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■春曙(5)

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(C)Eriko Kawaguchi 2020-08-31
 
ところで、吉田は社員証については勤務2日目に男子の社員証(縁取りが赤ではなく青)を渡されたが、赤い縁取りの社員証も有効だから持ってなさいと長谷さんに言われた。
 
「それがあれば、女子控室・女子トイレにも入れるから」
「入りません」
「あら、女子控室でないと着替えに困るでしょ?」
 
やはり性別志向を誤解されたままという気がする。
 
しかし青い社員証のおかげで、吉田は2日目以降、男子トイレを使うことができるようになった!更衣室も、実は初日に女子(?)6人が集められた所が女子控室で、男子控室は別の場所にあることを先輩の男子社員・西口
さんに教えられた(どちらも単に「控室」と書かれているが゛、女子控室は赤い▲、男子控室は青い▼のシールが貼られている)。
 
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でも西口さんからは
 
「君、無理に戸籍に合わせて男子更衣室を使用しなくても、女子更衣室でいいよ。うちの銀行は君みたいな子にも理解があるから。男の人のそばで着替えるの、恥ずかしいでしょう?」
などと言われた!
 
ちなみにここの更衣室は女子控室も男子控室も、個別のフィッティングルームがあるので、下着姿を他の人に曝さずに着替えることができる。
 
更に吉田は長谷さんから「これ女子控室の壁に貼ってて」とか「女子控室の茶碗洗っといて」などと頼まれ、頻繁に女子控室に出入りすることになった。むろん吉田が男子制服を着て女子控室に居ても誰も何も言わない!
 
そして・・・
 
吉田は、健康保険証と年金手帳の性別のことは、なーんにも考えていなかった!
 
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4月、学校の休校措置は解除されず、全国の多くの学校が入学式や始業式を延期した。そして一部の学校では、ネットにつながったPCやスマホを利用して、Google Meetなどの機能を使用して、リモートで学級会をしたり、またそういうオンライン会議的なものや、Youtubeなどの動画配信サイトを使用して授業をしたりする動きも出始めた。
 
このあたりはこういうことに積極的な自治体・学校と、無策な自治体・学校との差がかなり出た感じであった。
 
2020年4月7日、政府は7都府県(東京・千葉・神奈川・埼玉・大阪・兵庫・福岡)にコロナに関する緊急事態宣言を出した。これに伴い、不要不急の外出の自粛、対象地域の体育館・ボウリング場・美術館・図書館・劇場・映画館・ライブハウス・キャバレー・ナイトクラブ、カラオケボックス、漫画喫茶、パチンコ店、ゲームセンターなどに休業要請がなされた。
 
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いくつかの図書館では、それでなくても休校で暇を持てあましている子供たちのために「本の詰め合わせセット」を配布貸し出しするような工夫も行われた。
 
4月8日、東京北区のHPSCも取り敢えず5月6日まで閉鎖されることになった。トップアスリートが集まる合宿所なので、万が一にもここでクラスターが発生し、多数の選手に後遺症が残ったりした場合、日本のスポーツ界に極めて重大な影響が出ることになる。
 

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§§ミュージックの紅川相談役であるが、3月中に行われた各放送局との交渉の他、§§メディアサービス(あけぼのテレビ)の立ち上げに関する処理でも多数の作業をしてもらった。
 
この間、紅川さんは西宮ネオンのマンションに同居させてもらっていた。この同居は結局6月まで続くことになる。
 
「俺引退したのに」
などと、ブツブツ言っていたものの、仕事をするの自体は楽しそうだった。紅川さんも完全に仕事中毒である。
 

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ネット放送局“あけぼのテレビ”の開局は3月30日(月)となった。
 
志村けんさんが亡くなった翌日である。このため、番組は志村けんさんの追悼番組から始まることとなった。超ベテラン歌手で『8時だョ!全員集合』にも多数回出演していた、伊東浩美さんにも出演してもらい、番組の司会を務めた秋風コスモスが、彼にインタビューする形で志村さんの想い出を語ってもらった。
 
(このインタビューは、足立区研修所の本棟(旧紅川邸)の応接室を使用して撮影した)
 
伊東さんは応接室に入ってくるなり
「おいすー」
と右手を挙げて挨拶するので、コスモスも
「おいっすー」
と挨拶を返して、番組は始まった。
 
「伊東浩美さんですー」
とコスモスは紹介したが
 
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「なんか自分にインタビューしているみたい」
とコスモスは言った。
 
秋風コスモスの本名は伊藤宏美である。すると伊東浩美さんも、コスモスの本名が自分の芸名と同じ読みであることを意識していたと言っていた。
 
「村田秀雄さんとか、塩見悦子とかの類いですよね」
「林寛子さんとか、関口弘さんとか」
 
『帰ってきたウルトラマン』でウルトラマン(放送終了後に初代ウルトラマンとは実は別人であったと事後設定変更されウルトラマン・ジャックと呼ばれることになる)を演じた団次郎(後の団時朗 )の本名は村田秀雄で、歌手の村田英雄と同じ読みである。
 
アクション・スターで『影の軍団』『大江戸捜査網』などに出演した志穂美悦子(しほみえつこ)の出生名は塩見悦子(しおみえつこ:結婚後の名前は長渕悦子)だが、『家政婦は見た』などで知られる市原悦子(=出生名)の結婚後の名前もまた塩見悦子である。
 
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女優で後に国会議員にもなった扇千景の本名は林寛子で、アイドル歌手の林寛子(=本名)と同姓同名である。
 
落語家の二代目・桂ざこばの本名は関口弘で、司会者の関口宏と同じ読みである。
 

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なおこの日の撮影では、コスモスと伊東さんはカメラに向かって並んで座っており、ふたりの間は1mほど開けて、間にはビニールシートのガードがある。また部屋には、コスモスのそば、伊東さんのそば、カメラさんのそばと3ヶ所にULPAフィルター搭載の空気清浄機を置いている。また部屋のドアは開けて撮影している。またサーキュレーターにより強制的に空気の流れを作っている。
 
番組では、ドリフターズに敬意を表して、全員集合で行われたコントのいくつかを若手芸人の、シュープリーム(2人組)・トライドン(3人組)を使って再現した。大田区の第2スタジオで、この5人とカメラマンだけで撮影中継する。
 
また志村けんと研ナオコの夫婦コントも、大田区の第3スタジオで、ローザ+リリン(ケイナが男装)で再現して、赤マムシドリンクとか、生卵ネタのほか、多数のパロディを生み出した“あなたぁ、御飯にする?お風呂にする?それとも寝る?”もやっていたが、
「こいつら、本当にこういうことしてないか?」
と随分ネットには書かれていた。
 
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「ケイナって一度チンコ切っていたのをまたくっつけたんだろ?よく立つな」
「だから赤マムシドリンクが必要なんだよ」
「ああ」
「女性ホルモン飲んでおっぱい大きくする前に切ってたから、女性ホルモンの影響を受けてなくて、立つのでは?」
「なるほどー」
 
どうもケイナは一時は性転換して女になっていた(だから女湯に入っていた)がマリナと結婚するために再度性転換して男に戻ったという噂が流布しているようだ(発信源は雨宮!)。
 

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ちなみにマリナが妊娠したらしいというのも、この頃から噂として流れ始めていたが、この妊娠については、中学生の時に交通事故で亡くなったマリナの姉・マルタ(!?)の卵巣・子宮・膣を冷凍保存していたものを移植したという凄い噂が生まれていて、本当のマリナの姉・歩が大笑いしていた。
 
妊娠については、報道各社からローザ+リリンに記者会見か何か開いて欲しいという要請があったので4月4日“オカマの日”にネット形式で開いたものの
「どうやって妊娠したのか」
という質問には
「アルカリ性のものと酸性のものを食べてたら赤ちゃんができたの」
と今ではほとんど知る人のいない古いネタ(出典『ありがとう』?)をかまして、はぐらかしていた。
 
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同席した“タカ子”は
「そりゃ、やったから妊娠したに決まってるじゃん」
などと言っていたが。
 
結局、報道陣は、父親は間違い無くケイナであることと、予定日は10月であること、ふたりが婚姻届を出したこと(大量の「おめでとう」メッセージが書きこまれた。記者たちも「おめでとうございます」と言ってくれた)を知ることができただけであった。またこの席で、ローザ+リリンのローズクォーツの代理ボーカルが、取り敢えず5月まで延長されたことも発表された(5月になってから更に延長されることになる)。
 

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3/30に放送された志村さんの追悼番組では、§§ミュージックの歌手を集めて少年少女合唱隊も再現したが、コロナに配慮して、実際の歌唱は、各々足立区研修所(女子寮)の各部屋から1人ずつ別のカメラ(自動カメラ)で撮影し、放送している研修所地下のメインスタジオには液晶パネルを22個並べたものが放送に流れた。
 
(実際の放送に流れた映像は、各々の液晶パネルの部分を“はめ込み”加工しているので、歌唱参加者の映像はまるでそこに立っているかのようにクリアだった)
 
少年少女合唱隊参加者(指揮者:コスモス/ピアノ:川崎ゆりこ)
 
アクア、品川ありさ、高崎ひろか、今井葉月、西宮ネオン、姫路スピカ、白鳥リズム、花咲ロンド、桜木ワルツ、石川ポルカ、原町カペラ、山下ルンバ、桜野レイア、東雲はるこ、町田朱美、佐藤ゆか、南田容子、高島瑞絵、山口暢香、大崎志乃舞、太田芳絵、斎藤恵梨香
 
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(例によってネオンもこの日だけは女子寮の空き部屋に入ってもらった。ネオンは“今日だけ女子”のパスと“ずっと女子”のパスを川崎ゆりこから提示され、“今日だけ女子”のパスを選んだ!(いつものセクハラ))
 
全員白いスモックを着て、ボトムは西宮ネオン以外全員白い膝丈スカートを穿く(つまりアクアもスカート!)。頭には白いベレー帽をかぶり、楽譜を持つ。指揮者のコスモスは神父さんのような黒い衣装である。ゆりこは白いドレスを着てピアノを弾いた。
 
ここで歌った曲は『春が来た』『チューリップ』『七つの子』『赤とんぼ』といった唱歌系の歌である。
 
ちなみにアクアがスカートを穿いていた件に付いてはネットでは
 
「アクアがスカート穿いてたけど・・・・」
「アクアの普通の服だな」
ということで、ほとんどスルーされた!
 
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その後、日野ソナタ、川崎ゆりこ、高崎ひろか、品川ありさ、姫路スピカ、の5人で、ドリフのヒット曲『いい湯だな』『ほんとにほんとにご苦労さん』、『ズンドコ節』『バイのバイのバイ』『誰かさんと誰かさん(麦畑)』と歌い、醍醐春海のベース演奏で、秋風コスモスと川崎ゆりこのヒゲ・ダンス(伊東さんも飛び入り参加)を経て、最後は『東村山音頭』で締めた。
 
アクアが参加しなかったのは次の予定があるため、秋風コスモスが歌唱に参加しなかったのは“諸事情”と説明されたが
 
「まあ、音程に不都合があるからな」
と視聴者にはよく理解されていた。
 

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追悼番組の後は、アクアのライブ(19:00-19:55)、品川ありさのライブ(20:00-20:55), 高崎ひろかのライブ(21:00-22:00)、と続き、初日はひたすらライブを22時まで放送して終了した。
 
(アクアは少年少女合唱隊の後、ルンバのバイク(Ninja 1000)に同乗して、一緒に大田区のサテライトに移動した。そしてルンバのMCでライブをした。
 
ライブではバックバンドはサテライトの第1スタジオ、歌唱者は第2スタジオ、バックダンスの信濃町ガールズは第3スタジオ、更にMC(山下ルンバ・桜野レイア・桜木ワルツ)は第1練習室、と4つの部屋に分散して収録して合成!し、あたかも同じ場所で演奏しているかのように見せている。パソコンやスマホ上の操作で、各々のスタジオの単独映像も見られるようにしている(音声は常時ミックス)。なお、消毒のためにライブの間には5分間の休憩が挟まれており、その間はリセエンヌ・ドオのバンド演奏(足立区研修所から)を流した。
 
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22時以降は、アクア・ありさ・ひろか・リズムの過去の作品のPVを無料で流したが、この視聴率が物凄く、更に加入申し込み者が増えることとなる。
 
物凄い視聴率でスタートしたことから、複数の大手企業から、広告を流させてくれという申し出があり、コスモスたちは話し合いの上、取り敢えず番組スポンサーを入れることにした。第1号は某自動車メーカーの“アクアのアクア”のCMとなった。その他、お菓子メーカー、飲料メーカー、若い層向けのファッションブランド、ネットオークションサイト、などが番組スポンサーに名乗りをあげてくれたので、赤字覚悟で始めたのに、4月中旬以降、収益率が随分よくなった。5月連休明け以降はIPアドレスまたはGPSによる地域判定で地域限定CMを含むスポットCMも受け付けることにした。スポットは無料放送時間中にのみ入れる。
 
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(コスモス・アルトの話し合いで、タバコ・お酒・消費者金融・美容形成・結婚相談所・パチンコ・葬儀社・酒類提供飲食店(ファミレスを除く)などの広告は流さないことを決めた。
 
ちなみに、月1000円という料金は中高生のおこづかいで払える額として戦略的に設定したもので採算は最初から考えてなかった。収支計画とかも無しにいきなり「作ろう」「いいね」みたいなノリで始めている。
 

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