広告:まりあ†ほりっく4(MFコミックス)
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■東雲(18)

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事務所に戻って契約する。契約は彩佳の名義ですることにした。保護者は来ていないのだが、千里が保証人になってあげた。電気・ガス・水道・NTTの契約については、不動産屋さんがガイドをくれたので、それにそって彩佳が連絡することにした。
 
不動産屋さんを出てから、取り敢えず文京区の花野子!のマンションに向かう。花野子の所に行くのは、いちばん近い場所にあるからである。花野子は今日仕事で出ているのだが、花野子のマンションの鍵は梨乃も持っている。
 
「さて、これで前線基地は出来たから、あとは龍をあそこに拉致してくるだけだな」
「拉致してきたら、改造手術してくれるお医者さんは手配してあげるね」
などと梨乃と千里は言っている。
 
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「じゃ取り敢えず拉致を目指そう」
「まあ龍のちんちんは20歳になるまでもたないかもね」
「ああ。拉致改造しようと狙ってる人多いですよね」
「精液は保存しているんだから、別にちんちんは無くてもいいよね」
などと勝手なことを言っている。
 
「アヤはレスビアンのテクを覚えておくといいね」
などと桐絵は楽しそうに言っている。
 

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「何ならクロロホルム要る?」
と言って、千里が薬品の入ったガラス瓶を出す。
 
「なんか恐いものが」
「悪用しないように」
と言って千里は彩佳に瓶を渡すが
 
「すみません。悪用以外の使い道を思いつきません」
と桐絵が言う。
 
「これほんとにハンカチとかに染み込ませて鼻に当てたら意識失います?」
とマジで彩佳は訊いている!
 
「まず無理。あれはドラマの中のお話だよ。あんな簡単に効く訳無いし、そこまで強力なら、犯人も気を失うよ」
 
「あ、それ疑問に思ったことある。自分は平気なのかって」
 
「かなり大量に吸わせない限り意識を失うことはない。そして吸わせすぎると、意識ではなく命が無くなる」
と千里。
 
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「素人には扱えない気がする」
と運転している梨乃が言う。
 
「千里、それ違法ではないのか?」
と川南が訊いてる。
 
「劇物に指定されているから、お巡りさんに見つからないように。あとこれって溶剤だから、皮膚につくと、ただれて一生治らないから気をつけてね」
 
「それ恐い」
 
「千里、それ回収しろ」
と川南。
 
「しょうがないなあ」
と言って、千里は彩佳から瓶を返してもらったが、彩佳は惜しそうな顔をしていた!
 

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マンションは一週間後の3月19日(木)以降に入居可ということだったので、その日、彩佳たちは高校の女子寮からの引っ越しをおこなった。
 
朝、彩佳が不動産屋さんで鍵を受け取り、宏恵にそれを預けて午前中は彼女と彼女の両親に留守番をしておいてもらう。この午前中に、ヤマダ電機で手配していた冷蔵庫・電子レンジ・IHヒーター・ケトル・洗濯機、カーマで手配していた寝具、本棚やカラーボックス・テーブル板!、調理器具などを受け取り、大物は計画していた位置に置いてもらう。洗濯機の給水・排水の接続をしてもらう。
 
カラーボックスは後で手分けして組み立てるつもりだったが、宏恵のお父さんが電動ドライバーを使って全部組み立ててくれていたので彩佳たちは手が省けて助かった。
 
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そして彩佳たちは、川南さんが借りてきた2トントラックに、女子寮で彩佳と桐絵の荷物を積み込み(作業は彩佳・桐絵・川南と、彩佳・桐絵のお母さん、桐絵のお姉さんの6人で行った:宏恵のお父さんは女子寮には入れないので、新居の待機組に回った)、川南の運転で渋谷に向かった(トラックは川南が運転し、助手席に彩佳が乗る。他の4人は桐絵のお母さんが熊谷から運転してきたソリオに乗った)が、現地付近まで来ると、お母さんたちは
 
「よくこんな便利な場所に借りたね」
と驚いていた。
 
でも実際のマンションを見ると
「これ崩れないよね?」
と不安そうに言っていた。
 

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そして中に入ると
「狭い!」
「もう空きスペースが無い!」
と驚かれる。
 
「まあ家賃8万だし」
「なんかもう簡易宿泊所の雰囲気だ」
「テレビ要らないと言った訳が分かった」
「まあテレビなんて置くスペースは無いよね」
 

 
「トイレとお風呂は別なのね」
と桐絵の母が訊く。
「別でないと、誰かがお風呂入っている時、トイレパニックになります」
「そうよね!」
 

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「この机は面白い」
 
「カラーボックスを並べて、その上にテーブル板を渡すだけでワーキングデスクが3人分完成。既製の机だとちょうどハマるサイズが無かったのよね。この板はジャストサイズにカーマで切ってもらった」
 
「ただしテーブルの端に乗ってはいけない。板がひっくり返るから」
「ああ。それは気をつけないと」
「反対側の端の子がコーヒーとか飲んでたら悲惨になる」
 
「でも、これってお布団敷けるの?」
と彩佳の母が訊く。
 
「寝る時は、机の椅子を上にあげて、机の下に足を伸ばす」
「真ん中に寝る彩佳は逆向きに寝るから、机の下に頭を入れる」
「アヤちゃんだけ逆向きなの?」
「3人とも同じ向きだと酸素が足りなくなるんです」
「なるほどー」
「濃厚接触も避けられるし」
「ああ、保育所とかもお昼寝は互い違いの向きに寝せてると聞いた」
「大変ですよね」
 
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「“寝て一畳・起きて半畳”の世界だね」
と宏恵のお父さんが言っている。
 
「それ千里さんも言ってましたよ」
 
(禅寺の修行僧たちは、厳しい生活環境で過ごすという修行を課される。それで修行僧たち1人に割り当てられるスペースが、寝る時は1人1畳、起きている時は半畳なのである。つまり彩佳たちは禅寺の修行僧なみ?の生活をこれから4年間することになる)
 
「三段ベッドも考えたんですけど、寝相の悪い子が転落しそうで」
「それに上の子が寝返りするとうるさいし」
「まあ安眠できないかもね」
と宏恵のお母さん。
 

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「オナニーも安心してできないよね」
と桐絵のお姉さんが言う。
 
「その意見もありました」
「まあ振動を感じても黙殺する約束で」
などと娘たちが言うのは、お母さんたちは聞かなかったふりをしている。宏恵のお父さんなど困ったような顔をしている。
 
「ボーイフレンドも連れ込めないし」
などと桐絵のお姉さん。
 
「龍を拉致して激務に耐えられるようスーパーガールに改造する計画はあるんですが」
「ガールに改造するんだ!?」
「スーパーボーイに改造したらファンから苦情が来るので」
「アクアは女の子らしさに存在意義があるし」
「アクアが性転換して女の子になっても誰も驚かない」
 
「まあ犯罪者にならない範囲で」
と彩佳のお母さんは笑っていた。
 
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なお、形殺の問題であるが、金魚鉢を置くのは困難なので、テーブル板の真ん中付近に、外側を向けて八卦鏡(凸面鏡:殺気を拡散させないといけないので凸面鏡を使用する。ちなみに凹面鏡だと火事を起こす!)をぶら下げておくことにし、その八卦鏡も千里さんが調達してきてくれた。
 
(吊り下げる位置は、彩佳は「真ん中といったら、この付近かな」という位置に下げておいたのだが、後日千里さんが来て「少し違う」と言い、彩佳が取り付けた位置から5cmほど左に移動した)
 
引越がだいたい落ち着いたところで、彩佳・桐絵たちはC学園の女子寮に戻り、お掃除をしてから、鍵を寮母さんに返却。御礼を言って退出した。
 

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なお、今回の引越先が狭いので、実は彩佳と桐絵が高校時代に過ごした寮にあった荷物で入りきれない荷物が随分あった。ずっと制服で済ませていたので洋服は大してなかったものの、本やCD、こたつ、ビニールロッカー、洗濯物干しなどの類い、中身がよく分からない!段ボール箱群、更に桐絵が大量に買っていたアイスクリーム!などが収納できなかった。
 
それで実はこれらは、どうせ近くだしということで、龍虎のマンションに持って行ったのである。「昼間だし、龍は出てるだろうから」などと言って、彩佳が持っている鍵で勝手に開けて中に入ったら、龍虎は居なかったものの、山村マネージャーが居た。
 
(実はこの日はFが仕事に出てMが休んでいたのだが、彩佳たちが来たことに気付き、山村に連絡して交替したのである)
 
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誰もいないと思っていたら部屋に人がいるので、びっくりして
「こんにちはー」
と挨拶する。
 
「ああ、アヤカちゃんと、キリコちゃんだったっけ?」
「すみません。桐絵(きりえ)です」
「ごめーん」
 
「私たち引っ越したんですけど、引越先が狭くて荷物が全部入らないので少し置かせてもらおうと思って」
 
「ああ、だったらここに入れるといいよ」
と言って、山村マネージャーは、“M”!というシールの貼られた部屋を示すので、2人と川南は、アイスクリーム以外は、そこに運び入れた。
 

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「ここ3部屋あるのね」
と桐絵が言う。そして他の部屋も覗いてみて
「あれ?どの部屋にも広いベッドが置かれている」
と言う。
 
「誰かと3人で暮らしてるんだっけ?」
と桐絵が言うと、山村は
「ああ。アクアは7人いて、曜日ごとに別のアクアが仕事に行っているから、そのためなんだよ」
などと言う。
 
「そうだったんですか!?」
と桐絵が驚いているが、川南は
 
「その説は緑川マネージャーさんからも聞いたことある」
などと言っている。
 
「7人で部屋が3つなんですか?」
「Aqua Monday, Aqua Tuesday がMの部屋、Aqua Wednesday, Aqua ThursdayがNの部屋、Aqua Friday, Aqua SaturdayがFの部屋に、各々ひとつのベッドで並んで寝る」
 
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「Aqua Sundayはどうするんですか?」
「居間でひとり寂しく寝る」
「だったら、彩佳、Aqua Sundayと寝てあげなよ」
と桐絵。
 
「寝てもいいけど、今アクアが女の子を妊娠させたなどということになったら大騒ぎになるから寝る時はこれを使いなさい」
と言って、山村マネージャーは彩佳に避妊具の箱を1箱渡した!
 
「じゃ寝る時にもしアクアにちんちんがあったら、付けますね」
と彩佳は言って受けとる。
 
「まあ、アクアにちんちんがある確率は2分の1かもね」
などと山村さんも言っている。
 
そういう訳で、彩佳はアクアとセックスしてもよいと山村さんから公認された!
 

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そんなことを言っていた時、アクアMが帰宅する。実はマンション内のロビーに退避していたのを、今帰ったふうを装って戻って来たのである。
 
自分の部屋にたくさん荷物が置かれているのを見るが、彩佳たちの新しい部屋に入りきれなかった荷物と聞くと「ああ、全然問題無い。必要なものがあったら、いつでも鍵開けて取りに来て」
とMは彩佳に言った。
 
「そうそう、龍にこれも渡しておくね」
と言って桐絵が楕円形の電子鍵を渡す。
 
「これは?」
 
「私たちのマンションの鍵。オートロックだから、これが無いとエントランスも通れないから」
 
彩佳たちのマンションの鍵は、彩佳・桐絵・宏恵が1枚ずつ持つほか、不動産会社に頼み4枚合鍵を作ってもらった(電子鍵なので町の鍵屋さんではコピーできない)ので、各々のお母さんに1枚ずつ渡し、もう1枚を龍虎に渡すことにしたのである。
 
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「いや訪問する時はスマホ鳴らすから要らないよ」
と龍虎(M)は言ったが
 
「彩佳の奥さんにはやはり渡しておこうと」
と桐絵が言う。
 
「ボクが彩佳の奥さんなの〜〜?」
「夫には見えないし」
と桐絵は、スカート姿の龍虎(M)に言った。
 

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