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■春曙(10)
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§§ミュージックは2020年4月2日(木)“信濃町ミューズ”を発足させると発表した。
現在、§§ミュージックに所属する研修生(B契約)の子たちは、まとめて信濃町ガールズと呼ばれているが、実際に信濃町ガールズとして活動しているのは中学生が主力で、高校生のメンバー(入団半年以内を除く)は仙台クレールでの定演や、ふつうのテレビ番組でのバックダンサーなどには参加しない。紅白などの大舞台や、ドームツアーなど、また中学生が出演できない時間帯のバックダンスなどにのみ出場しており、ドラマの端役やレコーディングの際のコーラス入れなどの方がむしろメインになっている。そして実は高校も卒業してしまったものの、デビュー予定の無い子もいる。
そこでコスモスはケイや醍醐春海などと話し合い、曖昧な位置づけになっている彼女たち(一部男子もいる)を信濃町ミューズと命名したのである。なお地方在住のメンバーでその地域で行うライブにのみ参加する人たちは、30歳になるまでは信濃町ガールズのままでいいことにした(30歳以上については処遇検討中)。
信濃町ミューズの初期メンバーはこの8名である。
2000年度生れ
悠木恵美 2017RGC9位
2001年度生れ
桜井真理子 2018RGC4位 (リーダー)
2002年度生れ(高3)
木下宏紀 2016RGC10位(信濃町ガールズ最古参)
三田雪代 2017RGC2位
2003年度生れ(高2)
太田芳絵 2019RGC4位
篠原倉光 (応募参加)
2004年度生れ(高1)
中村昭恵 2017RGC3位
斎藤恵梨香 2019RGC10位
リーダーは最年長の悠木恵美に頼もうとしたら、自分はそういう柄ではないと辞退したので、桜井真理子を任命したが
「うっそー。私より先輩がたくさんいるのに」
と言って焦っていた(でも受諾してくれた)。
基本的には中学生が出られない20時以降のテレビ番組には信濃町ミューズが出ることになるので、実は仕事内容はこれまでとあまり変わらない。また音源制作は深夜に至ることもしばしばあるので信濃町ミューズ優先で考える。これも実は今までと変わらない!
ユニフォームは、信濃町ガールズはミニスカだが、信濃町ミューズは少しお姉さんということで、膝上のいわゆるミディ丈のプリーツスカートをベースとしたものを配布した(実は年末頃から考えてデザイナーさんに依頼していた)
「新しいユニフォームは男女問わずプリーツスカートだから」
などと言って川崎ゆりこ副社長がユニフォームを配布したので、スカートを渡された篠原倉光が心細そうに
「どうしてもスカート穿かないといけません?」
とコスモス社長のところに行って聞いてみたら
「え?男子にはショートパンツを用意したはずだけど」
と言われ、無事ショートパンツのユニフォームを受けとった。
でも木下宏紀は初回のステージをスカートの衣装で務めてから、篠原の服を見て
「あれ?パンツもあったの!?」
と驚いていた。
「もちろんスカート穿きたかったらスカートでもいいよと社長は言ってた」
「ぼくもパンツがいい」
ということで、彼もショートパンツのユニフォームを不本意そうな川崎ゆりこから受け取り、2度目のステージからはショートパンツで踊った。他の子たちは
「ヒロちゃんもクラちゃんもスカート姿可愛いのに」
などと言っていたが(この子たちはセクハラ的な意図はなく、純粋に言っている)。
高崎ひろかのバックで踊ったこの信濃町ミューズ初ステージの録画は、貴重な木下君のスカート姿が見られるというので、ファンの間ではかなりコピーされまわったようである。むろん彼の性別を知らない人が見たらふつうに女の子が踊っているようにしか見えない。
リセエンヌ・ドオの4人(佐藤ゆか・南田容子・山口暢香・高島瑞絵)は信濃町ガールズに形式上在籍していても、信濃町ガールズの活動には全く参加していなかったが、正式に卒業ということになった。彼女たちはミューズにも参加しない。非公式ユニット名だった“リセエンヌ・ドオ”が正式名になった。(佐藤ゆかは高校を卒業してしまったが)
大崎志乃舞は既にテレビのレギュラーを2本持っており、信濃町ガールズの活動には全く参加していなかったが、彼女も正式に卒業となり、ミューズにも所属しない。
なお、2014-1015年度のロックギャルコンテストの入賞者で研修生になっていた子は、全員デビューまたは退所している。
第1回(2014)
優勝.田代龍虎(中1 2001)“アクア”(性別違い?)
繰上優勝.柴田邦江(中3 1999)“高崎ひろか” 初代ロックギャル
3.月嶋優羽(中2 2000) (2014フレッシュガール2位)“三つ葉”
4.川内峰花(高1 1998) “花ちゃん”“山下ルンバ”
6.仲原恵海(中3 1999) “透明姉妹”
優勝した田代龍虎がコンテスト終了後に男の子であることが判明した(*4)ため、初代ロックギャルは繰り上げで柴田邦江が名乗ることになる。
(*4)本当に男の子なのかは疑惑がある:当時の寮生のほとんどから裸を見られて“女の子である”ことを確認されている。
仲原恵海は2016年度いっぱいで退所し、モデルをしていた従姉の仲原智美と一緒に“透明姉妹”を結成して自主制作でCDを出していたが、2018年度のローズクォーツ代理ボーカルとなり(ケイの推薦)、一躍名前が売れた。2019年春に代理ボーカルを辞めた後もCDは売れているしライブも3000人クラスの会場を埋めるレベルの人気を維持している。事務所は事実上2人の会社“透明人間株式会社”でUTP事務取扱。結果的にUTPの主力アーティストのひとつとなった。
第2回(2015)
優勝.秋田利美(小5 2004)“白鳥リズム”(年齢不足)
繰上優勝.大村祭梨(高1 1999)“花咲ロンド”2代目ロックギャル権利者(名乗らず)
特別賞. 穂高充乃(高1 1999)“西宮ネオン”
3.川内峰花(高2 1998) ↑参照(研修生の再出場はこれが最後)
8.佐藤ゆか(2001) “リセエンヌ・ドオ”
10.南田容子(2002) “リセエンヌ・ドオ”船橋市在住
12.溝口ルカ(2002) “ブンブン”八王子市在住
穂高充乃はコンテストの途中で男の子であることが判明したため選考除外され、特別賞になる。秋田利美はコンテスト終了後に小学生であることが判明したため大村祭梨が2代目ロックギャル権利者になったが彼女はこの称号を辞退した。彼女は1年間研修生をして2016年コンテストに再出場しようとしたが、君の実力は分かっているからコンテストに出る必要は無いと言われてそのままデビューとなった。彼女が2015年時点でデビュー辞退したので特別賞の西宮ネオンが実質的な優勝者として扱われて、アクア・高崎ひろか・品川ありさに次ぐ4人目のスターとして初期の§§ミュージックを支えた。
溝口ルカは2016年度一杯で退所して、ガールズバンド“ブンブン”を結成した。このバンドには後に2016年入賞者の吉沢蕾美も参加する(退任したギタリストの後任)。ブンブンは松梨詩恩(高崎ひろかの実妹)も所属する♪♪ハウスの所属なので、§§ミュージックとの関わりは切れていない。
リセエンヌ・ドオは↓の2人とともに2017年頃からこの4人でよくバンド演奏したり、一緒に旅行などに行ったりしていたが、2019年春、花ちゃんが、このユニット名を付けて、コスモス社長にプッシュし、この4人を実質まとめ売りしてあげたもの。非公式ユニットだったので2020年春になるまで、ホームページには記載が無かった。
第3回(2016)
1.中井朋絵(高1)“姫路スピカ”第3代ロックギャル
2.山口暢香(中1 2003)“リセエンヌ・ドオ”
3.門脇真悠(中1 2003)“大崎志乃舞 ”
4.吉沢蕾美(中2 2002)“ブンブン”
5.高島瑞絵(中1 2003)“リセエンヌ・ドオ”
8.吉田和紗(高3 1998)“桜木ワルツ”
10.木下宏紀(中2 2002)信濃町Girls→信濃町Muse
ロックギャルコンテストになぜか男の子が混じり、しかも上位に進出するのは毎年のことで、運営側も諦めている。年齢チェックも兼ねて住民票チェックまでしているのに見落としているのである。そういう訳でこの年は3位と10位に男の子が混じってしまった。但し門脇真悠は“男の娘”で木下宏紀はふつうの“男の子”である。門脇真悠は本人の希望によりスカートしか穿かせていない。木下は例によって『女の子のコンテストとは知らなかった』と言っていた(門脇真悠は確信犯)。木下は応募も姉が勝手にしたもので姉自身は地区予選で落ちているが、姉は付き添いで本戦まで付いてきて彼にスカートや女の子水着を着せている。そういう服を着せられて疑問を感じなかった方も感じなかった方だが。
木下宏紀は声域が広くアルト領域まで声が出るので、女の子たちに混じってコーラスをするのにも問題無い(声域が広いことからしばしば仮歌を入れる係にもなっている)。時々去勢していると誤解されているが彼は声変わりは済んでいるし、女の子になる意志もない(はず)。
2020年の段階(高3)ではまだ女の子の服を着せたら女の子にしか見えない感じで、男性的な発達は遅れているようである。彼は喉仏もあまり目立たないし、手に触っても女の子の手のような感触である。(それで女性ホルモンを飲んでいると誤解されていたりする)
「でもヒロちゃんスカートとか持ってないの?」
「母ちゃんが勝手に買ってくるから私服ではむしろスカートの方が多い」
「じゃ穿いてるんだ?」
「道理でスカート姿に違和感がないわけだ」
「なんか穿きこなしてるもんね」
「家の中では穿くけどそれで外出するのは恥ずかしい」
「恥ずかしがらなくてもいいのに」
「お仕事の時、スカート穿いて来なよ」
「そしたらスカートのユニフォーム着せられそうだし」
「全然問題無い気がする」
「高校には女子制服で通っているんでしょ?」
「男子制服だよぉ」
「女子制服持ってないんですか?」
「持ってないよ」
「作ればいいのに」
「母ちゃんがワイシャツじゃなくてブラウスばかり買ってくるから仕方なくブラウスを着ているけど」
「女性化教育されているみたい」
「下着は女の子下着ですよね?キャミソールつけてるの何度か見たことある。いつもこれでいいのにと思った」
宏紀はたいてい他の女の子と一緒の部屋で着替えているが、誰も彼がそこにいることを気にしないし、宏紀も別に女の子の下着姿などを見ても何とも思わない。彼は女の子に対して不感症になっていることに気づいていない。
彼はふだんは男の子シャツとトランクスを穿いている所を他の子たちに見られている。一度一人の子がふざけてそのトランクスを脱がせたら彼はその下にショーツを着けていて、男性器は確認できなかった。ショーツを着けているのは「踊る時にぶらぶらしないように固定するため」でサポーター代わりだと言っていた。ショーツに盛り上がりが無いことについては「後ろ向きに収納しているだけ」と言っていたが、これが去勢疑惑を拡大することになる。キャミソール姿は数回目撃されている。シャツの洗い替えが無かったからと言い訳していた。
「あれは足りなかったから仕方なくつけてただけだよ。ブラジャーとかはつけないし。自分で男物の下着買ってる」
「お母さんは女の子下着買ってくるんだ!」
「女の子下着があるならつけてみますよね?」
「つけないと言えば嘘になるけど」
「ブラジャーは後手で留められます?」
「そのくらいはできるけど、ほんとに普段はつけないから」
「相当着けている気がする」
「どっちみち高校卒業前、今年の夏くらいに性転換手術を受けるんでしょ?」
「受けない、受けない。ボクは別に女の子になりたくもないし」
「ヒロちゃん女の子になったら、もてそうなのに」
「お嫁さんになってくださいというファンレターは時々来るけど、男の子と結婚する気は無いよ」
「ヒロちゃんのタキシード姿とか想像できない。ウェディングドレスの方が似合うと思うなあ」
「成人式は振袖着ますよね?」
「母ちゃんが、振袖買うのに積み立て始めたとかいうから、そんなの着ないからやめてと言った」
「振袖可愛いと思うのに」
「お母さんはヒロちゃんに女の子になって欲しいみたいね」
「女の子になっていいんだよ、とはよく言われる。性転換手術代は出してあげるからとも言われた」
「そんなに理解されているなら女の子になるといいですよ」
「なりたくない」
「オーディションの時は女の子水着も着てたよね」
と同期の姫路スピカから言われる。
「最近はこういうデザインの男の子水着もあるんだよと欺された」
「でもお股の所で男の子とバレるのでは?それとも既に去勢済みだったんですか?」
「パレオ付きだったから審査員さんたちには気づかれなかったみたい。ボク、パレオというの知らなくて、なんか不思議な装飾がついてるなと思ってた」
(去勢済みか?という質問には答えていない)
「パレオも付いてない女の子水着で、水着審査を通過したらしいアクアはその時既に去勢済みだったんだろうね」
と話をずらす。
「ああ、やはりそうですよね」
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春曙(10)