広告:セット水着-【yys1103-1-スカート付ビキニ水着-3点セット-mzg1】
[携帯Top] [文字サイズ]

■春二(14)

[*前p 0目次 #次p]
1  2  3  4  5  6  7  8  9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 
前頁 次頁目次

↓ ↑ Bottom Top

さて弥日古は布団の中でもスマホでゲームをしていたが、居間の時計が12時を告げた瞬間、部屋の中に少女の姿が現れる。
 
「こんばんわ、ヤコちゃん。ぼくは“魔女っ子千里ちゃん”だよ。女の子に変えてから1ヶ月経ったから男の娘に戻してあげるね」
 
「え?」
 
と弥日古が驚いている間もなく、“魔女っ子千里ちゃん”は弥日古の身体にタッチすると、消えちゃった!
 
「え?今更男の子に戻りたくないよぉ」
と思ったものの、弥日古は深い眠りに落ちて行った。
 

↓ ↑ Bottom Top

10月3日(月)朝。
 
弥日古は不快な感覚で目を覚ました。おそるおそる自分の身体に触ってみる。
 
「こんなの嫌だぁ」
と思う。
 
おっぱいが無くなり、平らな胸がある。そしてお股に手を伸ばしてみると、世にもおぞましいものが付いてる。その向こうに不快な2個の卵形物体の入った袋まで付いている。
 
「こんなの邪魔だよぉ。女の子に戻りたいよぉ」
と思って、弥日古は涙が出て来た。
 

↓ ↑ Bottom Top

取り敢えずトイレに行ってきたが、男の子固有のホースの先からおしっこが出るのは極めて不快である。しばらく半ばボーッとして考えている内に重大な問題に気付く。
 
今日は月初めなので学校では身体測定がある。
 
この身体ではとても身体測定が受けられない。物凄くやばい。
 
弥日古は松崎真和(月城としみ)に電話してみた。彼女以外に相談できそうな人を思いつかなかった。
 
「朝早くから御免。実は昨夜“魔女っ子千里ちゃん”が出てきてさ。『女の子に変えてから1ヶ月経ったから男の子に戻してあげるね』と言われて、今朝起きたらほんとに男の子に戻ってたんだよ。これどうしよう。今日は身体測定もあるけど、この身体じゃ受けられない」
 
↓ ↑ Bottom Top

真和ちゃんは話を聞いて言った。
「それぼくと勘違いしてる。ぼくはまだ女の子になるかどうか決断ができないと言ったら、だったら取り敢えずお試しで女の子に変えて、1ヶ月後に、このままでいいか男の子に戻すか聞きに来ると言ったんだよ」
 
「ああ」
 

↓ ↑ Bottom Top

「でも“魔女っ子千里ちゃん”は1ヶ月経っても来なかった。ぼくは女の子の身体を体験して、もうこのままでいいと思ってる。だから彼女が来たらこのままにしてくださいと言うつもりだったんだけどね」
 
「うーん・・・」
「それを間違えてヤコちゃんとこ行って、しかも“女のままか男に戻すか選択”という話が“男に戻す”ということになってるし、酷い勘違い」
 
「これどうしよう?」
「ヤコちゃん。今日は取り敢えず学校休みなよ」
「あ、そうだよね」
「その状態で学校に行ったら大騒動になっちゃう」
「騒動になると思う」
「そして何とか、“魔女っ子千里ちゃん”と連絡を取るしかないと思う」
「でもどうやって?」
「うーん・・・」
 
↓ ↑ Bottom Top

「待って。ちょっと訊いてみる」
「うん」
 

それで真和は妹の典佳(月城たみよ)に電話してみたのである(10/3 7時頃).
 
「朝早くからごめん。のりちゃん“魔女っ子千里ちゃん”から、ぼくに生理来るんじゃないかと聞いたと言ってたよね。彼女と連絡取れる?」
「どうしたの?女の子になったのに更に女の子になりたくなった?」
「それ意味不明。いや実は面倒な話なんだけど」
 
話を聞くと典佳は笑っていた。
「あの子らし〜い。あの子、物忘れや勘違いが多いらしいんだよ。男子寮の子(七石プリム)から聞いたけど、あの子前にも女の子にしてあげると約束してた子とは別の子をうっかり性転換させちゃったりしたことあるらしい」
「ああ、それとケースが近い」
「その時は『ちんちん無くなっちゃったぁ』と泣いてる子を説得して、女の子はどんなに素晴らしいか、女の子になるとこんなにいいことがあると口説き落として、なんとか女の子になることに同意させたらしいけど」
 
↓ ↑ Bottom Top

いいのか?
 
「でもそれ笑い事じゃないよね。連絡取れないか試してみる」
「お願い」
 

それで典佳は先日もらった護符を目の前に置いて『山の魔王の宮殿にて』(*38) を吹いたのである。
 
何も起きない。
 
あれ〜?もしかしてあの子寝てるのかなあ。
 
でもこれヤバいぞ。
 
(*38) “魔女っ子千里ちゃん”と約束したのは『アニトラの踊り』である。典佳の勘違い。でも確かにこの時間帯は寝てるかも。
 

↓ ↑ Bottom Top

典佳は少し考えているうちに、ひかりちゃん(七石プリム)に連絡してみることを思いつく。彼も“魔女っ子千里ちゃん”のことを知ってるふうだった。それで電話して手短に事情を話す。
 
「ああ。ちょっと待って」
と、ひかりは言うとフロントに電話してみる。
 
「はい」
という声がある。
「ユキさん。ひかりです。ちょっと頼みがあるんですが」
と言って簡単に事情を話す。(声だけでユキとツキの区別が付くひかりはレベルが高い)
 
「オーリンらしいね〜」
とユキは笑っている。うん。やはりこれ笑うべきことだよね。のぞみちゃん本人は焦ってるだろうけど。
 
「オーリンは風来坊で捉まえるのは結構難しい。のぞみちゃんに姫路に行くように言いなさい」
「姫路ですか?」
「オーリンは北海道の留萌P神社のP大神様のしもべなんだよ。彼女の力の源はP大神の力」
「へー」
「留萌まで行くのが確実かも知れないけど大変だから、姫路に行くといい。そこにP神社の遙拝所があるんだよ」
「ああ」
「そこでお祈りすれば本人が捉まらなくても大神様が何とかしてくれる可能性がある」
「なるほどー」
 
↓ ↑ Bottom Top

「だから公共交通機関を使わずにそこまで行くように言って」
「うん」
「正確な住所は確認して教えてあげる」
「分かった」
 

↓ ↑ Bottom Top

それでひかりはまず花ちゃんに電話する。
「すみません。私用で申し訳無いのですが、広瀬のぞみちゃんを至急都城から姫路に運びたいんです。今日、宮崎空港から岡山空港か神戸空港へHond-Jetを飛ばしていたただけませんか?最悪ミューズ飛行場でもいいです。回送費用まで含めて、私が全部費用を出します」
 
「それなら昨日彼女を宮崎空港まで送って行ったホンダジェットがまだ宮崎空港に居るから、それを使おう。どこに降ろすかと費用の件は後で」
「ありがとうございます!」
「これ多分あとは直接のぞみちゃんと話した方がいいよね?」
「はい、その方がいいと思います」
「了解。そうする.君はもう学校に行きなさい」
「分かりました。よろしくお願いします」
 
↓ ↑ Bottom Top

それでひかりは、弥日古に電話した。弥日古はひかりからの連絡に驚いていた。つまり、真和に連絡したのが、真和→典佳→ひかり、と連絡が行ったのである。“魔女っ子千里ちゃん”の勘違いから、既に大騒動になっている。
 
「今すぐ姫路に行って欲しいんですよ。姫路のどこに行けばいいかは追って連絡します。宮崎空港から飛行機を飛ばしてもらえるよう花ちゃんに頼みました。だからのぞみちゃんは、公共交通機関を使わずに宮崎空港まで行って、昨日乗ったホンダジェットに搭乗してください」
 
「分かった。ありがとう」
 

↓ ↑ Bottom Top

それで弥日古は母に頼んだ。
 
「§§ミュージックで急ぎの仕事があるらしいんだよ。今日学校休んでそちらに行きたいから、お母ちゃん宮崎空港まで連れてってくれない」
 
「うん。いいよ。あんたが就職するかもしれない会社だもんね」
 
それで母は弥日古を朝から宮崎空港に連れて行ってくれたのである。
 

↓ ↑ Bottom Top

ところで伏木にいる青葉(青葉L)は、一応あちこちからの作曲依頼はあり、週に1曲程度書いているものの、基本的には暇を持てあましていた。その日、ふと庭を見たら真珠が何か車(放送局のヴェゼル)にスプレー?を掛けてるようである。
 
「どうかしたの?」
「青葉さん、どうか幸花姉さんや神谷内さんには内緒で」
「何したのよ?」
「いや車の左側を電柱で擦ってしまって」
「ああ」
「いや、その電柱車道にはみ出してたんですよ。酷いと思いません?」
「ああ、田舎道にはよくあるよね」
「ちょうど向こうから来た金沢ナンバーの車がセンターラインはみ出して走ってきたんですよ」
「田舎道に慣れてないドライバーにはありがち」
 
↓ ↑ Bottom Top


「それでその車を避けようと左に寄ったらちょうどそこに、はみ出した電柱があって」
と真珠。
「それは仕方無いよ。説明したら神谷内さんも叱らないよ」
と青葉。
 
「そうかも知れないけど、見付からなければもっといいから修復してるんです」
「なるほどー。でも傷の修復ってどうやるの?」
 
「色々細かい手順はあるんですけどね。まずは傷の出来た付近を紙やすりで削って平坦化するんですよ」
「削るんだ!?」
「傷は概して不規則にできてるんで」
「なるほどー」
「その上に車に使用されているのと完全に同じ色の塗料を塗ります」
「同じ色の塗料が売ってるんだ?」
「車には何番の塗料を使ったと書いてありますからそれを買ってくればいいんです」
「へー」
「それが固まったところでその塗料を紙やすりで削ります」
「また削るの?」
「塗料を塗ったところはどうしても周囲より盛り上がるから」
「あっそうか」
「それで完全に周囲と同じ高さになるようにするんですよ」
「結構精密な作業だね」
「ええ。この部分が一番神経を使うんですよね」
「すごいね。でもそれ結構お金も掛かったでしょ」
「まあこのくらいいいですよ」
「五千円寄付するよ」
「わっ。ありがとうございます!」
 
↓ ↑ Bottom Top


弥日古は着替えを2日分持った上で、(女子)制服の冬服を着て、母の車に乗る。その宮崎空港に向かう車の中で、花ちゃんからメールがあり、
「11時に宮崎空港から離陸できるけど間に合う?」
とあるので
「9時頃到着予定です」
と返事する。それで
「神戸空港までフライトできるから」
ということであった。弥日古は花ちゃんにお礼のメールをした。
 
その後、ひかりからメールがある。
 
“姫路市・立花北町xx-xx 立花K神社内三泊P神社”と書かれている。境内摂社か何かだろうか。「降りた空港からレンタカーか何かでここまで移動して。タクシーは禁止ね」と書かれている。弥日古は“トラフィック・シグナル”のメンバーなので、公共交通機関の使用が原則禁止である。(通学のバス・列車だけは“時間差通学”することで例外的にOK)
 
↓ ↑ Bottom Top


「レンタカーか何かでと言われたんだけどどうしよう?」
「じゃ私も付き合ってあげるよ」
と言って、母も神戸空港まで一緒に飛んでくれることになった。母はレンタカー屋さんに予約を入れていた。
 
2人を乗せたHonda-Jetoldblueは、11:10くらいに宮崎空港を離陸し、12時過ぎに神戸空港に着陸した。母はビジネスジェット初体験に
「VIPになった気分だね」
とはしゃいでいた。
 
空港のレンタカーで予約していた軽自動車を借りる。渡されたのはタントであった。ショップの人に頼んでカーナビに住所を入力してもらい、ETCカードも差して出発する。1時間半ほどでK神社に到着した。
 

↓ ↑ Bottom Top

↓ ↑ Bottom Top

前頁 次頁目次

[*前p 0目次 #次p]
1  2  3  4  5  6  7  8  9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 
春二(14)

広告:プリティフェイス 1 (ジャンプコミックス)