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■春二(13)
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龍虎Fは“いつものように!”朝寝ているMを襲撃していた。
ふたりはだいたい半分ずつ仕事を分割して担当しているが概して夜間の仕事はMが受け持っている。だからFは早く寝る分早く目覚める。それで寝ているMを襲撃するのである。
「あれ〜お腹の傷跡少し薄くなってない?」
と思いながらMのクリトリス?を刺激している。
「こら何やってる!?」
といってMが起きる。
「ねね、お腹の手術跡がMのは、ぼくより薄い気がするよ。ほら、ぼくのと見比べて」
「あれ?ほんとだ。なんでだろ?」
10月1-2日(土日).
奥村春貴は富山市内の高校に行き、バスケットのD級コーチの講習会を受け、試験にも合格してD級コーチの資格を取得した。D級審判のほうは7月下旬に取得していたのだが、コロナの影響でコーチの講習会が延期されていた。
実はウィンターカップ本戦でチームを率いるためにはD級コーチのライセンスが必要だった。万一春貴がここでD級を取れずH南高校がウィンターカップに行けた場合は、男子バスケ部の横田先生(C級を持っている)に名目上のヘッドコーチをお願いして春貴はアシスタントコーチとして実質指揮を執ることにしていた。
しかし春貴がD級を取れたので、これで富山県予選に優勝できたら本戦でもヘッドコーチとして参加することができる。
なお夏のインターハイの場合はD級があることが“推奨”。これは春貴のようにまだ1年目で、D級取得が間に合わない人がいることを考慮したものか?
『ザ・天下』の“プレ制作”は9月17日(土)から10月2日(日)まで行われた。
北陸組“忍城の攻防”は富山で撮影されたので、入瀬ホルン・麻生ルミナ・古屋あらた、など東京在住のメンバーが富山空港まで運んでもらい、制作に参加している。入瀬トラン・コルネ、古屋あんころなどは地元での制作となり負荷は小さかった。出演者はだいたい津幡の火牛ホテルに泊めている。
関東組“川中島”は千葉のララランド・スタジオで制作され、九州組を宮崎空港と藺牟田飛行場から2機のホンダジェットで郷愁飛行場まで運び参加してもらった。
制作中、貴美と春世の“男の子組”は、女子寮近くのメゾン・ドゥラ・カデット(“乙姫の家”という意味)に泊め、真和は男子寮の元紀の部屋に一緒に泊まった。典佳(月城たみよ)はもちろん女子寮の自分の部屋である。
真和を見た元紀がひとこと。
「お前かなり女性化してる」
元紀を見た真和がひとこと。
「お姉ちゃんこそかなり女性化してる」
典佳は「ふたりともお姉ちゃんと呼んであげるね」と楽しそうに言っていた。
松崎兄弟の中で第1子・月城朝陽(松崎貴美 2001大3)は信玄役をしてもらった。非常に体格が良いのが猛者の信玄らしい。彼は鹿児島市で普通に男子大学生をしている。野球選手だが、卒業後も野球を続けるかどうかは未定。ただ福岡の企業から声を掛けられているらしく、弟(その頃までに多分妹になってる)の元紀と同居することになるかも。彼の出番は10月3日以降は無い予定である。(当初は三方原も予定されていたが尺に収まらないので飛ばす予定)
第2子の月城すずみ(松崎元紀 2003大1)は東京にいる間にかなり女性化が進んだようである。でも今回は男役(馬場信房:武田家の家老)をしている。夏休みの初めから東京に滞在していたが、この川中島のあと福岡に戻る。でも彼は長篠の戦いの撮影にも再度出て来てくれることになっている。
第3子の月城としみ(松崎真和 2006高1)は、夏休み明けの9月頭には女子用のブラウスとスカートで学校に出て行ったものの「やっぱり女子制服で通うの怖い」といって9月はスカート登校する日とズボン登校の日があってふふらふらしていた。友人たちからは
「根性が無い」
「女の子になっちゃったんだからスカートで出て来なよ」
などと言われていたようである。
それでも今回のドラマでは男役(山本勘助)をしてくれた。
10月からは衣替えだが、女子制服を着るか男子制服を着るか悩んでいると正直に花ちゃんなどには言っていた。
「悩むなら上は男子制服で下はスカートとかは?」
などと彼の女性化を煽った妹(典佳)には言われていたが
「それはさすがに恥ずかしすぎる」
と言っていた。彼が女子制服を着ても全く違和感は無い。
第4子の月城たみよ(松崎典佳 2008中2)は、オーディションに合格した本人であるが、背が高く腕も太く、雰囲気が男っぽくて自称も「ぼく」なので、多くの子から「元は男の子だったけど性転換手術をして女の子になった」と思われている!(自分で言ってるし)
真和が小さい頃からスカートを穿いていて親からはほぼ女の子として扱われているのに対して典香はスカートなんて学校の制服以外には持っておらず、自称も「ぼく」だし、親からほぼ男の子として扱われており“典佳”は“のりよし”と読むという説もある!?
「ぼく“のりよし”だったけど、中学に入る直前に性転換手術受けて、その後名前の典佳を“のりか”と読むことにしたんだよ」
などと自分で言っていて、信じているガールズも多い!
第5子の月城流星(松崎春世 2010f小6)はサッカー少年である。今回も当然男役をしている。
制作が終わった後は、貴美・春世・元紀・真和の4人をまとめて藺牟田飛行場に送り届けた。貴美・春世は男装、元紀・真和は女装である。飛行場に元紀の車(タント)が駐まっているので4人で乗り、まず真和と春世を実家にポスト。ここで貴美と元紀も1時間ほど休憩し、それから貴美がタントを運転して鹿児島市へ(元紀は仮眠しておく)。ここで貴美が降りたあと、元紀が運転して明け方福岡市に戻った。
福岡のアパートに帰宅したら、元紀は自分の男物の下着も服も全部捨ててしまった。それで彼はその日から女物を着て出て行くしかなくなる。敢えて退路を断ったのである。こういうのは自分を追い込んだほうがいいと彼は思った。
真和は元紀とかなり話しあった結果、「迷ってるならまだ男の振りをしてろ」と言われ、月曜日からは取り敢えず男子制服“姿”で出ていくことにした。女子制服で出ていけばもう“後戻り”できなくなる。もっとも彼は既に“後戻り”可能なポイントをとっくに過ぎている。
彼は男子制服風の姿で出て行くにしても、ワイシャツではなくブラウスを着るし、下着も女物しか着ない。トイレも男子トイレは使わない(そもそも使用禁止されている)。生理が来た時は女子トイレを使わせてもらうし、その間は女子制服を着る。。。つもりだったが、16日に生理が来たことが女子全員に知られているので、実際には10月3日以降、男子制服を着てても女子トイレに入ることになってしまった。
また男子制服で登校した日も、部活(コーラス部)や音楽の時間は男子用ブレザーを脱いで女子用ブレザーを着てソプラノの所に入る♪またスカートを穿いてからズボンを脱げばボトムもスカート姿になってしまう!
真和は9月2日に肉体的には女の子の身体になっており、“魔女っ子千里ちゃん”との約束では、1ヶ月後に男に戻すかどうか決めるということだったのだが、“魔女っ子千里ちゃん”は10月2日 0:00 (東京の男子寮に居る)になっても来なかった。10/3 0:00 (鹿児島の実家に居る)にも来なかった。
きっと忘れているのだと思う。とにかくあの子は物忘れの酷い性格である(千里全員の共通の性格)。
真和としても男の身体に戻してもらう必要は無いと思っているのでこのままで構わない。そして学校もずっと女子制服でもいいかな・・・と思い始めている。
一方で、藤弥日古(広瀬のぞみ)は『天下』の撮影で東京に居る間は
「もう女の子になっゃったみたいね。それにそもそも実家でも妹さんと同室だったんだって?」(*37)
と言われ、女子寮の妹の部屋で一緒に寝泊まりしていた。彼のidカードの性別も女性に変更されてしまった。
でも部屋では妹に裸に剥かれて
「すごーい。本当に女の子になっちゃったんだ?」
と確認された。
「生理も来たのならもうパーフェクトだね」
そして、翌日(9/18 Sun) には女子寮の全員に「みづほちゃんのお兄さん、性転換手術を終えて完全な女の子になってお姉さんになったんだって。もう生理も来たって」と情報が伝わっていた!
10月2日(日) 夕方、弥日古はHonda-Jet
oldblueで宮崎空港まで送ってもらい母の車で都城の実家に帰還した。
弥日古は長袖Tシャツと秋物のロングスカートという格好である。明日からは衣替えだが、弥日古は冬服の女子制服で通学するつもりである。弥日古は既に学校の登録が女子になっているので女子制服で登校するのに何も問題は無い。むしろ男子制服を着てはいけない(そもそも持ってない)。
「楽しかった?」
と母に訊かれる。
「一応男役要員として呼ばれてるから男役(上杉四天王の甘粕景持)だったけど、ああいうお芝居するのは楽しいよ」
「それでどうするの?§§ミュージックに入るの?」
「まだ決めてないけど入ってもいいかなあと思ってる。私、大学とか行く頭無いし。それで高校出て、スーパーの店員とか、コールセンターで働くとかよりは、芸能関係の仕事してもいいかなあと。あそこは女社長だけあって、変なサービスを強要されたりすることも無さそうだし」
「そういう芸能事務所も結構あるみたいね!」
「それにあの事務所、アクアがいるのもあって、性別の曖昧なタレントさんやスタッフも多いから私みたいなのも居やすい感じで」
「ああ、それは大きい気がするよ」
それで弥日古は帰宅すると、御飯を食べお風呂に入る。身体を洗っていて
「ほんとに女の子の身体はいいなあ」
と思う。おっぱいがあるのは素敵だし。お股に余計なものが無いのも素晴らしい。
お風呂を上がると2階の自室に入る。
この家は3LDKである。それで夫婦が1階Aの部屋、弥日古(広瀬のぞみ)と真理奈(広瀬みづほ)が2階Cの部屋、留依香が2階Bの部屋を使っていた(*37). それで真理奈が東京に行ってしまったので、今この部屋は弥日古がひとりで使用している。
しばらくスマホゲームで遊んでいたが(←お勉強は?)22時頃眠くなってきたので
「結構疲れたかな」
と思い、布団に入った。
(*37) 弥日古と真理奈が同室になった経緯:(読み飛ばし推奨)
彼女たちの兄弟は下記である。(性別は出生時の性別)
藤井寿海2002(いずみ♂)
藤弥日古2004(やひこ♂広瀬のぞみ)
藤真理奈2006(まりな♀広瀬みづほ)
藤留依香2008(るいか♀)
最初に第1子の井寿海が独立して2階Bの部屋をもらう。次に第2子の弥日古も独立して2階Cの部屋をもらう。(この時点で両親は先のことを何も考えてない)
第3子の真理奈を両親の部屋から独立させようということになった時、部屋が塞がっているので、上のどちらかと同居させることにする。ここで井寿海は大きかったので、小さい方の弥日古と同居させた。一応2人の“領域”の間にはカラーボックスや段ボールを積み上げて分離している(年々真理奈の領域が広くなってきている気がするのは気にしない。弥日古は優しい)。
それにこの時点で弥日古の女性傾向が明確になっていて、弥日古は女の子下着を使いスカートを穿いていた。だから女の子の真理奈と同室でいいだろうと両親は思った。つまり両親は弥日古を女の子に分類していて、男の子の井寿海と女の子の弥日古を同居させることは考えなかったのである。
だから弥日古と真理奈は元々仲が良かったし、実は弥日古のお下がりのスカートとかを真理奈は穿いていた。弥日古が読んだ少女漫画を真理奈が読んでいた。それで実は真理奈は弥日古を元々「お姉ちゃん」と呼んでいた。2人の部屋にエレクトーンも置かれていて弥日古も真理奈も弾いていた。弥日古が音楽教室に行きたいと言ったので習わせることにし、真理奈もそれに興味を持ったのでふたりで一緒に通った。発表会では“姉妹で”お揃いのドレスで連弾したりしていた。ギターとかフルート(最初はファイフ)などは2本買ってもらい一緒に練習していた。
井寿海が高校進学で宮崎市に出たので、そのあと留依香がBの部屋に入った。一応部屋を真ん中で分けて、両者の間にはカーテンを引いているので、夏休みなどに井寿海が帰省しても特に問題無く部屋をシェアしている。
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