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■東雲(23)

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隣の敷地に建てる予定だった駐車場だが、それもこの日“播磨工務店”から引き渡されて使用できるようになり、4ヶ月ほどの月極駐車場生活も終了した。月極駐車場は自宅から100mほど歩くので、その間、お母さんは雨の日など大変だったようである。
 
駐車場については、最初軽量鉄骨構造、いわゆるプレハブで建てるつもりだったが、作業をする人たちが霊障を受けないか、冬子は心配した。それで千里に相談したところ「うちのにやらせるよ」と言って、播磨工務店の人をよこしてくれたのである。彼らがやった作業はこのようであったらしい(政子のお母さんの話)。
 
まず一晩で敷地を70cmほど掘る。
 
翌日の朝、コンクリートミキサー車を持って来てどどどっとコンクリートを流し込む。
 
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一週間放置。
 
ユニットハウス式のガレージと渡り廊下ユニットを持って来てポンと置く。ついでに渡り廊下の入口部分の敷地境界の壁を通れるように切り取り、代わりにアルミ製の戸を付けた。
 
そういう訳で1週間でガレージができたのである。屋根・壁付きの渡り廊下もあるので、本邸から(正確には離れの裏口から)、ほとんど雨に濡れずにガレージまで行くことができる。
 
お母さんは播磨工務店の人たちの姿は、最初に夕方やってきた所、翌朝ミキサー車を持って来て、コンクリートを流し込んでいる所、そしてユニットハウスを持って来て置いた所しか見ていない。穴を掘る作業は夜中にやったと思われるが、特に騒音は無かったということだった。境界の壁を切り取る作業はウォーターカッターのようなものでやっていたが、5cmくらいのコンクリート壁を30分ほどで鮮やかに切り取った。これも大した騒音は無かった。
 
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できあがったのは一週間ほど前なのだが、使うのは3月25日以降にしてと言われたらしい。
 
なおガレージは3台駐められるようになっており、お母さんのフィット、政子のアクア、ともう1台は予備である。
 
くれぐれもガレージの外には1時間以上駐めないようにと千里は言っていた。なお敷地の端には小さな祠が建っていたが、この祠は放置でいいと千里は言っていた。どうも「少しずつ浄化していく」仕組みらしい。だいたい2年も経てばふつうの土地になるはずと彼女は言っていた。
 

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2020年3月25日(水)、アクアの18枚目のシングル『ぼくのアクア/風まかせ』が発売された。同日某自動車メーカーから発売された“アクアのアクア”のCMで流れている曲である。発売の記者会見は、足立区の§§ミュージック研修所の駐車場に駐めた“アクアのアクア”1号車の前でアクアがマイナスワン音源で歌うところが中継され、その後、同研修所地下のスタジオから会見が中継された。アクアが駐車場からスタジオに移動する間は、CFでも流れている、アクアがこの“アクアのアクア”を運転して、アクアラインや、稚内の北防波堤ドームを運転している所の映像が流れていた。
 
(「アクアラインでアクセル踏んで“アクアのアクア”運転するアクフィブなアクア」という早口言葉?がネットで出回っていた)
 
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会見場に並んだのは、アクアと作詞者の加糖珈琲(葵照子)に秋風コスモスの3人である。お互いに1mほどの距離を空けていて全員マスク着用である。
 
ここは男子禁制で、撮影しているのも§§ミュージック所属の女性技術者・山元凛奈さんである。そこにアクアがいることについては誰も疑問を持たない。
 
記者たちはZoomで各々の会社から参加しており、その全体の様子が副調整室に居るTKRの女性技術者・青山純香さんの手で編集されてネットにリアルタイム無料配信されている(TKRの親会社トリプルスターの回線使用)。
 

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会見では、アクアの前作CDがデビュー以来17連続ミリオンになっていることも記者から言及があり
「これでデビュー以来18連続ミリオンになりますね」
と言われたものの、アクアは
「まだ決まったことでもありませんし、枚数はファンの皆様のおかげなので、私はただ感謝するのみです」
と控えめに答えていた。
 
また高校を卒業したことへのコメントを求められると
「今まで学校に行っていた分、仕事の量が控えめだったのが、一気に増えて、私の体力がもたないのではと戦々恐々です」
と正直な感想を言うと、記者たちの間からは苦笑が漏れていた。コスモスも苦笑していた。それについて意見を求められたコスモスは
 
「1月から既に、リハーサル役やボディダブル役を、これまで今井葉月、姫路スピカの2人を使用していたのを、更に佐藤ゆかを追加してアクアの負荷を下げる努力をしています。またアクアに来たお話を、白鳥リズム、佐藤ゆか、大崎志乃舞、斎藤恵梨香、ラピスラズリなどに振り分けたりもしています」
 
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とコスモスは具体的な負荷軽減策を語った。
 
「ちなみにアクアさん、性転換手術を受ける予定は?」
 
「全くありません。ボクは自分のことは男だと思っていますよ」
とアクアは明言した。(でも今日記者会見しているのはF!)
 
“アクアのアクア”そのものについては、メーカーの人にやはりZoomに参加してもらい、コンセプトや機能、インテリアなどについて説明してもらった。
 
その他近日公開予定の『気球に乗って5日間』についても色々質問があり、ひとつひとつ丁寧に答えていた。この件に関しては河村助監督も途中からZoomに参加してもらい、記者さんたちと結構盛んなやりとりが行われた。
 
「男湯に入るシーンがあるようですが」
という質問には
 
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「男のボクが女湯に入ったら大変ですね」
とアクアは答えたが、ネットでは
 
「いつも女湯に入っているのでは?」
という指摘が多数あった。女湯でアクアと遭遇したことがあるという投稿は多かったが、ネットでの投稿なので、真偽は不明である。ちなみに男湯でアクアと遭遇したことがあるという投稿は皆無だった!
 

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ところで、§§ミュージックの研修所は原則男子禁制なので、実は西宮ネオンの記者会見をするのに困る。TKR本社もネット中継ができるようにする予定なのだが、色々揉めて?いるようで、使えるようになるのがいつかは分からない。
 
それでコスモス社長は、男性でも使用できる、大田区のサテライト・オフィス内のスタジオにもネット中継ができる設備を作らせていた。おりからリモート勤務を導入する企業が大量にあって、ネット関係の機材が不足したため、作業は遅れたものの、4月8日(日)のネオンの新曲発表記者会見から使用されることになる。
 
「だけどこのサテライト・オフィスもそろそろ建て替えが必要では?」
と山村はコスモスに言った。
 
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元々1970年代にある大手芸能事務所が建てたものだが、その事務所の主力タレントが引退したり独立したりして経営が悪化して買い手を探していたので、5年ほど前のアクアが売れ始めた頃に土地ごと10億円で買ったものである(ほぼ土地のみの値段:紅川さんが「生涯で最大のキャッシュ払い」と言っていたが、売手の芸能プロ社長は10億を現金でもらえて涙を流して喜んでいたらしい)。
 
ここは大田区内でも(公共交通機関では)やや不便な場所にあるが、その分広い。交通量が少ない分、渋滞にひっかかる恐れも少なく、車でのアクセスは楽である。信濃町の本社にはあまり大きなスペースが取れないので、ファンクラブ会報の編集を始めとするファンクラブ関係の事務、通販などの事務、倉庫や練習場、音源制作、車庫として使用し、またプレゼントの仕分けなどでも使っている。空調とエレベータは新しいものに更新しているが、50年近く経っていることもあり、かなり“ボロ”である。
 
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「まあコロナが少し落ち着いたら、やってもいいかもね」
とコスモスも答えたが
 
「その時点でアクアが性転換してなかったら」
と付け加えると、山村は笑っていた。
 
「ところで大崎志乃舞ちゃんが女の子になっちゃったのは、あんたのせい?」
「俺じゃないよ。あれは千里1だよ」
「なるほどー。ところで、あんた、しばしば女を忘れてるね」
「あ、しまった」
 

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「ケイナ、また女を忘れてる」
とチャンネルから指摘されたケイナは
 
「すまーん、じゃなくて、ごめーん」
と言っていた。
 
もっともケイナの場合は、時々男言葉になっちゃうのが、既に芸の一部になっている気もするなとマリナは思った。元々ローズ+リリーのマネということで、ケイは男の娘だから、たまに男の子に戻るかも?というコンセプトがあって、昔からやっていたのだが、どこまでが“芸”でどこからが“地”なのかは既に判然としない。
 
この日はデンデン・クラウドが“○○ピザ”の名前の入ったエスカルゴを道の駅に駐めていたら、ピザをオーダーされてしまったというネタをやっていた(実話)。
 
それでデンデン・クラウドにピザを作らせたものの、そもそも生地がまとまらず、そこは結局手先の器用な健康バッドが作ってやった。健康バッドはまるで本職のように、指先で回転させて生地を作り、出演者一同から拍手されていた。
 
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それでトマトソースを掛けたり野菜やハムを切ってトッピングを作って載せて焼くが、オーブンで焼く時間を間違えて、1回目は生焼けになり、時間を追加したら黒焦げになり(黒焦げのピザはデンデン・クラウド自身が食べるはめになった)、注文から3時間掛けて、やっとまともそうなピザが出来て、注文した人(撮影時のサクラ)に届けることができた。
 
それで「ピザ屋と間違われるから塗装を直そう」という話になる(実はその○○ピザの日本本部からクレームも入っていた)。
 
箱の中から“有斗興梠が”カードを引くと“タコ次郎”と書かれている。
 
それでデンデン・クラウドのエスカルゴは、いったん全面ピンクに塗られた上で、黒・緑・白の塗料で、揚浜フラフラ画伯!が可愛いタコのキャラクターを描いて“タコ次郎”という名前まで入れた。
 
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(このタコ可愛い!という女子中高生からの声が多数あがった)
 
そういう訳で、デンデン・クラウドの車は、まるでたこ焼き屋さんみたいな車に改装されたのである(個人の所有物なのに!)。次週のストーリーが容易に読める展開である。
 

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季里子の長女・来紗は2020年4月から小学校に入学する予定であった。季里子たちの住所は、千葉市に置いたままで、東京北区のアパートには移していないので、就学通知も千葉市の住所の方に来ていた(自宅は建設作業中だが、郵便受けだけ立てさせてもらっている)。当然千葉市内の小学校が就学先として指定されているのたが、通学はどうしようかと悩んでいた。
 
ところがコロナの影響で4月から学校が再開されるような様子は無い。
 
そこで、取り敢えず様子を見ようということにした。
 
「私はワクチンも打ってもらって感染リスクは低いから、毎日来紗の送り迎えしようと思っていたのに」
 
と桃香は言っていたが、桃香の運転する車に子供を乗せるなんてとんでもないと季里子は思っていた。それにワクチンなんて、いつの間に開発されたんだろうというのも不思議に思った。治験のボランティアでもしたのだろうか?
 
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(治験させられていることに桃香は気づいていない−他に音羽と光帆も気づいていない:千里は万が一にも死にそうにない丈夫そうな人を選んでワクチンを注射している)
 
来紗は夏樹の父から買ってもらった青いランドセル(来紗自身が赤は嫌だと言った)をしょって、入学式を楽しみにしていたのだが、仕方ない。
 
なお、夏樹からは性別の変更が完了したという連絡を受けている。夏樹が女であったということになると、来紗たちの父親欄から古庄夏樹の名前が抹消されるかもと思っていたのだが、今の所そのような通知は受けとっていない。
 
桃香は「うちの母ちゃんから御祝儀もらった」と言って、5万円入った祝儀袋をもらったものの、表書きの字が桃香の字なので、本当に朋子さんが出したのか、桃香が勝手にでっちあげたのかは微妙だよなと季里子は思っている。季里子は、そもそも朋子さんは来紗と伊鈴のことを知らないのではという疑いを持っていた。だけど、桃香自身も早月ちゃんたちと離れ離れの生活は寂しくないのだろうか?もっとも今このアパートに子供4人もは置けないのも事実だ。
 
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なお、桃香は1月から塾の臨時講師の資格でかなりの頻度で出勤していたのだが4月から正式の講師になることになったと季里子に報告し、季里子の両親からも祝福されていた。桃香が臨時のパートを除いて“勤め人”に復帰するのは、2016.11以来、約3年半ぶりである。
 

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3月26日(木・大安)、八雲春朗と高木佳南、八雲礼江と氷川真友子が相次いで結婚式を挙げ、ネット形式で披露宴・祝賀会をした。
 
この日の午後から春朗と佳南の結婚式を品川駅近くの一流ホテルのチャペルで挙げ、同ホテルの小宴会場に新郎新婦が入り、ネットでつながった多数の芸能人からお祝いの言葉をもらったり、芸を見せてもらったりした。“参列者”にはこのホテルの“ネット披露宴パッケージ”により、だいたい20分〜1時間くらい前に仕出しの料理とワインをデリバリーしており、その全体の様子がネット中継されて、一般の人もその様子を見ることができるようになっていた。テレビの情報番組でもその様子がレポートされていた。
 
礼江と真友子は実は午前中に都内の神社で結婚式を挙げ、夕方から★★チャンネルのスタジオを借りてネット祝賀会をした。つまりこの日のスケジュールは次のように進んだ。
 
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10:00 礼江と真友子の結婚式(A神社)
13:00 春朗と佳南の結婚式(Tホテル)
14:00 春朗と佳南の披露宴(Tホテル→ネット)
19:00 礼江と真友子の祝賀会(★★Ch→ネット)
 

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