって時間の余裕ができたので(本人弁)」かなり練習して、移弦も随分上達したのである。
 
千里にはカウントダウンライブでもヴァイオリンを弾いてもらったのだが、その時、私は「あれ?以前より随分うまくなってないか?」と思ったのだが、実は猛練習して、欠点を克服したということだった。その話を聞いて私は自分も頑張らなきゃ、と思ったのである。
 
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なお、千里が今日の演奏に使用しているヴァイオリンは、例の貴司さんとの間を頻繁に往復しているらしい“愛のヴァイオリン”(スズキ製)ではなく、イタリアのクレモナで買った工房製品らしい。
 
クレモナは北イタリアの町で、アマティ・ストラディヴァリ・グァルネリを輩出した所である。その後衰退していたものの、ムッソリーニが1938年にヴァイオリン製作学校を設立してから、少しずつ伝統製法が復活していく。ところが戦後はドイツやチェコなどの量産品に負けて再び衰退する。
 
(チェコのシェーンバッハで量産されたヴァイオリンが「クレモナ」ブランドで世界に輸出されている。また、近年は日本と中国の高品質な量産品にもおされているらしい)
 
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しかし本家クレモナにも1979年にヴァイオリン製作を振興しようという組織が作られ、それ以降少しずつ職人的な制作者が集結していくようになり、現在では60以上の工房があり、正式に看板を掲げていない制作者も入れると、600人ほどのヴァイオリン制作者が活動しているという。日本人の高橋修一もクレモナに工房を持ち、現地の制作者組合に加入している。
 

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千里2は秋から春に掛けてはフランスに居るのだが、現地の友人に
 
「どこかでいいヴァイオリン売ってないかなあ」
と言ったら
 
「ヴァイオリンならクレモナでしょ?」
と言われて、イタリア語のできる友人も連れて3人でクレモナまで買いに行ってきたらしい。
 
現地でちょうどフェアのようなものが開かれており、そこでいくつか試奏させてもらって買ったものだという。値段は8000ユーロ(約100万円)だったらしい。クレモナ製の証 Cremona Liuteria のマーク(ヴァイオリンの渦巻き模様のロゴ)が入っている。制作者の銘は Marianne Jostと署名されていた。少し弾かせてもらったが、明るい音がするよく響くヴァイオリンであった。鷹野さんも弾いてみて「俺の400万のヴァイオリンより響く!」と叫んでいたが、現地で買ったのと日本に輸入されたものを買ったのの価格差もありそうな気はする。
 
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なお、弓もその時クレモナで一緒に買ったもので、こちらは2000ユーロだったらしい。でもよく見たらフランスのミルクール製だった!という。ミルクールもかつては弦楽器の生産地で、特に名弓の生産地として知られていたのだが、近年は衰退して工房の数もかなり減っているらしい。しかし20世紀前半くらいに作られたミルクール産の弓は現在でも高額で取引されている。もっとも千里が買ったものは現代の作品のようである。
 
「でも弓はどうやって買うの?やはり試奏して?」
「うまい人はそれがいいと思う。私の場合は、ヴァイオリンの波動と親和性のある波動を持つ弓を選んだ」
 
「なるほどね〜」
それは千里や青葉にしかできない選び方だと思ったのだが千里は言った。
 
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「冬はそれを無意識にやっていると思う」
 

「でもそのヴァイオリンを見に連れて行ってくれた友だちって、やはりバスケの関係者?」
「そうそう。同じチームの同僚。背が高くて190cmくらいかな」
「さすが外人さんは凄いね!」
「外人さんでも190cmは女性としてはかなり高い」
「だろうね」
 
「例によって女子トイレで悲鳴をあげられて、私が弁明してあげた」
「ありがちありがち」
「でもとんできた警備員は手術して女になった人かと思っていた感もある」
「それもありがちだ」
 
「ちなみに一緒に行ったイタリア語の出来る友人が実は手術して女の子になった子だと言ってた」
「へー!」
「でも彼女は背が低いんだよ。私より低い165cmくらいかな」
「そのくらいだと普通の女性に紛れられるよね」
「小学生の時から女性ホルモン飲んでいたらしい。高校の時に去勢したって」
「その頃には既に機能停止していたのでは?」
「そうそう。だから正統な医療として摘出してもらえたらしい」
「まあそういう子は、そんなもの付いているのが間違いだろうからね」
 
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「そういう訳で3人の中で最も男に見える子だけが天然女性だったんだよ」
「あはは」
 

電気楽器に持ち替える。
 
『コーンフレークの花』を演奏する。
 
宮本・美耶・聖見・青葉が下がる。
 
近藤さんと風帆伯母が2人ともアコスティックギターをエレキギターに替える。ヴィオラを弾いていた鷹野さんがベースに、コントラバスを弾いていた酒向さんがドラムスに。風花と詩津紅が出てきて、風花と千里がキーボードに行き、ヴァイオリンは泰華だけになる。アケミは引き続きフルートを吹く。詩津紅はサンバホイッスルを吹く。
 
そしてこの曲では月子・星子の姉妹が可愛い衣裳を着て出てきて、ダンスを入れてくれた。ふたりのダンスに歓声が飛ぶ。
 
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むろん服を脱いだりはしない!
 

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夏の日の想い出・つながり(7)

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