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■春曙(21)

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(C)Eriko Kawaguchi 2020-09-12
 
その日、コスモスはA契約のタレント全員と、高校生以上の研修生(B契約)のメンバーをZoom会議に参加させて言った。
 
「これまで、みなさんには女性は26歳になるまで、男性は30歳になるまで、つまり女性は25歳までの、恋愛・結婚・妊娠、男性は29歳までの恋愛・結婚、恋人を妊娠させる行為を禁止していたのですが、これを18歳以上、但し高校生については卒業後については解除したいと思います」
 
タレントたちはお互いに顔を見合わせている。この中で最年長は今年24歳になる桜野レイアだが、彼女はデビューが遅かったこともあり、自分は30歳までは結婚しないつもりと言っている。
 
「契約書はすぐには書き換えませんけど、来年春以降に契約を更新する段階でその条項は削除または変更したいと思います。今年度に関しても、契約書の条文は事実上新しい規定に読み替える扱いにしたいと思います」
 
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「実はこれはケイ会長などとも話していたのですが、恋愛もしたことないのに恋の歌とか歌っても、まともな歌唱にならないのではないかという意見もあったんですよね。だってアイスクリーム食べたことのない人にアイスクリームの歌なんて歌えないでしょ?そもそも、こういう個人的なことに事務所が介入するのは、人権的におかしいという弁護士さんからの意見もありました」
 
町田朱美が物凄くホッとしたような顔をしている。彼女にボーイフレンドがいることを知っているのは、コスモス・ゆりこ・ルンバの他は姫路スピカくらいだろう。
 

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「ただ皆さんにお願いがあります。ドラマなどに出演している場合、急な妊娠は撮影の都合に影響を与える場合があります。それで3つお願いします」
 
「ひとつ。結婚するまでは確実に避妊して下さい。避妊はちゃんと男性用避妊具を使用し、避妊具はセックスの度に使い捨てして下さい。避妊具の再利用は破損して避妊失敗の原因になりやすいですし、した後にコーラで洗うとかは無意味ですから」
 
とコスモスが言うと、山下ルンバや大崎志乃舞が笑っている。
 
「ひとつ、結婚する場合は半年程度前に事務所に告知して下さい。明日結婚しますとか言われてもスケジュールの調整がつきませんし、テレビ局などにも迷惑をかけることになります」
 
「ひとつ、結婚前の同棲は我慢して下さい。皆さん若いし、好きになったらすぐ一緒に暮らしたいかも知れないけど、そこはやはり各自の立場というものを考えて行動してください」
 
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「質問です」
とルンバが言う。
 
「同性との結婚とかは構いませんか?」
 
「全然構いません。同性の場合は婚姻届を出せませんけど、パートナーシップ宣言をするか、結婚式をあげたことをもって結婚したとみなします」
 
「配偶者手当とかは出ますか?」
 
「出します」
とコスモスは即答したが、これには「おぉ」という驚きの声が広がっていた。
 
「但し相手の収入が所得税法に定める控除対象になる場合に限らせて頂きます。同性婚の場合もその金額計算を準用します」
 
「ああ」
 
「相手が失業していたりしない限りはないかな」
「いや、それこそ同性婚の場合は、配偶者手当がもらえるケースあるかも」
「あ、その方があるかも」
 
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「産休はもらえますか?」
「基本的に出産予定日の半年前から、出産の半年後までを産休としたいと思いますが、ドラマの撮影などにかかる場合は調整させてください。なお産休中は過去1年の平均報酬額の5割、但し最低20万円最高100万円の範囲で産休手当を毎月支給します」
 
「私は最低の20万円だな」
などと言っているメンツもいる。
 
「アクアちゃんが妊娠したら最高の100万円ですね」
と質問する子がいるが、コスモスは
 
「当然そうなるでしょうね。普段の収入からすると少なすぎるでしょうけど、貯金もあるだろうから、それで我慢してもらって」
と平然として答える。
 
誰も“アクアの妊娠”を変なこととは思っていない!
 

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「恋愛禁止解除は高校卒業した人だけですか?」
「中高生は妊娠しないようにしましょう」
と言ってコスモスは朱美をちらっと見た。朱美も頷いた。彼女には山下ルンバから避妊具を渡してあげており、残りが1箱以内になったらすぐ言えと言っている。
 
「妊娠しないなら恋愛まではOK?」
「プラトニックな交際までは」
「キスはOK?」
 
「セックスは我慢しましょう」
「ペッティングは?」
「キスまでが許容範囲かな。ペッティングしてると、入れてなくても性器付近に付着した精子が性器の中まで進入して妊娠ってことも希にあるから」
 
「キスくらいはするよね」
と言ってルンバも町田朱美をチラッと見る。朱美は少し悩むような顔をしていた。
 
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そういう訳で、§§ミュージックは6月から恋愛禁止ルールが解除されることになったのである。
 
ただし中学生の町田朱美は高校を卒業するまで、あと4年ほどは(公式には)セックス禁止ということになる。もっとも現在、朱美のボーイフレンド平野啓太は病気治療のため(ペニス切断は免れたものの)女性ホルモンの投与を受けているのでペニスは勃起しない。治療が終了した後、彼の男性能力が回復するかどうかは不明である(医者は期待しないでくれと言っている)。
 

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「時代はやはり、リモートセックスよ」
と雨宮先生は言った。
 
「何ですか?それ」
とケイナは尋ねた。
 
ケイナとマリナは夕方テレビ局で遭遇し、この後の予定は無いとうっかりケイナが言ってしまった所「付き合いなさい」と言われて、恵比寿のケイのマンション!に連れて来られたのである。
 
「だってお店で飲むと集近閉になるじゃん」
などと雨宮先生は言っていた。
 
「シューキンペイって中国の大統領だったっけ?」
とケイナが言うので
 
「それは中国の総書記だよ。ほんとはシーチンピン(習近平)だけどね。中国には大統領はいない」
とマリナは訂正する。
 
「集まる、近い、閉鎖空間、というので集近閉。三密よりよほど覚えやすい」
と雨宮先生は説明する。
 
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「なるほどー」
 
「それで私のうちで飲むんですか?」
とケイは呆れ顔である。
 
ちなみにここは換気のため24時間換気扇を回している。更にこの2月に窓に防犯器具を取り付けた上で網戸を付け、そこから外気が入ってくるようにした。ちなみにここは32階である。さすがにこの窓から侵入しようとする泥棒はいないだろう。アクアのマンションなら120階にあっても決死の覚悟で侵入を試みる人があるかも知れないが。
 
ちなみに、ここには雨宮先生のほか、ケイナとマリナ、ケイとマリ、そしてたまたま来ていたので付き合うことになった、ローズクォーツのタカとスターキッズの鷹野さんが居る。ちなみにタカは星居隆明の愛称=ステージネームだが、鷹野さんの愛称は“おたかさん”であり、“たか”と呼ばれることはない。
 
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飲んでいるのは、雨宮先生とケイナ・タカ・鷹野の4人で、妊娠中のマリナとマリはもちろん、ケイもお酒は飲まない。
 

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「今どき、お仕事はリモートのテレワークでしょ?テレビ番組でもリモート出演、学校はリモート授業、買物はリモートでオーダーを入れるネット通販、デートもリモートデートでリモートキスして、リモートセックスだよ」
と雨宮先生は言う。
 
「リモートデートまでは分かりますが、リモートキスというのは?」
「お互いにスマホで自撮りしている状態で各々のスマホに映っている相手とキスするのよ」
「つまりスマホとキスするんですか?」
「スマホは事前にちゃんとアルコール消毒しておいてね」
 
「あまり楽しくない気がする」
と鷹野は言うが
 
「いや、恋人同士なら、それも遊びとしては楽しいかも知れないよ」
とケイは言った。
 
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「昔は、電話口で自分の手の甲にキスしてチュッと音を立てると、向こうも同様にして返すなんてやったもんだけどね」
と雨宮先生。
 
「ああ、それはわりとありかもですね」
とマリナも言った。
 

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「それでリモートセックスというのは?」
「こういう道具があるのよ」
と言って雨宮先生が出してきた道具(?)に
「何です、これ?」
とタカがしかめ面をして言った。
 
2個セットのようである。片方の道具には丸い穴が空いていて、片方は円柱上で先端は半球状になっており、要するに**ルドーのようである。ということは穴が空いているのは、要するに**ホールなのだろう。
 
「これ1990年代にアメリカで開発された歴史のある道具なんだよ」
「へー!」
「当時はドライブベイだったんだけど、PCMCIAを経て、現在はUSBになった」
 
「ドライブベイって何でしたっけ?」
とケイナが訊いたが、これはタカが知っていた。
 
「子供の頃に見たことある。親父のパソコンの前面に棚みたいなのがいくつか並んでいて、そこにハードディスクとかCDドライブとかを挿入して簡単に接続できるようになっていたんだよ」
 
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「へー」
 
「それ以前はパソコンの筐体を開けてCバスというのにボードを差しこまないといけなかったから大変だったらしい。素人にはディスク増設なんて無理だった。それが凄く楽になった。でもドライブベイは、デスクトップでしか使えなかったし、すぐにUSBとかFire Wire (=IEEE 1394, アイトリプルイー1394)とか出て来たから多分すぐ廃れたと思う」
 
「まあそんな感じ。でも今はインターフェイスをUSBにして生き残っている」
 

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「要するに、**ホールと**ルドーのセットですか?」
と鷹野が訊く。
 
「ただのセットじゃない。男がここに自分のちんちんを入れて出し入れするとその出し入れがネット経由で相手に伝わり、こちらの棒が伸び縮みする。だから、本当に相手としている感覚になれるのよ」
 
「それ、どちらにもコンドームを装着する前提ですよね?」
「そうしないと摩擦で痛いと思う」
「ゼリーが必要かも」
「それも投入した方がいいかも知れない」
 
「だけどそれ男は気持ちいいかも知れないけど、女は気持ちいいもんですか?」
とケイが疑問を呈する。
 
マリは
「それ興味ある。雨宮先生1個ください」
と言ったので、雨宮先生は
「じゃこれをあげるよ」
と言った。
 
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誰か新しい彼氏とするのかなとマリナは思った。しかしマリナは言った。
 
「男の人は穴さえあれば入れたいかも知れないけど、私、個人的にはそんなの自分の身体に入れるのは嫌です」
 
「うん。実はそういう意見が多くて、売れ行きは今一なのよ」
と雨宮先生。
 
「それとこれ男同士・女同士のセックスには使えないのよね」
「ああ」
「それも随分言われたんだけど、同性セックスに対応させる妙案が無くて」
 
「それは原理的に不可能な気がする」
とケイは言った。
 
凸と凹を電子的に変換するのは簡単だが、男同士の場合は相手の出し入れがこちらの穴の深さに変換されたとしても全然気持ち良く無い。結局各々が勝手に**ホールを使うのと変わらない。女同士の場合は能動的に動く側が無いので、結局各々が勝手に**ルドーを使うのと変わらない。
 
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