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■春曙(18)

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その日山村マネージャーは信濃町の事務所で、アクア・葉月と話していたのだが、2人が仕事で出ていった後、山村がふと見たら何か書類が落ちていた。
 
拾って見てみる。
 
「へー!」
 
山村はニヤニヤしながらその書類を自分のバッグに入れた。
 

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「あけぼのテレビ凄く好調なようですね」
と、春風アルトは、在来局の情報番組の取材も受けた。この情報番組はいち早く出演者の個室分離出演、雛壇の廃止などを取り入れてくれた所で、石川ポルカがレギュラー出演している番組である。
 
「うちの所属タレントの出演機会増加が目的なので、15年前なら、秋葉原か原宿あたりにでも§§劇場とか作ったかも知れないですね」
とコスモスはインタビューに応えた。
 
「ああ、確かに専用劇場みたいなものですかね」
 
「はい。でも放送時間の枠はまだたくさん空いていて、手探りで番組を作っている所ですから、枠が欲しい!という方がありましたら、申し込んで下さいね」
とコスモスは言った。
 
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「それは充分な感染対策をした撮影をするのが条件ですよね」
「はい。その費用負担をして頂けることが当然条件になります」
 

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実際、いくつかのプロダクションやレコード会社から枠が欲しいという照会があり、企画をアルト・コスモス・ケイの3人で検討した上で、細かい条件は制作衛生委員会との話し合いで合意に達したものを採用していった。むろん審査基準の中で最も大きいのが感染予防対策である。あけぼのテレビの番組出演者から感染者が出たというのは絶対に困るのである。
 
全部で10個のレコード会社が、各々自社の歌手のCDをひたすら紹介する番組を作り、結果的に平日の21:00-22:00はこのレコード会社の時間に設定された。これはナビゲーターが個室からナビゲートすればいいので、感染対策は比較的楽な企画であった。
 
∞∞プロ、○○プロ、ΘΘプロ、$$アーツ、ζζプロの5社が各々の所属タレントを使ったバラエティを制作して、これが平日の20:00-21:00に設定されることになった。これは各プロダクションからのビデオ持ち込みによる放送であるが、感染対策については、結局あけぼのテレビの検査班と消毒班に頼ることになった。出演者は“毎朝”検温報告してもらうとともに、出演直前に簡易検査キットで陰性を確認してもらう。毎朝検温が困難な人は残念ながら出演をお断りする。
 
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そして19:00-20:00は§§ミュージックの自主制作の番組が定着していく。
 
月 Music Quiz MC:海野博晃 As.斎藤恵梨香
火 Music Best 16 MC:後藤正俊 As.三田雪代
水 日本リモート観光 Nav.鮎川ゆま
木 That's E-Spo Nav.キャロル前田 As.桜井真理子
金 フォークランド 演:先割れフォーク As.中村昭恵
 

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『ミュージック・ベスト16』は、司会に後藤正俊さんを引き出したことから、多くのプロダクション・レコード会社が協力してくれた。9-16位はPV紹介、8位以上に出演を要請するが、その多くが本当に出演してくれた。映像はコロナの折り、生出演ではなく原則としてリモート出演またはビデオ出演である。そのためスケジュールの合わない人もビデオで出演してくれて、結果的に出演率が高くなる。大田区のスタジオに居るのは、司会の後藤さんと、アシスタントの三田雪代(信濃町ミューズ)だけである。
 
この番組は飲料メーカーがスポンサーになってくれた。この飲料メーカーはお酒も販売しているが、あけぼのテレビとの話し合いで、お酒の広告は流さないことにしてもらっている。
 
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『Music Quiz』は音楽をテーマとするクイズ番組で、レギュラーは、スカイヤーズのBunBun、元ドリームボーイズの大守清志、スイート・ヴァニラズのエリゼ、山森水絵の4人。これに毎回ゲスト回答者を迎えるということで、第一回のゲストはビンゴ・アキちゃんだった。この超豪華な解答陣は在来局からも驚かれたし、ビンゴ・アキちゃんはあまりに大物が並んでいるのでビビッていた。
 
出演者は実はBunBun, 大守さん、エリゼはケイのコネ、山森水絵は醍醐春海のコネである。ビンゴ・アキは∞∞ブロの鈴木社長からプッシュされて最初のゲストとして呼んだ。
 
出演者が凄い顔ぶれになったので、この顔ぶれを制御できるのはまた海野博晃さんクラスしかあり得なかった。特にBunBunやエリゼはわりとわがままな性格である。(大守さんはいつも蔵田さんのセーブ役だったので常識的で好人物)
 
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アシスタントは信濃町ミューズの斎藤恵梨香であるが彼女も最初は少しビビッていた。山森水絵は実は品川ありさと仲がよいので、ありさは事前に2人を会わせて交款させておいたこともあり、初期の段階では恵梨香はかなり水絵に助けられている。
 
しかし豪華な出演者といい、司会の海野さんといい、『あけぼのテレビは予算が凄い』と噂されるようになった。もっともあけぼのテレビは全ての番組を基本的に§§メディアサービスや出資会社のスタッフで制作しており、外部委託していないので、中間マージンが不要で、それ故に潤沢な予算が使える面もあるのである。
 
またこの番組はお菓子メーカーがスポンサーになってくれたので、そのスポンサー料も使えたことが大きかった。若いファンの多い山森水絵が出ていることもあり、視聴率も好調だった。
 
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『日本リモート観光』は不要不急の外出が自粛になっている中で、出歩けない視聴者に代わって、鮎川ゆまが全国各地の名所を紹介するという番組である。ゆまはポルシェ・パナメーラのオーナーであるが、この番組では番組スポンサーから提供された“赤いスープラ”に乗って、全国を回っている。
 
食料も持参して、人との接触を極力避けるという徹底ぶり。外に出て行くのは、道の駅やSA/PAなどでトイレ休憩する時くらいである。このため、車内には小型の冷蔵庫まで設置している(運転中はインバーターで駆動し、休憩中は大型バッテリーを使用する。就寝中はできるだけ開けないようにしてスイッチを切っておく)
 
地元の食べ物は、予めリサーチしておいたテイクアウト可能なお店だけに寄っているが、リサーチ班に応じて、それまで店内飲食のみだったお店でテイクアウトを始めた所もあり、早速利用させてもらった。
 
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撮影はサンシャイン映像制作がこのために雇った薙沢圭輔さんという30代のカメラマンである。小さな映像制作会社にいたのだが、コロナのあおりで倒産してしまった。サンシャイン映像制作の則竹部長が知っていたので声を掛けて雇った。
 
ちなみに、普通なら女性のゆまと一緒に旅するなら女性カメラマンを使うところを、あえてカメラマンを男性にするのは、女性のカメラマンだと、レスビアンのゆまにレイプされかねない!からである。
 
ゆまは大酒飲みであるが、この番組の取材中は禁酒するよう、千里とケイから強く要求され、本人も自粛すると約束した。
 
「お酒を買うのはいい?帰宅してから飲む」
「薙沢さんに預かってもらう条件」
「じゃそれで」
 
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『That's E-Spo』は、リアルのスポーツの開催が困難になっている中、世界的にも注目度が高まっている E-Sports の世界をリポートする。ナビゲーターは数年前からかなりE-Sportsにハマっているという、キャロル前田である。アシスタントは、ゲーム好きの桜井真理子が務めた。キャロルはこの番組では一貫して女装だったので、ふたりはまるで姉妹のような感じで解説をしていた。
 
「ちなみにキャロルさんって恋愛対象はどちらですか?」
「ボクはストレートだよ」
「ストレートって、男性が好き?」
「もちろん」
「ちょっと安心しました。もしやられちゃったら結婚してもらおうと思ってたけど、その可能性は無さそうですね」
「ボクのちんちんはもう立たないから、女の子とセックスするのは不可能だよ」
「男の人とはセックスできるんですか?」
「内緒」
 
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キャロル前田が主宰するバンド、アドベンチャーのメンツも出演してE-Sportsに参加していたが、その“美少年ぶり”が、また話題になっていた。
 
この番組は通販やネットオークションをしているメーカーがスポンサーだが、その広告も番組の雰囲気と調和する電子っぽい造りになっていて、視聴者はCMまで楽しんでいたようである。
 

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金曜日は、先割れフォーク(マツ也・スキ也)の2人に“健全なお笑い”の時間の制作をお願いした。彼らが指名した若手芸人を使い、コント中心の1時間を送る。トークが入るので、出演者には出演しない日も含めて毎朝の検温と報告をお願いし、撮影時には毎回簡易検査キットを使って感染の有無を確認してから撮影に入る。撮影場所は大田区サテライトの、この時点ではほぼこの番組専用の第10スタジオだが、次亜塩素酸水のミスト発生装置、ULPA搭載空気清浄機を動作させ、窓やドアなどは開放した状態で撮影した。またお互いに身体にタッチしたりするので、使い捨ての透明プラスチック手袋を着用した状態で演技をしてもらっている。
 
先割れフォークは芸歴は長いものの自分たちの番組を持つのは初めてだったのだが、長い芸歴に裏打ちされた、本当に楽しめる1時間となり、彼らの評価も上がることになる。
 
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この番組のアシスタントに指名されたのは、中村昭恵である。彼女は『気球に乗って5日間』でもガス屋の娘役で出演していた。実はドラマの端役などには何度も出演経験があり、演技力もあり、元々割と機転が利いたのだが、この番組でお笑いセンスを大いに鍛えられることになる。この他毎回数人の信濃町ガールズをお手伝いに使っているが、彼女たちもお笑いセンスを鍛えられていく。
 
この番組には家電メーカーがスポンサーになってくれて、そのメーカーから提供してもらった製品を、セットの中に多く取り入れている。
 

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《こうちゃん》はS学園の女子制服を着た《とうふちゃん》(かぶちゃんの姉)を連れて、家庭裁判所までやってきた。そして用意していた書類を提出しようと思ったのだが・・・
 
窓口の前に千里が立っている!
 
千里は言った。
「あんた、去勢されたい?」
 
《こうちゃん》は
「なんで分かったの!?」
と言いながらも、おとなしく、用意していた書類を千里に渡した。
 
《とうふちゃん》は
「なんかこんなことになるかも、という気もしたよ」
と言って、笑っていた。
 
「こうちゃんって、千里さんの掌の上で飛び回っている孫悟空なのかも」
 
「うーん。それは過去に数回思ったことはある」
と《こうちゃん》も認めた。
 
そういう訳で、西湖の名前と性別が、本人も知らないうちに変更される事態は、千里の活躍?により、本人も知らないうちに回避されたのである。
 
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