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■春三(19)
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11月18日(金).
吉川日和は6度目の生理が来た。生理期間中は結構辛いものの、ここまで回数を重ねると、もうごく日常のできごととなった。
日和の生理
1 2022.07.01
2 2022.07.29 +28
3 2022.08.26 +28
4 2022.09.23 +28
5 2022.10.21 +28
6 2022.11.18 +28
今の所きれいに規則的に28日おきに来ている。
「ぼく女の子になるんだから生理も頑張らなくちゃ。その内いい男の人と巡り逢えるかなあ」
などと思いながら、ふと九重の顔が思い浮かび、ぽーっと顔が赤くなる(←かなり危ない)。
「でもあの人、きっと奧さん居るよね?」
などと思った。
11月22日(火).
彪志(月子?)に2度目の生理が来た。前回は心の準備が無かったが今回はそろそろだろうと思い、20日くらいからパンティライナーの代わりにナプキンを着けていたので、無難に迎えることが出来た。ただし生理が来た日と翌日は定時(?)で帰らせてもらった。
やっぱり俺生理とこの後20年間くらい付き合っていかないといけないのかなあと思うと、やはり女って大変なんだなと思った。
11月23日(水).
彪志の生理2日目。
(吉沢)柚代と(田原)恵花がニヤニヤした顔で彪志の机の所に来る。
「つきちゃん、これあげる」
「あ、ありがと」
と言って受け取ったのは、アーモンドフィッシュ(乾燥小魚とアーモンド・ピーナツのミックス)である。よくおつまみなどに使う品である。
「生理の時はこれわりと効くんだよ」
「へー」
(↑報告書を書いていたので頭があまり働いていない)
11月22日(火).
松崎元紀は福岡市のアパートを“出て”、東京の§§ミュージック女子寮に引っ越した。正確には前日21日の朝、衣類や法律関係の本などと食料・飲料を車(タント)に積むと、福岡都市高速→九州自動車道→関門橋→山陽道→名神→京滋バイパス→新名神→伊勢湾岸道→新東名→東名→首都高速(一部短い区間の高速名を省略)と走り、22日朝に千住新橋出口を出て東京五反野の§§ミュージック女子寮に到着した。
途中200km程度ごとに休憩し、眠くなってきたら仮眠している。寝袋をいつもタントに積んでいる。
五反野の寮では、地下の駐車場に枠をもらっていたので車はそこに駐める。そして荷物は放置!して、用意してもらった部屋(C103)に入って夕方までひたすら寝た(寝具も用意されている)。夕方晩御飯まで頂いてから荷物を部屋に運び入れた。
21時頃、典佳が仕事を終えて戻って来て
「もと姉ちゃん、手伝おうか?」
と言った時はだいたい運び終えていた。
「あと食料が少し残ってるけど要る?」
と訊くと
「もらう!」
と言って全部持っていった。(典佳は隣のC102)
なお、元紀は福岡のアパートは解約していない。兄の松崎貴美が
「俺が使う」
と言ったので、寝具なども残している。貴美は現在鹿児島の大学3年生であるが、(怪我して野球ができなくなったりしない限り)大学卒業後に福岡の企業に入社することが内々々定?しているらしい。それで頻繁に福岡に出て行くのでその拠点にすると言っていた。(これまでも時々泊まっていて自分の寝具も置いている。元紀が残していった寝具はきっと貴美の彼女が使う)
「家賃はもとちゃんが払ってくれる?」
「うん。兄さんが大学卒業するまでは」
ということで、元紀はあと1年と4ヶ月ほど、福岡のアパートの家賃と東京の寮の寮費とを二重払いすることになる。なおこちらの寮費は、食事代・駐車場代まで入れて8万円と言われた。
但し時々“息抜き程度”にもドラマなどに出てくれるならギャラも払うし寮費2万円でいい(実質駐車場代のみ)というので、
「司法修習生はバイト禁止ですけど、それまではいいですよ」
ということにして2万円にしてもらった。それで元紀は“トラフィックだけど東京在住”という状態になった。結局トラフィックは退団しない。
彼の立場はフラワーサンシャインの子たちの立場に近い。彼女たちは本来女子寮に入れる筋はないのだが、桜井・安原・立花との接触が多いので、防疫の都合上入ってもらっている。彼女たちは元々安月給だったのでとても助かっている。居るついでに、特に高卒メンバーは、様々な雑用(若いタレントの付き添いやリハーサル役・ボディダブルなど)もしてもらっているがギャラよりそちらの方がよほど高い!
元紀がもし来年の司法試験(2023.7)に合格した場合、司法修習は2024年3月に開始される。つまりこれから1年4ヶ月ほどある。多分彼は来年の大型時代劇にも出ることになりそう。
でも23日(祝)は女子寮で部屋の大移動があり(*43)
「君、多分標準的な女の子よりは腕力あるよね?」
と言われて引越の手伝いをする羽目になった!
(*43) 女子寮では今月恒例の部屋大移動が行われた。19日(土)に第1弾の移動があり、松崎典佳はA203からC102に移動された。この時、元紀のためにC103を確保してくれた。真和は(東京に出て来た時は)C102に入り典佳と同居する予定である。1部屋に3人は多すぎるので元紀はC103になった。
23日は移動第2弾だった。
11月24日(木)、元紀は昨日の作業疲れで昼過ぎまで寝ていたが、そのあと予備校のネット授業を受けるなど、勉強をしていた。そして23時半ころ、そろそろ寝ようと思って布団に入った。
11月25日(金) 0:00.
時計が0:00になるのと同時に、“魔女っ子千里ちゃん”が出現する。
「こんばんわ、元紀ちゃん。ぼくは男の娘の味方“魔女っ子千里ちゃん”だよ」
「え、えーっと・・・」
「あれ〜?ぼく何するんだったっけ?」
などと本人は悩んでいる。
「ぼくは何も約束してないけど」
(きっと誰か他の子との約束を忘れている)
「そうだったっけ? あ、そうだ。元紀ちゃん骨格がだいぶ女らしくなってきたから、そろそろ卵巣・卵管・子宮・膣ができるようにしてあげるね」
「え?」
「要らない?」
「要る!」
「じゃ寝ててね。起きた時には出来てるよ。半月後には生理も始まると思うから」
「分かった。ありがとう」
それで元紀は眠ってしまった。
翌朝、元紀が目を覚ましてから身体に触って確認すると、お股に陰裂ができているのでドキドキする。ぼく本当に女の子になっちゃった、と思う。
その陰裂のいちばん奥に穴があった。わぁこれヴァギナかな。ペニスはまだあるが、陰裂のいちばん手前から生えている。また体内、下腹部の奥のほうに何か“温かいもの”が左右一対あるように感じた。これが卵巣かなと思った。
ぼく生理的に女の子になったのかもと思った。
ちょっとちんちんが邪魔だけど。
早く取ってくれないかなあ。
元紀はヴァギナが出来たのでパンティライナーが必要であることを数日後には認識した。
しかしパンティライナー付けるのにちんちんが凄く邪魔なんですけど!?
(ほんとちんちんって邪魔だよね。無ければいいのに)
11月某日。
千里は合鍵を使って火牛体育館氷見南分館(フラミンゴ)の地下に降りて行った。侍女が驚くものの丁寧にお辞儀をする。ここに来客があるのは珍しいだろう。
乙和御前も驚いて
「どうしたのじゃ?」
などと言っているが何だか焦っている。多分千里の用事に心当たりがある。
傍で娘の“浪の戸”姫(*44)も「やっばー」という顔をしている。侍女を呼んでまだ幼い花姫を託した。侍女は花姫を連れて「向こうで遊んでましょ」と言って連れていった。
(*44) 浪の戸姫は佐藤忠信の妹で源義経の妻のひとり。花姫は義経の遺児。
「つかぬことをお伺いしますが、御前は吉川日和(よしかわ・はるかず)の件で何かご存じじゃないですよね?」
と千里はあくまでも穏やかに笑顔で訊いた。
「わ、妾(わらわ)は何もしておらんぞ」
と御前は焦っている。
「別に御前を責めてはいませんよ。ただ、私は事実を知りたいだけです」
御前は少し考えていたが、やがて言った。
「あの娘、妾(わらわ)たちがここに引っ越してきた日にふらりとこの館の中に入ってきたのじゃ。普通の者は入ってこられないはずなのに。『喉が渇いた』と言うから、いいのかなぁとは思ったものの“乳礎茶”をあげた。胸の発達が遅いみたいだったから」
ああ、それで胸が膨らみ始めたのか。しかしそれを停めなかった守護霊も共犯だ。
「あの娘“花車”を見て『これは何ですか』と訊くから『性別の軸を動かす車だよ。逆向きにすれば女が男になり、男が女になる。90度回せば天使のような無性になるし270度回せば悪魔のような両性体になる』と説明したら、あの娘はダーツでもするかのようにグルグル何周も回転させてから元の向きと逆方向で停めた。私は何もしてないぞ。説明しただけだぞ」
「ああ、そういうことでしたか。ただの事故ですね。本人はきっと夢の中のできごとと思ってるだろうし」
でもそんなに回したら10回くらい性転換してないか?
「やはりあの娘、男になってしまったのか?嫁さん紹介しようか」
「いえ、女人(にょにん)になってしまいました。もし親切してくださるのでしたら、10年か12年後くらいに、よい婿さんを紹介してあげてください」
「なぜ娘が性別軸を反転させて女になる?」
「あの子、元は男の子でしたから」
「うっそー!?」
「でも元々女の子になりたがってたから、ちょうどよかったみたいです」
「だったら良かった(自分は責められないようなのでほっとしている)。あの子が男だったなんて、きっと神様の間違いだよ」
「私もそう思います。だったら。もしよろしければあの子の戸籍、元々女の子だったことにしてあげられませんか」
「ああ、そのくらいしといてやるよ。蓮の件で妾(わらわ)もだいぶ勉強した」
と乙和御前は言った。
06.07 日和がバスケット部に参加
(この時点ではジュニアブラを着けていた)
06.13 フラミンゴを借りられることになる
06.14 乙和御前の邸が(フラミンゴ地下に)引越開始(-6.20)
06.17? 日和が御前の館に迷い込む
(壁があるので普通の人間は進入できない)
06.18 美奈子がAAのブラを買ってあげる
06.20 母にAAのブラを4枚買ってもらう
07.01 最初の生理
07.29 2度目の生理
07.39 萌花の引越で東京に出て花ちゃんにスカウトされる
08.04-16 『竹取物語』撮影(千葉)
08.17 津幡の音楽教室に初参加
08.18 ブラジャーをAカップで買い直してもらう
08.26 3度目の生理
08.26-28 東京でライブに参加(ヴァイオリン)
11.08 迷路に迷い込む
11.09 信濃町ガールズ入りを辞退
11.12 ブラジャー買い直しでBカップに
11.18 6度目の生理
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