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■東雲(14)

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ところでKARIONのアルバムであるが、震災イベントまでにテーマを決めようということになっていたのだが、7日の日に和泉・美空・蘭子・小風の4人と鷲尾さんで集まり、話した。
 
美空は
「また食べ物の歌の特集したいな」
と言った。ちょうど震災の頃に、KARIONは『食生活』というアルバムを出している。それで美空のお勧めは今度は『おやつ』というものであった。
 
蘭子(ケイ)は
「こないだも言ったけど"Love Song For You"で」
 
小風は
「こないだは『花言葉』と言ったけどもっと広くして『Plant(植物)』とか、どうかな」
 
と言った。
 
「和泉は?」
 
「今のご時世では、みんな家の中に閉じこもってないといけないからさ、ゲームとかどうかな。室内で色々なゲームをする」
 
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と言った。
 

「みんな色々意見が出たね。どれにしようか」
と小風は言ったが。蘭子が
 
「和泉のゲームに1票」
と言った。
 
すると鷲尾さんが
「ではゲームで」
と言った。
 
「え〜〜〜〜!?」
と小風が言うが
 
「リーダーが言ってるんだから、それでいいじゃん」
と蘭子が言い、美空も
 
「こないだから、私だいぶゲーム三昧になってる」
と言って、次のアルバムのタイトルは『Game』ということになった。
 
「木製ゲームというのは?」
などと美空が言うので、小風にそういうタイトルで1曲書くように鷲尾さんは言った。
 
「おやつゲームとかは?」
「じゃそういうタイトルで美空ちゃん1曲書いて」
「頑張る!」
 
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「制作は前回も言ったように、曲ができたらトラベリングベルズに伴奏を作ってもらった後、各自の予定が取れる時にスタジオに入って1人ずつ歌唱して録音する」
と鷲尾さん。
 
「そういうやり方って、これまでは邪道と思われていたけど、コロナの時世では、そのやり方が主流になるかもですね」
と蘭子は言う。
 
「それをきっかけに時代が変わるかもね」
と鷲尾さんも言う。
 
「多重録音とかも当初は邪道だったかも知れないけど、今は普通だしね」
と少々不満な顔の小風も言った。
 

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3月3日、マリは結局大林亮平と別れてしまった。翌日のローズ+リリーの新曲発表記者会見の席で、マリは自分が妊娠していることと、相手の男性とは別れたので結婚しないということを語った。
 
昨日別れたばかりで、まだ復縁の可能性もあるのではと思っていたケイはマリがもう全て済んだことのように語るのを戸惑いの気持ちで見ていた。
 
3月5日、昨日の記者会見を見て驚いた原野妃登美がマリを訪ねて来た。そしてマリが亮平と別れたのなら、自分がアタックしていいかというのでマリは了承してしまう。すると妃登美は「亮平の買い取り代金」と言って例の500万円をマリの前に積み上げる。マリはびっくりしたが、妃登美の“事情”を聞くと、この“金銭トレード”を面白がり、出産費用とかは亮平に出してもらえばいいよと妃登美を煽っておいた。そして亮平が受け取りを拒否して扱いに困っていた婚約指輪を、亮平のマンションの鍵とともに妃登美に渡したのである。
 
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亮平は帰宅すると妃登美がいるのでびっくりする。彼女が作ってくれた御飯を食べながら話を聞くと、自分はマリから妃登美に“トレード”されたというので「うっそー!?」と叫んだ。そんなのありなのか?妃登美はマリに渡したはずのダイヤの指輪も持っていた。
 
妃登美は「私、亮平の奥さんでいいよね?」などと言う。数日前にマリと別れたばかりで節操がない気がしたものの、マリと妃登美の間で話がまとまってしまっているのなら、いいかなと思った。そして妃登美を抱いて満足して、うとうととしていた時、妃登美は言った。
 
「ねぇ、りょう、お願いがあるの」
「何だい?」
「あのね、あのね、りょう怒ると思うんだけど」
「聞いてあげるから、言ってごらんよ」
「実はね。私のお腹の中にいる赤ちゃんのパパになって欲しいの」
 
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「なんだとぉ!?」
 

怒るというより仰天した亮平だったが、妃登美が語る“事情”を聞くと彼女が不憫に思えた。それで、妃登美が妊娠している子供の父親になってあげることを了承するのである。
 
彼女の妊娠週数が進んでいるので、早めに結婚を発表したいと思った。事務所の社長に「彼女を妊娠させてしまったので結婚したい」と連絡すると「仕方ないねぇ」と言って了承してくれた。社長は亮平がマリと交際中だったことを知らない。
 
しかし彼がマリと交際していたことを知っている人は、彼が妃登美と結婚することにして、しかも妃登美が妊娠中と聞いたら激怒するだろう。亮平はそういう人たちに事情を説明せざるを得ないと思った。
 
彼はまずWoodem Fourのメンバーに状況を説明した。3人とも亮平の方針に賛意を示してくれて、結婚の御祝儀までくれた。本騨真樹から話を聞いた彼の奥さん・山村星歌も、「大林さん、格好良いと思うよ」と亮平の方針を応援してくれた。
 
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亮平はケイ、∞∞プロの鈴木社長、千里(青葉にも伝えてくれるよう頼んだ)、丸山アイと鹿島信子(フェイ・ヒロシにも伝えてくれるよう頼んだ)、カノンとリノン、和泉・小風・美空、など結果的に10人ほどの人に説明するハメになった。本当は妃登美の妊娠事情はあまり多くの人には知られたくないのだが、説明しないと激怒して非難されるのは確実なので、説明せざるを得なかったのである。
 
ケイは実はWooden Fourのメンバー、鈴木社長の次、3番目に亮平からこの話を聞いたのだが、これをまずは風花、詩津紅・妃美貴の姉妹、スターキッズのメンバー、氷川さん、鱒渕・玄子・竜木、コスモスなどにも伝えた。みんな「この話を聞かずに大林亮平さんの結婚記者会見を聞いたら激怒していたと思う」と言い、また亮平の方針に賛成すると言った。
 
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ケイは青葉にも電話して伝えたのだが、彼女は既に千里から聞いたということで青葉も亮平さん偉いと思うと言っていた。
 
そういう訳でこの話は3月15日に亮平が記者会見を開いて妃登美との結婚を発表するまでの間に100人近い人が知るところとなるのである。マリが亮平と親密にしている所、一緒に泊まったりしている所をそのくらいの人が見ているので、やむを得なかった。
 

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コロナに感染して自宅療養していた筒石君康は、実際には一週間で熱は下がった(もとより本人はずっと元気でマンション内で筋トレなどやっていた)。水連の指示で発病から2週間様子を見ることにしたが、その間2度のPCR検査をしたものの陰性で3月8日に外出許可が出た。
 
そして「ちょっと出てくる」とジャネ(実はマラ)に言うと、出かけて来て、デパートの紙袋を持って帰宅した。
 
「何買ってきたの?」
「ジャネ、指を出して?」
「へ?」
 
と言って、ジャネ(マラ)が右手を出すと
「違ーう。左手だよ」
 
と言う。そしてジャネ(マラ)が左手を出すと、君康は紙袋から出した白いビニール袋の中から青い宝石ケースを出す。ジャネ(マラ)がびっくりしている。君康は、宝石ケースのふたを開けてダイヤの指輪を取り出すと、ジャネ(マラ)の左手薬指にその指輪を填めたのである。
 
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「もう長いこと一緒に暮らしていたのに、これあげるの忘れてた。ごめんな」
「いや、こんなものもらえるって思ってもいなかったから、びっくりしてる」
「結婚式もあげない?」
「じゃロス・オリンピックの後で」
「8年も先なの〜〜〜!?」
「だって、私オリンピックに出たいから、赤ちゃんとか産んでられないし」
「うん。赤ちゃんはそれからでいいよ」
 
「だけど指のサイズがよく分からなかったから適当に買ったけど入ったね」
などと君康は言っている。
 
幽霊だから実体が無いので、どんな指輪のサイズでも入るものの、これはマソ(ジャネ本体)に入るように調整する必要があるなとマラは思った。
 

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それで双方の両親に報告するために、君康とジャネは一時帰省することにした。翌日の夜、ジャネ(マラ)が筒石のVolvo XC90 T8 を運転して関越・北陸道を走って、金沢まで帰省したのである(筒石は免許は持っているものの絶望的に運転が下手である。彼は水泳以外の才能がほとんど無いようだ)。
 
(実は日中マラはマソと位置交換し、マソが宝石店に行き指輪のサイズ合わせをしておいた。君康が「日本代表のスポーツ選手だから指も太いから」と言ってかなり大きいサイズで作らせていたので、調整は短時間で済んだ)
 
朝から、まずは筒石の実家を訪問して報告。更にジャネの実家を訪問して報告。お昼を仕出しを取って、火牛アリーナの会議室で両家で会食したのだが、ここの仕様にびっくりする。
 
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テーブルの中央にビニールシートが貼ってある。席と席の間にもビニールシートの衝立が置かれている。そして椅子は1m間隔に置かれていて、その位置は“互い違い”になるようになっている。つまり向かい合いが生じないようにしているのである。更にビニールシートで飛沫の飛行をできるだけ阻止している。むろん部屋には強烈な換気が掛けられている。
 

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「これラーメンの一蘭の仕様に似てる」
と君康のお父さんが言った。
 
「はい。あれも参考にしました。ここはお互いが見えるように透明ですけど」
と若葉。
 
ラーメンの一蘭は客同士のプライバシー確保のため、席が(不透明の)板で区切られている。
 
「皆さん、お食事が終わったら、マスクしてくださいね。それと食べるのを休む時は食事にカバーを掛けてください」
と言って、配膳を指揮した若葉が食事のトレイ(透明アクリル製のカバー付き)と一緒にマスクを配る。両親たちは若葉たちの格好にも驚いている。
 
「なんか未来的デザインだね」
「うちではプラスチック・スタイルと呼んでいます。お客さんにはわりと好評なんですよ」
と若葉は言っている。若葉自身も、また手伝っている2人の女性スタッフもクレールで採用したのと同じプラスチック・スタイルのメイド服?を着ているのである。
 
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「頭に付いているのはもしかして個人識別用?」
「そうなんです。これを着ていると誰が誰なのか、性別さえ分かりませんから」
 
若葉の頭には双葉のフィギュア?、あとの2人には、ひまわり?と卓球のラケット?のフィギュアが付いている。
 

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「宇宙服にも見える」
とジャネの母・幡山自由(くろみ)が言う。
 
「はい、宇宙服みたいとか防護服みたいという意見もありました」
「そうか。これ防護服なのか!」
 
「スタッフの感染を絶対に防がないと、スタッフが感染してそこからお客様に感染させたらお詫びのしようもありませんから」
 
「それが恐くて今外食産業はバイトが来ないらしいね」
「まあ恐いですよね。でもこの衣装のおかげでうちは応募はたくさん来てますよ」
と若葉は言っていた。
 
「それ重くない?」
「衣装だけで2kgほどあります。ダイエットにいいですよ」
「確かにダイエットにはなるかもね」
 

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