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■春二(11)
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9月20日から10月8日まで、高岡市の青葉家には真珠と明恵がお留守番で滞在して青葉の世話をしてくれた。2人は大学生だが、ここはのんびりと卒論を書けると言っていた。通学は、邦生さんがふたりを金沢市内まで送ってから出勤しているようである。ふたりはそこからバイクに相乗りして大学まで行く。ただ2人ともここまでほとんど単位を落としてないので、週3日くらい出席し、あとは論文を書いていれば済むようだ。
10月8日(土)朝、夏川さん(サハリン)に“出産した”千里さんのお世話をお願いし、彪志は自分のフリードスパイクに朋子さんを乗せ、熊谷の郷愁飛行場まで行く。そしてHonda-Jet
goldで能登空港まで飛ぶ。空港には青葉の助手・初海ちゃんが迎えにきてくれていたので彼女の運転するマーチ・ニスモ(青葉の車)で伏木の家に入った。
彪志はそれから10日の夕方まで約2日半、トイレの時以外はほとんど部屋から出ずに青葉といちゃいちゃして過ごした。青葉はもう5ヶ月なのでお腹がけっこう膨らんで来ている。
「でもここまでお腹が大きくなってきたら、もう来月以降はセックスしない方がいいかなぁ」
「セックス出来ないならわざわざ来ずにリモートデートにする?」
「別にセックスしたいから来るんじゃないよ!青葉に会いたいから来るんだよ」
と彪志は怒ったように言った。
青葉は笑っていた。
10月10日(祝)の夕方、真珠が送ってくれて青葉の家を出る。青葉と別れがたい気分だったが仕事があるので仕方無い。彪志が疲れている様子なので真珠は「熊谷でホテルに1泊してから早朝帰ったほうがいいですよ」と言っていた。しかし彪志は1人だけでホテルを取るのはもったいないと思い。郷愁飛行場の駐車場で車中泊した。10月の熊谷山中は寒いが、フリードスパイクにはいつも毛布と布団を積んでいる。駐車場のトイレは24時間使える。彪志は郷愁村内のコンビニで夜食とお茶を買ってきて車中泊した。
変な夢を見て2時頃目が覚める。もうひと眠りしたほうがいいかなと思い、その前にトイレに行ってくる。車から出るとけっこう寒い。もう1枚着るものが必要だなと思いながらトイレまで歩く。なんとなく小便器を使う気分ではなかったので個室に入る。
トイレットペーパーに個室に付属しているアルコールを噴霧し、便器を拭いて座る。それでおしっこをすると、おしっこは思っていた場所とは違う所から出た。
え?
と思い自分のお待ちを覗き込んで、彪志は激しい衝撃を受けた。
そのまま10分くらいぼーっとしていたかもしれない。
そして彪志は思った。
きっとこれは夢だ。
それでおしっこの出て来た付近をトイレットペーパーで拭くと、トランクスを上げズボンを上げて、流してから彪志は個室を出た。そして車をホテル富士の駐車場に入れる。(ホテル富士のほうがホテル昭和より安い)そしてフロントに行くと2泊(10/12朝まで)を申し込んだ。鍵をもらって上のフロアに上がり、部屋に入ってベッドに潜り込む。そして課長に「申し訳ありません。こちらに戻ってはきたのですが、体調不良なので11日は休ませてください」とメールを入れた。
そして自販機で買った缶ビールを一気飲みすると目を瞑って眠った。
やはり疲れが溜まっていたのだろう。彪志は11日の夕方まで眠っていた。目が覚めてからトイレに行く。便器に座っておしっこをしたが、やはりおしっこは“あの場所”から出た。
はあ、っと息をつく。
これどうしたらいいんだろう?
拭いてからトイレを出る。夕食がデリバーされているので取ってきてテーブルで食べる。それで食べながら考えていたのだが、何とかなる気がしてきた。青葉とは、月数が進んできたから、来月来た時からはセックスは控えようと言った。セックス以外の場面でペニスが無くて困ることって・・・
考えてみたが、何も無い!ヌードモデルにでもならない限り、他人にペニスを見せる場面なんて無い。
だったらペニスなんて無くても平気?
これは物凄い新発見をした気分だった。トイレは個室を使えばいいし。それで彪志は俄然元気が出て来た。
夕食を食べ終わってから更にコンビニに行ってお弁当・野菜サンド、ななチキ、薄皮あんぱん、ヨーグルト、野菜ジュース、2Lのお茶、などを買った。この時自分の声が変になっていることに気付いた。
これ女の人みたいな声だ。
コンビニには昨夜も来たけど、お股の形が変わったことがあまりにショックでそこまで気が回らなかったのだろう。
でも声くらい何とかなるかな。
それで気にしないことにしてホテルの部屋に戻り、お腹いっぱい食べた。
そしてトイレに行く。なんかこの場所からおしっこするのも悪くない気がしてきた。座ってしても、おしっこが便器から飛び出す心配が無い。確実に真下に落ちていく。出たところを拭いて、水を流す。
それからシャワーを浴びるがこの時初めてバストが大きくなっていることに気がついた。
うーん・・・
ま、何とかなるかな。身体を拭いてお風呂からあがる。
裸でベッドに潜り込むと、ドキドキしながら“女の子オナニー”をしてみる。
女の子みたいな身体を勝手にいじることに若干の罪悪感があったのだが
「ペニスが無くなったんだからここでオナニーするしか無いよね?」
と自分に言い訳する。
優しく中指で押さえ、ゆっくりと回転を掛けて刺激する。
気持ちいい!
「これ凄く敏感だ」
と思う。一瞬、パソコンのトラックポイントを連想する。女の子はトラックポイントを内蔵してるんだ!男の子のは・・・ジョイスティックだよね?
優しく優しく指を回転する。
これもしかしてペニス・オナニーより気持ち良かったりして!?
これハマっちゃったらどうしよう?
(きっと既に手遅れ。やはり2人目は彪志(月子?)が産むのかな?)
彼は多分10分くらいクリトリスの刺激を続けた。すると逝ったような感覚がある。でもすぐに刺激するのをやめるのは寂しい気がして、速度を落として刺激を続けた。
そしていつの間にかぐっすりと眠っていた。
夢の中に千里さんが出て来た。千里さんは何故か金色のカチューシャを着け金色のプレスレットを着けていた。夢の中の仕様??
「彪志君。その声は困るでしょ?喉だけ男の娘にしてあげるね」
それで千里さんは彪志の喉に触って何かしてる様子だった。
「それとその胸はブラジャー無いと歩いてて痛いよ」
と言ってブラジャーを3枚渡してくれる。
「ありがとうございます」
朝食がデリバーされてくる音で目が覚める。喉に触ってみて、喉仏は無いままであることを認識する。でも声を出してみたら男の声だった。声が男なら喉仏くらいは別にいいかなと思った。
ブラジャーが3枚置いてあった。うーんと考える。あまり深く考えないことにして、取り敢えず1枚着けてみた。確かにこれを着けると胸が安定する気がした。ちなみにこれは留めやすいフロントホックなので楽に着けられた。
またトイレに行ってから朝食を食べ、彪志は元気いっぱいの気分でホテルをチェックアウト。フリードスパイクを運転して出社した
課長に昨日休んだことを謝ったが、丸一日ほぼ寝ていたおかげで今日は快調だった(オナニーしてから寝たせいだったりして)。たくさん仕事をしてお客さんのところにも3軒出掛けた。トイレはもちろん男子トイレの個室を使う。これで特には問題無い気がした。
帰宅してからお風呂に入る。あらためて自分の身体を観察しながら身体を洗ったが、この身体も悪くない気がした。ちょっと“青葉とは別の女に浮気”しているような気分ではあるが。
あそこも両手に石鹸を付けて優しく洗った。陰裂の奥に膣があるのも認識する。完全に女の形みたい。これ青葉にバレたらどうなるかなあ。でも取り敢えず出産まではきっと離婚されることはないよね?
お風呂を出てから、ブラジャーの洗濯をどうしよう?と思ったのだが、そこにどうも“出産しなかった”千里さんっぽい人が来て
「女物の服は私に渡して。洗濯してそちらの部屋の衣裳ケースに入れておくから」
と言われたのでブラジャーを渡した。
「これだけ?今日はスカート穿かなかったの?」
「そんなの持ってません!」
「彪志君の身体に合うスカート買ってあげようか?」
「要りません!」
「でもこの後は、2階の防音室の洗濯籠に入れておいて。回収するから」
「ありがとう」
「青葉から彪志さんに下着女装を覚えさせたからよろしくと言われたから。桃香や子供たちにはバレないようにうまくやるよ」
「あはは」
あれ?でもそういえば伏木から戻る日の午前中に女物の下着一式を着せられたんだった。あまりショッキングなことがあって、きれいに忘れてた。
「でも奧さんとセックスできない状況では女装って結構気張らしになるんだよ」
と千里さんは言う。
あ、そうかも。
「貴司なんてサイズ100のブラジャー着けてたから」
「ああ、貴司さんなら体格あるから100が必要かも」
「奧さんが妊娠中に我慢できなくなって性転換手術受けちゃった人も知ってるよ」
ギクッとする。それ俺のことだったりして!?
彪志が自分の部屋に戻って旅行バッグの中身を確認すると(フロントホックではない)A85のブラジャー3枚、ショーツのLサイズが3枚セット2つ(1枚開封済み)入っている。青葉が何だが楽しそうな顔で詰めてたもんなあ。でもこれ助かるかもーと思った。別に女性用ショーツは穿かないけど(とこの時は思った)。
こうして彪志の女体生活?はごく平常に始まった。
§§ミュージックが制作し、ΛΛテレビが放送する年末の長時間時代劇「THE 天下」は10月に制作が行われる予定なのだが、一部の撮影は9月中旬から始まった。
最初に撮影されたのは、物語としてはラストシーンになる、小田原攻めのエピソードである。天下統一を進めてきた豊臣秀吉が、最後まで抵抗していた北条氏(後北条氏)を倒す戦(いくさ)であり、この戦役を通して秀吉と家康は和解し、仙台の伊達政宗も恭順して、全国統一はほぼ完了した。
この物語のラストシーンは、秀吉(アクア)と家康(常滑舞音)の連れション!である。もちろん2人ともしゃがんでおしっこする!!
(舞音が立ちションしたら舞音ファンはきっと面白がる。でもアクアが立ちションするのは国民の総意で許されない)
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春二(11)