広告:わが輩は「男の娘」である!-コンペイトウ書房-いがらし奈波
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■春二(4)

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25日の夕方、千里が「来たかも」と言う。きーちゃんが出て来てお腹に耳を当ててみて言った。
 
「まだまだ」
 
「でも動いてるよー、この子」
「出て行くための準備運動をしてるんだろうね」
「まだ準備運動かぁ」
 
でもその準備運動がだんだん激しくなってきて、「痛いよー」と千里が言うので、26日(予定日)の午後に病院と連絡をとり入院させることにした。昼間ずっと仮眠していた玲羅が千里を車(オーリス)に乗せ、朋子・サハリンも付き添って病院に行く。
 
お医者さんも
「まだ少し掛かる気もするけど、まあ予定日だし入院してもいいよ」
と言うので入院させた。
 
その晩は朋子は、サハリンがオーリスを運転して一緒に帰り、玲羅が病室のサブベッドで寝た。
 
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27日朝。朋子が病院に来る。玲羅が交替して帰ろうとした時、陣痛が始まった。それで玲羅も引き続き待機する。連絡で貴司が病院に来る。今日は休むことをチームに連絡した。
 
陣痛の間隔が短くなっていき、お昼すぎ、破水が起きる。15時頃、分娩室に移動する。
「歩いて行くの〜?」
「歩ける歩ける」
「出産は4度目なのに情けないこと言わない」
 
えーん、何度目でも辛いよー。
 
きーちゃんは思ってた。もしかして千里の出産4回で全部そばに居たのって私だけ??(*12)
 

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(*12)以下のようになっている。(★本当に産んだ人、●分娩台に寝た人)
 
京平出産の時そばに居た人:千里F★・阿倍子●・理歌・白虎
近くに居た人:青葉・貴司・六合・貴人・阿倍子の母・白子奈香・冬子・政子
 
阿倍子は自分は出産してないのに血圧急降下して死にかけた。出産したので自分は体力消耗したはず→私は死ぬかも、という思い込み。阿倍子を助けるのに青葉は自分が死ぬ思いした。
 
早月出産の時そばにいた人:桃香★●・千里2・千里3・青葉・朋子・朱音・貴人・月夜
 
桃香が確かに出産したと記憶してるのは貴人だけ!
 
緩菜出産の時そばに居た人:千里1★・羽衣・貴司・美映●
近くに居た人:勾陳・貴人
 
美映は自分は産んでないので全然痛くなかった。そして出産しても処女のままだったので、彼女は処女を貴司の次の夫・孝史に捧げた。
 
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今回そばにいた人:千里2A★●・玲羅・朋子・貴人・サハリン・貴司
 
確かに4回全てで近くに居たのは貴人だけ。
 
※早月は本当は桃香が産んだのだが、出産に立ち会った人のほとんどが産んだのは千里(千里2)だと思いこんでいる。桃香本人も記憶が不確かである!実際には千里2は助産師の服を着て、早月を取り上げた。千里1は日本代表としてアメリカ遠征中、千里3はフランス留学中。でも3は出産に立ち会い早月を桃香の次に抱いた。1も数時間後に来て新生児室の赤ちゃんの手を握った。
 
早月を作った精子は、武矢に射精させて採取し冷凍しておいたもの。小春が武矢の陰茎を握り往復運動して射精させた。武矢は夢魔に射精させられた夢を見た。武矢の睾丸は小4の時に千里の睾丸に入れ換えられていた。
 
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前回(緩菜の妊娠出産)は信次と千里1が生セックスした後で、貴司が美映とセックスしようとして、貴司のペニスが美映の膣口に接触した瞬間、京平・千里・貴司本人・貴司の妹たち、が掛けていた“呪”が作動して、その相互作用により、美映の女性器と千里1の女性器が交換された。それで美映の体内に入った千里1の女性器が妊娠した。つまり卵子も子宮も1番(≒Bw)のものが使用された(桃香の推察だが多分正解)。
 
今回は“結婚している”貴司と千里2Aのセックスで普通に2Aが妊娠した。だから卵子も子宮も2A(≒Bs)のものが使用されている。
 
全ての千里の調整者であるグレース(千里5)にも今一よく分からないのが、最初の妊娠出産、京平のケースである。
 
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あの時は、阿倍子の人工受精の時、胚を子宮に投入するのと同時に阿倍子の女性器と千里の女性器が交換された。それは分かるのだが、グレースにも分からないのが“誰が”交換したのかというのと(*13)、“誰と”交換したのかということである。(*15) またそもそもどの千里の卵子を使ったのかもよく分からない(*14).
 

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(*13) 交換したのは実は小春。その力を与えたのはU大神の意向を受けた北海道のA大神である。
 
(*14) 採卵を主導したのはU大神の意向を受けた出羽のH大神で、実際の作業は美鳳がおこなった。この時、美鳳は小学4年生の時に作成したiPS細胞から育成した卵巣から採卵すると千里(統合千里)に言っている。このiPS由来の卵巣を持つのはY(C1p+K)なので(美鳳の言葉が正しければ)Yの卵子が使用されたことになる。
 
(*15) 京平が生まれたすぐ後に、千里はユニバーシアードを戦っている。実際に出たのはBsと思われる。痛みがあるので千里は鍼を打ってもらっていたが、それにしても出産したのがBsなら、さすがに無茶である。だから妊娠出産したのはBwかY1のどちらか。
 
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胚移植の時、2階の病室に陣取った千里が1階手術室の胚移植の様子を青葉に“実況中継”して青葉が胚の定着をナビゲートした。この時女性器を交換されて実況していた千里は強いショックを受けている。
 
つまり実況していた千里の女性器が使用された。あれだけ明瞭な実況ができたのは巫女力の高いY1の可能性が高い。つまり交換されたのはY1の女性器と思われる。だから妊娠出産したのはY1である可能性が高い。
 
また予定日になってもちゃんと出て来ずに遊んでいた京平を叱ったのは多分Bwと思われる。これは妊娠している本人とは思えないのでやはり妊娠していたのはY1っぽい。
 
つまり Y1の卵子で Y1が妊娠したと考えられる。
 
結局、京平=Y1の子供、緩菜=Bwの子供、夕月=Bsの子供
 
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但し高校時代に京平と親子の契をしたのはBwである。
 

3回(4回?)も出産したのに初めて分娩台に乗った千里であるが、両手を玲羅と朋子に握ってもらっていた。
 
17時頃、子宮口が全開になり、胎児が産道へと移動し始める。これまでいきむのを我慢していたが、ここからはいきむ。やがて赤ちゃんの頭が見え隠れするようになる(排臨)。
 
「赤ちゃん見えてきたよ、頑張ろう」
 
やがて赤ちゃんの頭はもう引っ込まなくなる(発露)。ここで、いきむのをやめて、フーーーっと長く息を吐く呼吸法に変える。千里もできるだけ自分をリラックスさせる。(ここで短い呼吸にするラマーズ法は最近ではよくないと言われるようになった)。
 
やがて身体の全体が娩出される。会陰切開は必要無かった。
 
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「女の子だね」
と玲羅が言う。
 
「千里、最初は男の子、2人目は男の娘で、3人目は女の子って上手すぎ」
と言っているのは助産師の服を着た、きーちゃん!いつの間に?
 

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そんなことを言っている内に赤ちゃんが「おぎゃー、おぎゃー」と産声をあげる。
 
「おめでとう!」
という声があがり、助産師の服を着たきーちゃんが赤ちゃんを千里に抱かせてくれる。私、初めで分娩台で自分の子供を抱いたよ、と千里は思った。
 
その後、赤ちゃんは、玲羅と朋子にも抱いてもらった。助産師さんが1人外に出て廊下で待機していた貴司に「女の子ですよ」と告げた。
 
足に「細川千里ベビー」のタグが付けられ、臍の緒が処置された。それから10分ほどで後産も出て来て、出産は完了した。
 
出生時刻は17:30, 体重は 2927g と記録された。
 
「凄くスムースに出て来ましたが、ママはもしかして経産婦さんですか?」
と産科医が訊く。
「ええ、この子で4人目ですよ」
と玲羅が言う。
 
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「いや初めてのお産と聞いていたもので」
「姉は何でもすぐ忘れちゃいますから。上の3人も元気に育ってますよ」
「だったら良かった」
「友だちに1億円貸しても翌日には忘れてる人なんです」
「それはぜひお金を借りなければ」
 
ということで、どこまでジョークか分からなくなった!
 

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なお“長男”とか“長女”というのは婚姻ごとにカウントするので、緩菜もこの子もどちらも貴司の長女になる。
 
この子の名前は“夕月”にすることになった。夕方の月が見えている時間に生まれたからである!
 

 
2022.09.27 浦和での
日没 17:32
月入 18:20
 
つまり日没直前、既に太陽の一部は地平線下に隠れ始めた時間帯に生まれているが、この時月はまだ18度ほど上にある。月齢は1.4で三日月の半分程度の細い月である。
 

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関東司令室では、2Aのお産が無事何のトラブルも無く終わったことから、GとVが上等の紅茶で祝杯をあげ、それを飲みながらケーキを食べていた。
 
「だけど、私、子供たちの親子関係が分からなくなったよ」
とヴィクトリアが言うので
「これ絶対貴司君には見せられないけど、最新の情報によると、こうなっている」
とグレースが図表を見せてくれた。
 
↓子供たちの遺伝子上の両親(単に生殖細胞を貸しただけのものを含む)
(桃香が父であると生母が主張している珠那・美甘を省略する。また夏樹が代理母で産んだ子供・美奈を省く)
 
この図をしばらく眺めていたヴィクトリアは言った。
「よく分からん」
 
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「この図は、子供から見て左側が父で右側が母になってる。だから卯乃と隼人は父母が完全に逆転した、完全ねじれ姉弟であることが分かる」
とグレースは解説する。
 
「卯乃の父親は雅希・母親は早紀
隼人の父親は早紀・母親は雅希」
「うん。それは分かる。あの2人ふざけすぎ。性転換で遊んでる」
「ルーレット(*16)で負けた方が男に性転換してセックスとかやってるね」
「負けたほうが男役って、やはりセックスは女のほうが気持ちいいのかなぁ」
「早紀ちゃんは男の方が気持ちいい、射精の快感は女では体験できないって言ってるけど」
「でも女役になりたいんでしょ?」
「あの子は色々矛盾してる。人のこと言えないけど」
 
(*16) じゃんけんでは必ず早紀(虚空)が勝つのでルーレットになった。玉を投げ入れるのは雅希。早紀は雅希が玉を投入する“前”に黒か赤か言う。投入後ならどちらになるか分かってしまうから。
 
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「千里は京平・夕月・緩菜の母で、早月の父。
夏樹は来紗・伊鈴・歌声の父で、美奈の母」(*17)
「夏樹ちゃんは遺伝子的な子供が3人もいるのに誰の親でもないんだよね」
「それが辛かったみたいだけど、優子ちゃんと結婚して凄く救われたみたい」
 
(*17) 歌声は現在優子の胎内にいる子供。もう名前は付けちゃった♪この名前は女の子であることを前提としている。万一男の子だったら出生届けを出す前に性転換させて女の子にすると優子は言っている(ジョークと信じたい)。
 

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「桃香は、小空・小歌の姉弟、来紗・伊鈴の姉妹、京平・緩菜の兄妹(*18), 珠那・美甘と実に8人の父親だけど、実は遺伝子的な父親になっている子は今の所居ない」
「今の所って永遠に居ないのでは?」
 
「桃香の冷凍精子はあるから、これを季里子ちゃんに人工授精すれば、本当に桃香を父親とする子供ができる」
 
「精子があるの〜〜!?」
「桃香とセックスしたことのある女性が全員証言すると思うよ.桃香にはペニスも睾丸もあるって」
「確かに」
「もっとも過去に様々な女性から30回くらい去勢されてるけど」
「しぶといちんちんだな」
 
(*18) 桃香のことを早月はお母ちゃんと呼ぶ。由美は“もも母ちゃん”と呼ぶ。京平・緩菜はお父ちゃんと呼ぶ。
 
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その桃香は彪志・子供たちと一緒に赤ちゃんを見に行き、千里をねぎらった。
 
青葉L(妊娠中のほう)は18時頃、“千里からの!”電話で知った。
 
「じゃ産んだ、ちー姉にお疲れ様と言っておいて」
「OKOK」
 
青葉は言った。
「私唐突に思い出したけど、早月ちゃんが生まれた時(2017.5)、7年後に私も子供産むと、ちー姉が言ってたけど予定より1年早くなるみたい」
 
「それは“どの千里”が言ったのか知らないけど、たぶんコロナの影響で色々なものが変わったんだと思うよ」
 
「それあるだろうねー」
 
 
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